2011年12月24日

タイタニア3巻 流星旗軍

 鼠を裂くのに牛刀をもちいるザーリッシュ提督の流星旗軍狩り!めぼしい牛がいないなら、牛刀を鼠相手に使うこともいたし方ない。
 タイタニアが無欲なら軍縮して鼠用の刃物に持ち替えているかもしれないが――星間同盟が健在だから暴力装置をもちつづける言い訳は立つ。権力者にはわかりやすい敵が必要なのであった。

 流星旗軍は手前の餌を食ったところで撤収していれば、タイタニアに多大の戦費を強いたことになって大きな勝利をえられたのに。自分たちの利益は喜べても、敵の出血だけでは喜べない。そんな思想ではゲリラ部隊としては未熟すぎる。
 まだまだ海賊の寄り合い所帯に留まっている。独自に撤退を決めたリー提督が私財を部下に与えなければならなかったように資金的な裏付けが弱い点が弱点だ。タイタニアから物資を奪わなくても活動を継続できる体制が整えば、もっと活発で柔軟なゲリラ戦が可能になる。
 そういう資金の流れを構築できそうな人材を考えると――マフディー中尉は意外な重要人物になるかも。

 タイタニア内部ではリディア王女がバルアミーの取り込みを完了した。野心的なのは結構なことだが、それが焦りにつながって大量の隙を生じている藩王の甥っ子にも困ったものだ。自分ではなく、父親をタイタニアの当主にしたいと考えているから、のんびりしていられない様子。
 そのせいで、父親に謀叛の類を及ぼしてしまえば、親孝行への意欲が親不孝をもたらしてしまうわけで、皮肉な話である。
 まぁ、リディア王女が存分に手綱をとってくださることであろう。表紙になっている非タイタニアの彼女を見ると「タイタニアにあらずんば人にあらず」のアオリが悪い冗談に聞こえてくるのだった。では、タイタニアならぬ身でタイタニアを操るロリ王女は神だとでも!?

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この記事へのコメント

1. Posted by ミヨキチ   2011年12月24日 18:36
ウラニボルグ内の大物ランキング
リディア>>>アジュマーン>>ジュスラン>残りの三公爵
>執事&メイドさん>バルアミー>その他有象無象タイタニア
これくらいの印象です
2. Posted by こいん   2011年12月25日 19:18
 納得してしまいましたが、バルアミーは執事&メイドさん以下ですか!
 たしかにリディア様はバルアミーより使用人の方を丁重に扱っている印象がありますけどっ。
3. Posted by    2012年05月05日 09:03

 「バル」という呼び方自体が、まるで犬か馬かという感じですからね。

 とにかくこのコミック版では、オリジナルの部分も加え、原作に比べてもリディアの存在が大きいというか。


 あと面白いのは、オリジナルのアニメ版では、アジュマーンがジュスラン以上にリディアを評価している傾向なんですよね。

 あちらではリディアはアジュマーン自身に面会に行き、ジュスランに預けられる感じになっているわけで。
4. Posted by こいん   2012年05月05日 12:24
 呼び方もそうですが、偉いから偉そうにするというより、偉そうにしていたら偉いと認められている印象があります。
 生まれ育ちの力でしょうか。そういう態度が許される年齢と知性をあわせ持っている点がリディアの凄みでしょうね。
5. Posted by 陣   2012年05月05日 17:23

 この辺りが「小さくとも王女」というところですね。

 そしてそれが出来るのも、ジュスランが「話の分かる」相手と見ていればこそというか。

 おそらく相手がアリアバートでも同じような話し方はしない感じも。

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