May 2012
May 31, 2012
Firewind: "Few Against Many"
Century Mediaから、最近の円高・株安の一要因になっている、某怠け者国家の正統派メタル / パワーメタルバンドの7th。
大体こんな感じ:
■ドラマーは変わったけれども、そこには前と変わらないFirewindの姿が:
・クサい
・暑苦しい
・Gus.Gのギターワークが素晴らしい
良い点:
■前作はうんこ曲ばっかりだったけど、今作は良曲豊富!
(便宜上、以下の表記を用います:
[ 歌 ] - 歌メロがやたらキャッチー
[ リ ] - リフがやたらキャッチー
[ ソ ] - ギターソロがやたらすごい)
(1)#1"Wall of Sound" [ 歌 ] [ リ ] [ ソ ]
疾走というよりもハードロック風にアンセミックな曲。転調も秀逸な名曲。
(2)#3タイトルトラック [ ソ ] [ リ ]
鳴きギターソロと、コーラスでヴォーカルよりも遥かに目立っているテクニカルなリードギターが聴きどころ。
(3)#4"The Undying Fire" [ 歌 ] [ ソ ]
これもハードロック・テイストの曲。ソロがクソ速い。
(4)#5"Another Dimension" [ 歌 ] [ リ ] [ ソ ]
疾走飛び越してスラッシーに爆走してる曲・・・かと思いきや、コーラスはテンポががくっと落ち、哀愁さえ漂うメロディが。キラキラしたキーボードソロ、ピロピロしたギターソロも聴きどころの名曲。
(5)#9"Long Gone Tomorrow" [ 歌 ] [ リ ]
渋い、ミドルテンポのハードロック風の曲。
悪い点:
■捨て曲もある:
(1)ダサすぎて興ざめな歌メロ + 退屈なリフの#6"Glorious"と#8"Destiny"
(2)Apocalypticaフィーチャーしたけど結局うんこみたいなバラードになった#7"Edge of a Dream"
感想:
■良曲たくさん、中には名曲もあるので、捨て曲には目を瞑ろう!前作を聴いたときはこりゃもうダメだと思ったけれども、今作は会心の出来ではないでしょうか。良盤!
"Wall of Sound"
大体こんな感じ:
■ドラマーは変わったけれども、そこには前と変わらないFirewindの姿が:
・クサい
・暑苦しい
・Gus.Gのギターワークが素晴らしい
良い点:
■前作はうんこ曲ばっかりだったけど、今作は良曲豊富!
(便宜上、以下の表記を用います:
[ 歌 ] - 歌メロがやたらキャッチー
[ リ ] - リフがやたらキャッチー
[ ソ ] - ギターソロがやたらすごい)
(1)#1"Wall of Sound" [ 歌 ] [ リ ] [ ソ ]
疾走というよりもハードロック風にアンセミックな曲。転調も秀逸な名曲。
(2)#3タイトルトラック [ ソ ] [ リ ]
鳴きギターソロと、コーラスでヴォーカルよりも遥かに目立っているテクニカルなリードギターが聴きどころ。
(3)#4"The Undying Fire" [ 歌 ] [ ソ ]
これもハードロック・テイストの曲。ソロがクソ速い。
(4)#5"Another Dimension" [ 歌 ] [ リ ] [ ソ ]
疾走飛び越してスラッシーに爆走してる曲・・・かと思いきや、コーラスはテンポががくっと落ち、哀愁さえ漂うメロディが。キラキラしたキーボードソロ、ピロピロしたギターソロも聴きどころの名曲。
(5)#9"Long Gone Tomorrow" [ 歌 ] [ リ ]
渋い、ミドルテンポのハードロック風の曲。
悪い点:
■捨て曲もある:
(1)ダサすぎて興ざめな歌メロ + 退屈なリフの#6"Glorious"と#8"Destiny"
(2)Apocalypticaフィーチャーしたけど結局うんこみたいなバラードになった#7"Edge of a Dream"
感想:
■良曲たくさん、中には名曲もあるので、捨て曲には目を瞑ろう!前作を聴いたときはこりゃもうダメだと思ったけれども、今作は会心の出来ではないでしょうか。良盤!
"Wall of Sound"
May 30, 2012
Abominable Putridity: "The Anomalies of Artificial Origin"
Brutal Bandsから今年2月にリリースされた、ロシアの「スラム・デス」バンドの2nd。
■「スラム・デス」ってなに?
