万事休すで茶を沸かす

発作のようにニコンD7200を買った私です。
DXフォーマットという規格で、APS-Cセンサーを持っているカメラの中では、中級機に位置します。

思い返せば、4年前にカメラ屋さんで猛プッシュされた末に購入を断念したのが、先代のD7100でありました。それから4年が経ち、腰は痛み、手は痺れ、人格はまた新しいのが形成され……、と多忙を極めた私ですが、ここに来てようやくステップアップであります。
しかし、今は仕事の繁忙期であり、休みも中途半端に1日だけ空いたり、半日のときもあれば、ずっと働いているときもあり、D7200のピント調整を済ませてから約2週間、撮った写真を見返していると会社の駐車場と家の中で埋め尽くされており、そのことに気づいた私の精神は、大きな鈍い音を立てて切断されました。

というわけで、金曜日の代休を生かした計画を立てます。本来なら1週間ぐらいかけて30物件ほど回りたいところですが、仕事のアレもアレなので、小分けにします。

そして、カメラの性能を試すという意味では、新規物件ではなく、勝手の分かっている再訪。しかも、三脚などを据えてじっくり撮れる場所が望ましいところであります。

私の激安アンテナは、岡山県にビビビと向きました。

Y温泉郷のロープウェイ。その山頂駅。険しい九十九折の先にある、とても個性的な建物。私はスカイラインに飛び乗り、200kmぐらい走りました。

まずは手持ちで、スキップしながら撮りまくります。
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ひと通り撮り終えた後は、三脚でネチネチと撮ります。
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解像力や使い勝手など、やはり上位機種は違うなと感じました。
山頂駅に来たらセットになっている、山麓駅へもお邪魔します。こちらは全部手持ちで撮りました。

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廃要素をたっぷり吸い込み、足温泉で伸びきったパンツのゴムのようになった私は、水島に立ち寄りました。しかし、春は日照時間が長いということを失念しており、水島は夕景となりました。

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夜になるのを待っていると帰りが遅くなるため、姫路に向かいます。
姫路と言えば工場夜景ですが、今回は車に絞りました。

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翌日、睡眠を貪った私はスポーツジムで汗を流したりしながら1日休み、今度はジムニーでH分校へ向かいました。
※最初はS小学校へと向かったのですが、立ち入り禁止の看板があった為、断念しました。

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帰ってきて泥のように昼寝した後、不思議と明日からまた働くか~しゃあないなという意欲が湧いていることに気づきました。
意欲を持ち直すために必要とした走行距離は、2日間で760kmでした。

ワーク・ライフ・バランス。この響き。
最近、ワークライフ・バランスぐらいの比重で精神の糸を細々とつないでいる私です。一度切れたのを結んだ跡がたくさんある私の精神ですが、新しいレンズを試していないどころか、今年に入ってまだ四日市コンビナートに行っていないということに気づいた瞬間、音を立てて切断されました

というわけで、二週に渡って小刻みに、趣味の世界へ復帰する計画を立てた次第であります。
四日市コンビナートは必須として、廃墟も行かなければなりません。

仕事中に鼻歌を歌いながら想いを馳せていると、スライムのように流動的な計画が完成しました。

小分け旅① 四日市コンビナート+奈良県の廃墟1件(リベンジ)

小分け旅② 兵庫県の廃墟1件+岡山県の廃墟2件(内1件は再訪)

【小分け旅①】

1・四日市コンビナート

四日市コンビナートといえば、目の前で工場の姿を見ることができる塩浜地区や、川の対岸に並ぶ工場をフラットに撮影できる大正橋、夜景ファンが集うドーム裏など、遊園地のように全部が揃っている工業地帯であります。

新しく買ったレンズはシグマの17-70なので、近/中距離を狙います。

・大正橋
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・塩浜
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大満足であります。そのまま走り続けようとした私ですが、吉野家で牛丼をかきこみながらフォーリンスリープしそうになった為、廃墟は翌日に回して素直に帰りました。


2・奈良県の廃墟

ありえない高額の通行料を徴収する、奈良県のスカイライン。その中に、廃墟が建ち並ぶゾーンがあります。
この廃墟群のスリリングなところは、一見廃墟に見える物件でも売物件だったりして、よく見て入らないと思わぬ事態になる可能性があるという点に尽きます。肉肉野菜、野菜肉ぐらいの比率で、ガチ放棄物件と売物件が並びます。

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廃要素を存分に吸い込んだ私は、仕事に備えて早めに帰りました。探索後のワーク・ライフ・バランスは、下記の通りであります。

ワークライフ・バランス → ワークライフ・バランス】


【小分け旅②】

1・兵庫県のガソリンスタンド跡

更地になっていました。

この時点で全てを放棄して、安治川水門のちょっと開いたところに頭を挟んで自害しようかと考えた私ですが、気を取り直して二件目へ急ぎました。

2・岡山県の廃中学校

言わずもがな、この廃墟の見どころは、内部が真っ白に塗られた校舎であります。言葉が出ないぐらいにテンションが上がった私は、いつもの独り言を封じて撮りまくりました。
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興奮状態で次の物件へ向かっていると、興味深い水門を見つけ、私はすかさず写真に収めました。
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そして、車を停めた場所が廃墟であることに気づきました。前にはフォークリフトが停められています。そして、埋もれるように停められた、ふそうのトラック。中には日野レンジャーと丸目のキャンター。見逃すわけにはいきません。

