映画:ら行

2010年10月19日

レスラー-映画:2010-

レスラー1レスラー2

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ローク、マリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド、マーク・マーゴリス

評価:91点

見逃していた映画をようやくDVDで鑑賞。
あれ、ミッキーロークってこんな顔だったっけ、と思ったら、一時期ボクシングにのめり込んでノーガードで殴り合ってばかりいたおかげで顔の形も変わってしまったらしい。
そうそう、伝説の猫パンチというのもありました。
ナインハーフの頃ちょうど私は大学生。
かっこつけすぎの感じがしてあまり好きではなかったけれど、日本での人気は凄かったですね。
あれから転落の人生を歩み、この映画で見事にカムバック。
インタビュー記事を読んで知ったのだけれど、ほぼノーギャラで主演しているうえに、当初は配給元さえ見つからなかったという。

老いた往年の人気レスラー、ランディがボロボロになった体に鞭打って、自分の居場所であるリングに戻ってくる話。
決してカッコよくはない。
家族ともうまくいかず、場末のストリッパーにもふられ、トレーラーハウスの家賃さえ払えず、足を引きずりスーパーでバイトしながら生活するみじめさは見ていてつらい。
それでも自分の輝ける場所に立つため、命を削って戦う。
俺にはこれしかないというランディのせつない気持ちが、ひしひしと伝わってきた。

長年のプロレスファンなので分かっているが、レスラーは短命の人が多い。
試合は客を沸かせる作品でもあるので、基本的に相手の技を受ける必要がある。そのために体を鍛え、受け身を学び、危険な技を浴びる。当然ダメージは蓄積する。膝、腰、首と故障のない選手はめったにおらず、武藤敬司はリングを下りれば足を引きずりゆっくりゆっくり歩くという。橋本は若くして亡くなったし、三沢は試合中に亡くなった。
アンドレもテリーゴディもスティーブウイリアムスもゲーリーオブライトもデイビーボーイスミスも若くして亡くなっている。
明らかに病気の選手もいるが、多くはステロイドの多用と試合中のダメージの蓄積が原因のようだ。
ああ、関係ない話になってしまったが、そんなレスラー達へのリスペクトも十分に感じられる内容なのでたまらない。バカじゃないかと思うかもしれないが、体を張って男のロマンを演じるプロレスはいいもんなのじゃ。

最後にトップロープからダイビングした映像で映画が終わる。
この後になんとかハッピーエンドが続いて欲しい。心からそう願ってしまった。


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2009年09月12日

レッドクリフ Part 供縮ね茲悗虜能決戦― −(映画:2009年)−

rc23rc22

監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン、金城武、フー・ジュン、中村獅童、ヴィッキー・チャオ、リン・チーリン

評価:86点

とっくにDVDになっていたPart2をようやく見た。
前作の最後で、今回はスケールのどでかい戦いが繰り広げられることはわかってはいたものの、実際にかの国お得意の人海戦術的壮絶スケール戦闘絵巻が展開されるとまさに圧巻。
特にこの赤壁の戦いでは火を使った戦術が雌雄を決したということもあって、豪快に船も砦も燃える燃える。
炎は人間の何かを狂わせると誰かが言ったような言わなかったような気もするが、あれだけ豪快に燃える様子を見ていると何か動物的な感性が揺り起こされて高揚してくるものだ。
いえ、決して私は放火魔ではありませんが。

前回で引っ張りに引っ張った戦いは、今回の前半でもかなりじらされる。
ヴィッキー・チャオが敵陣にスパイとして乗り込んで親友を作ったり、流行り病を敵陣にも流行らせたり、トニー・レオン、金城武のプロモビデオかと思わせるような映像がたっぷり流れたり。
まあ、それもこれも、クライマックスに向けての計算されつくした演出だということならよしとしよう。

金城武は随分といい役どころだった。中村獅童もたっぷり出演。決戦前に一人敵陣に乗り込む大将の奥様という、度胸がいいのかバカなのかわからない役どころだったのがリン・チーリン。
美しすぎますね。清楚な色香は完璧。

PART1と続けてみると多少冗長に感じられるかもしれないが、これだけ間を置いてみればPART2だけでも十分に楽しめるからまあいいのだろう。

スケールのでかさを堪能できる映画だった。

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2008年11月02日

レッドクリフ PartI−(映画:2008年60本目)−

赤壁1赤壁2

監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン、金城武、ザン・ジンシェン、バーサンジャブ、フー・ジュン、中村獅童、ヴィッキー・チャオ、リン・チーリン、ヨウ・ヨン、チャン・チェン、チャン・フォンイー

評価:80点

三国志初心者の私にとっては最初の展開がわからなすぎた。
なぜか子供のころから三国志には興味がわかず、本も映像もマンガでさえも三国志に関係するものについては一切フォローできていない。
日本の戦国時代とか幕末は大好きで、小学生のころから本を読み漁ったというのに。
きっと面白いはずなのだ。スケールは相変わらず凄まじいし。
天下分け目の決戦となった関ヶ原の戦いでさえ、東軍7万5千、西軍10万、合わせて17万の戦い。
ところがこの映画での曹操の軍勢はなんと80万人。
水軍の様子はまさに圧巻。
ラスト近くに白い鳩が曹操の大軍の中を突き抜けて飛んでいく様子が映し出されるが、どこまでもどこまでも船が続き、ようやく陸地になって膨大な軍人が映し出され、最後の最後に本陣に到達する。
それにしても電波のない時代にどうやって戦いの指令を前線に伝えたのか不思議でならない。
そういえば、諸葛亮と周瑜が八卦の陣を敷いて敵を殲滅するシーンでは、太鼓の音と扇の動きで全軍を動かしていたか。
なるほど、やればできるということなのだ。

物語は、天下統一を狙う曹操の侵略に、劉備と孫権が連合軍を結成して立ち向かうというもの。
赤壁での戦いは三国志でも有名だということだが、今回はその合戦直前で
「続く」となってしまった。

三国志ファンにはいろいろ見所があるのだろうが、そうでなくともスケールのでっかい合戦の様子は見ごたえ十分。
続編は来年の4月公開予定。これもまあ観ますかね。

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2008年05月25日

ランボー 最後の戦場−(映画:2008年42本目)−

ランボー4-1ランボー4−2
監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン、ジュリー・ベンツ、ポール・スカルズ、マシュー・マーズデン

評価:79点

90分の映画ではあるが、エンドロールが10分程あるので実質80分。
80分の多くは、ミャンマーの軍が行なう人民の虐殺と、軍とランボーたちの戦闘シーンであって、ストーリーは極限までシンプルに絞り込んである。
映像も奇をてらったような手法はほとんどなく、ひたすらにまっとうだ。
さらには登場人物のキャラについても必要最小限の情報しか与えられず、ややこしいサブ・ストーリーはいっさいない。
人民を虐殺するミャンマーの軍事政権。そこにボランティアで潜入するアメリカの医療チーム。医療チームは捕虜となり、彼らを助けるためにランボーが立ちあがる。
まっすぐ敵陣に突入し、救出し、そして戦い、勝つ。それだけだ。
ラブロマンスの匂いも一瞬あったけど、すぐに消えてしまったし。

還暦を迎えたスタローンが行き着いたのが、このシンプルさだとすれば、それは大変結構なことではないか。

ミャンマーは今も軍事政権下にあること。映画の冒頭シーンは、1960年代のベトナムではなく、21世紀に起こっている実際の出来事だということ(どこまで虐殺が行なわれているか真実はわかりかねるが)。肉体が銃や爆弾で吹っ飛ばされる実際の戦争はこれだけえげつないということ。
シンプルなストーリーだけに、そういったことがビシビシと伝わってくる。

それにしても、弾丸が当たった瞬間に体の一部は確実にふっとんでいる。
銃の威力が昔とは違うんだろうなあ。
完全にスプラッタムービーの様相でした。

スタローンもそれなりにアクションをこなしているが、少々控えめ。
それでもやはりかっこよかった。
故郷に帰ったようだし、さすがに続編はないのだろう。
クリフハンガーの続編作るみたいだが・・・。

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2008年02月23日

ライラの冒険 黄金の羅針盤−(映画:2008年19本目)−

ライラ1ライラ2
監督:クリス・ワイツ
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、ダニエル・クレイグ

