2009年02月16日

どうしてこんな汚染ピーナツ製品を。。。?経営者パーネル氏のストーリー


なんで汚染してると知っていていくら金のためでも出荷したんだろう?とかこの経営者にゴシップ的な興味がありましたが、ワシントンポスト紙がクリアーにしてくれました。

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ワシントンポスト紙のサイト 2009年2月15日付

(見出し)ピーナッツ帝国の盛衰
(副題) サルモネラ菌大発生の渦中のヴァージニアのPCA社

たった数週間前、スチュワート・パーネルは、バージニア州リンチバーグにある自宅の後ろにあるガレージを改造したピーナッツ会社を経営していた。 彼の家業はスーパーマーケットでもおなじみのケロッグ、サラ・リー、リトル・デビー などの超大手の食品会社に原材料を供給することだった。米国政府さえ、低所得家庭の小学生、被災者、軍隊などに供給するピーナッツを彼から買う顧客だった。パーネルはピーナッツの品質に関し、農務省にアドバイスさえするような立場だったのだ。

こんにち、パーネルのピーナッツ帝国は、破産保護申請をしている。彼は政府からは刑法の犯罪捜査のターゲットとされ、民事の訴訟は国中の裁判所に殺到している。ジョージア州のピーナッツ生産農家から国会にいたるまでが、彼を非難している。

彼はサルモネラ汚染されたピーナッツ製品を知っていながら故意に流通にのせたかどで連邦捜査員により起訴されている。 当局は、米国44の州およびカナダでのサルモネラ菌感染による9件の死亡例と637件の発症例、そしてあと数千もそれと疑われるどれもが、直接パーネルのピーナッツ製品が元凶であることを結び付けている。

9月に始まりいまだ続いているこの大発生は、米国史上最大の食品リコールの引き金となった。 パーネルのピーナッツで製造された2,000種以上の製品が、店舗から撤去された。消費者は風評もありピーナッツ製品全体から遠ざかっており、ピーナッツ産業は大変苦戦を強いられている。 各食品メーカーのリコールに費やしている費用は数百万ドルとなり、依然増え続けている。

「私は彼にどうしても聞きたい。'どのような結果になるか、わかってやっていたのか?'と。」と、下院議員マイケルC.・バーゲス氏(共和党・テキサス州)は、今週このスキャンダルの議会公聴会で述べた。

当初騒ぎの始めの頃は、政府調査官との協力を誓約した声明書を出していたパーネルは、現在、質問に答えるのを拒否している。彼の対メディアスポークスマンも口を閉ざしている。 彼の友人や親族は、パーネルに関してコメントしないよう、弁護士によりアドバイスされていると言う。

スチュワート・パーネルの日々が崩壊してしまう前、彼のPCA社のウエブサイトに載せられていた自信満々の立身出世物語を読むと、さらにバーゲス議員のその質問に対する答えは難解となる。

パーネルと彼の父親ヒューは1977年、キャンディやアイスクリームの製造業者にピーナツを販売する企業を経営していた。テキサス州の田舎ゴーマンのあるピーナツ裁培者が、そこで彼らに小規模のピーナツをローストするための施設を始めるようすすめた。個人所有のこのビジネスは当初苦しく、初年度の売り上げは 5万ドルほどだった。しかしパーネル父子はパンやスナック製造会社他に製品を供給することによりビジネスを広げていった。

「ナッティ・バディを食べたことがあります? トレイル・ミックスはどうですか?(どちらも米国ではポピュラーな食品)食べたことがあるなら、あなたは我が社の製品を口に入れているという事です。」これは1983年、会社の年間売上高が1200万ドルまで成長した1年後の1983年に、リンチバーグ・ニュースアンドアドバンス誌が同社に関する記事を掲載したときの父ヒュー・パーネルのコメントだ。

”休みを知らぬビジネスマン”
1994年には、ゴーマン工場は広さ6万5000平方フィート、従業員95人、年間売上高3000万ドル以上という規模に拡大されていた。ここでパーネル父子は仕事をいったん辞め、同社を売った。父ヒュー・パーネルは退職、息子スチュワート・パーネルと彼の2人の弟がコンサルタントとして残った。

しかし、スチュワート・パーネルはそれで終わらなかった。彼は、2000年にゴーマン工場を買い戻し、ジョージア州ブレークリーにピーナッツ工場を所有し、苦戦していたある投資家と共同でビジネスを始めた。 パーネルが引き継いだ3年後、その工場の収入は3倍になった。また同社はバージニア州サフォークでも工場を操業開始した。

テキサス州のピーナッツ業界が西の方に移動しはじめると、パーネルもそれにならい、ゴーマン工場を閉鎖し、ラバックとアマリロの中間にあるプレーンビューに工場を開設した。弟ヒューパーネルJr.氏によると、兄は「現場参加型」マネージャで、飛行機のベテラン操縦士でもある彼は自社の工場間を頻繁に往復したという。

PCA社が急速に拡大していった段階ですでに、パーネル一家はとにかくできるだけ激安のピーナツを入手するという手段で費用をできるだけ抑えたビジネスのやりかたで成功したのだ、と以前、大手スナックメーカーのためにバイヤーをしていた人間は証言する。PCA社は最低賃金の労働者と必要最低限の粗末なフロントオフィスを使用していたという。

「父親の方はよく、困窮しているような業者を探していた。多くの在庫を抱えていたり、前年のピーナツを早く売りさばきたがっている業者などだ。」と、デヴィッド・ブルックス氏は証言する。彼はスナックメーカーのためのバイヤーだったが、衛生面での心配およびパーネル家の家業の「カルチャー」に賛成できず、PCA社からは購買しなかったという。「パーネルはそのような(ピーナツを売りさばいてしまいたいような)人々を積極的に探し、電話をかけ、連絡をとった。息子スチュワートもそのような環境の中で成長し、同じ道をたどった。」

