2010年01月10日

中平卓馬−日本の写真家36−本:2010-6−



日本の写真家 (36) 中平卓馬
日本の写真家 (36) 中平卓馬
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1938年生まれ、まだご存命。
世界的に有名な写真家で、「アレ・ブレ・ボケ(荒い画面、手ブレや被写体ブレ、ピント外れの意)」の作風で有名になったが、突然そこから180度の転換を見せる。急性アルコール中毒で1977年に倒れ、その後記憶障害が残っているが、今でも写真を撮っていらっしゃるようだ。

この本に載っている写真は、まさに「アレ・ブレ・ボケ」のオンパレード。やたらに傾いている写真も多い。
ただ、どうなんでしょう。写真素人の私にとっては、「ふうん」という程度の感想しかもてなかった。
これを凄いなと思えるようになったら、写真について少しはわかってきたということなのかなあ・・・。
ということでもう一度最初から見てみたが・・・やはり私にはまだ難しいようだ。

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2009年12月23日

須田一政−日本の写真家40−(2009年読了)−



日本の写真家 (40) 須田一政
日本の写真家 (40) 須田一政
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# 出版社: 岩波書店 (1998/08)
# ISBN-10: 4000083805

須田一政氏のブログはこちら

1940年生まれ。
現在も活躍されている写真家で、「日常に潜む異常を切り取るようなスナップ写真を得意とする。」などとwikiでは紹介されている。
現在は知らないが、この写真集では、6×6判の正方形の写真ばかりが紹介されていた。
偉大な写真家の写真について、クソアマの私なんぞがコメントするのも恐れ多いが、あまりピンとくるものがなかった気がする。
この程度なら私にも撮れるとまでは言わないものの、何がいいたいのかよくわからんというものがチラホラ。

さらに偶然だが、先月私が買った「アサヒカメラ」に須田氏の写真とインタビュー記事が掲載されていた。
「写真と写真の間を妄想でつなぎ、いくつもの話ができていく、そんな写真が面白いと思っているんです」と語っているので、いろいろと妄想を抱きながらもう一度写真を見直してみることにしよう。

ブログによると、来年早々にも写真展があるようなので、足を運んでみたいと思っています。

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土門拳−日本の写真家16−(2009年読了)−

土門

こんなシリーズものの写真家紹介本を読んだくらいで土門拳について語るのは失礼に違いない。お許しを。
カメラに全く興味のないときからこの人の名前を知っていたくらいで、その存在感と知名度は抜群。初めてじっくりと写真を見たが、迫力に圧倒された。どこかで写真展とかやっていないかなあ。機会を見つけて見にいきたいものだ。
土門拳を紹介するエピソードの中に、「カメラの操作に慣れるため、毎日横位置500回、縦位置500回、計1000回、ファインダーを覗いて空シャッターを切り続けた」というのがいきなりでてくる。それだけでもう恐ろしい。写真に向けたエネルギーの凄さがよくわかる。
土門拳の写真を見ていると、自分もこんな風に時代を切り取りたいと強く思ったりもするのだが、そんなことができるわけもないので適当な趣味にしておきますはいそうします。

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2009年12月20日

木村伊兵衛−日本の写真家8−(2009年読了)−



日本の写真家 (8) 木村伊兵衛
日本の写真家 (8) 木村伊兵衛
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# 出版社: 岩波書店 (1998/05)
# ISBN-10: 4000083481

デジイチを買って写真を撮り始めてまだ1年と少々。写真の基礎さえもわかっておらず、時間があればバシャバシャとシャッターを押しているだけだ。そもそも世の中にはどんな写真家がいてどんな写真を撮ってきたのかもよく知らない。カメラ技術の勉強も大事だが、まずは歴史に学ぼう。そうすればどんな写真を自分が撮りたいのかわかるかもしれない。
ということで、このシリーズを図書館から借りてきて順に見ていくことにした。

木村伊兵衛の名前は、今でもアサヒカメラを読んだりしていると時々でてくる。どれくらい古めかしい写真を撮る人かと思ってこの本を見てみたが、古臭いなんてとんでもない。どれもこれもとにかくカッコイイ。
奇抜な構図とかはないのだけれど、ストレートに見る人に響いてくる感じだ。