評価:68点

公式サイト

だからいったい何が起きてるのか、それでは全くわからない・・・。

イギリスではかなり有名なファンタジー作品ということもあり「粗筋なんて知ってるでしょ」的な強引なまとめ方でずんずん映画が進んでいく。
「いやいやちょっと待って待って、何でライラはコンパスもらったの。ニコール・キッドマンの演じてる役ってなんなの。北に向かうと何があるの。誰が味方で誰が敵で、それぞれの目的は一体なんなの!」
と叫ばずにはいられない。
だいたい、デイモンはなんで動物なんじゃい。
人それぞれにデイモンという精霊がついている、という設定は、「守護霊」という考え方を知っている我々にはそんなにとっつきにくい話ではない。
それが例え動物であってもまあいいだろう。
でも次々に姿を変えてみたり、デイモン同士で喧嘩してみたり、デイモンを苦しめたら本体も苦しんだり、忙しくてせわしない。
そんなルールがあるのなら、ややこしいことせずに、相手のデイモンを殺せばいいのだ。
んー、でもデイモンがいない種族もいたような気がするなあ。
まあどうでもいいか。

シロクマをはじめとして、動物達のCGは精巧で美しく人物の間にまぎれて全く違和感がない。
敵?が倒されるときにあがる火の粉のようなものが美しかった。
あれがダストだったのだろうか?
調べてみると、そもそも原作自体が、謎を残しながら先へ進んでいく物語のようだ。
この第一部だけを見て消化不良を感じるのも仕方のないことなのだろう。
まずは登場人物を並べて世界観の説明、ということか。
では次回作に期待。

ニコール・キッドマンの美しさは、もはや人間とは思えないほど。
さらに今回は悪役を演じていることもあり、妖しさもたまらない。
彼女になら、怖い顔でしかられてみたいかも。

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2008年01月19日

ルイスと未来泥棒−(映画:2008年5本目)−

ルイス1ルイス2

監督:スティーヴン・J・アンダーソン
声の出演:ダニエル・ハンセン、ウェズリー・シンガーマン、ニコール・サリヴァン、ハーランド・ウィリアムズ、アンジェラ・バセット、スティーヴン・J・アンダーソン

評価:80点

公式サイト

ひたすらに前向きなメッセージと、楽しくワクワクするような未来都市の姿が楽しい映画。
まあ、それだけといえばそれだけなんだが、その実直さは気持ちいいくらいだった。

主人公の少年、ルイスは、赤ん坊の頃に母親に捨てられ、孤児院で暮らしている。
小さい頃から発明がだいすきで、ノートにビッシリと設計書を書き込み、暇があれば徹夜をして発明品を作成していた。
ただ、その発明狂ぶりが災いして、なかなか養子縁組の話がうまくいかない。
養子の話が壊れること120回を過ぎたとき、ルイスは養子を諦め、自分を捨てた実の母親を探そうと考えたのだった。
きっと母親はやむにやまれぬ理由で僕を捨てたのだからと。

そしてできあがったマシンは、人間の脳をスキャンし、過去の記憶を映し出すという優れもの。それを発表するときに事件は起きたのだった。

前半で繰り広げられるドタバタ、そしてタイムトラベル後のドタバタ。
それぞれが伏線になって、ラストに向ってきっちりとまとめられていく。このあたりの細かい芸はさすがにうまい。
ただまあ、主人公や悪玉の葛藤もそれほど書き込んであるとは言えず、全体的に薄味に仕上がっているのはお子様も対象に入っているからやむを得ないところだろう。
まあこんなもんでしょうというところ。

タイムマシンの金属ボディへのうつりこみの美しさを含め、フルCGの映像は素晴らしいが、そろそろ革新的な大発明ができてもいいころのような気がしないでもない。
どんな?といわれれば答えはないのだが。

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2008年01月08日

ローマの休日−(映画:2008年1本目)−

ローマの休日1ローマの休日2
監督:ウィリアムーワイラー
出演:オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック、テュリオ・カルミナティ、ハートリー・パワー、エディ・アルバート

名作で2008年の映画鑑賞の幕を開けてみました。
随分と久しぶりに最初から最後まできちんと見たけど、いいものはやはりいいもんです。
見とれてしまい言葉も出ないほどのオードリーヘップバーンの美しさとかわいらしさ。
楽しくて楽しくてたまらない、二度と経験できない一日だったからこそ、別れのときの王女を襲ったであろう切ない気持ち。
溢れる気持ちを抑えて静かに最後の言葉を交わすオードリーとグレゴリー・ペックの最後のシーン。
うーん、たまらない。

改めてみて思ったが、泥酔してグレゴリーペックの部屋に転がり込むときの王女って無防備すぎて怖い。
あの時代だからそんなに違和感なかったのかなあ。
そして勝手にスクーターを運転して暴走するシーンって、あんなに無茶をしていたのだ。
スタントマンなのだろうか。ほんとのオードリーがあんな危険運転をしたとは思えないのだが。

それにしてもひとつひとつシーンがほぼ完璧。
現代映画からしてみれば多少クドイのかもしれないが、実に丁寧に撮られていて「曖昧な解釈」というものが存在しない。
セリフがなくても仕草や表情や動作の間の中に作り手の意図がきちんと盛り込まれていて美しいのだ。
おかげで何も悩まずオードリーに見とれ、どっぷりと二人の切ない恋心に没頭し、目頭を熱くして見終えたのだった。

名作が名作と呼ばれるのにはわけがあるのだなあ。

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2007年11月28日

リトル・チルドレン−(映画:2007年133本目)−

リトル1リトル2
監督:トッド・フィールド   
出演:ケイト・ウィンスレット、パトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリー、ジャッキー・アール・ヘイリー

評価:83点

公式サイト

(ネタバレあります)
リトル・チルドレン=大人になりきれない大人達、の物語。

郊外の大きな家で子供にも恵まれ不自由なく暮らしながら満たされない専業主婦。いい年をしてインターネットポルノにはまり、ネットショッピングで女性下着を買って自慰に励む馬鹿な夫。
容姿端麗で仕事をバキバキとこなす仕切りたがりの妻。
司法試験に落ち続け、主夫として子供を公園やプールに連れて行く夫。

基本的にダメダメで、あまりに隙の多いこの4人が繰り広げる「遅れてきた青春ドラマ」という感じだろうか。
主人公それぞれの感情の揺れは、演技からでも十分わかりやすいというのに、さらにナレーションが要所で加わりご丁寧に説明してくれる。
演技と間合いと音楽でそれを観客に感じさせるのが映画であって、あまりに過剰な演出ではないか、などと途中で思うものの、予想通りの昼メロ的展開にいつのまにかどっぷりはまってしまうのだ。

ここに、性犯罪暦のある男が街にやってきて、話にアクセントを加えている。
展開からすれば「彼はまともに更生していて・・・」などと思ったのにこいつがまたもダメダメのバカバカだ。
さらにこの男の危険性を過剰に訴える偏執狂のような元警察官も登場する。こいつのダメっぷりもなかなか普通には見られないほど極端だ。

結局まともな大人は誰一人登場しない。
ラストギリギリで、それぞれはあるべきところに戻っていき、大人の顔を装うのだが、根本的な解決はなされておらず、また同じ間違いが繰り返されそうな気がしてならなかった。
司法試験はどうするのだ、ブラッド・・・。

まともなのは二人の子供だけかと思ったが、こいつらもただのガキだったしなあ。

アメリカの郊外社会をある意味デフォルメして現代人の感情を表しているのだろうが、日本でもこんなものかもしれない。
公園デビューとかも結構大変みたいだし。

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2007年10月26日

ラッシュアワー3−(映画:2007年121本目)−

ラッシュアワー1ラッシュアワー2
監督:ブレット・ラトナー
出演:ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、チャン・チンチュー、ノエミ・ルノワール、イヴァン・アタル、マックス・フォン・シドー、工藤夕貴、真田広之

評価:55点

公式サイト

あかん、面白くない。
真面目な刑事ものだとするとあまりに設定が安易で突っ込みどころが満載になってしまう。
だからあくまでもコメディ映画として観るしかないのだが(もちろんそれが普通の見方)、ほとんど笑えないので映画として耐えうるものになっていないのだ。
アクションでもないしなあ(ジャッキーは年齢の割りに頑張っていたとは思うけど)。
結局いろいろ考えてみると、私はクリス・タッカーが生理的に合わないのだった。
甲高い声で口うるさくしゃべるだけで、取り立ててダンスがうまかったりアクションができたりするわけでもない。
冒頭の交通整理ダンスだって、観ていて冷え冷えとしてしまう。
時折妙にいい人になった演技をするが、それがどうにも薄っぺらい。
話しは全然面白くない(英語はわからんけど)。

