トルキエ将国重要文化財指定の画集が出るらしい。画集より先に詩集が重要文化財に指定されるべきだと、大会議にかけたいな。
　シャラさん！例の手帳を！！
　四将王が出てくる会議になっても全会一致間違いなし。まさに歴史の至宝である。史料的な意味で。

　戦いは南ルメリアナの海沿いを駆け抜けるせわしないものになる。
　山猫団のブリジッたんはクルト・クルトが大好きだなぁ。彼の言う礼が愛のこもった行動ではなくて、換金可能な物品に違いないことが笑える。
　純軍事的には恋愛が絡まない方が安定していて都合がいいのかもしれないけど。
　居残り部隊はタウロの双子市長にフローレンスの大統領、トルキエからはゼキ将軍とエルバッハ、かなり混沌とした顔ぶれである。兵力も大きいし、南領軍がチエロまで逆襲してくる可能性は低いけれど、逆に東や海からポイニキアのレレデリク軍が捨て身で突っ込んでくる可能性はないか？
　その手前にいろいろ国があるとはいえ、この面々では苦しい。まぁ、そこまでやるなら、トルキエ本国を狙うかな。

　強行軍を開始するトルキエ軍はヌルザーン将軍によれば兵は５０００で、馬は１０万。乗りつぶすことを考えても、やたらと替え馬を用意したなぁ。ついでにザガノス軍に馬をプレゼントするつもりか。
　１９世紀の軍事書によると、騎兵の行軍速度は歩兵の２割増し程度にしかならないらしい。
　しかし、野営も休止もなにもない騎馬民族なら、やってくれるはず。
　マフムートがヒサールにいて、ザガノス将軍が強行軍してくるときとは逆になったな。予言者なら無理して駆けてきた天州軍を待ち伏せ攻撃で全滅させる作戦も用意しているかもしれない。
　その警戒までしつつ、できるかぎりの速度で昼夜進む。達成すれば偉業である。

　それにしても「トルキエよトルキエよ」の掛け声が、お祭り騒ぎで騒がしいな。気持ちはわかるが、フレンツェンたちに気づかれてしまうじゃないか。
「トルキエよトルキエよ」
「トルキエトルキエうっせえ！」
「トルキエよトルキエよ」
「四面鞍上歌かよ！キエエェ！！」
「ねんねんころりよトルキエよ」
「キエ……帰依？」
「トルキエよトルキエよ」
「……トルキエよトルキエよぉおお！」
　こうして１０万頭の馬は有効利用されるのである。しかし、騎馬民族大行進に合流しようとするザガノス将軍、冷めた目でこれを拒否。

ルイ大臣「おお、トルキエよトルキエよ」

毒薬「挟み撃ち……だと！？」

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