1枚目の、<・・・・(帽子のクリーニング屋)>から心を鷲づかみである。ソフトフォーカスのポートレイトたちも美しい。
<川開き>の花火の写真も凄い。花火が不完全に写っていても、家々の屋根に上って花火を見る人たちを主役にしてこんな写真が撮れるのだ。

さて、とにかく数を見ることにしよう。

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2008年01月17日

第138回芥川賞は川上未映子氏、直木賞は桜庭一樹氏

詳細はこちらの記事をどうぞ。

桜庭一樹は知っているが、それは一樹という名前なのに女流作家だからであって本を読んだことはない。
川上未映子にいたっては、名前も今回初めて知った。

映画と本の感想ブログなどといいながら日々読み殴り書き殴っているわりには、自分の視野というか守備範囲が狭いことに気づかされる。
まだまだじゃ。

ということで機会があった読んでみることにしよう。
個人的には黒川氏に直木賞を取ってもらいたかったけど。
有川浩とか無理かなあ。



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2006年06月27日

新々ダイエット宣言第101日−もはや崖っぷち−

6/26 体重:70.2KG(前日比+1.0KG、スタート比-0.0KG)

ああ、あかんがな。また元どおりやがな。

今日は昔の上司で学校の先輩の壮行会ということで結構食ったから仕方がない。
そう思っておくことにしよう。

激痛とともに腫れ上がった右膝はなんとか回復いたしました。
日曜日の昼間は松葉杖をついて歩く状態だったけれど、夕方頃から徐々に痛みが薄れていき、今朝は腫れも少し残る程度でなんとか歩けるところまで回復。
よって病院行きを取りやめたしだいであります。

結局強度の捻挫とかそういったたぐいだったんだろうか。
ようわからんけど、まあいいや。
今週のジムは上半身の鍛錬だけにして、チャリンコやエアロビは控えることにしよう。
しかし、やわいガタイになってしまったなあ。
年を取るというのは恐ろしいことだ。
無理をするとイッパツでおかしくなるのだから。

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2006年06月22日

新々ダイエット宣言第96日−もはや崖っぷち−

6/21 体重:69.2KG(前日比-0.4KG、スタート比-1.0KG)

家の近くに、「肉のハナマサ」が明日開店する。
「プロの店」とか看板には書いてあるが、どんなもんなんじゃろがい。

行ってこようっと。

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2006年01月19日

芥川賞に絲山秋子さん、直木賞は東野圭吾さん

東野圭吾第134回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に絲山(いとやま)秋子さん(39)の「沖で待つ」(文学界9月号)が、直木賞に東野圭吾さん(47)の「容疑者Xの献身」(文芸春秋)が選ばれた。
(以上asahi.comより)

遅くなりましたが、東野圭吾、6回目のノミネートでやっとこさの受賞おめでとうございます。
好きな作家の受賞はうれしいね。
図書館で新刊を借りることがまた難しくなるだろうけど。

テレビでコメントを聞きましたが、「7年間はゲームのような気持ちで楽しめた。最後に勝ててよかった」というようなことを話してました。
さすがのコメントでございました。
しかし、もっと早く取らせろよな。

偉そうに書いたが、「容疑者Xの献身」はまだ読んでいない。
早く読まなくては・・・。
審査員の阿刀田高が、「90点の作品」と評して褒めていたが、今では面白い作品を全く書くことのできなくなった爺さんに評されるのもなんだかつらい。
もちろん、彼(阿刀田高)の歴史を否定するわけではありません。

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2005年09月01日

本を読んだ−小魚びゅんびゅん荒波編―にっぽん・海風魚旅〈3〉<椎名誠>−

小魚びゅんびゅん講談社 ; ISBN: 4062125595 ; 3 巻 (2004/10)

評価:81点(100点満点)

読んでいて心地よくなれる本。
でも、ページを閉じると猛烈に空腹感が襲ってくる本でもある。
著者が、日本の海岸をブラリブラリと行き当たりばったりに旅をしていった記録。
例のごとく消波ブロックと人工海岸を嘆きながらも、いろいろな人に出会っていろんな美味しいものを食べていく。
うう、うらやましい・・・。