嫌いだったら観るな!
そう言われそうだな。
はい、次があってももう見ません。

パリを舞台にしたストーリーもよくわからんが、コメディとしてはこんなもんでしょう。
いきなり「俺はアメリカ人が嫌いだ、降りてくれ」というタクシー運転手の登場にはびっくりしたが、この兄ちゃんが一番いい味を出して美味しいところをかっさらっていったように思える。
突然出てきて悲惨な死に方をしてしまうのが工藤夕貴。
分けのわからない武器を使って暴れる結構いいキャラだったけど、とにかく顔がぶっさいくだったなあ。
変だ。昔はかわいかった。ファンだったのに。

真田広之はひとり真面目な演技を貫いていた。
殺陣はさすがにうまい。
ダルダル映画をきっちり締めていたように思えた。
ハリウッドの中で、いったいどのポジションを狙っているのか、そこらあたりがよくわからないけど。
サニー千葉路線か。それとも渡辺謙の次を狙ってるのか。
頑張ってもらいたいものだ。今日は岡島も頑張ったし。



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2007年10月20日

ローグアサシン−(映画:2007年119本目)−

ローグ1ローグ2
監督:フィリップ・G・アトウェル
出演:ジェット・リー、ジェイスン・ステイサム、ジョン・ローン、石橋凌、デヴォン青木、ケイン・コスギ

評価:84点

公式サイト
相変わらずのトンデモニッポン映像になんどもひっくりかえりそうになったが、映画の脚本自体は秀逸。
ラストは驚き楽しませてもらった。
ラスト7分11秒でどやらこやらと宣伝していたパーフェクト某よりは、よっぽど驚きが大きかった。
そうきたか。なるほど。

ストーリーは謎解きになるのでほとんどかけないが、ジェイソン・ステイサム(FBI捜査官)の同僚家族を惨殺した暗殺者ローグが、何故ヤクザとマフィアを結果的に壊滅させるような行動を起こしていたのか、その謎が最後になってようやくわかった。

にっこり笑って相手を倒す。ジェット・リーの美しくてクールな強さ。
一方でひたすらに熱いジェイソン。髭面は汚らしく行動も下品で絶対に汗臭いはずだけど、強い。
対照的な二人の絡みが最初から最後まで、面白く物語を引っ張っていた。
二人のやりとりを中心においたうまい構成になっていたと思う。

トンデモニッポン描写を含め、突っ込みどころが多い映画でもある。
デヴォンのクソヘタクソな日本語や、ところどころにかけてある不可思議な書も気になった。
キルビル以来、変な日本描写を気にしないというスタンスが製作サイドに「あり」になったんじゃないか。
それはそれでいいのだが。

ところで金の馬を送ってもらってもあの人たちも困るだろう。
どこで換金するんじゃ。余計なお世話だろうけど。



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2007年10月17日

リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?−(映画:2007年117本目)−

リトル1リトル2

監督:コリー・エドワーズ
声の出演:アン・ハサウェイ、グレン・クローズ、ジム・ベルーシ、パトリック・ウォーバートン、アンソニー・アンダーソン、デヴィッド・オグデン・スタイアーズ

評価:90点

公式サイト

(ネタバレあります)
楽しい。
予想もつかない展開を次々に見せていく脚本の素晴らしさに加えて、音楽も楽しくてたまらない。
ヤギのおっさんの歌は最高だった。
さらにはキャラがみんな際立っていて秀逸だ。
個人的にはなんといっても赤頭巾ちゃんの「レッド」か。
単純な美少女ではなくて、様々な魅力的な表情と行動でこちらを魅了してくれた。
いまどきの、細く跳ね上がった眉がかわいい。
75歳ながら、スノボもサーフィンもロッククライミングも完璧にやりこなす元気なばあちゃんも最高だった。
お菓子作りの名人という表の顔と、裏の顔の使い分けが楽しいのだ。

ストーリーは童話の赤頭巾ちゃんのように見えて全然違う。
レッドがいつものようにおばあちゃんの手伝いでお菓子を配達していると、森の中でオオカミに出会う。
赤頭巾の持っているレシピを奪おうとするオオカミ。
オオカミから逃げたレッドはおばあちゃんの家に逃げ込むが、そこにはおばあちゃんに化けたオオカミと、ぐるぐる巻きになったおばあちゃんがいた。さらには斧を持った大男が窓を割って飛び込んでくる。
さて、世間を騒がせている「レシピ泥棒」と今回の事件は関係があるのか。
名探偵カエルのニッキーが謎解きをするために4人から話を聞くが、4人の話はそれぞれバラバラなのだった。
やがてニッキーたちは真犯人に気づき、レッドやオオカミも含めて大騒動に発展していく。

容疑者達の謎が明かされていくところも、それぞれの話が微妙につながっていて絶妙だ。
最後に悪者がやっつけられてすっきりもできるし、魅力的なレッドには、隠されたあなたのロリコン心もちょっとうずいたりしますよん。
俺のことか。
ごめんなさい。

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2007年08月18日

レミーのおいしいレストラン−(映画:2007年88本目)−

レミー1レミー2
監督:ブラッド・バード
声の出演 :パットン・オズワルト、ブラッド・ギャレット、ブライアン・デネヒー、ブラッド・ギャレット、ジャニーン・ガロファロー、イアン・ホル

評価:91点

公式サイト

(ネタバレあります)
子供の頃住んでいた家にはよくねずみが出た。
穴から這い出してきたねずみと眼があったこともあったし、ねずみにパンを袋ごと持っていかれたこともあった。(それはイタチだったのかもしれないが)
ねずみ獲りにかかったねずみを捨てに行ったことも憶えている。
いつもねずみは憎むべき敵であった。ゴキブリとおなじくらい。

だから、ねずみが主人公でしかも料理をするなんて信じられん。
厨房にねずみがうじゃうじゃいるなんて・・・。
でも、それが心温まるストーリーの映画になってしまうんだから恐ろしいものだ。
あ、でもミッキーマウスもねずみか。ひょっとしてアメリカ人はねずみがそんなに嫌いじゃないのか?よくわからん。

映画の主人公となるねずみ(レミー)は、生まれながらに天才的な料理の才能の持ち主。匂いをかぐだけで料理の成分は全てわかるし、料理を美味しくするための独創的な発想も豊かだ。
テレビでみた、今は亡き天才のシェフ・グストーに憧れ、自分もシェフになろうと夢を抱くようになる。
そしてアクシデントで家族と離れ離れになったレミーは、運命的にシェフ・グストーのレストランにたどり着いたのだった。

レミーがレストランの雑用係リングイネと知り合い、どうやって料理をするようになるかは映画をどうぞ。
レストランの厨房はの忙しさはかなりリアルに描かれている。美味しそうな料理がドンドンとできていくのをみているのは楽しい。
そしてドンドンとこちらもおなかがすいてくるのだった。
ダイエット中だというのに・・・。

料理評論家のイーゴにレミーが食べさせた勝負料理が、家庭料理の「ラタトゥィユ」っていうのもいいね。
日本料理だとすると、メインに「肉じゃが」を出したようなもんか。
「おかあちゃんの味」には、誰も勝てないのだ。

そうそう、ねずみはちゃんと料理前に手を洗っていたし、全身をスチーム消毒していました。
でもあれだと湯だってしんでしまわないか?

んー、料理したい。
晩御飯は俺が何かつくるとしよう。
レミーが頭に乗っかっているつもりで、颯爽とかっこよく!

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2007年06月17日

ラブソングができるまで−(映画:2007年70本目)−

ラブソング1ラブソング2
監督:マーク・ローレンス 
出演:ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア、ブラッド・ギャレット、クリステン・ジョンストン、キャンベル・スコット 

評価:91点

公式サイト

(ネタバレあります)
ドリュー・バリモアってこんなにかわいかったっけ。
映画を見ながら何度もそんなことを思った。
こんなに顔は小さかったっけ?こんなに細かったっけ?
「50回目のファーストキス」や「チャーリーズエンジェル」のときの迫力あるバディの印象がどうしても強いんだろうなあ。
この映画に出てくる人気絶頂のアイドル・コーラと並んでもそんなに遜色なかったように思うのは、ドリュー贔屓の私の見間違いだろうか。

ストーリーはベタベタのラブコメ。
それを最高の作品にしているのは、80年代ポップシーンをパロったような数々の映像と、何かを吹っ切ったように腰を振りまくるヒューグラントの見事な演技だ。
オープニングで流れる80年代アイドルグループ、「POP」のミュージックビデオは最高に笑える。
いやいや確かにああいうの、ありましたよね。
なんだろう。ワムとかA−haとか、あんな風じゃなかったっけ。
若作りしたヒューグラントがニコニコと笑いながら腰を振りまくるビデオがなんとも楽しい。

