映画:わ行

2009年03月29日

ワルキューレ−(映画:2009年11本目)−

ワルキューレ1ワルキューレ2

監督:ブライアン・シンガー
出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、カリス・ファン・ハウテン、トーマス・クレッチマン

評価:83点

第2次世界大戦末期にドイツで実際に起きたという、ヒトラー暗殺未遂事件を映画にしたもの。
どこまで実話かよくはわからないが、当時のドイツで、独裁者から祖国を救うというような視点でヒトラー政権に対してクーデターを起こそうという動きがあったことを今まで全く知らなかった。
世界史についてもう少し私は学ぶべきなのではないか。カタカナが覚えられないということで学生時代から世界史を嫌ってここまできたが、人生の残り時間で知るべきことは知らねばならないのではないか。
そんなどうでもいいことも映画を観ながら少しだけ感じたりした。

映画の最初から終わりまで、心地よい緊張感に包まれていて自然と背筋が伸びる映画だった。
ヒトラー暗殺が実現していないことは知っているわけだから、映画内の計画が最終的にうまくいかないことは想定されるのだが、それでもやはりドキドキハラハラさせられる。
いつもより抑え目のトムクルーズの演技にも好感が持てた(それでも目立ってしまうが)。
ただ、盛り上がりにいまひとつ欠けて単調さを感じてしまう。
史実であるから仕方がないのだろうが、例えばヒトラーの残虐な行為にもう少しピントをあてて観客の正義感を煽ってみたりしてもよかったのではないか。

それにしても、爆発時間が正確に読めないようなあんなややこしい爆弾を使わず、トムクルーズがヒトラーに近づいて拳銃を撃つほうがよほど簡単ではなかったか。トム・クルーズはその後の展開に必要だというのであれば、別人を送り込めばよい。
結局、刺し違えてでもヒトラーを止めようとした人間が当時はいなかったのだろう。
差し違える、などという感覚が極めて日本的なのかもしれないが。

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2007年09月24日

夢を与える<綿矢りさ>−(本:2007年105冊目)−

夢を与える

出版社: 河出書房新社 (2007/2/8)
ISBN-10: 4309018041

評価:70点

ネットでいくつかのレビューを読んでみたが結構皆さん辛口。
さらには2チャンでスレもたっていて、みんな好き勝手なことを言っている。
芥川賞作家の作品だというのに、著者が若くて綺麗だと、これだけ関心が集まるのだなあ。
だが、若さと美貌と才能に対する世の中の嫉妬を割り引いたとしても、確かにこの作品に対する世の中の評価はそこそこ当たっているように思えた。

ストーリーは極めて簡単。
日本人の母と、フランス人の父の間に生まれた美しい少女、夕子が、チャイドルから本物のアイドルへと、芸能界で変身していく。その18年の過程での夕子の変化を物語りにしたもの。
芸能界に身をおきながらも素直で伸びやかに育ってきた夕子が、大ブレイクをきっかけに逆に堕ちていくというのはなんだかありきたり。
多少の異常性を感じさせる母親以外は、登場人物は極めてステレオタイプで斬新さがない。
プロダクションの社長はまさにそのままだし、恋愛をクールに禁止するマネージャーもあんなもんだろう。夕子の恋愛相手もなんだか薄っぺらくてどこにでもいそう。
週刊誌の記事も、ネットの書き込みも、学校での友だちの対応も、全て想像のド真ん中を淡々と進んでいく。
読み終わって考えてみれば、いったい何が面白かったのか、著者が何を言いたかったのか全く持ってわからないのだった。
だが、文章はうまい。短い出来事を畳み掛けるようにつないでいくことで先を読ませる技術もある。ハリウッド映画っぽいなあと読んでいて感心したほどだ。
それだけになんだか惜しい作品だった。

