戦術防巡艦「水城」抜錨!シドニアを発進して一路、レム恒星を目指す。防巡艦の名前からシドニアの防衛を主目的にした防御的な運用をさせる気がしたけれど、別にそんなことはなかったぜ!
 むしろ攻撃の中核となることを期待されている感じだ。攻撃は最大の防御とはいうが、独自の任務を与えられて重要局面で決定的な役割を果たしそう。
 もしかしたら、防巡ではないうえに戦術でもないかもしれない。誰相手に防諜的なネーミングをしているんだか――いかがわしい連中はいるし、ガウナの「コミュニケーション」も激しくなってきた。ネーミングは冗談としても、情報の扱いに気を配るのは軍事組織として当然かもしれない。
 やっぱり恒星のエネルギーを利用して重力子放射線射出装置で一発逆転を狙っているのかなぁ。途方もない遠距離射撃になるし、トリガーは長道に握らせたいところ。

 水城の中では浮ついた出来事が起こっていた。歴戦の猛者であっても、実年齢は若い。仄シリーズに至っては幼いとすら言える。学校みたいな空気が一部にあっても不思議はない。
 しかし、人気投票で仄姉妹をひとつにまとめるのはやりすぎだ。ちゃんと区別している通の投票者に失礼。一人ガウナに模倣されたばかりなのに、平気で投票するのは分かりにくい優しさにも感じた。
 佐々木が五位なのは、それだけマゾヒストが多いってことだ。いわせんなよ、恥ずかしい。
 弦打の良さを分かってくれる乗員もいるよ……覗きの発覚であの二人も幻滅したのかな。元々の動機は別のところにあったわけで、ちょっと可哀想。
 そして、妙な形であかされる落合の水城乗船。海苔夫くんがシドニアで海蘊と大人しくしている代わりに、こっちが不安材料になってきたか。いや、二人が引き離されているから最も安心すべき状況なのだと思いたい。

 つむぎに一票を投じたのは長道だったのかな。最後の抱きしめがロボットを媒介にしている点も含めて凄い絵だった。あまりの恥ずかしさにレム恒星がフレアしそうだよぉっ!!

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