これからちょくちょくとカードゲームに関する考察を上げていこうと思う。
第一回目はフリーカードゲーム「SoulGate」
本家→SOUL GATE

格付けの基準
【S】この上ないほど良い 【A】良い 【B】普通 【C】悪い 【D】最低クラス

ルールの完成度【】 カードバランス【B】 発展性【B】右が自分の場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


*ルール解説*
ユニットを召喚して攻撃を行い、相手のライフポイントを0にすることを目的としたゲーム。ユニットには「チャンネル数」というステータスが決まっており、この数だけ手札をどんなカードであろうと自由に装備させることができる。裏側のカードが一枚装備されるごとに防御力が100上がり、表側のカードが装備されると今度は逆に攻撃力が100上がる。
攻撃の際、こちらのユニットの攻撃力が相手ユニットの防御力を超えていれば、相手のユニットを破壊できる。破壊されたユニットは装備していたカードごと墓地へ送られ、ユニットの所有者はチャンネル数に等しいだけのダメージを受ける。
裏向きのカードは戦闘中に表にして攻撃力を上げられるが、表向きのカードを戦闘中に裏返しにすることはできない。つまり何らかの原因で攻撃に失敗した場合、ユニットは次の相手のターンに無防備になる。
チャンネル上限一杯までカードを装備しているユニットには、手札のカードを一枚代わりに装備させることによって、任意の装備カードを一枚破壊できる。カードを押し込んで弾き出すイメージ。


*ルール考察*
まず特筆すべきはそのルールの完成度である。チャネリング、押し込みといったシステムは、他のカードゲームとは違う独創さに加え対戦を熱くする 駆け引き要素を内包している。かなり自由に敵を妨害できるので、自分の事だけでなく相手の心理を読むことも重要になってくる。今はまだコンピューターとし か対戦できないが、将来実装されるというネット対戦が出来るようになれば素晴らしく激しい戦いが繰り広げられるであろう。
他にも「何もしないでターンを流すとカード一枚ドロー」「マリガンはローリスクで何度でも」「後攻がマリガンを行うタイミングは先攻のターン が終了した後」「ダイレクトアタックは1ダメージで固定」など、ワンサイドゲームを予防するような工夫が随所に盛り込まれてる。これまたどれも他のカード ゲームではあまり見られない、ソウルゲート独自のルールである。
ただ、ワンサイドゲームを抑制するルールがあるならじゃあワンサイドゲームはないのかと言えばそれは間違いであり、ソウルゲートというゲーム は勝つにも負けるにもワンサイドで勝負がつくことが多い。残念なことに。死亡時のデメリットが大きすぎるので、最初に出したユニットを破壊されるとかなり厳しい。
ユニットを破壊されるとそのマスターはライフを失い、さらにカードをチャンネルする土台を一つ失い、さらにそのユニットに装備していたカードも全て失う。その上蓄積ダメージという概念が無いので、勝ったほうは基本的に無傷である。このように勝ったほうと負けたほうに激しい戦力の開きが発生するため、一度マウントポジションを取ったらそのままタコ殴りで、劣勢側は何も出来ずに負けてしまうといったケースが非常に多い。
個人的な意見としては、戦闘敗者が負うディスアドバンテージはライフダメージとユニット数の減少に止めるべきであり、チャンネルアドバンテージ……すなわち手札アドバンテージまで失う必要は無いと思う。
具体的な対策としては、全てのユニットに「還元」のような効果を持たせればいいのではないかと思う。つまり、「ユニットが破壊された場合、そのマスターは付加された(裏側の)カード枚数だけデッキからカードをドローする」といったルールを作る、ということである。すばやく体勢を立て直せるようになれば、相手のドローするカードも減るし、相手が勝つための場を作る時間も減らせる。つまりチャンネル不足によるワンサイドゲームが少なくなる。
他にも、先攻があまりに有利すぎるというワンサイドゲームの温床があったりするのだが、一応これは「2」で対策がされている。後攻は一枚多くカードを引けるので若干不利が解消された。ただこれで先攻有利が解消されたかというとおそらくそれも違い、まだ先攻有利は続くと思われる。まだ「2」をや りこんだわけではないので憶測でしか物を言えないのだが、先攻有利の根本的原因である「憑依解除」と「強制開放(転回)」の仕様がまったく変わっていないのでカードを一枚多く貰えたところで何が変わったとも思えない。

①先攻が憑依解除を二枚以上積んで攻撃→後攻成す術もなく破壊
②先攻が二体ユニット召喚、一体に強制開放チャンネル→後攻、ユニットを召喚するが硬直するので明らかに強制開放だと分かってる相手を攻撃できない→開放をかけられ成す術なく破壊

この二つの確実な戦法がまだ通用するのでやっぱりまだ先攻は有利だと思われる。一応②のケースは先攻の出方を見て呪縛や魔力の盾が出るまでマリ ガンを続ければ防げないことも無いが、一体に4枚チャンネルして普通を装った後のアサルトワスプ押し込み開放は予測することが不可能なので非常に防ぎ辛 い。というわけで「呪縛があるからいいじゃん!」とはならないと思われる。
憑依解除と開放系は作者が意図して作ったパワーカードであろうが、適当に発動レベルでも付けてバランスを整えるのがいいと思う。(憑依解除はレベル4、開放系はレベル3が妥当)

