2007年06月19日

最愛<真保裕一>−(本:2007年60冊目)−

最愛

出版社: 新潮社 (2007/1/19)
ISBN-10: 410303551X

評価:65点

18年間音信不通だった姉が、意識不明で救急病院に搬送されたところから物語りは始まる。婚姻届を出した次の日に、消費者金融の店で銃に撃たれたのだ。
何故、姉がこんな目に会わなければならなかったのか。そして一向に姿を現さない姉の結婚相手はどこにいるのか。
生死の境を彷徨う姉の18年間の秘密をさぐりながら、主人公は衝撃的な事実を暴いていく。

暴いていくのだが、どうにもこうにもオチに向けての盛り下がりがなんともしがたい。
ご都合主義的な展開は目を覆うばかりだし、主人公が常に絶賛する姉の行動は、ただのエキセントリックなバカなオネイチャン、としか思えない。
弱いものの味方をするのはよいとしても、すぐに殴りかかっていったり、状況を全く考えない浅はかさを見せられると、とても「なんて姉は強かったんだ、ウルウル(涙)」というような主人公の気持ちに同意できなくなってしまう。
主人公に肩入れできなくなった時点で、小説としてはダメなんじゃないのか。
そしてなんとも後味の悪いラスト。
物語の最初で私は、「最愛」の対象が、姉の夫に対する気持ちなのかと思っていた。
しかし、読み進むうちにどうも違和感を感じ、そして最後に、主人公の姉に対する気持ちなんだとやっとわかった。
しかしまあ、分別のないガキでもあるまいし、
「周りの狼狽振りを見るにつけ、やっと僕は自分が犯した行為に震えた」って、なんだかなあ・・・。

いろいろ突っ込んでも仕方ないが、主人公はそう簡単に姉の夫が犯したかもしれない犯罪にたどりつけるはずもないと思うがなあ。
いろいろと簡単に解決しすぎです。どこの名探偵だというのだ、この小児科医の主人公は、ほんとにもう。

でも文章と展開はうまいです。さすが真保裕一。

Comments(0)TrackBack(1)

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 最愛⇔真保裕一  [ らぶほん−本に埋もれて ]   2007年06月25日 08:33
3 最愛<真保裕一> 十八年間音信不通だった姉が、意識不明で救急病院に搬送された。 重傷の火傷、頭部の銃創。 それは婚姻届を出した翌日の出来事だった。 しかも、姉が選んだ最愛の夫は、かつて人を殺めた男だという…。 姉の不審な預金通帳、噛み合わない事実。 逃....

コメントする

名前
 
  絵文字