アイドルグループが解散し、ソロ活動で失敗した売れないアーティストのアレックス(ヒューグラント)は、イベント会場でのミニコンサート等でなんとか食いつないでいる。
あるとき超売れっ子アイドルのコーラから、新曲の注文が入った。期限は3日間。
コーラは昔、POPのファンだったのだ。
しかしアレックスは昔の歌から逃れられず、10年以上作曲もしてないうえに作詞ができない。
さてどうしようと思っていたところに、彼の部屋の観葉植物の世話係りになったソフィー(ドリュー)に偶然作詞の才能があることがわかり、二人は一緒に曲を作ることになる。
ラブコメなので、ここまでのいきさつも、ココからの展開もドタバタで笑える。そしてちょっとセンチメンタル。
安心して次が見られる。いい感じの映画なのだ。

最後はそれなりの危機があって、ラストできっちり大団円のお約束。
物足りないといえばそうかもしれないが、ヒューグラントの見事な腰振りや、ますますかわいくなるドリューがたっぷり見られただけで十分OKなのだ。

そうそう、この映画でアイドル・コーラを演じているヘイリー・ベネットはこれが長編映画のデビュー。
エロカッコイイのにいやらしさを感じない、不思議な魅力があって見入ってしまった。
今後の活躍に期待したい。歌もダンスもうまいし。

やっぱ、ラブコメはいいなあ。
ラブコメ見るたびにそんなことを書いているような気もするけど。

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2007年04月15日

ロッキー・ザ・ファイナル−(映画:2007年47本目)−

ロッキー1ロッキー2
監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン,バート・ヤング,アントニオ・ターヴァー,ジェラルディン・ヒューズ,マイロ・ヴィンティミリア,トニー・バートン



評価:95点

公式サイト

(ネタバレあります)
突っ込みどころがいくらあろうと、誰がなんと言おうと、いいもんはいいのじゃ。
圧倒的な前向きさで、突き進むロッキー。
60歳でボクシングできるわけないだろう、なんていう冷ややかな目はほっとけばいいのだ。(ジャイアントババは60歳でプロレスしてたぞ)
「叶わない夢はない」
そうだそのとおりだ。
「人生はバラ色ばかりじゃない」でも「自分を信じなきゃ人生じゃない」そうだそのとおりだ。
やるのだ、俺はやるのだ。
ロッキーのように階段を駆け上がり、片手を天に突き上げて叫ぶのだ。
打たれても打たれても前に進むのだ。自分の信じた道を進むのだ。
やるぞやるぞ俺はやるぞ(何をやるのかは知らないが)。

映画が始まって1時間7分。
自分の胸にくすぶる火に気づき、もう一度だけボクシング界に復活することを決めたロッキーが、ついにトレーニングを開始する。
待ちに待ったあのテーマ曲が鳴り響き、ロッキーが雪の中を走り始める。
鉄アレイを振り回し、バーベルを持ち上げ、吊るされた肉の塊を連打する。
ああもう涙が止まらない。
体の震えも止まらない。
高ぶる魂の叫びもとまらない。
ロッキーは最高だ!

現役を引退し、愛するエイドリアンを病気でなくし、小さなレストランのオーナーになっていたロッキー。息子との間もいまひとつしっくりこない。
何かが足りない。
何かをやり残したまま老いていくことはできない。
焦りと不安もあるなかでロッキーが取った道は、日本なら老害で片付けられて映画の題材にすらならないが、アメリカンドリームの国はチャレンジに対しては実に寛容だ。
ロッキー最後の試合は、33戦全勝30KOの現役ヘビー級チャンピオンが相手となった。慈善試合だったにもかかわらず、試合は壮絶な打ち合いとなり、ロッキーの心を完全燃焼させ、そして人気のなかった現役チャンピオンの株も大いにあげる結果となったのだ。
お約束のエンディングなのに、どうして泣いてしまうんだろう。
それはたぶん、自分もあんな熱い思いをしたいと願っているからだ。

60歳になるロッキーが醸し出す老いた雰囲気は隠しようもない。
しかし、かなりの頑張りで体はビルドアップされており、あの腕の太さならパンチの威力にも説得性があろうというものだ。
負けられない。
さあ、筋トレしてくるぞ!

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2007年03月25日

ラストキング・オブ・スコットランド−(映画:2007年39本目)−

スコットランド1スコットランド2
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:フォレスト・ウィッテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソン、サイモン・マクバーニー、デヴィッド・オイェロウォ

評価:94点

公式サイト

(ネタバレあります)
アミンと言えば食人大統領。
大量虐殺で世界に悪名轟くこの悪人を成敗しようと、われらがアントニオ猪木が異種格闘技戦を計画したことがあった。
昭和54年1月26日の朝日新聞にその計画が掲載されたというのだから真実味もあったのだ。
京王プラザホテルで記者会見が行われ、最終的な合意に達したとして「6月10日、ウガンダの首都カンパラの国立サッカー競技場で試合が行われる」との正式発表まであった。
どこまで本当だったか今ではわからないが、万が一実現してたら間違いなく殺されていたと思うぞ。

それはそれでこれはこれ。
スコットランドで医学部を卒業して医者になった若者ニコラスが、退屈な日々から抜け出すためだけに安易に選んだウガンダの農村での医療活動。ウガンダは偶然の軍事クーデターでアミン政権ができたばかりだった。
医療活動の最中に、ニコラスは偶然アミン大統領と知りあうことになり、大統領の主治医となる。
最初はアミンが熱く語る理想に同調していたニコラスだったが、極度の人間不信から虐殺を繰り返すアミンの本性を知り、そこから逃げ出そうとする。
しかしときはすでに遅く、ニコラスはアミンの手の中に絡め獲られていたのだった。

本年度アカデミー賞主演男優賞受賞のフォレスト・ウィッテカー。
一見気さくだが無慈悲な専制君主の狂気ぶりを見事に演じていて凄い迫力だ。受賞も納得。
実際のアミンも、彼が演じたように、できればいい国を作りたいという理想があったはずなのだ。
しかし、憎しみが理想を消し、恐怖が全てを支配し、現実は転がるように悪いほうに進んでいく。
もはやアミンの変貌は誰にも止められない。
ニコラスの目線で語られる物語の緊張感はなんともリアルで、画面から目が離せないのだ。

彼に虐殺された国民は30万人だという。
亡命先のサウジアラビアで2003年まで生きていたなんて、そんな優雅な晩年が許されたというのは少し納得いかないぞ。
猪木に成敗してもらえばよかったんだ。



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2007年03月11日

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ−(映画:2007年32本目)−

ロックストック1ロックストック2
監督&脚本:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ニック・モーラン、ジェイソン・ステイサム、スティング

評価:92点

公式サイト

(ネタバレあります)
ガイ・リッチー28歳の時の監督作品。
若い監督の映画を見ていつも思うのは、才能ってあるところにはあるもんだなっていうことだ。
もっとも、ガイ・リッチーの場合はこの次の「スナッチ」までは評判がよかったもののその後はパッとしない。

舞台はロンドンのイーストエンド。
盗品を売りさばいて金を稼いでいるようなハンパな4人の若者が、なんとかかき集めた10万ポンドを持ってギャングの経営する賭場で勝負を挑む。
ところが、勝つどころか逆に50万ドルの借金を背負わされ、しかも期限は一週間。
4人には到底返済不可能な金額だったが、偶然ひとりの住むアパートの隣人達の強盗計画を知り、それを横取りする計画を思いついたのだった。
強盗先は大麻栽培で大金を溜め込んでいるオボッチャマたち。しかし、かれらの後ろにもまたギャングがいたことから話は複雑になってくる。

どんどん登場人物が増えてくる、群像ギャング映画とでも言うのだろうか。どこで話が絡むんだろうと思っていたら、中盤から劇的にいくつもの話の筋が絡み合い、絶妙の面白さを見せてくる。
ひとつひとつの話も、スピード感があるうえに映像もスタイリッシュでなんともカッコイイ。
それらがひとつにまとまりながら、予想外の結末に繋がって行く様子は爽快だった。
登場人物たちはみんなどこかオバカで、そのサジ加減がまさに絶妙。
やたらに人が死んでしまう話なのに、悲壮感や嫌悪感を感じさせることもない。うーん、素晴らしい。
ジェイソン・ステイサムはこれが映画デビューだったのだな。
いまでは日本でも知られた顔だ。

スティングがパブのオヤジ役で出ているが、渋くてカッコいい。
いい感じのハゲかただぞ、よしよし。

何度でも見たい映画だ。

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2007年02月04日

リトル・ミス・サンシャイン−(映画:2007年14本目)−

リトルミスサンシャイン1リトルミスサンシャイン3
監督 ジョナサン・デイトン 、ヴァレリー・ファリス
出演 アビゲイル・ブレスリン 、グレッグ・キニア 、ポール・ダノ 、アラン・アーキン 、トニ・コレット 、スティーヴ・カレル 、ブライアン・クランストン 、マーク・タートルトーブ 、ベス・グラント

