2007年10月10日

パンズ・ラビリンス−(映画:2007年115本目)−

パンズ1パンズ2
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル、アレックス・アングロ

評価:89点

公式サイト

(ネタバレあります)
第79回アカデミー賞ではアカデミー撮影賞、アカデミー美術賞、アカデミーメイクアップ賞を受賞。アカデミー外国語映画賞は次点。
ちなみにアカデミー外国語映画賞は「善き人のためのソナタ」。
アカデミー賞の外国語映画賞って、素直にいい映画を選ぶんだなあ。

題名の「パン」とはギリシア神話の神の一種である牧羊神のこと。
といってもよくわからないけど、映画ではすぐに羊の角みたいなものを生やした妖怪がでてくるので、すぐにコイツだとわかります。
どこに目があるのかわからない気持ち悪い「牧羊神」だったが、最後に笑っているところはなんとなくかわいく見えたりするから不思議なもんだ。
それよりも、この妖怪に最初に会ったときから物怖じしない主人公のオフェリアが凄い。
逞しいと言えばいいのかよくわからないが・・・。

初めて妖精に会ったときもそうだった。
舞台は1944年のスペイン。妊娠中の母親の再婚相手であるヴィダル大尉に引き取られて森の中にある軍の砦に向う途中、オフェリアは妖精に出会うのだ。
しかし、それはどう見ても妖精じゃなく、カマキリとナナフシを足してわって5倍にでかくしたような気持ち悪い虫。よくぞあんなものを妖精だとかいって微笑みながら見られるもんだ。普通じゃないぞ。

地底の王国の王女様であることを証明するために挑む試練の途中でも、泥の中も虫の中も乗り越えていくオフェリア。
がんばれオフェリア、負けるなオフェリア。こんなにかわいらしく一所懸命な少女が不幸になってはいけない。そう思って応援し続けてしまうのだった。

物語は、オフェリアと地下王国と言うファンタジーに加えて、独裁軍部とレジスタンスという生々しい大人たちの戦いが平行して進んでいく。
冷徹残忍という言葉を体であらわしたようなヴィダル大尉の前で、恐怖におびえてばかりのオフェリア。母親は弟を生むために命を落としてしまう。
自分の居場所がなくなったオフェリアが、ファンタジーの中に引きずり込まれていったのは必然だったのだろう。
地下帝国が幻だったのか、それとも本当にあったのか。
それはわからないまま、余韻を残して映画は終わってしまった。

ダークなファンタージ世界の映像はとても印象的。重苦しい現実世界の映像と綺麗にシンクロしてなんだか暗い。思い出してみると、ずっと茶色や黒が画面を占めていたようなきがしてしまう。気のせいなんだろうけど。
それと対比して、オフェリアの素直さというか精一杯の健気さが、あまりに美しく感じられたのだった。やりきれないけれども・・・。


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この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2007年10月16日 00:58
紫式子さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

ええ、きもちの悪い牧羊神でした。
あんな神様はいらんなあ。
1. Posted by 紫式子   2007年10月15日 21:40
デコ親父さん、
TBありがとうございました。

「牧神の迷宮」なり
「牧神のラビリンス」なり
しておいてもらえたら、
と私も思っております。

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