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思わぬ突発廃車に遭遇した私は、最後の物件にルンルンで向かいました。

3・岡山県の運動公園跡

去年お邪魔したときは、時間がなくほとんど探索できなかった物件であります。
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一時間ほど歩き回り、撮れるだけ撮った私は、突き動かされるように家へと飛んで帰りました。

探索後のワーク・ライフ・バランスは、下記の通りであります。

ワークライフ・バランス → ワークライフ・バランス】※仕事の記憶を失いました

朝7時、予定通りに飛びおきた私は、墓から出てきたばかりのゾンビ並にとぼけたテンションで朝飯を食べに降りました。
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食べながら、熊本のホテルも同じような朝食だったなあと懐かしい気持ちになりました。

※後から写真を漁ったところ、2年前はウィンナー4本という強気の朝飯を食べていました。
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大人の嗜み『二度寝』を堪能して、私はA山荘へと向かいました。

1日目
 兵庫県:T園
 岡山県:Yロープウェイ跡山麓駅、Nセンター、T鉱山(再訪)
 広島県:海沿いの廃屋(中止)、大竹コンビナート工場夜景(リベンジ)

2日目
 島根県:A山荘
 山口県:橋のそばの廃屋(リベンジ)
 広島県;S荘
 岡山県:水島コンビナート工場夜景(再訪)
 
ジョニーキャッシュを聴きながらルンルンで走っていると、メインのルートから外れる道をグーグルマップが推してきます。187号線を北へ行き過ぎてから9号線へと合流するのだと思っていたら、間に東西へ抜ける道があるようです。
これは短縮になるぞ~とか独り言を言いながら、その道に入った私は数分で後悔しました。車高ギリギリの轍が残る雪道。Uターンしたいですが、待避所は雪を避けるのに使われているので、真っ直ぐ進むしかありません。

凍るまではいかずとも、橋の上は容赦なく滑ります。トラクションコントロールのランプが忙しなく点滅し、ズゴ、ズゴゴという空回りの音が後ろから聞こえてきます。
やっと抜けた私は、白い息を吐きながら車から降りて深呼吸しました。
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新雪に足跡を残す気まずさを味わいながら坂道を上がると、意外に規模の大きい廃墟が出てきました。

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30分くらいで出る予定でしたが、これはすぐ帰れというほうが無茶な話であります。

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工業系ではない廃墟の中で、ここまで広い物件は始めてであります。
時間をかけすぎて、橋のそばの廃屋は行けそうにありません。私は、S荘へと向かいました。

S荘といえば、崩壊しかけている建物もそうですが、朽ちた廃車もあるというかなりの好物件。

全く雪の気配のない山道を上がると、建物がありました。
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予想以上に崩壊しています。私は外からああでもないこうでもないと独り言を呟きながら撮影して、廃車を探しました。しかし、建物の周りにはありません。食い倒れ人形再びであります。顔をきょろきょろぶん回しながら戻ってきたところ、二股に折れた道があることに気づき、倒れた木をくぐって抜けた先にそれはありました。

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廃車とは噂に聞いていましたが、これはダットサンキャブライトであります。しかも2台。
写真を撮るとき、いつも草を掻き分けたり体勢を変えたり、カメラの設定を変えたりと色々なことをした記憶があるのですが、この時に関しては、記憶を司る機能が停止したようでした。

キャブライトを使っていたということは、廃墟が現役であった年代も自ずと分かってきます。ダットサンキャブライトが生産されていたのは、1958年から1968年の10年間。ということは、半世紀近くここにいたのです。
M鉱山で昭和三十年代のヤクルトの瓶を見たときと同じ、タイムスリップしたような感覚です。

満足かつ汗だくでスカイラインに戻った私は、スーパー銭湯を探しました。そこで見つけたのが、ホットカモであります。
新しいような、どこか懐かしいような、とても居心地のいい施設でありました。階段でじゃんけんをしている親子がおり、確かグーは『グリコ』、チョキが『チヨコレイト』、パーが『パイナツプル』だったなとか思い出して通り過ぎると、女の子がチョキで勝ったらしく、『ちんつうざい~』と叫びながら6段上がっていきました。
その尖ったセンス。将来が楽しみであります。

すっかり温泉で癒えた私は水島へと急ぎました。小分けにしてスポットを潰していくのが恒例になっているのですが、今回も漏れなくひとつに絞って訪問しました。
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何かに突き動かされるように、洗車機でスカイラインの下回りを今一度洗浄して、私は家に帰りました。これにて、2016年の走り納めであります。

走行距離:1274km
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