2008年09月25日

国際通信社webの一般記事1

TOPICSニッポン人の基礎知識──気になる旬のトピックを解説コンビニ受診

【こんびにじゅしん】
一般に外来診療をしていない休日や夜間において、緊急性がないにもかかわらず「日中は休めない」「明日は仕事がある」などの理由により、救急外来を受診する軽症患者の行動を指す。この増加に伴い、重症患者や入院患者への対応が困難になったり、救急医が疲弊するなどの弊害を招いており、医療崩壊の危機をもたらす一因となっている。* * *医療崩壊の危機が叫ばれている昨今、救急医療の現場も厳しい状況に直面している。急を要しない軽症患者が救急外来に訪れる「コンビニ受診」が増加していることから、救急外来の現場はパンク寸前の状態に陥っているのだ。平成8年には324万人だった救急搬送数は平成18年の時点で489万人に増加しており、その数のうち約6割を軽症患者が占めているという。そしてそういった軽症患者の中には、病院側が緊急性がないため昼間の受診をと促しても何度も夜間に訪れる者や、重症患者を優先して診療していると「待ち時間が長い」と責め立てる者もおり、救急医療の現場に混乱をもたらすケースも増えてきている。



そもそも病院というのは日中の時間帯に多数の医師を配置しており、また救急外来は少数の重疾患者の対処に特化していることから、多数の患者の診療は困難を極める。そのためコンビニ受診が増加することで、入院患者や重症患者への対応が困難になったり、医師が充分な休養をとれずに翌日以降の診療に支障をきたしたりすることもあり、さらには重度の疲弊から医療現場を去る救急医も出てきているという。それに救急の現場ではあくまでも救急医が診療にあたるため、専門医による高度な診療や精密検査を受けられる体制が整っていないケースもあり、患者はそれぞれの症状に適した診療が受けられないことも多いのだ。



ただ、一概に救急外来に訪れる軽症患者を責めるわけにはいかないのが現実である。身勝手なコンビニ受診をしにくる患者というのは比較的少なく、大半はやむを得ない理由を抱えている。「平日は仕事を休めない」「明日は仕事がある」などの事情があり、夜間や休日に救急外来に訪れるしかないのだ。一方で患者自らは軽症だと思って救急外来に訪れても、実際に診療を受けてみると1割は重症であるというデータもあり、患者が自己判断で救急外来の受診を控えるのは危険性が高いという問題も避けられない。



そういった救急外来を取り巻く状況を考慮して、独自に対策を講じている病院も出てきている。特に、親が子どもの急な異変に慌て救急外来に駆け付けるケースが多いことから、ある子ども専門病院の救急センターでは「トリアージ」という災害医療などで知られる手法を採り入れている。これは殺到する患者の緊急度の高さを見分けるもので、同病院においては、まずトリアージナースという専門の看護師が付き添いの親から症状を聞き取り、体温や心拍数を計って、「蘇生」「緊急」「準緊急」「非緊急」の4段階に判別する。緊急以上の場合には15分以内に医師が診察し、それ以下の場合には救急搬送であっても待合室で順番を待ってもらう。この手法を採用することで、重症患者が待合室に埋もれることもなくなった。そしてその合理的な手法は訪れる患者からの理解を得て、順番を抜かれることに対する苦情も激減したという。また東京消防庁では、安易な救急利用の抑制と適切な受診を促すべく電話相談「#7119」をスタートし、さらに富山、鳥取、長崎、沖縄を除く全国43都道府県では子どもの急変について相談できる「#8000」を設置するなど、あらゆる角度から救急外来が上手く機能するように対策が講じられているのである。



一つ言えるのは、コンビニ受診が増加しているのも、24時間動き続けている現代社会を映し出す一つの現象であるということだ。今後さらに救急外来での受診を求める患者は増えることが予想されるため、夜間や休日にも受診できる医療機関を増やす必要性が益々高まってくることだろう。しかしそれだけでは救急外来の現場環境の充分な改善には間に合わないため、以前にも増して各人のモラルが求められるようになる。万が一自らが危険な状況に陥った場合に適切な診療を受けるためにも、明らかに軽症である際には救急外来の使用は控えてもらいたい。そうすることで、本来の機能を果たせる救急外来を実現できるだろう。



deg8229 at 07:28コメント(0)トラックバック(0) 

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