スラム = 叩きつける
ヘヴィネスやグルーヴに重点を置いた、ビートダウン / ブレイクダウン的な、ゆっくりめのテンポの展開が多いブルータルデス。一般的に"pig squeal"系のガテラル・ヴォーカルと組み合わせる。ただし、細かすぎるのでジャンル分けにあまり意味はない。
大体こんな感じ:
■速い展開:遅い展開 = 3:7
■速い⇔遅いの変化を頻繁に起こすことで緩急をつける。
■速い展開ではちゃっかりブラストビートもピロピロもある。だからジャンル分けにあまり意味はn
良い点:
■緩急の付け方が非常にうまいので、ゆっくりな展開がメインといえども、1曲の中でダレるということはない。速い展開を挟むことでへヴィーでグルーヴィな展開が際立つ。そういう意味でクオリティがかなり高い。
良いとも悪いとも言い切れない点:
■アルバム全体で26分弱の短いプレイタイム。
もっと聴きたいと思うか、それで十分だと思うかは人それぞれ。
悪い点:
■とにかく地味。創造性の欠片もないし、「どの曲も同じに聞こえる」という現象が普通のブルデスより顕著。「スラム・デス」の構造的欠陥。
感想:
■どの曲もかっこいいけれども、どの曲も同じ。
もちろん、各曲ちょっとずつ違うので、同じというのは語弊がある。ただ、曲間の区別がつくまで10回くらい繰り返して聴きたいかと問われるとなかなか首を縦には振りにくいのです。ってわけで並盤〜良盤。
"Remnants of the Tortured"
■「スラム・デス」ってなに?
スラム = 叩きつける
ヘヴィネスやグルーヴに重点を置いた、ビートダウン / ブレイクダウン的な、ゆっくりめのテンポの展開が多いブルータルデス。一般的に"pig squeal"系のガテラル・ヴォーカルと組み合わせる。ただし、細かすぎるのでジャンル分けにあまり意味はない。
大体こんな感じ:
■速い展開:遅い展開 = 3:7
■速い⇔遅いの変化を頻繁に起こすことで緩急をつける。
■速い展開ではちゃっかりブラストビートもピロピロもある。だからジャンル分けにあまり意味はn
良い点:
■緩急の付け方が非常にうまいので、ゆっくりな展開がメインといえども、1曲の中でダレるということはない。速い展開を挟むことでへヴィーでグルーヴィな展開が際立つ。そういう意味でクオリティがかなり高い。
良いとも悪いとも言い切れない点:
■アルバム全体で26分弱の短いプレイタイム。
もっと聴きたいと思うか、それで十分だと思うかは人それぞれ。
悪い点:
■とにかく地味。創造性の欠片もないし、「どの曲も同じに聞こえる」という現象が普通のブルデスより顕著。「スラム・デス」の構造的欠陥。
感想:
■どの曲もかっこいいけれども、どの曲も同じ。
もちろん、各曲ちょっとずつ違うので、同じというのは語弊がある。ただ、曲間の区別がつくまで10回くらい繰り返して聴きたいかと問われるとなかなか首を縦には振りにくいのです。ってわけで並盤〜良盤。
"Remnants of the Tortured"
May 29, 2012
Diablo Swing Orchestra: "Pandora's Pinata"
Sensory / Candlelightから、スウェーデンのフリーダムに変態なアヴァンギャルド・メタルバンドの3rd。少し長いレビューになってしまいました。
大体こんな感じ:
■スウィングしている曲がやっぱり一番目立つが、そうでない曲もある。どの曲もそれぞれに強烈な特徴があるので、統一的な説明はできません。というわけで下記の「良曲」「どう反応したらいいのか分からない曲」をご覧ください。
■アンルイス(女性Vo)のオペラティックでややヒステリックなヴォーカルと、ダニエル(男性Vo)のあっさりめのヴォーカルの組み合わせ。
■セッション・ミュージシャンまで含めるとまさにオーケストラ:
シンセ / トロンボーン / トランペット / チェロ / ヴァイオリン / ヴィオラ / コントラバス / フルート / クラリネット / オーボエ / ホルン / ティンパニ / マンドリン
書いたところで何がどうなってるのか俺もわかりませんけどねwとりあえずラッパ隊が目立ってます。
良曲:
■#1"Voodoo Mon Amour"(下に貼りました)
・スウィングしていて、
・キャッチーで、
・コミカルで、
・エロい。
カジノとか酒とかセックスとか、そんなイメージ。
■#2"Guerrilla Laments"
・スウィングしていて、
・キャッチーで、
・メキシカンな旋律。
メキシカンというと闘牛とかマリアッチとかいうイメージで、それも強ち間違っていないけれども、陽気であるというよりも勇ましい、戦いの歌。(メキシコ独立革命が題材でしょうか?)
