2007年07月31日

ランチブッフェ<山田宗樹>−(本:2007年74冊目)−

ランチブッフェ

出版社: 小学館 (2006/06)
ISBN-10: 4093797390

評価:90点

この人の本ってこんなにおもしろかったんだ。

山田某という著者の本を図書館で手にするときは、いつも慎重に確認する。
あの、「リアルなんやら」を書いた読むのも恐ろしい文章力の山田某と違うことをきちんと確かめるためだ。あいつの本だけは発禁処分にしてどんどん在庫を燃やしてしまわないと、世の中の本好きの人間に対して、世の中の作家という人たちに対して失礼だ。

何を関係ないこと書いてるんだバカタレ。すいませんでした。

著者は1965年生まれ。年代同じこともあってか、読んでいて感覚的に非常にしっくりくる。
物語の設定、展開、オチまで違和感がなく、すんなり心に染みてくるところが見事だ。
短編6つの色合いがそれぞれ微妙に異なっているのもいい感じだ。

最初の「二通の手紙」は離婚してしまった夫婦のラブストーリー。
「混入」は、ちょっと物悲しい農家の嫁のサスペンス。
「ランチブッフェ」は、主婦達のランチでのたわいない会話で人生の奇跡を語る。
「電脳蜃気楼」はコミカルな詐欺もの。これを書いたのは2000年かあ。その数年後のデイトレの流行りようを想定していたような内容だ。
「やくそく」はホラーテイストなのだが、個人的にはこれが一番面白かった。
最後に娘の手をギュっと握っているが、握ってよかったのか。
成長とともに娘の記憶がなくなっていくことを祈るのみだな。そうでなければ20年後に修羅場が待っている。うう、怖い・・・。
「山の子」は中年の哀愁と少年時代への郷愁に満ちている。
ピンポイントに心の動きを書いているので、主人公をとりまく環境なんてまったくわからないが、たまにはこんなのもいいんだろうね。

さて、著者の他の本も読んでみるかな。

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