このゲームはルールの段階でかなり攻撃が有利なので、もっと攻撃を手控えるような、そんな工夫が必要。攻撃の優位性を列挙すると、

①攻撃力と守備力が同値の場合、攻撃側が勝利
②どのユニットを攻撃するかの選択権は攻撃側が持つ
③押し込みの存在
④攻撃補助カード、チャンネル破壊カードが便利かつ多彩
⑤それに比べて防御カードはたったの四種、実戦に耐えるレベルのものは三種のみ

こうなる。前者三つは仕方が無いとしても、後者二つはなんとかしてほしい。防御カードはフルに入れても3×3で九枚、無理して十二枚といったところ。ガチガチの篭城デッキを作ろうにも、これではいささか数が足りない。基本的に三種類しかないのでバリエーションも少なく、攻撃側にも対策を練られやすい。
なお、一番防御の価値を落としているのは「チャンネル破壊カードの凶悪さ」であろう。防御カード個別に対策など練らなくとも、とりあえず破壊してしまえばいいのだ。駆け引きもクソもない。

それと、押し込みについて。
自分の手札を与えることで代わりに相手のカードを破壊できるというルールであるが、これが少々便利すぎる。基本的に防ぐ手段が全く存在しないた め、お互い手札がダブついてくると押し込み合戦になる。手札を常に装備破壊の1:1交換カード(のようなもの)として使えるので、相手のチャンネル破壊の確実な手段として利用できる。これはワンサイドゲームを増長させており、片一方のカードアドバンテージに大きな偏りが表れると、少ないほうはチャンネルしてるカードを全て弾き出され、成す術もなくユニットを破壊されてしまう。こうなってしまうとまだライフが残っているものの、もう勝負は決定的であり、劣勢側が体勢を立て直す間に優勢側はライフを削るなり攻撃ユニットの補強をするなり二体目を召喚するなり何でも自由に戦略を立てられる。特に二体目召喚+強制開放チャンネルが決まると相手はもうどうしようもない。出来ることと言えば、デッキに(多くて)二枚くらい入ってる呪縛を(運よく)引き当てることを願う事ぐらい。
この押し込みルールによってカード一枚一枚が大きな力を持つようになったので、カードアドバンテージの調整は念入りに行うべきであった。現状では前述の通り、負けだすと止まらない仕様。


*バランス考察*
カードバランスについては、一部に作者の意図したパワーカードが存在するが、それを考慮しなければなかなか整っているように思える。特に2になってからは強カードが弱体化、レベル調整が入りかなりまともなバランスになった(ただし憑依解除と強制開放転回はそのままだが)。強いて言えばチャンネル4のユニットの存在意義が微妙か……。強さを求めるならチャンネル5、サポートならチャンネル3と住み分けがはっきりしてしまっているので、中途半端なチャンネル4のユニットは使い辛い。戦闘もサポートも両方こなせることが売りらしいが、実際は戦闘ではチャンネル5に全然太刀打ちできないのでサポートしかやることがない。そしてサポートなら気軽に使い捨てられるチャンネル3が使いやすい。真面目にチャンネル4をガチデッキを構成するカードの選択肢に入れるのであれば、全体的にもう少し基礎能力を上げることが必要である。そこそこ戦闘もこなせるようになれば、作者の理想としたオールラウンダーに近付くは ず。 


*発展性考察*
発展性に関しては、カードが百種強と少ないため、やはり作れるデッキタイプは限られてしまう。そしてそれに作者の意図した強カードの存在を考慮すると、強さだけを求めるのならば最終的にデッキタイプは一種類に固定されてしまう(シーホースナイト・チャンネル破壊カードで速攻を行い、不死で防御するデッキ)。
ぶっちゃけたことを言うと、普通に考えて初代ソウルゲートの発展性、カードバランスは最悪である。この時点でもしネット対戦が実装してたら、それはただの「運ゲー」、「先攻ゲー」になっていたであろう(デッキで差が付かないのだから……)。
ただしこれはあくまで対人戦を前提にした話である。実際には初代ソウルゲートはツクールを利用した作品であり、あの時点でネット対戦は有り得なかった。やたらと強カードが多いのも、ネット対戦を想定してないからこそ作者がメチャクチャできたのである。
ということで、カードバランスと発展性の格付けに関しては強カードを考慮しない場合の値となっている。シーホースや不死などの壊れがなければ、 憑依ユニットやチャンネル6ユニット、それ一種でデッキコンセプト足りえる影響力の強いカードの存在で多種多様なデッキが組める。弱いカードもなにかしら 効果を持っているので、それを軸にした特殊デッキが作成可能である。デッキ構築の自由度は、ローリスクでマリガンできることも相まってかなり高い。


*総評*
非常に将来に期待が持てるゲームであり、自分としては現在開発中である「2」の一刻も早い完成を願っている。ただもう一年以上まったく更新が無く、もう投げてしまった可能性もある。テストバージョンをプレイすることはできるが、かなり不完全で物足りない。
とにかく今までのカードゲームとは一味違う物に仕上がっているため、これで対人戦がプレイできたら最高である。作者の復活を願って止まない。

4047110213旅から帰ってきて (Kadokawa greeting book)
椎名 誠
角川書店 1989-08

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