■#3"Kevlar Sweethearts"
ギターがジャギジャギとリフを刻む上でラッパが勇ましくなったかと思えば、ストリングスに乗せてアンルイスが優しく歌い上げる。変化に富む、虹色の曲。
■#5"Black Box Messiah"
ストレートに疾走しているし、メロディもキャッチーだが、"freaky"と形容するしかないような、子供が壊れたテンションで歌っているような歌声が何とも不気味。その部分は歌詞もブックレットに載っていないけれども、何て言っているのだろう・・・?
■#6"Exit Strategy of a Wrecking Ball"
これも変化に富んだ曲で、余すところなく変態性を発揮する:
・へヴィなリフ、ダークで緊迫感のある旋律、スプーキーなSE
・転調して、ストリングスの上でダニエルが繊細な歌声を披露
どう反応していいのか分からない曲:
■#7"Aurora"
アンルイスとストリングスだけ。完全にオペラな曲。
■#9"Honey Trap Aftermath"
スウィングしているが完全にメタルから離れている。
■#10"Of Kali Ma Calibre"
ラッパやストリングスは大活躍しているし、転調も頻繁にするという意味で変態性は楽しめるけれども、曲調が真面目すぎるので、一般的なシンフォニック・メタルとあまり変わらない
■#11"Justice for Saint Mary"
8分間の大半が、ストリングス主体の静かな曲。
感想:
■どう反応していいのか分からない曲もあるが、良曲にインパクトがありすぎるので良盤!というか、多少理解しがたい曲があったとしても、既存の枠組みの中でクオリティだけを競っているようなその他大勢のバンドと違い、既成概念をぶっ飛ばして新しい可能性を追い求めるような、価値創造的な音楽であるということを高く評価すべきだと思う。2007年のデビュー作をレビューして以来、このバンドを応援してきましたが、やっぱり素晴らしいバンドなので引き続き応援していきたいと思いましたとさ!
"Voodoo Mon Amour"
May 28, 2012
Ne Obliviscaris: "Portal of I"
Code 666から、オーストラリアのアヴァンギャルドなブラックメタルバンドのデビュー作。
ジャケ絵がやたらかっこいい
大体こんな感じ:
■『Ne Obliviscaris hail from Melbourne, Australia, and include a vast array of influences within their sound from progressive to black, thrash, death and melodic metal, and even western art music, jazz and flamenco』(Myspaceページより)
"western art music"が何を指すのか、具体的にどこらへんにジャズが取り入れられているのかはわからないけれども、とにかくブラックメタルの枠内に収まりきらない、アヴァンギャルドなスタイル
■俺みたいな素人でも分かる変態要素:
(1)メンバーにヴァイオリニストがいます。ヴァイオリンがメロディの大部分を担当します。ヴァイオリンの奏でるメロディがモダンなので、「メンバーに葉加瀬太郎がいるブラックメタルバンド」みたいな。
(2)アコースティック・ギター、クリーン・ヴォーカルも頻繁に用いられます。清濁 / 静動の使い分け。
(3)ベースがヌルヌルとわけのわからない演奏をします
(4)転調や変拍子が当り前。結果的に曲が長い(大体10分前後)
■清濁 / 静動の全ての展開を通じてメロディがとても重視されているので、アヴァンギャルドでありプログレッシヴであるとはいえ、とても聴きやすい。
良い点:
■美旋律にこだわっている。統一された繊細で美しい世界観。各メロディのクオリティが高いからこそなせる業。
■入り組んだ曲構造だが、各フレーズを自然につなげる
■スピード・スタミナ・テクニックが感心なドラミング(#7"Of Petrichor Weaves Black Nois"の6:03〜6:39のブラストビートが個人的にすげぇと思った)
悪い点:
■メロディ(特に歌メロ)が売れ路線であり、俗っぽい。俗っぽさは#6"As Icicles Fall"で顕著に出ている。
■確かに清濁 / 静動の使い分けはあるが、濁・動の部分でもメロディ重視なので、激しさ・重さ・残忍さに欠ける。結果的に清濁 / 静動のコントラストが顕著でなく、ひたすら耳に優しいメロディをつなげた、ある意味単調な音楽になっている。
■ヴァイオリンを用いること、清濁 / 静動を使い分けること、美旋律にこだわること、変態な演奏をすること、長い曲を作ること・・・どれも斬新なアイデアとは言い難い。変態の皮をかぶった常識人集団。
感想:
■悪い点にみられるように、真の変態バンドとはいえないところ、ぶっとんでいるとまでは言えないところに物足りなさとあざとさを感じた。ただ、全体のクオリティの高さ、曲の美しさは否定しようがないし、今後曲がもっとスリムになって、何がしたいのかがはっきりすれば化けそうな予感がするので、敬意と期待を込めて良盤としてオススメします!
