2007年06月05日

聖なる黒夜<柴田よしき>−(本:2007年55冊目)−

聖なる黒夜

出版社: 角川書店 (2002/10)
ISBN-10: 4048734113

評価:86点

676ページの2段組み。
ちょっとした凶器になりそうなぐらい分厚くて重い本に、ビッシリと小さな字が書きこまれた佇まいは、「てめえら、中途半端な気持ちで読んだら怪我すんど!」と凄んでいるように思える。
それでも勇気を出して読み始める。
だって、こいつを読む間に、先日読んだ西加奈子なら3冊は読めるもんなあ。
そして中身も十分に濃いものだった。

いきなり暴力団幹部・韮崎が殺されるという場面から始まる。
(実際は山内が韮崎に拾われるシーンが最初だが、それは数ページ)
用心深い男だった韮崎が、ホテルの浴槽に浸かった状態で喉を掻き切られていたのだ。
暴力団同士の抗争なのか、私的な怨恨による殺人なのか、過去に何度も場面を飛ばしながら、捜査の場面が続いていく。

小説の中で刑事の麻生が何度も口にするように、バラバラだったパズルのピースが次第にカチカチとハマって真相につながっていく様子は美しく気持ちいい。
ただ、ちょっと強引なところもあったけどね。
無理矢理カッターナイフでパズルを削ってはめ込んだような感じもある。
特に槙と麻生が偶然に出合って恋に落ちていたなんて、それはいくらなんでも・・・。

著者が描きたかったのは、ドロドロとした愛憎劇のほうだったんだろう。
こっちはとにかく強烈。
男も女もやりまくりの嫉妬しまくりで、屈折した愛情をふりまいている。
男同士はもう勘弁してくれい。
麻生も及川も山内も田村も韮崎も・・・。
いやはや私には耐えられない・・・といっても次第に感覚が麻痺してきたのだが。
新宿のトイレの描写は凄かった。
あんなところがほんとにあるんだろうか。

Comments(2)TrackBack(0)

トラックバックURL

この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2007年06月07日 00:28
hitoさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。

RIKOは読んだと思うのですが、内容をちゃんと思い出せません。
最近図書館から所轄刑事・麻生龍太郎を借りました。
柴田さんの本は、作品同士でいろいろリンクしていて楽しいですよね。

濃いですが、読んでくださいませ、この本。是非是非。
1. Posted by hito   2007年06月06日 11:18
柴田さんの「RIKO」シリーズも「花ちゃん」シリーズも好きなので、どちらにもリンクしているこの番外編の文庫落ち楽しみにしていて、出たとたんに購入したのですが・・あまりの濃さに途中でストップしてしまっています〜
早く読もうとおもいつつ・・

やはりかなりハードそうですね〜

コメントする

名前
 
  絵文字