評価:93点

公式サイト

(ネタバレあります)
いいよなあ。
これはいい。

アメリカの病んだところをダメダメ家族に反映させながら、その家族が再生することによって、アメリカの原点ともいえる家族主義への強い思いが表されている。それが決して嫌味にならずに描かれているから、素直に感動できるのだ。
問題は何も解決はされず、爺ちゃんも死んでしまったけれど、彼らを乗せた黄色いボロワゴンは今日も走っていくのだろう。

登場人物はみんなキャラが濃い。
麻薬中毒で、ファンキーな言動を繰り返す爺ちゃん。
ミスコン出場を目指してダンスの練習に励む、ポッコリおなかにアラレちゃんメガネの孫娘オリーブ。
オリーブの父親は、自ら考え出した9ステッププログラムなる勝者と敗者の論理の売り込みに必死だが、家族の信頼を得ることができない。
母親はいつもイライラしていて、心配は家計のことばかり、夫をいたわることもない。
長男はニーチェにかぶれて、パイロットになるという夢を叶えるまで口をきかないという無言修行中。
叔父は、ゲイでリストカットしたところを母親に引き取られて、この家族の下にやってきた。

そして、オリーブが、カリフォルニアで行われるミスコンに出場することになり、彼らは家族全員でオンボロワゴンに乗って出かけることになる。
それからは、いろいろあります。
途中、ワゴンのギアが壊れて、エンジンをかけるときには家族みんなで車をおさないといけなくなる。
じいちゃんは麻薬の取りすぎで死んでしまう。
色盲が発覚した兄は、パイロットになれないことを知って、沈黙の誓いを破って叫び、暴れだす。
父親の9ステッププログラム出版計画は頓挫する。
いろいろあるのは不幸なことばかり。
でも、ダメダメ家族はめげないのだ。
いろんなことがあっても、愛しあうのが家族でしょう、という母親の信念は、この映画ではみんなを結び付けている。それがどれだけ強引であっても、みんなには必要なことなのだ。

最後のコンテストの場面。
オリーブのダンス、そして家族みんなのダンスは笑えて、そして感動的だった。
あれでいいんだよあれで。
それにしても他の出場者達は気持ち悪かった。

小ネタもきいている。
オリーブが兄を慰めるシーンは泣けてくるし、ファミレスでのアイスクリームのシーンも楽しい。
そうそう、叔父を演じていたのはスティーヴ・カレルだ。
40歳の童貞男の主役。全然わからなかったなあ。

人生うまくいかないことだらけでも、とにかく進むのじゃ。
ギアもクラクションも壊れたら、車を押して進むのじゃ。
そしたら何とかなるもんじゃ。
勝ち組も負け組みも関係ないんじゃ。
よおし、明日はアイスクリーム食いまくるぞ!


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2007年01月28日

ラブ★コン−(映画:2007年13本目)−

ラブコン1ラブコン2
監督:石川北二
出演:藤澤恵麻、小池徹平、玉置成実、工藤里紗、水嶋ヒロ、南海キャンディーズ

評価:90点

公式サイト

(ネタバレあります)
あー楽しかった。
笑いに笑って、ドキドキさせられて、切なくなって、ホロリときてのハッピーエンド。
ほぼ完璧な学園ラブコメ映画です。
原作は少女マンガ(中原あや)で、なんとかかんとか漫画賞も受賞しているらしい。
背の高さにコンプレックスを持つ二人(女の子170センチ、男の子159センチ)が繰り広げる、ギャグ満載の青春は、「キュン死にしそう」というヒロインのセリフどおり、ドラマチックで感動的で、心臓に直接響いてくるようだ。
どちらかというと、藤澤恵麻の演じるリサのほうが自分の気持ちに気づいたことで積極的にアプローチしていくのに、小池徹平演じる大谷はいつまでも煮えきらず、一度は告白を冗談だと思って流してしまい、あげくの果てに「お前は好きだけどコンビみたいなもので彼女にはできない」なんて断ってしまう。
この馬鹿やろうが。
馬鹿やろうが馬鹿やろうが。

よろしQUEENと登場した谷原章介のおかげで、最後に二人はめでたくくっつのだが、原作では別れてしまうとかいう話をちょっと聞いた。
ああ、どうなるんだろう。
漫画読みたい読みたい読みたい。

リサの姉役の南海キャンディーズしずちゃんが笑えた。
南海キャンディーズの漫才はテレビで見ても全然面白くないのに、この映画ではツボにはまったなあ。
ムツゴロウの解説も、馬鹿馬鹿しいんだがさじ加減が絶妙で面白い。
温水のヅラネタといい、ときおり入るポップな吹き出しといい、見事なバランス感覚だ。
そうそう、南海キャンディーズやオール阪神巨人のせいじゃないだろうけど、ヒロインの藤澤恵麻が面白い顔をすると、北陽のあぶちゃんに見えて仕方がなかった。
藤澤恵麻が思ってるよりブスなのか。あぶちゃんが実は綺麗なのか。それは私にはわからない。

音楽がまたいい。
プリプリにパフィーにリンドバーグだもんね。
40歳のおっさんにとっては、ギリギリセーフの懐かしさだよ。うむうむ。

なんだかはしゃいだ文章になってこっぱずかしいが、それだけ見るもののテンションをあげてくれる映画だということなんだろう。

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2007年01月25日

ラッキーナンバー7−(映画:2007年10本目)−

ラッキーナンバー71ラッキーナンバー72
監督:ポール・マクギガン
出演:ジョシュ・ハートネット,ブルース・ウィリス,ルーシー・リュー,モーガン・フリーマン,ベン・キングズレー,スタンリー・トゥッチ

評価:93点

公式サイト

(ネタバレあります)
かっこええ!
これはたまらんですな。
名前だけで楽しめるほど豪華な出演者(ベン&トゥッチのハゲくらべはそそりました)。
時系列を巧みにずらした捻りのきいたプロット。
よく考えると粘着質な復讐劇なのに、それを感じさせないテンポのよさと乾いたコメディータッチな展開。
男くさい暴力活劇だと思わせておいて、最後に見せる見事な人情劇とロマンス。
いやあ、やられました。
紅一点のルーシーも、今まで出てきたどの映画よりもかわいく見えた。
思ったよりも小さいんだなルーシー。
ジョシュがでかいのか?

原題はもっと直接的だし、最初にブルースが語った話がどう絡んでくるかを考えれば、たぶんあれがああでこうなんだろう(どうなんやねん)という想像はつく。
それでもジョシュとブルースが鮮やかに謎解き?をする場面は気持ちよくてゾクゾクするほどだ。

復讐の名のもとにドンドン人が殺されるけれども、悲壮感がなくてハードボイルドなかっこよさが強調されるところは、真面目な映画が多かった最近のハリウッドにはない割り切りが感じられて心地よい。
先日、ディパーテッドを見たからそう思ったのかもしれないが、ディパーテッドのオリジナルであるインファナルアフェアの雰囲気にちょっと近いものを感じた。
対峙する二つのビルを漫画のようにクローズアップしてみたり、時間軸の違う映像を二つ並べてみたりと、細かいところで工夫がなされているのも高感度アップだ。
空港で首を捻られた彼だけは不運でかわいそうだったが。

ラストの時計シーンはよかったね。
いずれにせよ、美味しい話は転がっていないものなのです。

あ、ブルースもハゲだからトリオでハゲか。これまたたまらんね。

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2007年01月08日

ライアンを探せ!−(映画:2007年3本目)−

ライアンを探せ1ライアンを探せ2








監督:スティーヴ・“スパズ”・ウィリアムズ
声の出演:キーファー・サザーランド、ジェームズ・ベルーシ、エディ・イザード、ジャニーン・ガロファロー、ウィリアム・シャトナー、リチャード・カインド、グレッグ・サイプス

評価:59点

公式サイト

(ネタバレあります)
いつもフルCGアニメを見た後は映像の素晴らしさから入るのだが、今回もまた素晴らしい。
ライオンの毛並みがとんでもなくリアル。ふさふさと滑らかでやわらかそうで、触りたい!と思ってしまうのだ。
ヒゲの一本一本も丁寧に描かれていて、それぞれちょっと曲がったり微妙に間隔や長さが違ったりしているとこのつくりも実に繊細。
もともと、金属やプラスチックの質感はCGでもかなり精巧に描かれていたが、最近はついに毛も本物そっくりになってきた。
いよいよ次は人間の肌や目や表情になるのだろうか。
ポーラーエクスプレスで見た気持ち悪い子供達のCGが、近いうちに笑い話になるのだろうな。

