2007年02月22日

讃歌<篠田節子>−(本:2007年20冊目)−

讃歌朝日新聞社 (2006/1/12)
ISBN-13: 978-4022500892

(評価:81点)

空白の20数年を越えて蘇えり、多くの人を感動させ涙させた奇跡の天才ヴィオリスト柳原園子。彼女を一躍有名にさせたのは、彼女の音楽に感動し、彼女の生い立ちを語るドキュメンタリー番組を作った制作会社のメンバーだった。

番組は成功し、多くの視聴者の共感を得て、柳原園子は大衆から絶大な支持を得る。しかし、番組で放映された彼女の経歴に微妙なウソが見つかったことから、徐々に物語りは暗転しはじめる。

さすが篠田節子。
もともと音楽ものは得意だが、この作品も一気に読ませる。
決して専門用語を乱発せず、素人にもわかりやすく、しかし演奏の感動が伝わってくるような描写はさすがだ。
物語は、「テレビ番組の演出と捏造の境」や「自分の才能以上の夢を背負い込んで挫折した芸術家」の話に加えて、「日本人のクラシック音楽を聴く耳」というシビアなテーマを選んでいる。

そもそもクラシックをほとんど聴かない私なので、偉そうなことは言えないが、私も「正統なクラシックの演奏」よりは「正しい演奏でなくても魂を揺さぶられ涙を流さずには聴かれない」ような音楽を聴いてみたい。
どこかに柳原園子のCDはないだろうか。

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この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2007年02月22日 23:10
かつきさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

いえ、実在していないと思いますが・・・。
1. Posted by かつき   2007年02月22日 17:45
こんばんは。
TBありがとうございます。

柳原園子って実在の人物なんですか。
知らなかった……。

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