2011年12月17日

タイタニア2巻感想

 ワイゲルト砲一斉射撃!扱いにくすぎる玄人好みの超兵器での、一発逆転はSF艦隊戦の華。
 天才にしかまともに運用できない兵器でも、まぐれ当たりはありえるし、弱者が自分は無力ではないと心を励ます役には立つ。そして、実際に天才にもたせてしまえば、損害10万人……アリアバートが戦死しなかったのは、ただ単に運が良かったからに過ぎない。むしろ運が悪かったと考えるむきもある。
 後でヒューリック共々ピエロであったことが判明してしまったからなぁ。実に憐れ。

 勝利の立役者でありながらエウリア星系を追われたファン・ヒューリックは、ザーリッシュ・タイタニアの変態弟が治めるエーメンタールに辿りつく。
 英雄本人が安定した収入源を職安で探しても“不安定極まりない収入源”の方が、ヒューリックを放置してくれないのであった。

 ヒューリック相手に見せている顔だけなら、アルセス・タイタニアもそれなりの人物に見えるところが興味深い。現実には兄に「ハッ。耽美などという言葉は変態の自己正当化にすぎんではないか」と恐ろしい正論を言われてしまう人物なのに。
 “社会の害虫”であっても「タイタニアのもとでの生」なら得ることができる。アルセスにとっては「タイタニアを離れての生」など想像の埒外かもしれない。

 人が宇宙空間を飛びまわれるようになっても、社会は窮屈だ。人が好きこのんで窮屈にしているとしか思えない。

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タイタニア(2) (シリウスコミックス)
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Edit こいん │Comments(5)TrackBack(0)漫画 

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この記事へのコメント

1. Posted by    2012年05月05日 08:56

 「軍事とアッチは素人の方が凄い」という見本みたいな話ですね。

 そして一旦生まれた「名声」は、それが「死」という最終失墜を迎えない限り、どこまでも付きまとう。

 原作からしてそうですが、とにかくここで一番肝心と思えるのは、ヒューリックがエーメンタールを選んだのは、単なる思い付きに過ぎないという点。

 そしてそれはもし彼が他の星を選んでいたらまた違ったであろう、多くの人間の運命も大きく変えてしまうことになると。
2. Posted by こいん   2012年05月05日 12:20
 アッチってドッチでしょうか。
 名声は死で完成することもありますから厄介です。敗死なら失墜する場合も多いでしょうけど。
 悪名も同じく一生つきまといますね。特に情報化が進んだ社会だと、別人に生まれ変わるのは相当難しそうです。

 この世界の後世にはヒューリックがエーメンタールを選んだことを運命と評する人もいるでしょうね。
3. Posted by 陣   2012年05月05日 17:27

 また世の中にはハンニバルのように「負けても(勝った相手以上に)名将」というのがありますからね。

 そしてヒューリックの「名声」が大きいのも「そうであってほしい」という時代の願望が大きな役割を果たしていると。

 
4. Posted by こいん   2012年05月05日 17:43
 名声の点ではグスタフ・アドルフやネルソン提督みたいに勝利の最中に死ぬのが理想でしょうね。
 でも、ヒューリックの性格だと最悪だと言ってのけてくれそうです。

 時代の願望に最後まで応えてしまえる才能を持っていそうなところがヒューリックの恐ろしさですね。
5. Posted by 陣   2012年05月05日 19:34

 今のところ彼の存在と動向は、あくまでタイタニア内部の争いの駒に過ぎない感じですが、それを抜け出すかどうかもポイントですね。

 その辺りはむしろドクターの領分かもですが。

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