浜名湖のうなぎの話は興味深かった。
昔は屋外の養殖池で2-3年かけてじっくりそだてていたのに、今では中国や台湾の輸入うなぎに勝つために、屋根をビニールで覆って屋内温度が40度を越える池で猛烈にえさを与えて6ヶ月で太らせ出荷するという。
その設備投資や餌代燃料代を考えると、ペイしない産業になりつつあるという。
「浜名湖のうなぎはもうだめだ」
という地元の業者の言葉が悲しかった。
だからといって、私にどうすることもできないのだが・・・。

写真もとても綺麗。
写っている地元の人たちもなんだかとてもほっこりしていて、見ているだけで幸せになれます。たぶん。

ああ、穴子丼食べたい・・・。
アン肝食べたい・・・。
ウニ食べたい、トロも食べたい、食べたいよう!

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2005年08月26日

本を読んだ−きよしこ<重松清>−

きよしこ新潮社 ; ISBN: 4101349177 ; (2005/06)

評価:98点(100点満点)

「きよし、この夜」を「きよしこ、の夜」だと思い込み、クリスマスの夜に「きよしこ」が現れることを夢見ていた少年の物語。

「夢があった、
いつか個人的なお話を書いてみたい。ぼくとよく似た少年のお話を、少年によく似た誰かのもとへ届けて、そばに置いてもらいたい」

著者が最後にこう書いているとおり、この小説は著者の私小説のようなものなのだろう。
父親の都合で何度も何度も引越しを経験し、激しい吃音のせいで苦しんだ少年が、どのように周囲と向き合い、生きてきたかが書かれている。
「本当に伝えたいことはきっと伝わる」というセリフになんと重みがあることか。

読んでいて何度も泣きそうになった。
ちょうど私が著者と同世代を生きてきたからかもしれない。
彼の少年時代は、私の少年時代でもあった。
著者の書く、ひとつひとつのエピソードが素直に心にしみてくる。
少年の気持ちが、少年の友人の気持ちが、担任の先生の気持ちが、そして両親の気持ちが痛いほどわかる。
そうそうこんな先生いたよな、とうなずいたり。
あの友達はこんな風に思っていたのか、わからなかったなと反省したり。(ゲルマみたいな友達は確かにいた)
でも、決してセンチなだけの話にはなってないのが凄いね。

いつもいつもまっすぐな少年がなんともかっこいい。
多くの小学生に、そして小学生の子供を持つ親に読んでほしい本です。

などと偉そうなことを書きながら、私は今日も朝から娘と喧嘩して泣かせてしまったりしています。
反省しています。
父親って難しい・・・。

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2005年08月18日

本を読んだ-桜さがし<柴田よしき>-

桜さがし集英社 ; ISBN: 4087744604 ; (2000/05)

評価:89点(100点満点)

中学の同級生だった4人組「陽介、歌義、まり恵、綾」と、彼らの担任で現在は推理作家となった浅間寺龍之介の5人に様々な事件が降りかかる。

4人組が大学を卒業してほんの数年後という設定。
一流商社に勤める陽介、弁護士を目指して勉強中の歌義、獣医になろうと大学を再受験した学生の綾、同じ会社の先輩との婚約を破棄し、派遣会社で働くまり恵、と全く違う境遇になっている。
25〜30歳ぐらいって人生のひとつの岐路になってるのだな。
会社を辞めるにしても、弁護士をあきらめるにして、結婚して主婦になるにしても、このあたりで何かを決めなければいけない年齢なのだろう。
もちろん35歳には35歳の、40歳には40歳の選択はあるけど、そのときに青春の香りを残しているのは30歳までだよなあ。
「昔からの夢をあきらめて・・・」とか
逆に「夢をどうしてもあきらめられず・・・」とか
さらには「やりたいことを見つけたくて・・・」とか
そんな青臭いセリフも許せるというもの。
40歳になってそんなこと言っていたら、ただの馬鹿だと思われる。

