2009年04月19日

100回泣くこと<中村航>−(本:2009年41冊目)−

100回泣くこと (小学館文庫)
100回泣くこと (小学館文庫)
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# 出版社: 小学館 (2005/10)
# ISBN-13: 978-4093861540

評価:67点

随分と前に出版された本だったのだなあ。
最近の新聞の広告欄を見て、図書館で予約して借りたのだが、なるほどすぐに順番がまわってくるはずだ。

主人公が育てた犬(ブック)が、死にそうだという電話が実家から入る。
離れた実家にいるブックのもとに帰るため、主人公は昔ブックとよく一緒に乗っていたバイクをひっぱりっだし、そのメンテナンスを始める。
そんなところから物語が始まり、バイクのメンテの途中で主人公の彼女も登場する。

バイクの描写は結構専門的で、メカ好きの男ならそのあたりに引き込まれたりするかもしれない。
だが、その他は極めて淡々としたそして静謐な描写が続く。
だからといって、感情が伝わらないということはなく、主人公とその彼女の誠実な人柄と真摯な行動、そして胸いっぱいの感情はしっかりと読み取れる。
読んでいて決して悪い気はしない文章だった。

だがまあ、彼女が熱を出した時点で結末は容易に想像できるし、あまりにも盛り上がりに欠けていてなんとも物足りない。
もう少し、読者の感情を揺さぶるような展開とか、シーンはできなかったのか。
「決して開かない箱」のお守りだとか、バイクへのこだわりだとか、著者の思いを随所に込めようとしているのだろうなとは思うけれど、もう少し読者の感情を揺さぶる展開にしてもよかったように感じた。
登場人物が若いわりには人間として出来上がりすぎているということもあるのかも。

1時間あまりでさらりと読み終え、ああそうですかと終わってしまった。
感性の瑞々しい若い人はともかく、私のような汚れたおっさんにはあまり向いてないでしょう。

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