"Xenoflux"
ジャケ絵がやたらかっこいい
大体こんな感じ:
■『Ne Obliviscaris hail from Melbourne, Australia, and include a vast array of influences within their sound from progressive to black, thrash, death and melodic metal, and even western art music, jazz and flamenco』(Myspaceページより)
"western art music"が何を指すのか、具体的にどこらへんにジャズが取り入れられているのかはわからないけれども、とにかくブラックメタルの枠内に収まりきらない、アヴァンギャルドなスタイル
■俺みたいな素人でも分かる変態要素:
(1)メンバーにヴァイオリニストがいます。ヴァイオリンがメロディの大部分を担当します。ヴァイオリンの奏でるメロディがモダンなので、「メンバーに葉加瀬太郎がいるブラックメタルバンド」みたいな。
(2)アコースティック・ギター、クリーン・ヴォーカルも頻繁に用いられます。清濁 / 静動の使い分け。
(3)ベースがヌルヌルとわけのわからない演奏をします
(4)転調や変拍子が当り前。結果的に曲が長い(大体10分前後)
■清濁 / 静動の全ての展開を通じてメロディがとても重視されているので、アヴァンギャルドでありプログレッシヴであるとはいえ、とても聴きやすい。
良い点:
■美旋律にこだわっている。統一された繊細で美しい世界観。各メロディのクオリティが高いからこそなせる業。
■入り組んだ曲構造だが、各フレーズを自然につなげる
■スピード・スタミナ・テクニックが感心なドラミング(#7"Of Petrichor Weaves Black Nois"の6:03〜6:39のブラストビートが個人的にすげぇと思った)
悪い点:
■メロディ(特に歌メロ)が売れ路線であり、俗っぽい。俗っぽさは#6"As Icicles Fall"で顕著に出ている。
■確かに清濁 / 静動の使い分けはあるが、濁・動の部分でもメロディ重視なので、激しさ・重さ・残忍さに欠ける。結果的に清濁 / 静動のコントラストが顕著でなく、ひたすら耳に優しいメロディをつなげた、ある意味単調な音楽になっている。
■ヴァイオリンを用いること、清濁 / 静動を使い分けること、美旋律にこだわること、変態な演奏をすること、長い曲を作ること・・・どれも斬新なアイデアとは言い難い。変態の皮をかぶった常識人集団。
感想:
■悪い点にみられるように、真の変態バンドとはいえないところ、ぶっとんでいるとまでは言えないところに物足りなさとあざとさを感じた。ただ、全体のクオリティの高さ、曲の美しさは否定しようがないし、今後曲がもっとスリムになって、何がしたいのかがはっきりすれば化けそうな予感がするので、敬意と期待を込めて良盤としてオススメします!
"Xenoflux"
May 27, 2012
The Korea: "Chariots of the Gods"
今年1月にリリースされたロシアのdjent系プログレッシヴバンドのデビュー作。
このオフィシャルのリンクから全曲タダでダウンロードできますよ。
まずはこれを見て頂きたい
次にこれを
#10"Chaos Theory"のPV
完全に一致!
鍛え上げられたムキムキのラグビー選手がハカ・ダンスをやると超かっこいいけれども、ガリガリでしかもタンクトップの小僧がやると超かっこ悪いということが分かりますね。
閑話休題。
大体こんな感じ:
■クリーン・ヴォーカルを多用する、メロディックなdjent系。
良い点:
■同ジャンルの他バンドよりも、ザクザクとテンポ良くリフを刻むことに長けている。PeripheryやTextures以上、Veil of Maya未満。
■ロートーンのグロウルから、ハイトーンのクリーン・ヴォーカルまで使い分けるヴォーカルの力量。
■良曲:
(1)怪しげな呪文的な詠唱と印象的な歌メロを用いた#1"Cobra"(メシュガーのギターソロ丸パクりは頂けないけど)
(2)歌メロなどのナンパな要素をほとんど排除し、とにかくノンストップ、無心にリフを刻み続ける#3"Manuscript"
(3)疾走リフとファルセットを用いたソフトな歌声の組み合わせがそこそこ上手く機能している#9"Judas Kiss"
悪い点:
■スピーディにリフを刻む部分はかっこいいが、テンポを落とし、デスコア / メタルコア風にブレイクダウンを刻み始めると一気に俗っぽく、つまらなくなる。上に貼ったPVの曲もそうです。
■ハイトーン・ヴォーカルがオカマっぽいし、歌メロが入ってくることによっても俗っぽくなるので、興ざめ。
■オリジナリティの欠如。djentは所詮djent。
感想:
■リフを刻む部分はかっこいいが、日和って歌メロやブレイクダウンに依存してしまうところがかっこ悪く、興ざめ。そういう意味で惜しい曲が大半を占める、惜しいアルバム。並盤〜良盤。
もうひとつPVを貼っておきます
#2"Waterline"
このオフィシャルのリンクから全曲タダでダウンロードできますよ。
まずはこれを見て頂きたい
次にこれを
#10"Chaos Theory"のPV
完全に一致!