たぶん、たぶんだが、エンタメと純文学を中途半端に混ぜ合わせてしまってるんじゃないのか。
同時に芥川賞を受賞した「金原ひとみ」は、純文学に徹している。
決して万人受けしないエンタメ度の極度に少ない構成で、言いたいことをガンガン書いている。
著者の場合はそこまで割り切ることができないのか。
ストーリーでも気を引く内容にするために芸能界などという題材を選んでいるように見える。
だが、あんな誰にでも考え付くようなストーリーではインパクトは残せない。
そして、筋の通った話にしたぶん、著者が小説を通じて言いたいことがよくわからなくなってしまっている。
「信頼だけは、一度離すと、もう戻っていません」
それが結論なら、こんな展開にする必要なんてまったくいらないと思ったりするのだ。

なんとかこれからも頑張って欲しいと、父親のように思ったりもする。
やっぱりエンタメ路線はいらないんじゃないかなあ。
どこを目指して走っているんだろう。

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2007年08月15日

製造迷夢<若竹七海>−(本:2007年82冊目)−

製造迷夢
出版社: 徳間書店 (2000/11)
ISBN-10: 4198914125

評価:80点

ものに触れただけで、その残留思念を読んでしまう井伏美潮。
ううむ、かわいそうだが私にはこの女性を彼女や妻にする勇気も気合も根性もない。
ああ、でもいろんなことの言い訳をしないですむからそのほうが気が楽かな。

渋谷の警視庁猿楽町署の刑事・一条風太と、超能力占い師・井伏美潮のコンビが活躍し怪事件を解決していく連作短編集。
美潮の能力は、いわゆるサイコメトリー、物に残った残留思念を「読む」というもの。
だからといって、触ったら全部わかってすぐに事件解決とはならず、触った後も事件は二転三転、しかも必ずしもハッピーエンドではないというちょっとダークなエンディングも取り揃えてある。
このあたり、うまいよなあ。

警察の事件記録簿の記述から始まり、一条が事件に巻き込まれてそれから美潮が絡んでくるといったキレイな黄金パターンを作りながらも、勧善懲悪にならないことで読んでいて飽きることはない。
一条も美潮も、不器用ながらも非常に実直な性格に書かれていて、読んでいるうちに全面的に応援したくなるキャラだ。
彼らのそういった存在があるから、事件が法的には解決されずに終わっても納得がいくのだろうか。

文庫本は2000年だが、単行本は1995年なので、もう12年前の本。
いやいや、それぞれの短編が初出しているのは1993年ごろだ。
著者の本は昔はよく読んだけど、最近どんなのを書いているのだろう。
ちょっと読みたくもなってきた。
作家デビューは1991年。ひょっとして年代的に近いのかな、この人。

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2007年03月31日

忘れえぬ想い−(映画:2007年40本目)−

忘れえぬ想い1忘れえぬ想い2
監督:イー・トンシン
出演:セシリア・チャン、ラウ・チンワン、原島大地、ルイス・クー

評価:86点

公式サイト

(ネタバレあります)
セシリア・チャンに釘付けだった。
たぶん確実に泣ける、切ないストーリー。
なのに、セシリア・チャンに見とれてしまい、脳細胞が麻痺しているうちに泣く暇もなく映画が終わってしまった。

結婚式を間近に控えたシウワイ(セシリア)は、交通事故で婚約者のマンを失ってしまう。
シウワイに残されたのは、マンの子供であるロロ(原島大地)と、マンが運転していたミニバスだった。
自分の力で生きてみせる、そう誓ったシウワイは、自分の子供でもないロロと二人で生活を始める。しかも、マンが残したミニバスの運転手となることを決めたのだった。
お金もないし時間もない、慣れないミニバスの運転でクタクタに疲れる毎日。客に騙され警察に違反キップを切られヤクザに窓ガラスを割られる。
それでも精一杯健気に生きるセシリアの迫真の演技は鬼気迫るオーラを発しているようだ。
そんな彼女を助けながら、次第に惹かれあっていく相手がファイ(ラウ・チンワン)。ただの「いい人」から、次第にシウワイにとっての大切な人になっていく。
ここら辺の微妙な心理描写は非常に繊細で好感が持てた。
お互い、亡くした婚約者と別れた妻子への決別ができなかったり、相手への遠慮があったりしながらも徐々に信頼を増していくのだ。