1980年代の半ばに3回、ブルックス氏は、ピーナッツ製品を買うかどうか決めるため、PCA社のゴーマン工場を視察に行ったという。その都度毎回、彼の常識ではこの工場に合格点はつけられなかった。

「工場はとにかく不潔だった。」と、ブルックス氏は言う。彼はすでに食品業界からは引退している。「天井の梁にもやビルの支柱全体にほこりが積もっていた。屋根は雨漏りがし、窓は開けっ放し、鳥が建物の中を通って飛んでいったりしていた . . .今回のようなことがいつ起こってもおかしくないような時限爆弾のような状態だった。ジョージア、ヴァージニア、テキサスのピーナッツ産業界の皆が知っていた。」

32歳のビクトリア・ブラウンは、2年前仕事に遅刻したことを理由に首になるまで、PCAのブレークリー工場で3ヶ月間働いていたと言う。 彼女はピーナッツを分類し、洗う前に石ころや棒などのゴミを選別する仕事で1時間あたり6.25ドルの時給を得ていた。彼女は工場は息苦しく熱く、屋根は雨漏りがしていたという。「雨が降ると雨水が建物に入っていた。」と、ブラウンは言う。

水はピーナッツ工場では、サルモネラ増殖の条件を引き起こしてしまう。当局が先月、サルモネラ菌大発生の元凶がブレークリー工場であるとつきとめた後、FDA食品医薬品局の検査官は、雨漏りのする屋根、水の染みやカビのついた壁に衛生上の問題があると指摘している。

テキサスでは州検査官が、製品を生産する部屋に通気する空間で、ネズミの死骸や排泄物を発見、木曜日の夜にプレーンビュー工場の操業を停止させた。 内部検査により先週、この工場で採取されたピーナッツ製品のサンプルでもサルモネラ菌が発見された。 テキサス州当局は、パーネルが2005年に工場を開業して以来のあらゆる製品のリコールをするよう命令した。

”無認可だから無点検?!”
政府もテキサス州も、ブレークリー工場を調査し始めるまで、PCA社のプレーンビュー工場が存在したのさえ知らなかった。この工場は無認可で、4年間、政府による点検がなされていなかったのだ。

同会社がプレーンビューでその存在に気付かれていなかったらましてリンチバーグはさらに目立たなかった。 パーネルは郊外の高級住宅地の樹木が茂る中、自宅の後ろガレージを改造した建物でPCA社を経営していた。 今週はじめ、二階建ての建物のドライブウエイにはカヤックとカバーのかかったモーターボートが停めてあった。 日に焼けた、「ナッツハウス(ピーナツの家という意味と精神病院という意味がある)へようこそ」と書いてあるリスの絵のついたサインがパーネルの家の近くに掛かっている。

パーネルの会社は本当に目立たず、リンチバーグ地方商工会議所長のレックス・ハモンド氏も、サルモネラ菌発生まではPCA社について一度も聞いたことがなかったと述べている。この地位について11年になるハモンド氏は、記録によるとPCA社の商工会議所会員資格が1991年に切れていると言う。

「スチュワートは我々の記憶にもあまり無いほどだ。」と、スチュワート・パーネルと高校でフットボールをしたリンチバーグの副市長バート・ダドソン は言う。 ダドソンブラザーズ害虫駆除社のチーフエグゼクティブであるダドソン氏は、パーネルは他人を避け、町などで見かけても、「いつもうつむいて困ったような顔をしていた」と言う。

パーネルの妹ベスは、故ジェリー・ファルウェル牧師のいとこであるジミー・ファルウェル氏と結婚している。ジミー氏はファルウェル航空(チャーター航空の会社)を管理している。この妹べスも、兄弟のマイクや父親ヒューと同様、インタビューされる事を断っている。

‘悪夢'
弟ヒューパーネルJr.は、PCA社ではもう10年間働いていないが、ピーナッツブローカーとして同社とビジネスを続けていると言う。彼は兄のことを、「決して他人を傷つるような人間ではない」と弁護している。

「そんな、(知っていて悪い製品を出荷するなんて)ゼネラル・モーターズがブレーキの効かない車を売ようなものだろう。」と、彼は言う。「そんなことをして何の利益があるだろうか?自分の会社に害を与えるだけではないだろうか。」

「決して兄はこうなることを望んだわけではない。」と、ヒューパーネルJr.は言う。「これは全く悪夢だ。」

しかし、会社の問題のいくつかはすでに1990年に予示されていたのだ。その時は政府の検査機関が、同社のゴーマン工場で製造されたピーナツバターに許容量を超えた高いレベルのアフラトキシン(有毒カビ)を発見している。 PCA社は製品を回収、このときのクライアントの1社、アメリカン・キャンディー社に訴訟を起こされた。

1年後、PCA社がアフラトキシン汚染されたピーナッツを販売したことを理由に、インディアナ州フランクフォートにあるザカリー製菓社もPCA社を訴えた。この件は後に和解した。

PCA社の破産弁護士は金曜日、会社の現在の財政が非常に厳しく、再建は絶対に無理だと述べている。休止した製造ラインには、リコールされた製品のビン入りピーナツバターで、ラベルに「パーネルのプライド」と書いてあるものが乗っている。

以上

debuginger at 22:41│Comments(0)TrackBack(0)北米ペットフードリコール情報 

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