鍛え上げられたムキムキのラグビー選手がハカ・ダンスをやると超かっこいいけれども、ガリガリでしかもタンクトップの小僧がやると超かっこ悪いということが分かりますね。
閑話休題。
大体こんな感じ:
■クリーン・ヴォーカルを多用する、メロディックなdjent系。
良い点:
■同ジャンルの他バンドよりも、ザクザクとテンポ良くリフを刻むことに長けている。PeripheryやTextures以上、Veil of Maya未満。
■ロートーンのグロウルから、ハイトーンのクリーン・ヴォーカルまで使い分けるヴォーカルの力量。
■良曲:
(1)怪しげな呪文的な詠唱と印象的な歌メロを用いた#1"Cobra"(メシュガーのギターソロ丸パクりは頂けないけど)
(2)歌メロなどのナンパな要素をほとんど排除し、とにかくノンストップ、無心にリフを刻み続ける#3"Manuscript"
(3)疾走リフとファルセットを用いたソフトな歌声の組み合わせがそこそこ上手く機能している#9"Judas Kiss"
悪い点:
■スピーディにリフを刻む部分はかっこいいが、テンポを落とし、デスコア / メタルコア風にブレイクダウンを刻み始めると一気に俗っぽく、つまらなくなる。上に貼ったPVの曲もそうです。
■ハイトーン・ヴォーカルがオカマっぽいし、歌メロが入ってくることによっても俗っぽくなるので、興ざめ。
■オリジナリティの欠如。djentは所詮djent。
感想:
■リフを刻む部分はかっこいいが、日和って歌メロやブレイクダウンに依存してしまうところがかっこ悪く、興ざめ。そういう意味で惜しい曲が大半を占める、惜しいアルバム。並盤〜良盤。
もうひとつPVを貼っておきます
#2"Waterline"
May 26, 2012
Black Breath: "Sentenced to Life"
Southern Lordから、アメリカのオールドスクール・デス / ハードコアバンドの2nd。
大体こんな感じ:
■北欧オールドスクール・デスっぽい:
(1)弦がブヨブヨになるまでダウンチューニング
(2)トレモロリフ + ブラストビート
(3)スローやミドルテンポの展開もある、入り組んだ作曲
つまりEntombed, Dismember, Unleashed, Graveなどに酷似
■ハードコアっぽい:
(1)シャウト
(2)モッシュパート(#1"Feast of the Damned"の2:29〜、#2"Sentenced to Life"の1:38〜など)
良い点:
■飾り気がなく、シンプルにリフで勝負することに徹底しているところが痛快
■良曲:
(1)北欧デス的爆音・爆走の展開と、ツーステップやモッシュができそうなハードコア的展開がうまく同居している曲:
#1"Feast of the Damned", #2"Sentenced to Life", #4"Home of the Grave"
(2)ただアホみたいに爆音・爆走してる曲:
#3"Forced into Possession", #6"Mother Abyss"
(3)スローテンポの展開や邪悪なメロディも活きた曲:
#5"Endless Corpse", #7"Of Flesh", #9"The Flame"
悪い点:
■オールドスクール・デスを忠実に再現しすぎていて、個性がなく、地味だと言える
感想:
■オリジナリティにかけるし地味。しかし、楽曲の単純なかっこよさ、良曲の豊富さはそれを補ってあまりある。Entombedら北欧オールドスクール・デスの他、初期Death、Slayer、あるいはニュースクール・ハードコアが好きな人にも幅広く受け入れられると思う。良盤!
