2012年06月26日

将国のアルタイル 59fasil 鐘の都の少年

 悲劇は繰り返す。
 トゥグリル村の悲劇を彷彿とさせる鐘の街の劫掠が描かれる。直接マフくんが目撃してしまったらトラウマがフラッシュバックしかねない。非常に心配だ。実際、目の当たりにすることになっても、なんとか冷静さを保ってほしい。
 帝国軍の士官が語っていたように、男と女を奴隷に売り、老人と子供を殺して、町を焼き払う蛮行は威圧効果に優れている。バタバタと将棋倒しの勢いでカンパーニャの周辺諸国が帝国の軍門に降っていく。
 兵が略奪暴行の味を覚えてしまえば質が低下しそうなものだが、ピノー将軍がひきいる帝国軍には微塵もその気配が見られないところが恐ろしい。インモラルな行為をするにあたってもモラルが高い連中だ。正面からぶつかるのは得策ではないな。

 しかし、カンパーニャの運命が知られたことで、いったん帝国に反抗することを決めた都市が、おいそれと降伏できなくなってしまったのも確かである。どうせ滅ぶと分かっているなら、市民のひとりひとりまで死力を振り絞って抵抗するはずだ。
 それはもうカルタゴのごとく。
 バルトライン帝国とは分かりあえるみたいなことを言っていたフローレンスの反トルキエ派連中は今どんな気分?ねぇねぇ、どんな気分?フローレンスが征服されたら、牢屋の中の彼らは多くが売り物にもならないと殺されてしまいかねないよ……。

 ところで、無抵抗で降伏した例とされるスクゴリオだって、国境の砦では帝国軍と干戈を交えていないか?それを考えると見せしめを前提としたアンフェアな扱いだった印象が消しきれない。かなり抵抗したポイニキアだって、ここまで酷い扱いは受けていないわけで。
 鐘の都の生き残りが帝国を恨んで当然である……少年を含めても一握りしかいないけど。まぁ、トゥグリル族のマフムートとスレイマンの例もあるからな、今度も生き残った数人がバルトライン帝国の息の根を止めるキーマンになってしまっても不思議はない。
 楚は三戸になっても秦を滅ぼすと言ったものだが、そろそろバトルライン帝国が滅ぼした生き残りが三戸分に近づいてきた。
 まずは、パスコ少年が今回見せたローリング鐘アタックを発展させれば、ヒサールに迫る帝国軍を壊滅させる兵器にすることが可能だ。ドンキーコングパパみたいに鐘を下に投げまくれ!
 鐘に火薬を積めれば、大英帝国が開発した高名な兵器にも似てくるぞ。やっぱ、パンジャンドラムよりも青銅の鋳造で大砲造るんだと思うけど。


 洞窟の出口でARMSのグランドキャニオンを思い出す奇襲をうけたブランカさんは、体勢を立て直して戦えば、なかなかに強い。死亡率の高い前線の耳役でありながら、しぶとくやっている。おかげでエレノアとのバトルヒロイン対決が楽しみになる。
 エミリオも相当強かったし、帝国に近い国には武闘派の耳役が優先的に配置されているようだ。まぁ、当然だな。
 あきらかに戦闘向きではない乙女の都の耳役、オリーバには「早く逃げて!」と言いたいのだが、彼女の姿からは逃げる用意が感じられなかった。
 巧く立ち回って帝国領内となった乙女の都で、情報収集や破壊工作をやってくれれば、非常に助かるのだけど、帝国内の耳役網を壊滅させた赤蛇教団の実績から考えて悲しい結末になる可能性が高すぎる。
 見かけによらずオリーバが、エレノアさえ圧倒する武術の達人だったら良いな。

 最後はタウロ市を味方につけたことにより破竹の進撃を開始したマフ軍一行から中継。
 三国同盟軍の先峰は、順調に南下して央海十二都市のチエロに王手を掛けている。天上の都を押さえたうえで、海峡の封鎖線を破壊して、ヴェネディックと補給線を繋げれば、ひとまずは安心。帝国軍の東進に強靭な抵抗が可能になる。
 逆にチエロが帝国についてしまうと、トルキエ軍はノコノコと長い補給線を延ばしてピノー将軍の前に出ていくのに、同じになるかもしれない。タウロ市まで後退したくなっても、カンパーニャになされたことを考えると、前線の都市を見捨てにくい。厄介な状況になってしまう。
 マフムートが積み重ねた布石が、吉と出るか、凶と出るか。競争の答えが出る時は、すぐそこまで迫っている。


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 ヤケドしますよ……!!と、すごんでいるマフくんの向かいに、悪い顔をしている小アルのザガノスさんが居て、対比に笑った。まるで熱い鍋で火傷をしないように、アドバイスしているみたい。

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この記事へのコメント

1. Posted by 7743   2012年06月28日 07:34
トルキエ側の都市国家が手の平返す って可能性が気になる所

よく見ると マフ君は結構悪質で、南ルメリアナ都市国家からすれば 軍備拡張したいのにタウロ市がトルキエ側な以上、トルキエに協力的にならざる得ない、、、、、、と

なるほど、逆にいうとトルキエ側都市国家へ「残虐な帝国に対する安全保障としてタウロ傭兵を派兵します」ってアピールが出来る

トルキエ側都市、トルキエへ安全を要求(トルキエ軍増派&駐留)→トルキエにも増派の余裕はない→だからタウロ傭兵を代わりに派兵

なるほど タウロとの同盟がここで生きて来る、相変わらず隙のない展開で

鐘はなんか酔いそうな気はしました
2. Posted by こいん   2012年06月29日 22:57
 南ルメリアナの都市国家は手のひらを返すと、自分の国が最前線になってしまう可能性があるので、立ち回りが非常に難しいですね。
 どっちにしろ最前線になる国は情勢に合わせて着く相手を変える手もメリットがありますが、少し後方にある国は簡単には動けないと思います。
 数カ国がまとめて裏切って遠征軍を一挙に壊滅させる謀略が企てられるなら、また別ですが。

 鐘攻撃をやったあとのパスコ少年はブランカに掴まれるまま動いていましたね。
 やはりまともに動ける状態ではなかったかと。

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