2006年02月24日

カギ<清水博子>−(本:今年17冊目)−

カギ集英社 ; ISBN: 4087746976 ; (2005/04)

評価:75点

初めて著者の本を読んだ。
この歳になると、「私、はじめてなの・・・」ということが次第に減ってくる。
といっても、「私、はじめてなの・・・」という出来事は結構いろんなところに落ちているわけで、特に本を選ぶときには、まだまだ読んだことのない「はじめての」作家が多いことを実感する。
ま、だからなにかを感じながら読んだ、というわけでもないのですが。
ごめんなさい。

清水博子は先日の第134回芥川賞の候補に上がっていた人。
1968年生まれだから、私の二つ下。
それにしては、この本の裏表紙に、なんともイケイケねえちゃん風の写真が載っていたぞ。
ちょっと変わってる人なのだろうか。
岩井志摩子みたいになってしまうのかと思うと恐ろしい。

さて、物語は姉妹の二人の日記を交互に掲載していくもの。
未亡人であり、不動産収入で悠々と暮らす姉はパソコンに日記を書く。
会社員の妻でありながら、分相応な生活と妥協できず、子供も育てられないちょっとおかしな妹はブログで日記を公開している。
二人の共通の知り合いA子、妹の夫、二人の母、そして妹の子供。
自分の話と彼らの話だけで淡々と日記は続いていく。
どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか。
最初は時々垣間見えていた狂気が、次第にその強さを増して増幅し、淡々とした描写の裏にとぐろをまいていくのが見えるようだ。

こんな雰囲気は嫌いではない。
でも、もうちょっと芸があってもよかったかな。
てっきり二人の人格が入れ替わるようになっていくか、大きなどんでん返しがあるのかだと思っていたのに。
少々拍子抜けのエンディングだったなあ。

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2. カギ  清水博子  [ 今更なんですがの本の話 ]   2006年02月25日 19:49
今回も芥川賞候補になりますが清水博子さんです 97年『街の座標』ですばる文学賞 01年『処方箋』で野間新人文芸賞を受賞 今回『vanity』で芥川賞の候補となりました 正直この本は読んでいて辛かったです 結婚して1年も経たないうちに美術商の夫を無くし 彼の残し....
1. カギ [清水博子]  [ + ChiekoaLibrary + ]   2006年02月24日 17:52
カギ清水 博子 集英社 2005-04 1月1日から、12月31日までの、一年間の日記…。 最初のうちは、何で日記が二つ並んでいるのかわからなかったのです。二重人格者?とかいろんな想像をしてしまいました。違いました。読んでいくと、ひとつは妹の日記でもう一つが姉の日記だ...

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