2005年08月18日

本を読んだ-桜さがし<柴田よしき>-

桜さがし集英社 ; ISBN: 4087744604 ; (2000/05)

評価:89点(100点満点)

中学の同級生だった4人組「陽介、歌義、まり恵、綾」と、彼らの担任で現在は推理作家となった浅間寺龍之介の5人に様々な事件が降りかかる。

4人組が大学を卒業してほんの数年後という設定。
一流商社に勤める陽介、弁護士を目指して勉強中の歌義、獣医になろうと大学を再受験した学生の綾、同じ会社の先輩との婚約を破棄し、派遣会社で働くまり恵、と全く違う境遇になっている。
25〜30歳ぐらいって人生のひとつの岐路になってるのだな。
会社を辞めるにしても、弁護士をあきらめるにして、結婚して主婦になるにしても、このあたりで何かを決めなければいけない年齢なのだろう。
もちろん35歳には35歳の、40歳には40歳の選択はあるけど、そのときに青春の香りを残しているのは30歳までだよなあ。
「昔からの夢をあきらめて・・・」とか
逆に「夢をどうしてもあきらめられず・・・」とか
さらには「やりたいことを見つけたくて・・・」とか
そんな青臭いセリフも許せるというもの。
40歳になってそんなこと言っていたら、ただの馬鹿だと思われる。

ともかく、4人と1人の切ない青春小説です。
殺人事件が起きるなど、多少はミステリっぽい味付けもあるが、それはあくまでおまけ。
4人が様々な事件に巻き込まれる中で、悩み成長していく過程がメインになってます。

舞台は京都。
これがまた情緒的でたまらなくて懐かしい。
様々な季節の京都が、行事や食べ物と共に紹介されて、観光ガイドブックにもなりそうだ。

著者は東京生まれで青学卒業。登場人物全員が関西弁をしゃべりまくる話をよく書いたものだ。

Comments(0)TrackBack(3)

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

3. 『桜さがし』 柴田よしき 集英社文庫  [ みかんのReading Diary ]   2005年08月19日 00:18
桜さがし  十年来の中学の同級生4人が、今は作家になった恩師・浅間寺の住む京都の山奥にあるログハウスに向かう所から始まる。  8編の連作短編集。1編ごとに一人一人の視線から書かれている青春恋愛ミステリ…?  中学の仲良し同級生がそれぞれ大人になったと
2. 桜さがし/柴田よしき  [ ひまさえあれば ]   2005年08月18日 20:08
中学時代新聞部の顧問だった先生を慕うメンバー4人の大人への恋物語。 そして並行して起こるさまざまな事件は自然が織り成すそれぞれの季節が解決の糸口となります。 文章からあふれるように伝わる色や香り。 京都ならではの風情を存分に楽しむことができました。 心...
1. 柴田よしき「桜さがし」  [ sally's Blog ]   2005年08月18日 15:22
遠方への取材がすきなのは、移動中に本が読めるから。 それで、金曜に一冊読み終わったのが、またまた柴田よしきさんの「桜さがし」。本の裏表紙に「せつない青春群像」とあったので、自分には遠い昔のような気がして、もしかしたら受け付けないのでは…と思っていたけれど....

コメントする

名前
 
  絵文字