ただ、ファイの容姿がなあ。なんか汚らしくてパットしない。
生活苦の中にあって、衣服も決して華美ではないセシリアが(化粧も極端に薄い)輝くように美しく見えるのに、相手のファイがくすんで見えた。いくらいい人でも、これでは釣合わない、もっとカッコイイ男はでてこないのか。
そんなことばかり考えながら見ていたからいまひとつ感情移入できなかったのかも。

そうそう、子役の原島大地はめちゃくちゃかわいいぞ。
あんな子に、「マミー、いい子にするから僕を捨てないで」なんて泣かれたら、あまりにかわいそうで有り金全部差し出したくなる。
「オ、オジサンがこれをあげるから、欲しいものは何でも買いなさいっ!」というところでしょうか。

過去に別れを告げ、新しい生活に踏み出す前向きなハッピーエンドはとてもいい。
携帯電話や留守電といった小道具の利かせ方、無駄のない演出、複雑な親子間の愛情表現、どれもこれも文句のつけようがなかった。
ううむ、いい映画だ。

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2006年10月21日

ワールド・トレード・センター−(映画:2006年129本目)−

WTC1WTC2







監督:オリバー・ストーン
出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール

評価:77点

公式サイト

(ネタバレあります)
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロによってあのWTCが崩れ落ちていったときに、私はどっかの居酒屋で飲んだくれていた。深夜に家に帰って、初めて事件を知ったのだった。どうもすいません。

ついでに言えば、WTCには観光で訪れたことがある。
屋上から眺めるマンハッタンの壮観さも素晴らしかったが、なにより真下から見上げたときのWTCの迫力は圧倒的で凄かった。クビが痛くなるってほんとにそうなんだよな。見上げても見上げてもてっぺんが見えないし、一種の神々しささえあった。でも、あれを作ったのは人間で、壊したのも人間だったのだ。

映画は、事件が起きたWTCの中に救出に飛び込んで生き埋めになった港湾警察官のジョン・マクローリンとウィル・ヒメノの救出を描く。

マクローリン演じるニコラス・ケイジ、最近頭髪の後退が止まり、徐々に回復を見せているようです。明らかに人為的な何かを感じます。裏ハリウッドの陰謀でしょう。

登場して早々にビルの崩壊に巻き込まれてしまうため、ニコラスはずっと生き埋めのまま。
回想シーンで何度かは登場するが、ほとんどは暗闇の中で、ヒメノ(マイケル・ペーニャ)とお互いを励ますシーンばかり。
薄れゆく意識をなんとかつなぎ、家族への思いで気力を奮い立たせる。
一方、彼らの家族の悲しみと動揺がリアルに映し出される。そして、遠方から駆けつけ、寝食を忘れ、危険を顧みず現場に踏み込む救出隊の必死の活動。
希望を捨てずに頑張った二人は奇跡的に救出され、感動的な生還を果たすのだった

WTCへのテロで亡くなった人は2700人以上、救出されて助かった人はたったの20人。
助かった20人とその家族と救出に当たった人たちにスポットをあてることで、オリバー・ストーンは何を言いたかったのか。
その辺りがどうにも伝わりにくい映画だった。
2人の救出は確かに感動的だ。だが、事故に巻き込まれた2人が救出されるというだけなら、何も911というシチュエーションを選ぶ必要がないじゃないか。
911についてオリバーストーンは何を言いたかったんだろう。
少なくともプラトーンの時は、ベトナム戦争の悲惨さ・無意味さと戦場の異常性がヒシヒシと伝わってきた気がする。20年前だからよくおぼえてはないのだが・・・。
いきなり出てくるキリスト様?はオリバーストーンらしかったかもしれない。

