橇馬車電撃戦。
 旋回しながら射撃とか、第二次世界大戦の戦車でも当たらない攻撃だぞ……ある意味、とてつもなく精鋭だな。精鋭というより蟲毒と言った方が近い気もするが。戦場で鍛えるって、そういうこと。

 数えやすいだけでも四つに分裂したフス派軍はクマン騎兵の執拗な追撃を受ける。
 それに車陣をつくって抵抗するジシュカたち。人質のバルバラ皇后を見せつけることすらしない――追いつめられるより先に偽装退却されたからね。

 他の連中がしぶとく抵抗したのにジシュカのところが崩れたのは皮肉だ。出撃できるチャペクがいたことがマイナスに働いた?敵に寝返ってちゃっかり生き残るあたり、チャペクもしぶとい。
 彼にはできれば天使隊を脱走させる方向で働いてほしいが、自分の命を懸けてまでやってくれない気もする。恩を感じている相手はジシュカだけみたいだし。

 最後は崖から落ちた馬車の中から、ジシュカたちが発見される。サーラは身体が小さいから不利だけど、あの寒さに耐えて生き残っているのかな。バルバラがストックホルム症候群でジシュカに惚れたら笑う。体力的に最大の攻撃になる可能性も?

乙女戦争 第28話「白い稲妻」感想
乙女戦争(ディーヴチー・ヴァールカ)1巻感想