評価:☆☆
バランス【B】 システム【】 音楽【C】

アクション版トルネコ
あの人よりは頑丈な主人公


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 海外のフリーゲーム。ジャンルはアクション。鞭をふるって敵を倒したり、爆弾で道を開くなどしてどんどん下へ進み、最下層を目指す。プレイするたびにダンジョンの構造や敵・アイテムの位置が変わるなど、不思議のダンジョンシリーズと近いシステムを持っている。
死ぬと最初からやり直しとなるが、金を払ってショートカットを作ることもできる。
海外のゲームゆえ出てくる文字は全て英語。最初は日本語の攻略wikiをみて操作方法などを覚えたほうがいい。一度基本的な事を覚えてしまえば、後は英語が全く分からなくてもプレイ可能。


*システム考察*
システム自体は非常に良い。プレイするたび構造が変わって毎回違った刺激を受け取れるため再プレイ性が高く、一度死んでもついついもう一度とプレイしたくなる。
アクションでこの形態のシステムをプレイしたのは初めて。斬新なシステムだと言える。
ただ、トルネコやシレンに比べてアイテムの種類が凄く減ってる上にプレイ中に拾えるアイテムがほとんど金になってしまっているので、アイテムを収集する楽しさというものはトルネコなどに劣る。倉庫のようなものもないのでアイテムを保存することもできない。アクションゲームには不要として切り捨てたのだろうが。


*バランス考察*
バランスは「腕を磨いて少しずつ奥へ進めるようになる」というアクションゲームの根幹をきちんと踏襲してる。操作に慣れたり細かい知識を習得することで少しずつ死亡率を減らして行き、クリアまで到達……そういった要素が高いレベルで完成されており、アクションゲー好きならば間違いなくハマるのではないかと思われる。
だがしかし、バランスに関しては一点だけ苦言を呈したい場所がある。根っ子の部分はきちんと作りこまれているものの、ある2点の要素が組み合わさってこのゲームのイライラ感を高めてしまってる……そんな部分があるのだ。

・即死ポイントが多い
このゲームには即死ポイントがとにかく多い。まずトゲに上から触れれば即死、トゲ柱のトゲに触れても即死級のダメージ、UFOの爆発に巻き込まれても即死、雪男に投げられて奈落に落ちても死亡、奈落に落ちなくても閉所だと延々投げられ続けて死亡、ドッスンに挟まれても死亡、溶岩に落ちても死亡……。ありがちなものだけ取り上げたが、実際にはまだパターンがある。
別に即死ポイントが多いだけなら、マリオなどの例があるようにそこまで問題があるわけではないが……。

・シビアな操作を要求される場面が多い
この特徴と前述の即死ポイントの多さは同時に併せ持ってはいけないものだと思う。このゲームではとにかく操作ミスで死ぬことが多い。それも油断してたからというものだけではなく、集中してても何割かの確率で失敗し、即死……。このゲームにはそんな場面が頻繁にある。例えばトゲ柱は全力でジャンプして越えようとするとタイミングがズレてトゲが刺さるので、ジャンプ高度の調整が必要。ロープやツタは掴むタイミングが少々シビアで、針畑を渡ってるときなどに掴み損ねれば落下死。雪男はフラフラ左右に動き回っており、踏み損ねて掴まれると高確率で死亡。
このゲームは体力値制を取ってるが、正直ここまで即死することが多いと体力値(と美女救出)の意味が半分くらい薄れてしまってるのではないかと思う。途中までうまく進めていても、ちょっとしたミスで即死・また最初からやり直し……。これは難易度とペナルティのバランスが全然取れてないのでは?
失敗したときのペナルティが重いなら乗り越えるのはたやすく、乗り越えるのが難しいのならペナルティを軽く――がバランスの基本だと思うのだが……。

このゲームは基本的には面白いので熱中してプレイできるが、それと同時にイライラ感も併せ持ってプレイする事になる。操作に慣れて、敵の習性も把握して、明らかにダメージを受けなくなって、間違いなく自分は成長してるはずと思うのだが、死亡率だけはほとんど改善されない――。スペランキーには、このようなもどかしさ・イライラ感が強いゲームなのである。

――が、しかし、このゲームの真にまずい所はイライラ感ではないかもしれない。
実は、前述した即死ポイントに関しては全て回避方法がある。その回避方法を覚えて即死ポイントをかわしていけば死亡率は実感できるほど下がり、イライラも無くなる。
「じゃあそれでいいじゃん!」と思うかもしれないが、その回避方法と言うのは下記のようなものである。

・宝はノーリスクで取れるものだけを取る。雪男などが側にいて即死の危険性のあるものには近付かない。
・トゲ渡りは基本的に行わず、別の道を探す。他に道が無かったら爆弾を消費してでも作るか、もしくは爆弾でトゲを吹き飛ばして安全に下を通る。
・UFOは踏むのが楽しいのでつい踏みたくなるが、爆発に巻き込まれるリスクが高いので踏まない。撃ち落とすのも危ないので避ける。
(※他にもアイテムを使って逃れる方法もあるが、確実に取れるものでもないので省略)

この通り、とっても消極的なものばかり。死にたくないなら、とにかく危険を避けて安全な道を選び続けるのが上策なのである。敵からは逃げ、宝は無視し、危険地帯は迂回する……。確かにイライラはしないが、今度はなんだか刺激が足りない。「アイテムを取る」とか「敵を倒す」という快感はアクションゲームを面白いと感じさせる要素の根幹となっている訳だから、それを無くした状態では当然のことである。
冒険をせず、ほとんど刺激を受け取らずに進むか、それを嫌って即死しつつイライラしながら進むか……。プレイヤーはこのどちらかを選ばなくてはいけない。もっと「慣れればミスしなくなる」という方向性を突き詰めるか、即死を1〜2ダメージくらいに変えるなどしたバランスが理想なのではないかと思う。


*総評*
雪男に何度も投げハメを食らって死んでると、マリオの敵がみんな規則正しく動いてるのは「なんとなく」ではなくちゃんと意味があったんだなーと気付かされる。とにかくこのゲームは雪男に代表されるように難易度とペナルティのバランス調整がちょっとおかしい。
だがしかし、逆にそれ以外の部分の完成度は非常に高い。不満部分の記述が長くなってしまったが、このゲームは基本的には面白いんだということは最後に改めて書いておく。
不満部分はミスが原因の即死に依るものなので、アクション上級者から見れば些細なもの。卓抜した操作技術と判断力を持ってスイスイゲームを進められる者ならば、このゲームから大きな熱中を得ることができるだろう。


B002SE6O1UBBH1 GR多村 仁(横浜)
コナミ

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