プツンと電源が切れるようにシーンが変わる手法は2人の意識の様子を表しているようで面白かったが、あまりに暗闇の映像が多すぎなかったか?
退屈なリアリティは映画にはいらないぞ。それはドキュメンタリーフィルムで十分だ。

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2006年09月23日

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT−(映画:2006年116本目)−

ワイルドスピード3−1ワイルドスピード3−2







監督:ジャスティン・リン
出演:ルーカス・ブラック、バウ・ワウ、千葉真一、サン・カン、ナタリー・ケリー、ブライアン・ティー、北川景子

評価:46点

公式サイト

(ネタバレあります)
前作と前々作は面白かったのになあ。
デボン青木が懐かしい。

問題を起こしてはそこに住めなくなってしまうショーンが最後にやってきたのは離婚した父親が暮らしている日本。
日本か?
いや、ちがうだろう。日本語を話す人たちがいる別の国だ。
「まあいいか映画だから」というレベルを超えた無茶な描写の連続。
まずはショーンのありえない高校生姿に驚く。ヒロインの高校生姿も酷い。風俗嬢以外のなにものでもない。
つまらぬウワバキネタ。
誰が考えたんだあれは。村上ショージでももう少し気が利いてるんじゃないか。

学内で米軍からの流れ品?を売りさばく黒人の友人に連れて行かれたのは・・・あれはいったいどこじゃ。
新手のキャバクラか?

ヤクザが絡むストーリーも異常に薄っぺらく荒っぽく、もはや映画としての体裁を整えていない。

友人(ハン)を殺されたショーンはヤクザの親分のもとに単身殴りこみ、親分の甥で友人を殺した相手(DK)に勝負を申し込む。
「Race」
そんなわけあるかっちゅうねん。
そもそもハンはDKの金をちょろまかしていたのではないのか?悪いやっちゃ。
峠のバトルも、美しいドリフト合戦を見せてくれた頭文字Dとは違い、ひたすら車のぶつけ合い。

ああ、時間がもったいなかった。

そんな中でも、この3点だけは素晴らしかった。
・立体駐車場の螺旋階段を登るドリフト。
・KONISHIKI
・最後に出てくる、あいつ

点数をつけた46点のうち、40点はあいつの点数じゃ。


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2006年04月01日

笑の大学−(映画:今年46本目)−

笑の大学1笑の大学2







監督:星護
出演:役所広司、稲垣吾郎、小松政夫

評価:83点(100点満点)

公式サイト

今さら、という感じもしないではなかったが、エイプリル・フールでございますので、それなりに面白いものをということでこれを見ることにしたのでゴザイマス。

「戦時下の昭和15年の東京。検閲官・向坂は劇団「笑の大学」の座付き作家・椿に次々と無理難題をふっかけ、直せなければ上演中止だと脚本の書き直しを迫る。が、椿はその要求を聞いてさらに素晴らしい脚本を作りあげていく。そんな2人が、ガチンコ対決を通して次第に不思議なきずなを芽生えさせていく様を描く。」以上Amazonより

三谷幸喜原作の舞台劇が映画になったもの。
ほとんどが、役所広司演じる検察官の向坂と、稲垣吾郎演じる劇作家椿の二人だけのやり取りで進んでいく。

二人の演技は実際にガチンコ風味で面白い。
もちろん、キャリアも実力も遥かにうえの役所広司の圧勝なのだが、稲垣吾郎も予想以上に善戦してたかな。

稲垣のちょっと不思議な間合いと微妙にわざとらしい表情はときおり鼻につくものの、いつのまにか見入ってしまう。
まるで自覚症状のない麻薬のようだ。
あれも一種の才能なのではないか。

そしてなんといっても役所広司が素晴らしい。
むっつりした顔でいながら、次第に椿の脚本に魅せられていく様子はあまりにも自然だし、最終日に笑いながら起こるところなんて最高だ。
感動のラストでも圧巻の迫力。
役所広司のセリフだからとても説得力があるし、見ているものに響いてくる。
いい役者になったなあ。
いえ、もともといい役者さんでしたね。