"Feast of the Damned"
大体こんな感じ:
■北欧オールドスクール・デスっぽい:
(1)弦がブヨブヨになるまでダウンチューニング
(2)トレモロリフ + ブラストビート
(3)スローやミドルテンポの展開もある、入り組んだ作曲
つまりEntombed, Dismember, Unleashed, Graveなどに酷似
■ハードコアっぽい:
(1)シャウト
(2)モッシュパート(#1"Feast of the Damned"の2:29〜、#2"Sentenced to Life"の1:38〜など)
良い点:
■飾り気がなく、シンプルにリフで勝負することに徹底しているところが痛快
■良曲:
(1)北欧デス的爆音・爆走の展開と、ツーステップやモッシュができそうなハードコア的展開がうまく同居している曲:
#1"Feast of the Damned", #2"Sentenced to Life", #4"Home of the Grave"
(2)ただアホみたいに爆音・爆走してる曲:
#3"Forced into Possession", #6"Mother Abyss"
(3)スローテンポの展開や邪悪なメロディも活きた曲:
#5"Endless Corpse", #7"Of Flesh", #9"The Flame"
悪い点:
■オールドスクール・デスを忠実に再現しすぎていて、個性がなく、地味だと言える
感想:
■オリジナリティにかけるし地味。しかし、楽曲の単純なかっこよさ、良曲の豊富さはそれを補ってあまりある。Entombedら北欧オールドスクール・デスの他、初期Death、Slayer、あるいはニュースクール・ハードコアが好きな人にも幅広く受け入れられると思う。良盤!
"Feast of the Damned"
May 25, 2012
DEAD END: "Dream Demon Analyzer"
motorodから、日本のベテランバンドの2年ぶり6th。
大体こんな感じ:
■最近のANTHEMやLOUDNESSらに近しいものがある、キャッチーだが80年代臭さを脱却した骨太なリフ
■反対に間奏はプログレッシヴ。露骨な転調。
■歌謡的にメロディックだが、グロウルもどきを用いる場面もあり
良い点:
■キャッチー(特にリフが)
■プログレッシヴな間奏、転調が意表を突く
※#2"Conception"の間奏突入時などは非常に良い例。マイナーキー ⇒ メジャーキーへの急な転調。
悪い点:
■色々中途半端:
(1)歌メロはキャッチーだが弱い。印象的でない。
(2)リフもキャッチーだが、世界水準でいえば陳腐化した、平均的なリフ(#1"水晶獣", #2"Conception"などがそう)
(3)ネチネチしててオカマ臭いヴォーカルワーク(#4"Calamity", #6"Angel", #8"夢鬼歌"など)や、グロウルになっていないグロウルもどき(#3"SSS"など)など、最近の浅ましいヴィジュアル系バンドがやるようなことをやっているところが、ベテランらしくなくてかっこわるい。
感想:
■20年ぶりの復活作であった前作は残念ながら聴いていないけれども、今作を聴いた限りでは、欧米のポップ・メタル / グラム・メタルのコピーっぽかった80年代の楽曲と違い、リフや間奏にDEAD END独自の特徴が表れているのはおもしろいと思った。ただ、上述のように残念な点も多くあると思うので、手放しで称賛はできない。ってわけで並盤。
"Conception"30秒だけ
大体こんな感じ:
■最近のANTHEMやLOUDNESSらに近しいものがある、キャッチーだが80年代臭さを脱却した骨太なリフ
■反対に間奏はプログレッシヴ。露骨な転調。
■歌謡的にメロディックだが、グロウルもどきを用いる場面もあり
良い点:
■キャッチー(特にリフが)
■プログレッシヴな間奏、転調が意表を突く
※#2"Conception"の間奏突入時などは非常に良い例。マイナーキー ⇒ メジャーキーへの急な転調。
悪い点:
■色々中途半端:
(1)歌メロはキャッチーだが弱い。印象的でない。
(2)リフもキャッチーだが、世界水準でいえば陳腐化した、平均的なリフ(#1"水晶獣", #2"Conception"などがそう)
(3)ネチネチしててオカマ臭いヴォーカルワーク(#4"Calamity", #6"Angel", #8"夢鬼歌"など)や、グロウルになっていないグロウルもどき(#3"SSS"など)など、最近の浅ましいヴィジュアル系バンドがやるようなことをやっているところが、ベテランらしくなくてかっこわるい。
感想:
■20年ぶりの復活作であった前作は残念ながら聴いていないけれども、今作を聴いた限りでは、欧米のポップ・メタル / グラム・メタルのコピーっぽかった80年代の楽曲と違い、リフや間奏にDEAD END独自の特徴が表れているのはおもしろいと思った。ただ、上述のように残念な点も多くあると思うので、手放しで称賛はできない。ってわけで並盤。
"Conception"30秒だけ
May 21, 2012
May 19, 2012
Allegaeon: "Formshifter"
期待の新人の新譜キターーー!!!
Metal Bladeから、アメリカのテクデスバンドの2nd。
大体こんな感じ:
■前作と同じスタイル:
(1)テクニカルであり、プログレッシヴ
(2)メロディック
(3)ザクザク小気味よく疾走とグルーヴ
良い点:
■作曲がとにかく秀逸、センスの塊:
(1)テクニック・メロディ・リフ全てが備わっている
(2)これだけ中毒的なメロディやリフを量産できるバンドは他にない
(3)そして、中毒的なメロディ・リフを一息もつくことなく、次から次へと間髪いれずにつなげるところもこのバンドにしかない強み。圧倒的な才能!
