2013年04月26日

将国のアルタイル 67fasil 海神の子

 海峡の海戦は全戦線が一様に展開する。
 強引に白兵戦に打って出たリゾラーニ・帝国連合海軍は、船上での戦いに優るヴェネディック海兵によって滅多斬りにされてしまう。
 せっかくの戦闘力をもつ帝国兵は揺れに対応できない模様。これまでの封鎖作業では適応できなかったか。立って戦うのは座って漕ぐのとは別だからなぁ。これあるを予期して戦闘訓練を行う提督がいなかった点が惜しまれる。あるいは「連環の計」が使えていれば帝国兵も、物の役に立ったかもしれない。
 帝国兵を活躍させるための兵器として簡単に思い付く“コルヴス”は……気象条件から考えて確実に転覆の原因になるね!アマデオが操艦していても厳しそう。
 頼りになるはずのリゾラーニ兵の方は操艦に優れすぎるために接近戦は苦手という残念な状態。まるでカルタゴ人である……。カルタゴ人とローマ人が組んで戦い、ヴェネチア人に敗れたってことになるのかな。
 サロス海軍は参戦していたら、接舷斬り込み戦自体が成立しないレベルだったかもしれない。どうせ漕ぎ手には奴隷を使っているから。
 リゾラーニ人の醜態を見ていると、ポイニキアの湾内の海戦で良い働きをしたキュロスが物凄く強いような錯覚に陥る。でも、まさかマフムート一行のグルメ兼狼煙係がそんなに強いわけが――うん、錯覚に違いない。

 ついには、天才児アマデオまでもが光を奪われる大怪我をするのだが、海神に愛された男は奇跡の雷を呼ぶ。
 そして、第六感――は元々もっていたから、第七感を開花させてのヴェネディック旗艦への突撃!まさかアマデオが海闘士だったなんて!!
 土壇場で一発逆転の可能性がある行動に打って出るところは、レパント海戦のオスマン帝国左翼艦隊、ウルグ・アリ提督みたいだ。ウルグ・アリが戦っていた相手こそ、ジェノバのジャンアンドレア・ドーリアだったんだがね。なんだか皮肉だな。

 ただし、レパントの海戦と違って総司令官の乗った船の後方には後衛艦隊が存在していない。旗艦を敵の突撃から救えるのは、船団長達の操る混血の娘だけ。
 それもギリギリまですり抜けたが、最後はジーノ叔父に捕まってしまって、凶悪な巻き添え火計で戦闘終了。今回は好都合な方向に作用したけど、旗艦にヤバすぎる可燃物を載せた艦隊構成は一考の余地があると思った。

 確実に死ぬと思えた状況でも海に溺愛された男達は溺れ死んでいなくて、島の都に残った艦隊で再起を期す。
 短期的にはヴェネディック艦隊の快勝でも、とんでもない大魚を逃してしまったな……ロニもトリトーネが見えるまで覚醒してしまったし、あの伯父甥が組んで戦えば、どんな大艦隊でも翻弄できそうだ。シュヴァルムを組んだドイツのエースパイロットが、連合軍の大編隊にも容易には落とせなかったように。
 リゾラーニ人の長所を活かした通商破壊戦になったらヴェネディックも、ずいぶん苦労させられるだろうなぁ。

 だが、とにもかくにも反帝国同盟は天上の都への扉をこじ開けた。補給が届けばマフムートたちの状況は一挙に好転し、ピノー大将たちは苦しくなる。カリル将軍の仇を討つチャンスも近いうちに巡って来るかもしれない。
 終戦工作を考えると反戦派のピノー大将は殺さない方がいいんだけどな――そういう意味では大将が勝っても負けてもルイ大臣には利益がある。マフくんとしては育ての親の仇をあえて生かす強烈な自制心と度量が求められる。
 そして、それが本当の親孝行になるのだ。

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