いくつかのレビューを読んでいると、舞台のほうがもっと面白かったという人が多いようだ。
再演されることがあれば見に行きたいなあ・・・。

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2005年10月30日

私の頭の中の消しゴム−映画を見たで(今年138本目)−

消しゴム1消しゴム2







監督:イ・ジェハン
出演:チョン・ウソン、ソン・イェジン

評価:93点(100点満点)

公式サイト

いやはや反則だろうそれは。
なんなんだ、あのラストのコンビニシーンは。

ヒロイン(スジン)が若年性アルツハイマーにかかって、何もかも忘れていくというのは映画の宣伝から十分にわかっていること。
そして、スジンに病気を宣言する医者(こいつがでてきた当初は憎たらしい)が、「アルツハイマーだった自分の妻を、初めて二人が出会った場所に連れて行ったときに、一瞬記憶が戻った」と話したとき、ああ、ラストはあのコンビにで記憶を取り戻すのだなと誰でも思う。

そして夫のチョルスは予想どおり、郊外のサナトリウムに身を隠していたスジンを見つけ出し、二人が出会ったコンビニに連れていくのだ。
何もかも忘れていたスジンが、愛するチョルスを思い出す。ただそれだけでも泣けるシチュエーション。
なのに、あんな演出をされたら、それこそ号泣するしかないじゃないか。
ええとしのオッサンを泣かすなよ。
「ここは天国ですか」って・・・。
ううう、思い出したらまた泣けてきた。
明日は目が腫れてしまうだろう。会社休もうっと(嘘)。

前半はベタなラブストーリー。
不倫の恋に破れた傷心のスジンとチョルスの出会い。
偶然の再会から恋に落ち、身分の差?を超えて結ばれる二人。
チョルスの母親との確執が取り除かれたり、ま、いろいろとあるのですが、ここらあたりは少々かったるいかな。
ただ、丁寧に作られていて、ひとつひとつのカットが美しいのが素晴らしい。手抜きがないから見ているほうの背筋もなんとなく伸びてしまうのだ。役者の演技もみんなうまい。

そして後半はアルツハイマー発症とともに怒涛の勢いで悲しいお話に突入していく。
ただ、なんとなくすべてが綺麗でありすぎて、現実味がかけていたかもしれない。
それでもいいのだ。
あんなラストを見せてくれたから。
俺は魂を浄化され、気持ちよく眠りにつくことができる。

そういえば、この映画の元ネタは2001年の日本のテレビドラマだそうだ。
まったく知らんけど。

最後にソン・イェジンがめちゃくちゃかわいいことを付け加えて、私の挨拶とさせていただきます。
最近、私も物忘れが酷くなったということは付け加えないことにしよう。
えっと、それはあれがこれだからだ。ふうう。
あれ。今日、晩御飯食べたっけ?

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2004年12月12日

映画を見たで-ワグ・ザ・ドッグ-

ワグザドッグ監督 バリー・レビンソン
出演:ダスティン・ホフマン、ロバート・デ・ニーロ、アン・ヘッシュ

評価:90点(100点満点)

ダスティン・ホフマンとロバート・デ・ニーロ、なんとも強烈な二人の競演。実際この二人はずっと画面にでっぱなし、しゃべりっぱなしでございます。
さすがに存在感は凄いね。この二人の間でなにげに面白かったアン・ヘッシュを含めて3人以外は出演者をもう思い出せないぞ。