※下に貼った音源を聴いていだだければ全て分かると思います
■全曲良曲。どの曲でもやってることは同じだが、コピペは皆無。どの曲にもその曲だけのリフ・旋律が割り振られている。1曲残さず素晴らしい出来なので、曲をピックアップすることはしません!
悪い点:
■あったら教えてほしい(`・ω・´)キリッ
感想:
■天才!前作とやってることは同じだが、前作と同じかそれ以上にみどころのある、文句なしの良盤中の良盤!
"Tartessos: The Hidden Xenocryst"
Metal Bladeから、アメリカのテクデスバンドの2nd。
大体こんな感じ:
■前作と同じスタイル:
(1)テクニカルであり、プログレッシヴ
(2)メロディック
(3)ザクザク小気味よく疾走とグルーヴ
良い点:
■作曲がとにかく秀逸、センスの塊:
(1)テクニック・メロディ・リフ全てが備わっている
(2)これだけ中毒的なメロディやリフを量産できるバンドは他にない
(3)そして、中毒的なメロディ・リフを一息もつくことなく、次から次へと間髪いれずにつなげるところもこのバンドにしかない強み。圧倒的な才能!
※下に貼った音源を聴いていだだければ全て分かると思います
■全曲良曲。どの曲でもやってることは同じだが、コピペは皆無。どの曲にもその曲だけのリフ・旋律が割り振られている。1曲残さず素晴らしい出来なので、曲をピックアップすることはしません!
悪い点:
■あったら教えてほしい(`・ω・´)キリッ
感想:
■天才!前作とやってることは同じだが、前作と同じかそれ以上にみどころのある、文句なしの良盤中の良盤!
"Tartessos: The Hidden Xenocryst"
May 17, 2012
Cattle Decapitation: "Monlith of Inhumanity"
Metal Bladeから、アメリカのデス・グラインド / テクデスバンドの7th。
大体こんな感じ:
■クソ速い。ブチ切れている。
■Pig squeal的なゴボゴボした低音〜グロウル〜絶叫まで使い分けるヴォーカル
■圧倒的なドラミング
良い点:
■圧倒的パフォーマンス
(1)上述の、Travis Ryanのブチ切れたヴォーカル
(2)ブラストビート、「ビーッ」って感じの超高速バスドラム、印象的なドラム・フィル・・・Dave McGrawは天才的なドラマーだと思います。
■1曲残らずブチ切れているけれども、特に良曲を挙げるとすれば:
(1)#2"Dead Set on Suicide"
ピッキングもドラミングも常軌を逸している速さの、ノンストップでブチ切れてる曲。
(2)#4"Gristle Licker"
テクニカルでカオティックな、ブチ切れてる曲。
0:06〜0:18、名リフとグルーヴを生み出す天才的なドラミング。
(3)#7"Lifestalker", #8"Do Not Resuscitate"
印象的なリフ
ゴリゴリとグラインド / グルーヴ / ブチ切れて爆走
また、前者ではTravis Ryanのブチ切れ絶叫ヴォーカルが頂点に達します。悪魔が乗り移ったかのように、絶叫しながら歌いあげます。
悪い点:
■特になし!
感想:
■人間を呪うあまり(歌詞参照)ついにブチ切れてしまったみたい。間違いなく最高傑作。ブチ切れっぷりにあいた口がふさがらない、まともな神経では到底創りえない、名盤クラス、良盤中の良盤!
"A Living, Breathing Piece of Defecating Meat"
上では触れませんでしたが、この曲もブチ切れてます
圧巻のヴォーカル・ワーク。
呪いのようなコーラスが耳から離れない・・・
大体こんな感じ:
■クソ速い。ブチ切れている。
■Pig squeal的なゴボゴボした低音〜グロウル〜絶叫まで使い分けるヴォーカル
■圧倒的なドラミング
良い点:
■圧倒的パフォーマンス
(1)上述の、Travis Ryanのブチ切れたヴォーカル
(2)ブラストビート、「ビーッ」って感じの超高速バスドラム、印象的なドラム・フィル・・・Dave McGrawは天才的なドラマーだと思います。
■1曲残らずブチ切れているけれども、特に良曲を挙げるとすれば:
(1)#2"Dead Set on Suicide"
ピッキングもドラミングも常軌を逸している速さの、ノンストップでブチ切れてる曲。
(2)#4"Gristle Licker"
テクニカルでカオティックな、ブチ切れてる曲。
0:06〜0:18、名リフとグルーヴを生み出す天才的なドラミング。
(3)#7"Lifestalker", #8"Do Not Resuscitate"
印象的なリフ
ゴリゴリとグラインド / グルーヴ / ブチ切れて爆走
また、前者ではTravis Ryanのブチ切れ絶叫ヴォーカルが頂点に達します。悪魔が乗り移ったかのように、絶叫しながら歌いあげます。
悪い点:
■特になし!