ともかく、4人と1人の切ない青春小説です。
殺人事件が起きるなど、多少はミステリっぽい味付けもあるが、それはあくまでおまけ。
4人が様々な事件に巻き込まれる中で、悩み成長していく過程がメインになってます。

舞台は京都。
これがまた情緒的でたまらなくて懐かしい。
様々な季節の京都が、行事や食べ物と共に紹介されて、観光ガイドブックにもなりそうだ。

著者は東京生まれで青学卒業。登場人物全員が関西弁をしゃべりまくる話をよく書いたものだ。

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2005年08月15日

本を読んだ-砂漠の船<篠田節子>-

砂漠の船双葉社(2004/10/12)
ISBN 4-575-23507-5

評価:70点(100点満点)

篠田節子にしては、ひねりもなんもなく、まっすぐそのままだった。

父と母が出稼ぎ労働者であった淋しい家庭に育ったが故に、家族が一緒に暮らす平凡な家庭をつくることを第一に生きてきた幹朗。
仕事よりも家庭を選び(その行く末がリストラなのだが)、地域を大切にし、子供には人の心の痛みをわかってほしいと願って福祉への道を勧める。そんな父の思いは家族にとってはわずらわしい重荷でしかなく、地域には悪意に満ちた人間関係だけが残り、すべてはことごとく空回りして、家族は徐々に壊れていく。

家族から個人へと生活形態が変わっていく世の中のことを考えれば、こんな話は当たり前。
過去のトラウマからか、家族という形態に妄想を抱いてしがみついている幹朗の様子は情けないだけだ。
個人を尊重できないところに、まともな人間関係は築かれない。
自分の考えを押し付けるだけの父親像を描くことで、壊れいく家族というものを象徴しようとしてるのかもしれないが、あまりにもよくある話になりさがっていて、新鮮味や驚きがなにもない。

それとも著者はもっと違うことを言いたかったのか?

でもまあ、篠田節子ですから、ところどころミステリ仕立てにしてあり、坂を転げ落ちるように家族が崩壊していく様子の描写はさすがにうまかった。

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2005年08月12日

本を読んだ-NR(ノーリターン)<川島誠>-

ノーリターン角川書店 ; ISBN: 4048735721 ; (2004/12)

評価:65点(100点満点)

*********オビの紹介文********
俺、高橋進。らしい。なんでも、日本でも指折の素質を持ったランナー、で、あらゆる科学の天才。だったみたい。でもね、俺、記憶がないの。ぜんぜん。
交通事故で両親と自分の記憶を同時になくしちゃったみたいなのよね。
病人だっていうのに、変わり者の中国人(マフィア?)が病室におしかけてきて、アレを出せって迫るし、コーチは陸上界の未来を背負って立てとか言うし、バルセロナからきた15歳の叔母さんは妙にかわいいし。で、あげくの果てに救世主? エル・サルバドール……? なんなのよ、それって。
あー複雑。もう、いいか、こんなこと。
……なんていってもみんな、ほっといてくれないのよねえ。
****************************

ということで、わけのわからん小説です。
理屈もへったくれもなく、面白ければいいというおふざけ態度で最後まで突っ走った作品。
この作品を書いたときの著者は48歳。
48歳でこれを書けるという事はある意味尊敬しますが・・・。
緻密に計算されているようで、これは絶対に何も考えてないはずだと思えてくる。
謎の組織MSUが「森進一アンダーグラウンド」って・・・。
それに対抗しているKSIが「北島三郎インターナショナル」って・・・。

マインドコントロールの説明なんかは、なるほどと思う部分もあった。
結局、著者が話をまとめようとしてないもんだからまともな理屈付けはなされず、すべては夫婦喧嘩を原因とした壮大なバカ物語になってしまったのでした。
ま、楽しく最後まで読みきれます。
行きの電車で20分。帰りの電車で20分。風呂で20分。
60分で完読。
黄色い表紙はやめてくれ。電車で取り出すのがちょっと恥ずかしかったぞ。

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本を読んだ-ラッキーマン<マイケル・J・フォックス>-

ラッキーマンソフトバンクパブリッシング ; ISBN: 4797321229 ; (2003/01/10)