大統領選挙2週間前に、大統領が執務室を訪れたガールスカウトの少女にイタズラしていたというスキャンダルが巻き起こる。(この設定も恐ろしいが、実際にクリントンのモニカ事件があったのだから納得してしまうな)
このスキャンダルをうやむやにして、大統領を選挙に勝たせるために暗躍するのが政界フィクサーのデニーロと映画プロデューサーのホフマンである。
彼らがとった行動は、戦争のでっちあげ。あいてはアルバニア。理由もなにもない。ムチャクチャである。
戦争の危険性がないことがCIAによってばれてしまうと、今度は戦地に取り残された英雄のでっちあげ。
ううむ、これが笑えるだけですまなくなってるから恐ろしいね。大量破壊兵器を口実にイラクに攻め込んだアメリカってまさにこのとおりじゃないか。映画では逃げ惑う少女の映像が作られる。現実の世界でも、どの映像が真実なのかはもはや一般大衆にはわからないのかもしれない。

各種キャンペーンの展開、情報操作と話題づくりは面白く、見ていて感心する。シニカルコメディとしては実に良くできてるんじゃないでしょうか。
ここまで国家やマスコミを馬鹿にして、監督は大丈夫なんかいなと気になりますが、こういうのを受け入れるのもアメリカなんでしょう。マイケル・ムーアの映画も公開されてるしな。

たまにはこういうのもいいのでしょうね。
おせちに飽きた正月に食う、レトルトカレーのようで。

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2004年05月08日

映画を見たで-ワイルドスピード2-

wildspeed2監督:ジョン・シングルトン
出演:ポール・ウォーカー
タイリース
エヴァ・メンデス
コール・ハウザー
デヴォン青木

評価:78点(100点満点)

車ぶっとばし映画の第2弾。
2作目が出るということは、1作目がそれなりに好評だったんでしょうね。

今回も、スタートから日本車でまくり。ニッサンスカイラインにホンダS2000にマツダRX7。勝負どころは三菱ランサー・エボリューションである。まるで改造レース仕様日本車の展示会のようだった。
ランエボは海外でも評価高いんだね。走り屋には大人気。でも、三菱本体はトラックのハブ問題で逮捕者がでるわ、ダイムラーは資本提携から手を引くわでガタガタだったりします。
頑張れ、三菱自動車!

えっと、なんの話でしたっけ。
そうそう、自動車大好きな人たちのための、カーチェイス映画です。
ひねりもなんもない、ど真ん中棒球のストレートなストーリーですが、カーチェイスシーンはさすがハリウッド。ド迫力です。今回はコーナーリングも頻繁に見られ、見事なドリフトと車体のコントロールには拍手ものでした。
スカッとしようと思いたいなら、スカッとだけして後に何にも残らない映画を見たいなら、お勧めです。

ところでデヴォン青木という日系の女優が出てきます。米国でもっとも成功しているアジア系のモデルだとか。
こいつ・・・不細工じゃないか?
ねえねえ、そう思いませんか?
DVDのパッケージを見たとき、「この観月ありさを不細工にして顔を黒く塗った女は誰だ?」とずっと思っていた。
デヴォンは、鉄板焼チェーン「ベニハナ」で、アメリカで大成功したロッキー青木の娘さんらしい。
まあ、ナオミキャンベルも不細工だしな。世界のトップモデルの評価と俺の好みは合わないらしいわい。

そうそう、思い出した。私が勤めている会社の関連損保では、ランエボ取り扱いができません。
盗難多発車のため車両保険を引き受けできないそうです。
盗まないでね。皆様。




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2004年04月26日

映画を見たで-ワイルド・スピード-

wildspeed[ワイルド・スピード]

2001年10月
監督:ロブ・コーエン
出演:ポール・ウォーカー、ヴィン・ディーゼル、ジョーダナ・ブリュースター、リック・ユーン、チャド・リンドバーグ、ジョニー・ストロング、マット・シュルツ、ミシェル・ロドリゲス

(2001年/アメリカ)

評価:80点(100点満点)

