2014年01月12日

アルスラーン戦記 第七章「流浪の楽士」

「旅のお方の中に墨家様はいらっしゃいませんか〜〜?」
 しかし、墨守を手伝ってくれる人材は現れず、ルシタニア軍にいる牧師が大活躍する有様である。あ、神父か?

 見ていて血沸き肉踊るエクバターナの攻城戦が始まった(城兵の密度が低いのは気になるけど)。十万人が立てこもる都市に正面攻撃とはルシタニア軍も勇壮だな。エクバターナを落としたときの分け前を増やしたくなったか?補給の問題はいろいろとありそう。
 まぁ、しかし、もったいない人命の使い方だ。孫子なら落第点をつけるだろうね。

 ただし、奴隷の心を攻める策略の方は見事。おかげでパルス軍は内外から攻められる状況に陥っている。もはや奴隷を皆殺しにするしかないのでは……そんな考えに取り付かれてしまえば攻める側の思う壺に違いない。
 とはいえ、一度生じた軋轢は加速していくばかりで収拾の手立てがない。奴隷から志願者を募ってルシタニア軍と戦う代わりに自由を与えるくらいはやってもいいな。古代ギリシアでも、共和制ローマでもあった手だ。
 奴隷の考えも一色ではないはずで、丁寧に分解して、それぞれの不満を部分的にでも解消してやれば状況は改善されるはず。
 もっともそんなことをする心理的、資源的余裕があまりないのだが、そんな時に限って必要はあるのが歴史の舞台である。

 さて、万騎長シャプールに慈悲の一撃を与えた楽士はギーヴと名乗り、一曲馳走する。王子様の皮肉は、男でもお姫様で同様なので、あまり強く言わないでやってくれ。
 なんか本能的なものに根ざしている感じがするから、ひたすら冷笑することにも畏れを感じる。
 ギーヴに依頼してのタハミーネ脱出は実になりふり構わない行動だ。淀殿を見習えと言ってやりたい。自らのジンクスによって難攻不落の大坂城さえ落としたんだぞ!

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この記事へのコメント

1. Posted by ミヨキチ   2014年01月12日 19:14
死んでも天国に行けることを保証するだけで遺族年金を払うつもりも無いから多少数が減るくらい構わないんでしょうか。仮に征服が成功しても、本国はボロボロになってそうです。

そういえば兵糧の問題に関しても触れられていませんでしたが、40万人分の糧食って相当ですね。援軍のアテもあるなら奴隷の解放も含めあらゆる手段を講じて籠城して頑張るのはかなり有効な手に思われますが、万騎長二人にタハミーネ王妃と指揮権の序列さえ定かではない現状では、如何せん思い切った政策がとれそうにありません。アンドラゴラス王、有事の際の用意をちょっと疎かにし過ぎですね。
2. Posted by こいん   2014年01月13日 00:07
 大遠征で本国がボロボロになったおかげで立憲君主制が進み、近代化に成功というコースが用意されていたりいなかったり?
 富についてはパルスが圧倒的でしょうから、都さえ落としてしまえばお釣りがくる計算はあると思います。

 兵糧はルシタニア兵が不安に思ってくれそうなものなので、それを煽ると士気に響いてくると思うんですけど、一方的に謀略を食らうばかりになってしまっていますね。
 アンドラゴラス王の対策不足は、不吉なことを想定するだけでも不吉と考える困った心理の表れかもしれません。
 洪水時に日照りに備え、日照りの時に洪水に備えるのが、本当の名君なのですが。

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