2009年01月22日

銀河不動産の超越<森博嗣>−(本:2009年14冊目)−

銀河不動産の超越
銀河不動産の超越
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# 出版社: 文藝春秋 (2008/05)
# ISBN-10: 4163270701

評価:74点

面白いのか面白くないのかと聞かれると、面白いのだけど(だって最後まで読んだもの)よく考えるとひょっとしたら面白くないかも。
ということで、最初から最後まで????な小説だった。
何事にも無気力な青年が主人公。
自暴自棄で無気力なのではなく、人生をガツガツと生きていくバイタリティを生まれたときから持っていない性格なのだ。
そんな青年を主人公にしていったいどんな小説にするんだろうと思ったが、主人公と対照的に出てくる登場人物がみんな精力的に動き回る。動き回り、食べまくり、作りまくり、演奏しまくる。
主人公は大学を卒業してから銀河不動産に就職し、そこでお客さんの相手をするうちに地元の名士のオバサマが購入した馬鹿でかい一軒家を借りて済むことになってしまった。
ロフトもあるそのだったぴろい家にコタツを持ち込み、家の端っこのほんの一部を使って生活している主人公が次々と不思議な客に出会う。
どうせみんなそこに住むんだろう、と思っていたら紆余曲折あって結局そうなるのだが、そこは最後が読めていても面白い。
サスガ森先生。スカイクロラシリーズで儲けているだけでもないようだ。

無茶苦茶な登場人物ばかりでてくるので一瞬不条理小説のように思える部分もあるが、バイタリティのなさが幸いしてかいつも冷静な主人公の言動によって、思ったよりも普通に物語りは進んでいく。
いや、押しかけ女房まででてきてしかもそれが初めて会う人だなんていう設定はもはや普通ではないな。

いずれにせよ、少しアブノーマルな不思議な感覚を楽しんでいるうちにあっという間に読み終えてしまう。
最後がハッピーエンドになって本当によかった。
こういうもともとバイタリティを持たない人間が生きていくことがタフな時代には、こんな主人公の小説を読むと(きっと他にはこんなのはないだろうけど)ちょっとホっとしたりもするのだった。

あまりガツらず、でもしっかり生きていきましょう。

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