1975年1月。私が9歳(小学校3年生)のときに「週刊少年ジャンプ」で「サーキットの狼」の連載が始まった。
日本全土を席巻した「スーパーカーブーム」の火付け役となった池沢さとしの漫画である。
ただの走り屋でしかなかったロータス・ヨーロッパを駆る主人公の風吹裕矢が、 "走る事" を通じてライバルと出会い、 別れ、成長し、レーシング・ドライバーの頂点とも言える F1 ドライバーにまでのぼりつめていくという話。
かっこよかったなあ・・・。非力なロータス・ヨーロッパで、早瀬佐近の乗るポルシェ・カレラや、ランボルギーニ・カウンタックと対決する風吹。
4車ドラフト、幻の多角形コーナーリング、ああ、なんと懐かしく甘美な響き。映画に出てきそうな、「車がひっくり返りながらのゴールーシーン」は未だ鮮明に覚えている。
ロータスからフェラーリ・ディノ・レーシング・スペシャルへ、そしてランチア・ストラトスへと車を乗り継いだ風吹は、とうとう世界最高峰のモーターレース、F1の世界へと到達する。
ただF1に展開するのがちょっと早すぎた。スーパーカーブームを巻き起こして大人気となったこの漫画も、F1に移ったころには下火となり、いつのまにかおわってしまったように記憶している。1979年に連載終了だからなあ。
中島悟が登場し、フジテレビが深夜にF1を放送、セナやプロストの登場で日本にF1ブームが巻き起こされるのは1980年代後半。あと5年、あと5年おそければF1漫画として最後も強烈に盛り上がっただろうに。

それはともかく、あのときのスーパーカーブームは凄かった。
日本各地で展示会が開催されていた。
いかんせん、私は小学生である。自由に操れるカメラを持っているはずもなく、小遣い持って出かけることに寛容な両親でもなく、そんなところにはなかなかいけなかった。
それでも、漫画を見てひたすら模写し、友達と見せ合ったり、近所にスーパーカーが停まってると聞くとすぐに見に行ったりしていたものだ。
あのころの教科書の落書きは、ほとんどがスーパーカーだった。
ロータスやカウンタックは実際に見たが、車高の低さには驚いたもんだ。小学生の時の俺がそう思うんだから相当低かったはず。今考えればスピードを追求するあまりの劣悪な車内環境である。カウンタックなんてほとんど寝転び状態。漫画でもカウンタックにのる「浜の黒豹」が弱音はいてたような気がする。
ミウラやイオタのフォルムのかっこよさに痺れた。
カウンタックのガルウイングに驚いた。こんなんありかと。
フェラーリやポルシェの凄まじい馬力にあこがれた。
日本車で出てきたのは、ピーターソンの乗っていたトヨタ2000GTくらいだろうか。
ゼロヨンということばを覚えたのもこの漫画である。
良く考えればこの漫画、自動車レース漫画なのに、たくさん死んでる。
沖田、ピーターソン、フェラーリの女豹(308GTBに乗っていた)などなど・・・。ストリートレースの怖さを教えてもくれた。

などということをこの「ワイルド・スピード」は思い出させてくれたのだ・・・。
なんちゅう長い前ふりじゃあああ、あほか貴様はっ!

映画ではかいエンジンを積んだ車がひたすら爆走する。舞台はロスの街。深夜、ストリート・レースが繰り返される。彼らの愛車はNOS(コンピューター制御による燃料噴射)を搭載した高性能マシンなのだ。限界までチューンアップされたマシンは時速270kmで爆走。ううむ、画面で見せるスピード感は素晴らしい。
内容は全くといっていいほどないが、気持ちはいい。
ポール・ウォーカーは男前、ヴィン・ディーゼルの存在感はピカイチ。
ミシェル・ロドリゲスやジョーダナ・ブリュースターはかわいい。
それよりなにより、主役は車たち。そしてかっとぶ主役たちが見所の映画です。
驚いたのは、改造車のベースがほとんど日本車なんだよね。ホンダのシビックや、トヨタのスープラ。三菱のランエボも出ていような気がします。

多少なりとも車に興味のある方は、そして幼いころにサーキットの狼に心躍らせ、スーパーカーブームを楽しんだ覚えのある方は見て損はしないと思います。
ただし、中身はないよ。
ストーリーとか、演技に意味を見出さないようにしてくださいね。
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