2011年10月26日

将国のアルタイル 52fasil花の一計(フローレンスSIDE)

 同日、会議踊るための準備体操に余念がない花の都フローレンスでは、スレイマン長官の危惧したとおり、カテリーナ大統領は悪い返事を用意していたのだった。
 あの目立っていた青年が大統領付秘書官の職にあったとは驚いた、てっきり自宅政治評論家かと……。熱血なジャコモ・ロレダンくんは国内の大物をずいぶんと動かしてくれた模様。少なくともコンスタンティノス副市長よりは実行力がある。
 彼と御歴々の主張はずばり「アンチ大トルキエ」。大統領への提言の中にバルトライン帝国への評価はまったくなく、蛮族嫌いに凝り固まっている……お前らそれでも政治家か!

 彼らがトルキエを公然と嫌っていられるのは、逆説的だがトルキエが歴史的に危険な国ではなかったからだ。もしも直接的な脅威のあるバルトライン帝国みたいな国が相手なら、我が身を守る力をあまりにも持たない連中は、脅威が持っている長所を必死になって探す必要に迫られる。
 さもなければ心の平衡が保てないから……悪辣な隣国に侵略される恐怖に毎日耐えられるものではない。そんな可哀想なお友達がフローレンスの3分の1にも達しているわけだ。
 これは非常にゆゆしき事態で、たとえカテリーナ大統領を暗殺しても事態が好転しないことを物語っている。やはり彼女を直接説得しなければならないが、誰かさん達と違って大統領は私情と政治を分けて考えられるお方。
「スレイマンだいてー!」なんてギャグは飛ばしてくれぬ。ぐぬぬ……。


 かくなる上は自分の仕事は別にあると豪語して、総司令官を受けなかったザガノス将軍の出番!

ザガノっさん「一軒一軒回って、残り3分の2の署名を一晩で集めて来たぞ!!」ドヤッ

 そんなジェバンニが無理なら、会議中に怪しげな霧が部屋に流れ込んで来て、みんながみんな何だかとってもいいかんじになってしまう展開はどうだッ!!

 ……大将国会議での反省も踏まえて多数派工作への備えが何かほしいところだ。せめて頼りになる与党をみつけたい。
 有望株はやはりヴェネディック絡みの国家。共和国の影響を強く受ける沿岸諸国の中には三国同盟についてくれる国が現れてもおかしくない。スクゴリオにすら棲息するヴェネディックの密偵のこと、軽く30人はフローレンスに潜んでいるはずだから、夜が明ける前に彼らと接触しておくべきではないか。
 スレイマン長官が覚悟を決めた正面からの説得は厳しい気がするよ……アカイブ会戦の直前やウラドの会談で、見事に人々を翻意させた外事局長の演説を持ってしても説得材料が不足している。

 特に、日頃は侵略戦争に勤しんでいないトルキエとウラドの陸軍が確たる実績を挙げていないことが、ルメリアナの心臓諸国を味方につけるためには問題である。
 四将国内乱はしょせん同質の軍隊同士の戦いだし、12年――いや13年前の戦争はエキゾティック殲滅戦みたいな劇的戦果を挙げられていない様子(ピノー大将は負けを認めていたけど)。ウラド王国の槍騎兵にしても帝国軍を殲滅したのは400年前だ。実物も見せずに今でも有効と認めてもらうことは難しい。
 それでもまだ、二国はバルトライン帝国と戦える力があると前向きに評価することもできる。三国の他にバルトラインと戦って滅びていない国がないこと、ポイニキアやスクゴリオの惨状を思えば、今こそが帝国の支配から逃れる最後のチャンスなのではないか。マフムートとしては、この線で攻めるしかない。
 最終的に帝国軍を撃退した将国と海の都がルメリアナの心臓を山分けにするオチだったら良いなぁ。お隣の蛮族共がしっかり軍事的恫喝を掛け続けてあげていれば、統一された国家が誕生していたかもしれないのにねぇ。
 いやぁ、まったく、フローレンスと愉快な仲間たちは運が悪いなぁッ。


 スクゴリオを制圧し、ポイニキアにも兵を置くバルトライン軍は二方向からフローレンスを攻撃できる体勢にある(そして帝国ヒロイン三人が揃う!)。仮に彼らを味方につけることができても、苦しい戦いになることは避けられまい。
 しかし、ルメリアナの心臓が帝国の旗で満ちれば、苦戦どころでは済まない。トルキエ将国の脆弱な脇腹はがら空きになり、鉄壁のヒサールを迂回してきた帝国陸軍がポイニキア経由で送られるサロスの兵糧を使って、首都アルトゥンに攻め込むことになる。
 またもや犬鷲の将軍は「祖国存亡の危機」を目の前にしているわけだ。大国滅亡級の陰謀を十重二十重に仕掛けている地図マニアが恐ろしすぎる。きっと、これを乗り越えても次のトラップカードが発動するんだろうなぁ。ずっとルイのターン!
 もしかしたらザガノス将軍は後輩が帝国筆頭大臣の延々と続く策謀を凌いで、いつかトルキエのターンが来ると信じて、反撃の策を練っているのかもしれない。いちど発動したら敵にマフくんがいても折り返せない威力の“ばよえ〜ん×∞”を頼む!


将国のアルタイル 51fasil花の都 感想
将国のアルタイル 52fasil花の一計(スクゴリオSIDE)
将国のアルタイル 53fasil大陸の心臓 感想
ポイニキアの末裔たちが抱く対トルキエ感情の差異ついて
将国のアルタイルの目次

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