2007年06月13日

風が強く吹いている<三浦しをん>−(本:2007年57冊目)−

風が強く吹いている


出版社: 新潮社 (2006/9/21)
ISBN-10: 4104541044

評価:90点

随分と待って、やっと図書館で借りることができた。
理屈抜きに面白い。

ボロアパート(竹青荘)に住んでいる10人の寛政大学生。3人を除いて陸上競技には縁のなかった素人集団が、突如走り始める。そして、たった10人で箱根駅伝を目指すことになった。
正月の風物詩ともなった箱根駅伝。
シードされるのは昨年度10位に入った大学のみで、残りの9校は予選会から勝ち上がらなければならない。
そして、まずは5キロ17分以下で全員が走れなければ、予選会に出る権利さえ与えられないのだ。

ニコチンづけの肥満体の留年生や、漫画の本に埋もれて暮らしているオタク学生や、黒人の留学生(マラソン留学ではない)。
いやいやいくらなんでもそれは無理、と思うのだけれど、なぜか一生懸命になっているメンバーをいつの間にか自分も応援してしまっていた。

物語の軸になるのは、高校陸上会でも有名であったが、ある事件を起こして陸上部のない大学に進学してきた1年生の蔵原走(かける)と、足の故障から第一線での活躍を諦めていた4年生の清瀬ハイジ。
素人集団をうまくとりまとめ、見事にコントロールしていくハイジと、そのハイジの信頼を受けて走る走。
そんな2人と、残りの8人、そして彼らを応援する周囲の人々の描写が、コミカルで温かくて、でも十分に青春時代を思い出させてくれて素晴らしい。
中学・高校の部活動でも走るのが大嫌いだった私だが、この小説を読んでいると、ひょっとしたら走るって楽しいことだったんじゃないかと思えてくるから不思議だ。
でも本当に走ってみると、きっとしんどいだけだろうな。

この小説、見方を変えるとビジネス小説にもなる。
もちろん、「清瀬ハイジ」のマネジメント講座だ。
個性豊かな部下達の信頼をいかにして集めるか。
決して怒鳴らず、ひとりひとりの性格をきちんと見抜き、必要な対応をマメに行って本人達に実力以上のものを出させてしまう手腕の素晴らしさ。
必要なときは自分が矢面にたち、部下への非難は体を張って防ぎにいく。
私の会社の部長連中に読ませてやりたいね、この本を。
ん、隣の席の中川君にはお前が読めって思われているかもしれないが・・・。

今年の年末は箱根駅伝を見てみるか。

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