呉楚七国の乱と漢のライバル、匈奴を大帝国にした冒頓単于の話、そして匈奴に送り込まれて漢の強敵になった中行説の暗躍、三つの話が収録された横山史記の最終巻。
呉楚七国の乱では晁錯があくまでも漢のためを思って内乱を呼び込む政策を打ち出していたことが印象的だった。
あれが私利私欲に走ってリスクを承知しながらの行動だったなら、だいぶ印象が変わってくる――まぁ、結果は変わらないが。
反乱軍を討伐することになった周亜父と呉王の対照的な判断も記憶に残った。周亜父が信頼できる人物の献策をまるまる採用したのに対して、呉王は部下のいいアイデアを反対意見に踊らされて活用することができなかった。
もちろん、よくないアイデアを持ち込まれる恐れもあるわけで、単純に全部を聞けばいいことにはならない。
しかし、帝国の開祖である劉邦の方針と比べたときに呉王は器でなかったことも間違いなかろう。日頃から優れた策を提案してくれる人物に目をかけておけば有事にも役に立った可能性はある。
冒頓単于については自分の射った的がなんであれ従わなければ惨殺の恐怖による人心収攬術で父を殺したエピソードが恐ろしい。ついでに弟も殺しているし。
部下は思考停止になるし、共犯者だから冒頓単于について行くしかない。自分が最初に矢を放って最大の責任を負っているところは、多少はマシかなぁ。父親の愛馬を殺したときに喧嘩にならなかったのか?
中行説はあんなに嫌がっていたくせに、匈奴の生活に完全に適応しているところが面白い。だいたい逆恨みにも思えるけれど漢が人材運用を間違えたのも事実。
和蕃公主の風習はお着きの人間にともなって人材流出をもたらす。逆方向の場合は異国人を重用しにくい漢の人間はそのリスクに気づかなかったのかなぁ。
どちらにしろ戦いにともなう捕虜などで人材流出しまくっているから気にしない?中行説が行った時期はそうでもなかったはずだけど。
史記14〜劉氏攻撃 感想
呉楚七国の乱では晁錯があくまでも漢のためを思って内乱を呼び込む政策を打ち出していたことが印象的だった。
あれが私利私欲に走ってリスクを承知しながらの行動だったなら、だいぶ印象が変わってくる――まぁ、結果は変わらないが。
反乱軍を討伐することになった周亜父と呉王の対照的な判断も記憶に残った。周亜父が信頼できる人物の献策をまるまる採用したのに対して、呉王は部下のいいアイデアを反対意見に踊らされて活用することができなかった。
もちろん、よくないアイデアを持ち込まれる恐れもあるわけで、単純に全部を聞けばいいことにはならない。
しかし、帝国の開祖である劉邦の方針と比べたときに呉王は器でなかったことも間違いなかろう。日頃から優れた策を提案してくれる人物に目をかけておけば有事にも役に立った可能性はある。
冒頓単于については自分の射った的がなんであれ従わなければ惨殺の恐怖による人心収攬術で父を殺したエピソードが恐ろしい。ついでに弟も殺しているし。
部下は思考停止になるし、共犯者だから冒頓単于について行くしかない。自分が最初に矢を放って最大の責任を負っているところは、多少はマシかなぁ。父親の愛馬を殺したときに喧嘩にならなかったのか?
中行説はあんなに嫌がっていたくせに、匈奴の生活に完全に適応しているところが面白い。だいたい逆恨みにも思えるけれど漢が人材運用を間違えたのも事実。
和蕃公主の風習はお着きの人間にともなって人材流出をもたらす。逆方向の場合は異国人を重用しにくい漢の人間はそのリスクに気づかなかったのかなぁ。
どちらにしろ戦いにともなう捕虜などで人材流出しまくっているから気にしない?中行説が行った時期はそうでもなかったはずだけど。
史記14〜劉氏攻撃 感想
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