感想:
■人間を呪うあまり(歌詞参照)ついにブチ切れてしまったみたい。間違いなく最高傑作。ブチ切れっぷりにあいた口がふさがらない、まともな神経では到底創りえない、名盤クラス、良盤中の良盤!
"A Living, Breathing Piece of Defecating Meat"
上では触れませんでしたが、この曲もブチ切れてます
圧巻のヴォーカル・ワーク。
呪いのようなコーラスが耳から離れない・・・
May 15, 2012
Cancer Bats: "Dead Set on Living"
Metal Bladeから、カナダの独特なハードコアバンドの4th。
大体こんな感じ:
■ヴォーカルが吐き捨てるようだったり、ダミ声で歌い上げたりする感じがVision of Disorderっぽい
■オーソドックスなニュースクール・ハードコアではなく、異様なコード進行をしたり、突如として転調したりする、カオティックなハードコア。そこもVision of Disorderっぽいし、Convergeのカオス3割カット版とでも言えるかもしれない
■スロービートや、サザン・ロック調のメロディを用いるところはスラッジからの影響がみられる
良い点:
■独創的
■良曲多数:
(1)#1"R.A.T.S."
Rage Against the Machineのような、リズミックに吐き捨てるヴォーカルワーク、キャッチーなメロディやリフ、ヘヴィネス。
(2)#3"Road Trip"
サザン・ロック調のメロディ + 疾走感 = キャッチー
(3)#5タイトルトラック, #9"Bastards!"
徹底したカオスとアグレッション
(3)#6"The Void"
スロー〜ミドルテンポ + サザン・メロディという、ほぼ完全にスラッジな曲。爆音とヘヴィネス。
(4)#4"Breathe Armageddon", #8"Drunken Physics"
ヴァースなグルーヴィなリフでキャッチーに進行するが、コーラスで転調して爆音
などなど。面倒くさいので全曲挙げなかったけれども、挙げてない曲もかっこいい。100%良曲で構成されています。
悪い点:
■特になし!
感想:
■キャッチーだし、へヴィーだし、カオティックだしで言うことなし。今作がCancer Bat初体験でしたが、素晴らしいアルバム、素晴らしいバンドで、他のカオスなバンド、ConvergeやDillinger Escape Planらに肩を並べる実力者だと思います。ってわけでオヌヌメの良盤中の良盤!
"Old Blood"
大体こんな感じ:
■ヴォーカルが吐き捨てるようだったり、ダミ声で歌い上げたりする感じがVision of Disorderっぽい
■オーソドックスなニュースクール・ハードコアではなく、異様なコード進行をしたり、突如として転調したりする、カオティックなハードコア。そこもVision of Disorderっぽいし、Convergeのカオス3割カット版とでも言えるかもしれない
■スロービートや、サザン・ロック調のメロディを用いるところはスラッジからの影響がみられる
良い点:
■独創的
■良曲多数:
(1)#1"R.A.T.S."
Rage Against the Machineのような、リズミックに吐き捨てるヴォーカルワーク、キャッチーなメロディやリフ、ヘヴィネス。
(2)#3"Road Trip"
サザン・ロック調のメロディ + 疾走感 = キャッチー
(3)#5タイトルトラック, #9"Bastards!"
徹底したカオスとアグレッション
(3)#6"The Void"
スロー〜ミドルテンポ + サザン・メロディという、ほぼ完全にスラッジな曲。爆音とヘヴィネス。
(4)#4"Breathe Armageddon", #8"Drunken Physics"
ヴァースなグルーヴィなリフでキャッチーに進行するが、コーラスで転調して爆音
などなど。面倒くさいので全曲挙げなかったけれども、挙げてない曲もかっこいい。100%良曲で構成されています。
悪い点:
■特になし!
感想:
■キャッチーだし、へヴィーだし、カオティックだしで言うことなし。今作がCancer Bat初体験でしたが、素晴らしいアルバム、素晴らしいバンドで、他のカオスなバンド、ConvergeやDillinger Escape Planらに肩を並べる実力者だと思います。ってわけでオヌヌメの良盤中の良盤!
"Old Blood"