2011年09月06日

トルキエ将国の十三州制と部族社会からの脱皮

 大トルキエ内部では四将国が完全独立を求めて動乱が起こったけれど、それ自体が複数の部族で構成されたトルキエ将国自体は見事な一体感を保っている。国内が単一部族で構成された四将国よりも、まとまりを感じるくらいだ。
 それは何故か。ヒントは十三州の制度と形状にあると考える。

 古代ギリシアのアテネにはクレイステネスの改革と呼ばれる政治改革がある。この改革が行われる前のアテネでは、それぞれの地域の住民が自分たちの権益を追求して、全体の利益をさまたげ政治が不安定だった。
 そこで偉い人クレイステネスは都市部、内陸部、海岸部を、それぞれ10地区にわけて、ひとつひとつの地区を3つ合わせて1つの「部族」とした。この方策によって、地域ごとの利害追求は相殺され政治が安定したという。また10個の部族から「将軍」を一人ずつ出して、全軍の指揮を一日交替で行うことにした。

 トルキエ将国のシステムはこれに似ているのではないか。
 領土だけではなく、首都アルトゥンも13の地区に分けられている。ここも十三将軍の支配下にあるとすれば、将軍たちは必然的に都市民、遊牧民、隊商、灌漑農民など複数の生活様式をもつ人々を支配することになる。
 将軍が彼らの利益を代表しようとすれば、自然と偏りは打ち消される。また、部族分布図とひたすら幾何的な州の形は一致しておらず、特定の部族がひとつの州を席巻することにもなりにくい。
 州の住民が支配者である将軍に対して、どの程度の権利をもっているのか明らかにされていないが、もしかしたら陶片追放に似たことが可能なのかもしれない。
 水門のサルジャもあれで、自分の出身部族に依存するだけではなく、州民に支持される行政手腕を持っていたのではないか。

 このような政策――と大将軍への集権、絶え間ない帝国の脅威によって――トルキエ将国は均質的で安定した統治を可能にしているのだろう。


将国のアルタイルの目次

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
今月のイチ押し
魔王城でおやすみ 5 (少年サンデーコミックス)
カッコイイ構図に見せかけて……


2017年10月購入予定コミックス一覧
Recent Comments
スポンサードリンク

おもちゃ/ ぬいぐるみ/VOCALOID3 MAYU団子 コスプレ道具小物 アニメ/コスプレ/アニコス


profile
永遠に覚醒しない楚の荘王

漫画を愛する心に卒業なんてないんだ…

趣味
 読書、作文、漫画、写真、天体観測、石集め、歴史(古代欧州、三国志、日本戦国時代)、ネットサーフ、その他たしなむ程度にいろいろ。
そして、このブログ

このブログへのトラックバック、リンクはご自由に。
トラックバックは可能な限りお返しします。どんなに古い記事でもトラックバック・コメントをいただければ喜びます。

更新の目安…かも
月:ジャンプ感想
火:月刊漫画誌感想
水:サンデー感想
木:チャンピオン個別感想
金:チャンピオン感想
土:漫画単行本・マガジン感想
日:漫画考察・Web漫画紹介