2009年03月15日

私の男<桜庭一樹>−(本:2009年36冊目)−

私の男
私の男
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# 出版社: 文藝春秋 (2007/10/30)
# ISBN-10: 4163264302

評価:70点

第138回直木賞受賞作。
問題作だと言われていたので興味はあったのだが、これまで読まずじまい。最近図書館で見つけて借りてきた。
明日が返却日なので、夜中に2時間一気読み。ふうう、疲れた。

体力的に疲れたというよりは精神的に疲れた。
近親相姦をテーマにしたドロドロとした気持ち悪い設定。
濃厚な性描写も多く、娘を持つ父親としては読み始めるとすぐに嫌悪感がフツフツと湧き上がってくるのを押さえられない。
それなのに、この小説に出てくる父と娘の関係はどこか純愛を感じさせ、最後まで怒涛の文章力で読ませていく。
二人のねじれまくった不安定な関係を現在から過去に紐解いていく展開もなかなかよかったし、いくつかの章では他人の目から二人の関係を語ることで少しは濃度を薄めて読みやすくすることにも成功していたと思う。

ただなあ、やっぱり少しダメだ。
自分の娘を「俺のものだ」と言って一線を越えていくバカオヤジの設定にどうしても納得いかないからだろうな。
過去にいろいろあってそんな男になったような書かれかたをしているが、あまりに説得力がない。
娘にすがって「おかあさぁん」もないだろう。
「男はみんなマザコンだ」という言葉を著者は間違って理解していないか?

インパクトのある序盤から一気に読者を惹きつけていく独特の世界観と文章力は素晴らしいと思うので、もう少し読んでいて気持ちのいい小説を著者には書いてもらいたいものだ。

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この記事へのコメント

2. Posted by デコデコマン   2009年03月15日 23:06
青子さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

久々にきつめの本を読みました。
でも、おっしゃるとおり手がとまらないんですよね。嫌悪感を起こさせながらも読み手をひきつけるのはなかなか難しいと思いますが、さすがでした。

1. Posted by 青子   2009年03月15日 20:34
お疲れ様でした。
精神的にぐったりしますね、この本は。
それでも、次のページへと手が止まらないのは、作者の力だと思います。
なんとも、せつない物語でした。

TBありがとうございました。
私もお返しさせていただきます。

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