2009年02月27日

押入れのちよ<荻原浩>−(本:2009年30冊目)−

押入れのちよ
押入れのちよ
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# 出版社: 新潮社 (2006/5/19)
# ISBN-10: 4104689025

評価:90点

ああ、うまい。
素晴らしい切れ味の短編が9つ、ピシッと揃っている。
しかも内容が実に多彩。どこをとってもうまい、一流の料亭の幕の内弁当を食べているようだ(食べたことはないけど)。
一番気に入ったのは、表題作の「押入れのちよ」。
まず、ちよがたまらなくかわいらしい。
幽霊をこれほど魅力的にかわいらしく書いた作品って他にないのではないだろうか。
「あい」と返事をし、ペタペタと歩いて押入れに帰っていく。
テレビをみて驚き喜び、「かつどう」が見たいという。
「人相学」ができるというのも素敵だ。
ビーフジャーキーをいっぱい買ってやって、昔のつらい思いを忘れさせてやりたい。ずっと一緒に話していたい、などという気分になってくる。

著者の凄いところは、単にちよのかわいらしさにおんぶに抱っことならず、ラストにもう一ひねりきちんと付け加えたところだ。ラストは思わずうなってしまった。

他の作品も、結構ダークなものがあったり、物悲しい素敵な小説があったり、単純にばかばかしく笑わせてくれるものがあったり(夫婦で毒を食わせあう短編「殺意のレシピ」はアホらしすぎて笑えた)とより取り見取り。

もうひとつ好きな短編をあげるとすれば、「木下闇」だろうか。
読んでいて背筋がぞっとし続けていたのに、ラストでそれがなんとも暖かいものに変わっていく。いい小説だった。

さて、次はコールドゲームにしましょうか。

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この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2009年03月08日 01:47
ともみさん、こんばんは。

ちよちゃん、本当にどこか別の物語でぜひともお会いしたいものです。
何か書いてくれませんかね。荻原さん。密かに期待しています。
1. Posted by ともみ   2009年03月07日 01:39
この中からいちばん気に入ったのを選ぶとすれば、やっぱり私も表題作です。
ちよちゃんにはこの作品だけでなく、また別の作品で再会したいなぁ。
そのくらいお気に入りのキャラクター(*^_^*)
表紙も強烈ですよね。
一生忘れられないくらいのインパクトだなぁ(笑)

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