2013年05月28日

星界の紋章1巻 森岡浩之・米村孝一郎

 星界の紋章13年ぶり2度目のコミカライズ!小野敏洋先生の星界の紋章は1巻で小説3巻をまとめる力技だったが、米村孝一郎先生は1巻で小説の3分の1を進めているくらいか。
 おかげで内容豊かなジントとラフィールやレクシュとの会話をじっくり楽しむことが出来たが、同時にあらためて設定と用語の多さを思い知らされた。それでも設定語りで動きのなくなるシーンを、イメージ映像を挟んだりして、上手く進めている。なんといってもアーヴの例に、幼少のラフィール殿下が出てくるところが素晴らしかった。かわええ!
 作画は口元の描き方に癖がある。獰猛ともニヒルとも取れる笑みが今にも浮かびそうだ。スポールには良く合うのではないか。紋章だと出番はかなり最後の方だけど。

 漫画の形式で読み返すと、愛の娘設定はアーヴと言えども地上人的価値観から抜け出せていないことを示しているように思える。想い人同士の間から生まれて来なかったアーヴの気持ちを、ついつい考えてしまうのだ。
 帝国の運営にとって愛の息子・娘の概念は多少都合が悪いんじゃないかな。でも、皇族や貴族の存在を認めている時点で――人工人類の設定が与える先入観に反して――アーヴは分かりやすい合理性や効率を最優先していない。それは遺伝子を弄っていることと関係があるのではないか。
 不要に思える遺伝子が隠された役割をもっていたり、複雑に関連して思わぬところに影響が出ることがある。自らの遺伝子で現実の複雑さを知っているから、アーヴは安易に何かを無意味と感じないのかもしれない。
 だから彼らがいると宇宙が豊かになる。そう信じられるのだ。

 折り返しでアニメの設定を利用しているとの説明があった。SFのコミカライズはハードルが高いことを、そんな点からも感じた。

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星界の紋章1 (メテオCOMICS)
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