評価:87点(100点満点)

マイケル・J・フォックスが自らパーキンソン病であることを公表したのが1998年9月。
日本の映画ファンにとっても突然のことだったが、彼はそれを7年間も、ごく身内の人間以外には隠し通して仕事を続けてきていた。

この本では30歳にしてパーキンソン病になったマイケル・J・フォックスの、生い立ちから現在まで、全てが語られている。

感情を隠すことなく、過去の行動も隠すことなく、全てをきちんとさらけ出すマイケル・J・フォックスの生真面目さと、なくなることのないユーモアのバランスが素晴らしい。
パーキンソン病という大きな問題を、ここまでサラリと語ってしまうなんてあまりにカッコイイよなあ。
もちろん、とてつもない悲しみと苦労があったのは事実なのだが。

バック・トゥ・ザ・フューチャーを初めて見たときの感激は今でも忘れられない。
映画の面白さが画面中に溢れていた。
何回も何回もテレビで再放送されるのもよくわかる。
第2作目ができる頃には、もうパーキンソン病にかかっていたのだ。

マイケル・J・フォックスの生き方に感銘するのと同様に、アメリカのショービジネスの裏側も垣間見れ、読物としても非常に高いレベルだと思う。ちょっと長いけど。
そうそう、彼を支える家族の愛情も素晴らしい。

早くパーキンソン病の治療薬が完成して、マイケルがまた映画の世界に戻ってくれることを切に望みます。

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2004年11月04日

本を読んだ-映画でボクが勉強したこと<清水義範>-

毎日新聞社 ; ISBN: 462030963X ; (1993/11)

評価:80点(100点満点)

私の好きな作家が私の好きな映画たちについて書いているんだから、これは面白くないはずがない。
1993年と、10年も前の本になってしまったが、今でも映画の評論に古臭さがないし、清水義範の知的でかつ笑える文章のうまさはやはり見事だ。この手の本にありがちな極度なマニアックさもなく、映画好きのおっさんの気楽な会話を聞いているようで気持ちがいい。
どちらかと言うと私は「俳優」で映画を見るが、著者は「監督」で映画を見る。
そういえば映画通と言われる人たちの評論って、だいたい「監督」で映画を見てるんだよなあ・・・。
そんなことも少し考えた本でした。
ううむ、「ローマの休日」をもう一度みたくなってしまった。

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2004年10月28日

本を読んだ-ツチヤ学部長の弁明<土屋賢二>-

ツチヤ講談社 ; ISBN: 406212078X ; (2003/10)

評価:89点(100点満点)

ほんとにこのオッサンはどこまで面白いのか。
今回は、とうとうお茶の水女子大学の文教育学部学部長になってしまった。
相当に頭のいい教授が、論理をこねくり回し、屁理屈を振りかざし、けったいな文章を書き散らしていく。
実際にはすべてが計算されているだろうに、その計算を感じさせず、文章の持つ「勢い」が見事に生かされているのはすごいもんだ。
随所に見られる自虐的表現が、これまた「自分はちょっと知的だ」と思っている層にぴったりとはまる面白さになってるのだろう。

今回は、いしいひさいち氏の漫画もちりばめながら、哲学を馬鹿にしながら分析する項目もあったりして目新しい。
というか、この本はいろんなところに書き散らした文章の寄せあつめなんだけど。
それでも笑えるツチヤさんの凄さだな。
ますます頑張ってください。

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2004年07月16日

本を読んだ−針<浅暮三文>−

hari早川書房 ; ISBN: 4152085428 ; (2004/01)

評価:75点

この人の本を読むのは今回が初めて。
1959年生まれだから現在45歳くらいか。そんでもって作家生活6年目ということは、ほぼ今の俺の年にデビューしてる。
公式サイトを見てみると、サラリーマンやっていろいろ苦労してここまで来たようだ。
異常感覚シリーズで人気もあるようだし、別の作品も読んでみよう。
こういう、遅いデビューの作家をみると、よっしゃ頑張ってみるかっていう気持ちになるね。ええこっちゃ。