ただ、動物達のキャラクター作りはまだ過渡期なんじゃないだろうか。
リアルな質感を追求していくと、姿形そのものにもリアルさを求めていきがちだ。
しかし、動物がそのままリアルに描写されては気持ち悪くて映画にならない。リアルな顔では表情が作れないし、言葉をしゃべるように口は動かない。
このさじ加減は難しいだろうなあ。
適度なデフォルメで親近感を持ってもらいながらも、リアルだな、凄いCGだなと思わせなければならない。
果たして次の動物アニメの時にはどうなっているのだろうか。
楽しみでかつ、ちょっと怖い。

CGのことばかり書いてしまったが、ストーリーにはまったく書くべきことが見つからないのだからしかたがない。
いなくなった子供を捜すって、ちょっと前に魚の映画でやったのに。
NY動物園だって、抜け出したばかりじゃなかったっけ。
CG技術の向上を見せたいだけだとしても、もう少し節操のある脚本にしてもらいたいものだ。

「父と子の愛情物語」だとしたら、昔の「ライオンキング」のほうがよほど胸にくる良質な作品。
どうみてもこれはバッタもんだよなあ。


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2006年10月22日

レディ・イン・ザ・ウォーター−(映画:2006年130本目)−

レディ・イン・ザ・ウォーター1レディ・イン・ザ・ウォーー2







脚本:Mナイト・シャマラン
出演: ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、ボブ・バラバン、ジェフリー・ライト

評価:65点

(公式サイト)
これはまたユルい映画だ。
いくらお伽話だとはいえ、現代という設定で映画にするのだから、それなりにリアリティも持たさなければいくらなんでもダメなのでは。
3歳児ならともかく、小学生ぐらいだと「そんなことありえないよ」って簡単に言われそうだ。

シックス・センスのシャラマン監督の長編映画6作目。
シックス・センスで見せた驚くどんでん返しがあるわけではなく、行き当たりばったりでドンドン話は進んでいく。

アパートのプールに突然現れた女性。
管理人のポール・ジアマッティは彼女を部屋で休ませ、事情を聞く。
ストーリーと名乗った彼女は水の国から、ある人を目覚めさせるためにやってきたのだった。
その人の目覚めが人間界を救うのだ。
しかし、ストーリーは水の国に帰れなくなってしまう。
ストーリーを狙う悪の影。アパートの住人達は助け合って、ストーリーを水の国に帰してやろうとする。

住民たちは全員催眠術にでもかかったかのように、素直にストーリーの話すことを信じる。
そのわりには、全く違う人に役割を押し付けてしまったり、韓国人のオバサンが物語の先を知っていてどんどん語ってしまったり、ストーリーはいつまでも裸(男物のシャツを着てはいるが下は裸らしい)だったりして何がなんだかよくわからない。
目覚めは青年がある本を書くこと。
その本に啓蒙されたあるリーダーが10年後に革命を起こして世の中を救うのだ。
この辺の設定も???だ。
たぶんこれは我々が住んでいる世界とは別の場所なのだろうな。

住民たちの協力はドタバタのうちに何とか成功し、ストーリーはオオワシに連れられて無事に水の国に帰っていったのだった。
ああ、よかった。
また人間界が存亡の岐路に立たされたときには、水の中から少女がやってきて重要な人物に悟りを啓かせてくれるに違いない。
そんなオチでいいのか、ほんとうに。
たぶん御伽話だからいいんだろうなあ。納得はできないが。

そうか、アパートが地球全体を現しているのか。
全てが抽象的なメッセージに満ちた映画なのだ。
そう考えると悪くもない映画かな。まあでもやっぱりよくわからんべ。

ポール・ジアマッティはいいなあ。
サイドウェイもよかったし。
あんなおっさんになりたい。髪の毛は相当近くなっているけど・・・。

シャラマン監督がでしゃばっているという話は聞いていたが、私は監督の顔を知らずに最後まで見たのだった。
そうか、あれが監督か。美味しいところを持っていきすぎじゃありませんか。

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2006年09月17日

連理の枝−(映画:2006年114本目)−

連理1連理2







監督:キム・ソンジュン 
主演:チェ・ジウ、チョ・ハンソン、チェ・ソングク、ソ・ヨンヒ

評価:70点

公式サイト

(ネタバレあります)
チェジウ姫が愛らしい魅力をふりまく難病もの。
韓国メロドラマのエッセンスがギュウギュウに押し込んであり、その密度は島豆腐並。あっさりした京都の絹ごし豆腐の味になれてしまって人だと、あまりの濃厚さにむせ返るんじゃないだろうか。

コメディタッチで繰り広げられる序盤戦。チェジウはすでに病院に入院中。
この時点で「もうすぐ死んでしまう難病」にかかっていることは誰に目にもバレバレだ。
雨の中の偶然の出会い、大金持ちのプレーボーイは彼女に出会って本当の愛を知る。ああ、なんてベタ。
「会いたくない、つらくなるから」というチェジウの家の前にずぶ濡れになってたたずむチョ・ハンソン。
かっこいいけどどこか3枚目の雰囲気も残していて、またそれがいいのだろうなあ。
さらに悲劇は続いて、チョ・ハンソンも実は脳腫瘍で長くは生きられないのだった。
おいおい誰じゃ、このベタベタの脚本を書いたやつは。
でも、ベタも徹底すればひとつの芸だからな。ま、しゃあないか。

チェ・ソングクとソ・ヨンヒのカップルは演技もうまく、実に楽しく見せてくれた。突然映画撮影に巻き込まれていくドタバタぶりは、まったく違う映画になっているようだ。

そして後半戦。じっくり静かに涙を誘う展開だが、どれもこれもありきたり。そう思っていたら、見事なドンデン返しで感動的なラストを見せてくれた。
恥ずかしながら、少しウルウルきてしまいました。韓ドラに慣れていないからです。きっと。ええ、きっと。
音楽がよかったし。

チェジウは相変わらずの魚顔で決して綺麗とはいえないと私は思うのだが、相変わらず抜群の存在感と透明度溢れる演技を見せてくれる。
涙の女王(だったか?)と呼ばれているのは伊達ではなく、グチャグチャになりながらも美しく切ない泣き顔。
うーん、まだまだ主役はれるよな、すげえな。
よくも悪くもこれが韓流メロメロドラマ。ああ、おなかいっぱいじゃ。
連理3

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2006年06月27日

RENT/レント−(映画:今年86本目)−

レント1レント2







監督:クリス・コロンバス
出演:ロザリオ・ドーソン、テイ・ディグス、ジェシー・L・マーティン、イディナ・メンゼル、アダム・パスカル

評価:89点(100点満点)

公式サイト

(ネタバレあります)
やっぱええのう、ミュージカルは・・・。

「オペラ座の怪人」のようにゴージャスではなく、「シカゴ」のように楽しく華やかでもなく、「ウエスト・サイド・ストーリー」(例えが古いか)のようにかっこよくもない。
等身大の若者を描いた地味で堅実なミュージカルだ。
でも、そのリアルさが胸を打つ。
魂のこもった歌が、ガンガンと響いてきたのだった。

世界の各演劇賞を総ナメにし、ピュリッツァー賞をも受賞した大人気ミュージカルが、ミュージカル初演のメイン・キャストを迎えて映画化されたもの。
当時のミュージカルを見た人にとっては感激ものなのだろうが、初めて見る私にとっても十分いい映画だった。
NYイーストビレッジで、賃貸料(レント)さえろくに払えず、貧困の中でも夢を見て毎日を生きていく若者たちの物語。
主役8人中4人がなんとエイズ感染者、さらにドラッグ中毒に加えて、ゲイやレズばかり登場してくるので、最初は少々引いてしまう。
しかし、そんな中に、友情があり恋があり夢があり、それぞれが今を精一杯生きていく様子に次第に感情移入してしまったのだった。
ミミが生き返ったのにはひっくり返ったが・・・。

歌はどれもこれも素晴らしい。
というかセリフはほとんどなくて歌いまくっての2時間15分だ。
舞台に並んだ8人が歌いだすオープニングは「コーラスライン」っぽくて、いきなり強烈なインパクトだった。

メッセージはあまりにも直球。

過去は振り返らず、明日のために今を一生懸命生きよう。
いつか、ではない。今日を生きよう。

誰も否定できない強くそしてまっすぐなメッセージを、たまにはドカンと浴びてみるのもいいものだなあ。
特に心も体も汚れきったおっさんには、こういうのが効果的なのだよ。
今このときから頑張ろう。拳を握り締めて立ち上がった私であった。



