2007年05月09日

桜川ピクニック<川端裕人>−(本:2007年47冊目)−

文藝春秋 (2007/03)
ISBN-10: 4163257004

評価:77点

子育てに奮闘する父親達の物語。
6つの短編はうまくリンクしていて、それぞれ保育園に通う子供達を通じてつながっている。
この手の構成は最近よく見かけるような気がするけど、それでも読んでいる途中で話がつながってくるときってなんだか嬉しくなる、
不思議なものだ。

最初の「青のウルトラマン」はちょっと重めの物語。
在宅勤務で子育てをする夫、河崎恵が遭遇する幼児虐待の現場。それでも母親にすがりつく子供。子供を守ろうとして逆に自分の中の暴力に気づかされ愕然とする主人公。
いったいいつから川端裕人は重松清になったんだ。
最初の作品を読み終わってそう感じてしまった。

その次からは少し明るめの話になるものの、スカッとした爽快感は読後に得られない。
考えてみれば当たり前のことで、現在の日本で男が子育てに関与すること自体がそんなに簡単ではないのだ。
いや決して男としていいわけを書いているつもりではなく、どっぷりと女性の代わりに育児に専念できることは男にとって難しい。
私の勤める会社でも、未だ育児休暇を取った男性はいないのだ。
従業員が1万人近くいる会社だというのに・・・。

ま、そんなこんなで、社会に対する問題提起が少し、親子の愛情に関する問題提起が少し、家族の形に対する問題提起が少し、父親としての生きかたに対する問題提起が少し。それらを混ぜあわせたような小説群だった。

こういう雰囲気は嫌いではない。
俺もおしりパンクを歌ってみたいなあ。
そういえば、おしりのところで越中士郎を出すわけにはいかなかったのか。


桜川ピクニック


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この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2007年05月10日 00:01
エビノートさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

ええ、おしりのところは最高でした。
暗めのスタートが、あの話で一気にテンション上がりましたね。
構成的には見事かも。
1. Posted by エビノート   2007年05月09日 20:41
少しずつ広がってきてるのかなぁ〜と思ってましたが、父親が育児休暇を取るのって、難しいんですね〜。
「おしり関係」が微笑ましくって、読んでいて楽しかったです♪

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