さて、この「針」、アフリカの密林を切り開いたコーヒープラントの話と、東京ではある男が原因不明の皮膚感覚の高進に見舞われる話を同時進行させていく。ここに、DNAなのかなんなのか、生物を介して生き残ろうとする物体の「意思」を書き込みながら話は進んでいく。
はっきりって、ストーリー自体は結局なんやねん、と思う程度のもの。しかしながら、触覚の描写があまりに濃密で凄い。濃くて濃くて息苦しくなるほど。途中からは完全にハードコアポルノ小説になっています(後書きで著者も認めているが)。
それがめっちゃ興奮するんだよなあ・・・。
なんともたまらん皮膚感覚描写の連続でした。なんだかそれがメインになってしまって後のことはどうでもええ感じで終わってます。

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2004年05月29日

不安な童話

fuannadouwa祥伝社 ; ISBN: 4396326777 ; (1999/04)

評価:87点(100点満点)

内容(「BOOK」データベースより)
「あなたは母の生まれ変わりです」大学教授秘書の古橋万由子は、二十五年前に変死した天才画家高槻倫子の遺子にそう告げられた。発端は彼女の遺作展会場で、万由子が強烈な既視感に襲われ、「鋏が…」と叫んで失神したことだった。実は、倫子は鋏で首を刺されて殺されたのだ。万由子は本当に倫子の記憶を持つのか?真相を探る彼女に、奇怪な事件が襲いかかる。

かなり初期の頃の恩田作品。
面白い。そしていつもの恩田作品どおり、緻密に計算されていて素晴らしい。
いきなり主人公の万由子が、25年前の画家の生まれ変わりというところから話が始まる。オカルト小説ではないので実際はそうではないのだが、冒頭でそれを証明するような事件がおきるから、読者は頭にそれを摺込まれたうえで小説の世界に入っていく。だからだろうか、恐怖感も増すし、頭に浮かぶシーンもめちゃくちゃ鮮明なのだ。

作品のテンポは独特の間合いでじつにゆったり(でも決してあきない)。
さらに、高槻倫子の書いた絵が謎解きの鍵となっているので絵の説明が随所に出てくる。
それによって、読者のあたまに浮かぶのが動きのある映像ではなく「ひとつの絵画」になっていくのだ。これは不思議だ。
キャラもじつによく練られて作られている。凄いねこの人は。

ただ、犯人は途中でわかってしまった。だって消去法でその人しか残らなくなってしまうんだもの・・・。それだけが残念かな。

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2004年05月27日

おれおれ詐欺の被害、4月は最悪の11億円・警察庁

saboten3







ひがっちでーす。キッドでーす。二人合わせてサボテンズでーす。

ひがっち:えらいこっちゃで、ほんまえらいこっちゃ
キッド:なにがや、どないしてんな
ひがっち:オレオレ詐欺の被害がやな、どんどん拡大して、4月だけで11億円や
キッド:11億円!11億円ってどれくらいやねん。11億円あったらブルセラ行ってやな・・・(バキッ)
ひがっち:アホ!ブルセラて、古いなあ。おまえの頭は、いつからとまっとんねん。
キッド:でも、貴子ちゃんのブルマーが・・・。
ひがっち:やかましいわボケ。11億円ゆうたら1億円が11個や
キッド:1億円が11個!1億円あったらブルセラ行ってやな・・・(ドカッ)
ひがっち:ブルセラはもうええんじゃ!
キッド:でも浩子ちゃんのパンティが・・・。
ひがっち:アホンダラ!11億円ゆうたらやな、吉野家の豚丼343万7500杯分や。毎日3食豚丼でも3139年分やぞ。
キッド:えらいこっちゃ、今からすぐにいって食い始めなまにあわへん
ひがっち:あほ、いそがんでもええわい
キッド:なんでやねん!3139年かかってまうやないか!
ひがっち:俺も食うから1569年や。なんとかなるわい。

ならへんっちゅうねん。
しかしまあ、11億円ですか。えらいこっちゃ。俺もおとんとおかんに気をつけろって電話しとかな。
「もしもし、あ、おかあちゃん。オレオレ。お金振り込んでくれへんかな・・・」

ええかげんにしなさい。続きを読む

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