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2006年05月12日

ロンゲスト・ヤード−(映画:今年64本目)−

ロンゲストヤード1ロンゲストヤード2







監督:ピーター・シガール
出演:アダム・サンドラー、クリス・ロック、バート・レイノルズ、ジェームズ

評価:87点

公式サイト

スポ根コメディ映画の秀作。
お馬鹿なネタに笑いながらも、次第に気分を高揚させられ、お決まりともいえる大逆転のエンディングで十分なカタルシスを感じることができる。
だからどうだと言われればそれまでなのだが、面白いからいいじゃないか。

1974年の同名映画のリメイク。
旧作は見たことがないが、結構忠実にリメイクしてあるらしい。
主演はアダム・サンドラー。
見た目はパッとしないし、日本では大して人気もないけれど、向こうではトップのコメディアン俳優なのだ。
前回見たのは「50回目のプロポーズ」だったか。

刑務所に服役することになったもとNFLのMVP選手(サンドラー)が、囚人たちのフットボールチームをつくり、看守のチームと対戦するというストーリー。
囚人だけあって、強烈な個性でかつ、迫力あるメンツが選手にそろう。
泣き虫でしゃべりもスローモーな役柄が妙に似合うボブ・サップも面白かったが、うれしかったのはゴールドバーグ!スティーブ・オースチン!
そしてケビン・ナッシュ!
ま、ゴールドバーグは演技らしい演技もしてませんでしたけど。

他にもガタイのいいやつらばかりが揃っているが、エキストラも含めてNFLの選手たちが結構出ているようで、どうりで試合のシーンがど迫力なわけだ。
アダム・サンドラーなんか、とてつもなくチビに見えてしまい、それでMVPって無理がないかと思うほど。

ゲイの囚人たちがつくったチアガールとか、強烈なオバハンとか、くそ憎たらしい所長とか、キャラもたっていて最後まであきさせない。
サンドラーの友人になるクリス・ロックが目立たないほどだった。
クリス・ロックは肉体で魅せられなかった分だけ、こういう映画ではちょっときついかな。

予想以上でも予想以下でもない出来栄えだけど、いろいろな映画を見てると、こういう能天気なものを時々無性に見たくなる。
子供のころよく食べた、おかあちゃんの作る卵焼きとでもいいましょうか。


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2006年05月06日

ラヴェンダーの咲く庭で−(映画:今年61本目)−

ラヴェンダー1ラヴェンダー2







監督:チャールズ・ダンス
出演:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ダニエル・ブリュール、ナターシャ・マケルホーン

評価:90点

公式サイト

(ネタバレあります)
「婆さんが、年甲斐もなく若い男に入れあげる、破廉恥で下品な物語」ではありません。
「初老の女性が、偶然介護することになった若い男に抱く淡い恋心を描いた、切ない物語」です。

どっちも大筋では同じなのかもしれません。
この映画はもちろん「切ない物語」ですが、一歩間違えば「下品な物語」になっていたところ。
そのギリギリの所を、老いた名女優、ジュディ・デンチとマギー・スミスが熱演しています。
とくにジュディは素晴らしい。

彼女が演じるアーシュラは、これまで身を焦がすような恋愛をしたこともないという設定。
彼女は浜辺で倒れていた若者アンドレアを助けたときに、彼に一目ぼれをしたのでしょう。
アンドレアを思う気持ちが次第に自分でも押さえきれなくなってくるところをリアルに演じています。
海辺でよりそうアンドレアの髪の毛に、震える手を添える場面。
「私が先に彼を見つけたのよ!私に責任があるのよ!」と姉に対して独占欲を露に叫んでしまう場面。
どれもこれも、10代の少女が、初恋の人に向ける感情のようです。

アンドレアは才能溢れる音楽家。当然、いつまでも老姉妹のもとにいるわけにも行かず、彼は彼女たちのもとを何も告げずに飛び出してしまう。
それを知ったアーシュラは泣き崩れます。
叶わぬとわかっていた恋だからこそ切ない。
恋する感情に年齢は関係ないけれど、この恋は成就することはない。
そうわかっているから、見ている人もアーシュラの思いに胸を詰まらせるのでしょう。

ラストは想定どおりだけど、その潔い去り方がまた胸を締め付けます。
さらに、美しいバイオリンの演奏が映画の格調をかなり上げています。
こういう映画を見ると、映画における音楽の重要性を再認識させられるのです。

映画公開当時、記憶喪失ピアノマン事件が起こって(実際は狂言だったけど)、この映画のプロモーションではないかと騒がれたりもしました。
細かいことは忘れたけど・・・。

ま、いい映画でございます。

今日のブログはデスマス調。その日の気分なのです。

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2006年03月27日

リンダリンダリンダ−(映画:今年45本目)−

リンダリンダリンダ1リンダリンダリンダ2









監督:山下敦弘
出演:ぺ・ドゥナ、香椎由宇、前田亜季、関根史織、三村恭代、山崎優子、甲本雅裕、湯川潮音、松山ケンイチ、りりィ、藤井かほり

評価:97点

公式サイト

ああ、たまらん。
俺をもう一度高校生に戻してくれい。

ちょっといい青春映画を観たからといって、すぐに都合よく美化された昔を懐かしむのは、身も心もおっさんになりきってしまったからだろう。
でも、こんな素晴らしい映画を見せられたら、やっぱりおっさんは涙ぐんでそんな昔を思い出してしまうのだよ。

文化祭数日前に、ギタリストの指の骨折と喧嘩をしたメンバーの脱退で出場が宙に浮いてしまった3人の女子高生。
仕方なくキーボードの恵がギターにまわり、ボーカルを探すことになった。
たまたま彼女たちのメンバーに加わったのが韓国からの留学生のソン。
そして演奏するのはブルーハーツ。
たまらんなあブルーハーツ。
ブルーハーツが結成されたのが20年前。20年前ってまさに私が高校生だからな。
BOOWYは大学生のころ、ジッタリン・ジンは会社に入った年に流行っていたか。

昔話はどうでもいい。
この映画が観客の心にすっと入ってくるのは女子高生の等身大のリアルさを追求したところにあるのだろう。
心の奥がいくら熱くても、表情は皆淡々として冷静、雰囲気はユルユル。実際はかなりハードな練習を昼も夜もやってるのに、悲壮感を見せない彼女たち。
初めての練習であまりの演奏の酷さに自ら笑い転げていたのに、それが猛練習の成果で次第にうまくなっていく様子は見ていて感動的だ。

笑える部分をいくつも挟みながら、ラストはずぶぬれになった彼女たちの感動的なライブで幕を閉じる。
演奏直前にドラムの前田亜紀が話す「言えなかった」という言葉さえ、あまりにリアルで胸を打つ。
それも全部まとめて青春なのじゃ。

高校時代には私も文化祭で何度かバンドを組んで演奏したことがある。
観たのが夜中でなければ、間違いなく押入れの奥からギターを引っ張り出してかき鳴らして歌っていただろう。

「ドブネズミみたいに美しくなりたい。写真には写らない美しさがあるから」

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2006年03月04日

力道山−(映画:今年32本目)

力道山1力道山2







監督:ソン・ヘソン
出演:ソル・ギョング、中谷美紀、萩原聖人、鈴木砂羽、船木誠勝、藤竜也、橋本真也

評価:75点(100点満点)

公式サイト

力道山の数奇な運命と激しい人生に心打たれはするものの、映画としては粗が目立ちかなり冗長だ。

<以下ネタバレあり>

力道山が死んだのは1963年。
私が生まれたのは1966年なので、力道山についてはリアルタイムの想いではゼロである。
でも、力道山がいなければ日本にプロレスは根付いていないかもしれないし、ジャイアント馬場も、アントニオ猪木も生まれなかっただろう。
そうすると、この映画に出ている武藤も船木も秋山も、そして橋本(合掌)もレスラーになっていなかったはずである。
運命というのは恐ろしいものだ。

朝鮮半島から日本に渡り、相撲界に入ったものの関脇まで行って廃業。
たまたまプロレス関係者と出会い。、アメリカでデビュー・活躍し、日本に帰って日本プロレスを創設した。

在日朝鮮人である彼が、最後までその出生を隠し通して、日本人のヒーローとして日本中を湧かせたという事実は実に感慨深い。
想像できないほどの差別があったのだろう。
自分の将来に何度となく絶望したであろう。
それでも一度きりの人生だと、自分勝手にとにかくチャレンジして生き抜いた様は美しい。
まあ、実際はかなりムチャクチャな人だったらしいけどね。
キャバレーで酔って暴れるなんていつもだったらしいし、猪木の自伝にも力道山の横暴ぶりが書かれていたような気がする。

