2012年02月26日

将国のアルタイル 55fasil 牡牛の傭兵団

 鐘の都領内クーバ村。浅黒い肌の人々が住むささやかな村で、帝国軍が紳士的に協力を求めていらっしゃる。
 まともに交易が機能しそうにない政治状況で、種籾まで持っていかれたら、金貨があっても餓死というミダス王の運命をたどるほかなし。まぁ、戦争慣れした賢い農民はなんだかんだと言いながら、最低限のものは隠し持っているものだ。
 南ルメリアナの民が国家が滅びるような戦争になれていることを祈ればいいのか、いままで幸せでよかったねと微笑んでやればよいのか……。もしかしたら、参戦国の領土ではなく間に挟まれた土地がもっぱら戦場になる点でも、日露戦争に似るかもしれない。

 とりあえず帝国軍の兵站は現地調達方式。ナポレオンが得意とした戦争によって戦争を養う方向で行くようだ。少なくとも現地で手に入れる食糧が無視できない比重を占めている(マフムートの謀略でサロスからの小麦が届かなかった影響もあると、後で分析されている)。
 考えを進めればバルトライン軍の侵略を留めるには組織的な焦土戦術が効果的になる。だが、強い権力の持ち主が南ルメリアナ地方を広く治めているわけではないから、ロシア人の常套手段は実行困難である。
 南の方だから冬将軍も大人しくしているし――地中海性気候だから結構雨が多いんじゃないかと思うけど、そこは古代ポイニキア帝国のお膝元。彼らが建設した全天候性街道がまだまだ機能している模様。
 ところで徴発された食糧の中にある魚を見てくれ。どう思う?


 すごく大きいかは不明ながら、ドキッ!野郎三人だけの入浴シーンが来た。
 違いの分かる男キュロスの垢すりは、やっぱり古代ローマ形式。オリーブオイルを塗って擦ってね!背中を綺麗にしてくれる奴隷がいなかったら、壁に背中を擦りつけていると皇帝が大笑しながら奴隷を送ってくれるよ!
 ……アビリガが、ご主人様と呼びながらマフムートの背中を流している様子は、いささかハマりすぎかもしれない。人体の秘孔を知り尽くしたアビのマッサージ。受けたら寿命が一年は伸びるね!

アビリガ「あ」
マフムート:ビクッ!(ひ、ひでぶ!?)
アビリガ(刀傷ちょうど100個だ〜)

 陸にあがったヴェネディック人にポイニキア人が得意げにヴルカーノ火山の説明をしていると、不潔な連中が乱入。外で体を流していたキュロスのマナーが一瞬で無駄になった。
 まるで北海道の銭湯で起きた問題のような……よくみると“馬”が入浴していて笑った。頬っぺたに十字傷があって、あんまり働いてくれそうにない馬でござるなぁ。
 不潔ながらも脇毛の処理はおさおさ怠りない、などとまじまじ観察してしまい、おえっぷ。
 ※この後、水中から古代ポイニキア人が現れて、入浴マナーを厳しく指導し、温泉街を建設してくれました。

 アルノで見覚えのある顔は牡牛団のエルバッハと名乗る。彼の語る傭兵事情が興味深い。派手なビラビラのついた格好はランツクネヒトを思わせるが、れっきとした南ルメリアナ地方の出身者たちである。
 エルバッハの案内でやってきた傭兵製造工場のタウロ市はかなり異様な都市。濠をいっぱいにする灼熱の源泉とは贅沢だ。高い城壁は何度も地震に襲われてきたことであろう。ヴルカーノ火山の噴火によって一瞬にして灰の下に埋もれる危険もある。
 中身も大したもので、夜遅くまで大賑わい――ただしオアシスの街に比べると品がない。まぁ、あちらでも行くところに行けば娼婦がたくさんいたと思われる。長旅の隊商も大変なのだ。
 奥手なマフムート将軍は当然のように“クラスアップ”を拒否。操をたてている娘と言われて、少しでもシャラのことを思い出してくれたら嬉しい。あんな風に拒否しておいて、ここで流されたら申し訳が立たない気分にはなるんじゃないかな。

 しかし、ひと晩で買った娼婦の数を競うとか、冷静に考えると病気が怖すぎないか?温泉で不潔さを披露していたことも、戦闘時の負傷を考えればゾッとする。ちょっとした怪我でも、傷口から菌が大量侵入して酷い病気になる恐怖。
 傭兵の稼ぎで華やかだが、タウロ人はおそろしく刹那的な人生を送っている気がした。
 そんな連中のボスは双子の兄弟。デルッチョは両足がなく、エスケルドは両腕がない。どれだけ戦闘経験を積んだら、こうなってしまうのやら。彼ら傭兵は、ルメリアナの心臓地方で言われていたほど、戦いを忌避しているわけではなさそうだ。
 山岳地帯でオルケスタが相手になったりすると血みどろなのかなぁ……実は全部、タウロ市での模擬戦闘が原因だったら苦笑い。古代ローマ人は訓練を血の流れない実戦と呼び、実戦を血の流れる訓練と呼んだというが、毎回2ケタの死傷者を出すタウロ市の訓練も、古代ポイニキアの伝統を受け継いでいるのかもしれない。
 ついでに清潔の伝統も受け継いでほしかったー。

 実力をこよなく愛するタウロ市の双つの角は、マフムートにこの実地訓練を課す。400人を使って、400人が守る牡牛門を攻めろと。5000人で23500人を破った犬鷲の将軍にむかって易い条件をつけたものだ。1200人にしておくなら今のうちだぞ!
 と脅しておいて、デルッチョの帽子に刺さった羽根を奪いさえすればいいのだから、トゥグリル人にとって勝負は一瞬。

マフムート「いっけぇ!イスカンダルーッ!!!」

 ……スレイマンが既に訪れていて、同じ手を使っているかもしれない。耳役が居るってことは、目と耳と淫行の長官がここを訪れている可能性は高いからなぁ。裏の裏をかく策まで練っておいた方が賢明だ。
 幸か不幸か気心の知れたエルバッハは攻撃側に加わってくれた。勝利の暁にはマフ子さんとアビ子さんが手ずからトルキエ宝飾をプレゼントすると約束をすれば、士気の爆発的な上昇は間違いなし。
 行くじぇ野郎ども!今夜は皇帝の居城で豪遊だ!!


将国のアルタイル 54fasil 冀う星々(大トルキエSIDE)感想
将国のアルタイル 54fasil 冀う星々(国外SIDE)感想
将国のアルタイル 56fasil 犬鷲の教程 感想
タウロ市の牡牛門を攻略せよ!
将国のアルタイルの目次

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この記事へのコメント

1. Posted by kojirou   2012年02月26日 21:59
5 いや、傭兵ですから火と酒の使い方と病気の恐さは熟知してると思いますよ。
その上で健康と体力のアピールに一晩の女の数を競っているのだと。
「バカ野郎!風呂入る前に傷焼け傷!」
2. Posted by こいん   2012年03月02日 19:33
 コメントありがとうございます。

 まぁ、しっかり管理されているでしょうね。不潔の方は史実と比較すれば仕方ないことでしょうし。
 一晩の女の数を競うのは、おっしゃられた理由の他に「財力」のアピールもありそうです。財力がなくてもいける「ルックス」や「話術」も入るかもしれません。

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