2011年02月11日
定期保険がベスト、条件付きで:『生命保険のウラ側』
![]() | 生命保険のウラ側 (朝日新書) 後田 亨 朝日新聞出版 2010-02-12 売り上げランキング : 10133 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■ 書評 ■
いい加減はまりすぎだろ!と自分に言い聞かせたくなるほど保険関連書籍を読んできた。先日の記事でほぼ結論は得られたのだが、『内藤忍 お金の話をしませんか』で薦められていたので一応チェック。
本書では保障と貯蓄を分けて考え、生命保険は保険料の安い定期保険がベストと説く。最近主流の考え方だ。しかし、浮いたお金で投資をしないと機会損失により相対的に損することまでは踏み込んで触れていない。ここまで書いてあるのは『いかさま生保マンがあなたの資産を食い潰す』くらいで、こちらは金融&保険リテラシー両方が身につく。私は『いかさま生保マン〜』の方を強く薦める。
本来、保障と貯蓄は一緒に考えないといけない。それを保険会社で一緒に管理してもらうのか、自分で両方を管理するかだけの話。前者の場合だと手数料が高くつく。
さて、生命保険料をサイトで比較してみた。30歳男性が、向こう10年間保険に入る場合、保険料が安い順に以下になった。
収入保障保険 < 会社の団体保険 < 共済 < ライフネット生命 < 大手生命保険
ただし、年齢が高い場合は、年齢によらず保険料一律の共済が圧倒的に有利になる。
ここで、収入保障保険は加入後すぐに死亡した場合に受け取る総額をほかの保険金と同額にして比較している。ちなみに、定期保険の保障額を年々下げるように毎年更新することも考えたが、長期の収入保障型の方が圧倒的に安い。
収入保障保険が安い理由は、保険会社が従来の保険なら一括で支払うはずの保険金の大部分を長期で運用できるからと考えることができる。したがって保険金受け取り人が自力で資産運用できる場合は収入保障保険のお得度は下がることになる。私の場合妻が上手に資産運用できるとは思えないので、収入保障保険に加入することにした。
収入保障保険に入る際、ちょっとした裏ワザがある。保障期間が短くなってきたら、その時点の保障金額合計と同額の定期保険に乗り換えることで保険料が安くなる。そのからくりは、上で書いた保険会社側のメリットがなくなるから。具体的なやりかたは、例えば20年の収入保障保険に入った場合、最後の5年は共済に乗り換えた方が保険料支払総額が少なくなる。保障総額は同等かそれ以上のままでだ。損保ジャパンひまわり生命の”家族のお守り”はこの裏ワザをやられてしまわないように、保険料がだんだん安くなっていき最後の5年間は当初の半額になるよう設計されている。その分スタート時点の支払額は若干高い。本来なら保障額の多いスタート時点の保険料が高くて、だんだん減るというのが自然な商品設計だろう。しかし、これをやると若い人が入ってくれないので、多くの保険会社は保険料定額としている。
結論として、保険料定額の収入保障保険に入って、途中で共済に乗り換えるのがベストな選択になる。