力道山を演じるソル・ギョングは体重を随分と増やし、日本語を自力で話して頑張っている。でも、いまひとつ外国人の話す日本語の域を出ておらず、どうしても違和感があるのだ。
武藤と橋本はみているだけで笑ってしまうし。
中谷美紀はよかったけど、最近見た電車男の中のエルメスと演技がかなりダブって見えた。
昔で言えば倍賞千恵子あたりのポジションを、中谷美紀はうまく押さえたな。(倍賞千恵子かどうかはわからんが)

国民的英雄となりながら、歪んだ生活の中で幸せを得ることができずに、あっけなく逝ってしまった力道山。
今更ながら「日本のプロレスの父」に感謝します。
彼がいなければPRIDEだってなかっただろう。
中谷美紀の写真と、本物の力道山は以下の写真。
 力道山3力道山4

力道山Wikiはこちら
力道山刺殺事件についてはこちら

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2006年02月03日

ロード・オブ・ドッグタウン−映画を見たで(今年18本目)−

ドッグタウン1ドッグタウン2







監督:キャサリン・ハードウィック
脚本:ステイシー・ペラルタ
出演:エミール・ハーシュ、ジョン・ロビンソン、ヒース・レジャー、レベッカ・デモーネイ

評価:89点(100点満点)

公式サイト

(ネタバレあります)
いかにもアメリカの青春映画という出だしにちょっと引いてしまったのだが、見ているうちに徐々に面白く引き込まれていった。
ラストなんてちょっと涙ぐんでしまったもの。
実話の持つパワーが溢れてくるような渋くていい映画だ。

1970年代のカリフォルニア州ヴヴェニスビーチ近くの廃れた街、ドッグタウンで、サーフショップに集う悪ガキたちがスケボーグループを作って遊びだす。
やがて、彼らはスケボーの大会に出るようになり、スターになって大金を手にした彼らはバラバラになって・・・、というお話。
70年代にスケボーの一大ムーブメントを巻き起こし、現代の若者文化にも影響を与えた伝説のスケートチーム“Z-BOYS”の軌跡を描いた映画ということだが、物語は予想外に淡々と進む。
突然事件が起こる普通の青春映画と比べれば、地味といってもいいくらいかもしれない。
そのぶん、細かい演出が妙にリアルだ。
それぞれの複雑な家庭事情も、なんともありそうな感じだし(ジェイの母親はちょっときつかったけど)、全体的に重苦しい雰囲気が漂っているのも非常にいい。
そうそう、若者は沢山の葛藤を抱えて成長し、大人になっていくのだよ。

スケボーのテクニックも最初はなんだか面白くなかったが(大会もなんだかわけわからん)、プールで滑り出すころにはなかなか強烈だった。
スケボーのことは全くわからないが、ヘルメットもつけずにあんなすべりをして大丈夫だったのだろうか。

バラバラになっていた仲間が、病気で倒れたシドのところに集まってくる。
シドの車椅子を押して、一緒にみんなで滑るシーンなんてたまらんじゃないか。
青春はやっぱりええもんじゃ。

飲んだくれのヒース・レジャーも結構よかったぞ。

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2006年01月25日

レジェンド・オブ・ゾロ−映画を見たで(今年11本目)−

ZORRO1ZORRO2







監督:マーティン・キャンベル
出演:アントニオ・バンデラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ルーファス・シーウェル、アドリアン・アロンソ

評価:84点(100点満点)

公式サイト

正体を隠して悪と闘うヒーロー、「ゾロ」の勧善懲悪物語。
なんちゅうか、「暴れん坊将軍」みたいなもんだな。ちょっと違うか。
どちらかというと「ウルトラマン」か。

(以下ネタバレあり)

前作(7年前)を見ていないので、設定がよくわからない。
ゾロに対して思い入れもないので、ゾロが登場する場面で胸躍る気持ちになれない。
カリフォルニア州の合衆国参加という歴史的な流れもよくわからない。

ということで、始まってすぐにこれは寝てしまうのではないかと思ったがなんとかなった。
アクションシーンのテンポがいいことと、ドタバタ喜劇のようなやりとりが随所に散りばめられていて、それなりにアクセントになっているからだろう。

1850年という設定だから、武器なんてサーベルと古臭い銃のみ。アクションシーンも「どついて投げてぶんなげて」と古典的なゆったりとした展開が続く。
それでもバンデラスやゼタ姉さんが体を張って魅せてくれるので、ひきつけられるのだ。

ゾロは、家庭では子供に信頼されない情けない父親であり、妻には映画開始10分程度で早々に離婚され、かなりつらい時間を過ごす。
「家ではあかんたれやけど、仕事したらごっつがんばりまっせ」というのは我々日本オヤジの典型的なパターンだ。
日本ではそんなオヤジはもはや社会的に認められなくなっているが、ゾロも同じだったようだ。
幸いなことに、映画の最後には息子にも正体を教え、3人で仲良く暮らしながら、ゾロを続けていくことになる。
日本のオヤジも自分の仕事の内容を、子供たちに一度見せておくべきなのだろう。ゾロと同じように、自分の子供に尊敬されることができるかもしれない。
私の場合、仕事を見せたらよけいに軽蔑されるかもしれないが・・・。

ま、そんなこんなで敵はやっつけられ(ニトログリセリンでどこを爆破するつもりだったんだ、敵?)、見事にハッピーエンディング。
たまにはこういう古臭いヒーローものもいい感じです。

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2006年01月15日

ロード・オブ・ウォー−映画を見たで(今年8本目)−

ロード・オブ・ウォー1ロード・オブ・ウォー2







監督:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ、ブリジット・モイナハン、ジャレッド・レト、イーサン・ホーク、イアン・ホルム、ドナルド・サザーランド

評価:95点(100点満点)

公式サイト

強烈。
軽く繰り出されたように見えるのに、とてつもない威力のあるパンチをモロに浴びたような感じだ。
といってもボクシング経験があるわけでもないのですが。

サブタイトルが「史上最高の武器商人と呼ばれた男」となっているのでお分かりのように、ニコラス・ケイジが演じるのは武器商人ユーリー・オルロフ。
彼の生い立ちから、世界最高の武器商人となるまでの半生を描いたもの。
武器の調達から運搬、顧客との交渉まで、かなり現実に近いものとなっているという。
実際、発展途上国の将軍などとのやり取りは、あまりに生々しかった。支払いがコカインやダイヤなどというのも十分ありえる話なんだろうし、目の前で人が殺されても淡々と仕事を進めなければならないのだ。

もちろん、単なるドキュメンタリーフィルムではなく、映画であるから、様々なエンタメ要素を入れてストーリーを作りこんである。
ニコラス・ケイジの演技そのものが、どこかいいかげんな軽さを含んでいるし、イーサン・ホーク演じるインターポールが、何度も捜査を失敗してユーリーを追い詰められないところなどで、観客はきっと少しだけホッとするのだろう。
この重いテーマでゴリゴリと進められては、見ていて息ができなくなるだろうから。

さて、世界最高の武器商人になったユーリーは、取引の最中に良心の呵責に耐えられなくなった弟を失い、そして真実(仕事内容)を知った妻と息子にも逃げられてしまう。
それによって生きる望みを失い、悔い改めて人生をやりなおす、などということをユーリーはしない。
武器職人は天職だと言い切り、淡々と武器を集め、必要なところに武器を売りつづけるのだ。
彼の手は直接には汚れていないだろうが、彼が送った武器はその日から人を殺し始める。
だからなんだ。俺がいなくなっても誰かが代わりにそれをするだけだ。
少し悲しげな顔で、ユーリーはそう言いつづけるだろう。

そうして、今日も武器は世界中で取引され、どこかで人を殺している。
ルワンダの虐殺にも使われただろう。
イラクのゲリラも、武器商人が運んだAK47を撃っているのだろう。

いいのかそれで、と思っても、何も変わらないかもしれないが、いいのかそれで、とだけは思っていたい。
いつの日か武器なんてなくなりますように。

事実を元に作り上げられた架空の人物ユーリーをニコラス・ケイジが熱演している。これだけの悪役を憎まれずに演じるのは、この人くらいしかいないのではないか。
実際、イーサン・ホークに詰め寄られる場面では、「頑張れニコラス、逃げとおせ!」なんて思ってしまったのだから。

しかし、あまりハゲが進行していなかった。
ちょっと寂しい。

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2005年12月17日

ロング・エンゲージメント−映画を見たで(今年167本目)−

ロングエンゲージメント1ロングエンゲージメント2







監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジョディ・フォスター

評価:91点(100点満点)

完璧な映像美に圧倒される2時間13分。
愚直なまでのまっすぐな愛情は最後に奇跡を起こすのか。
アメリの不思議な感覚がさらに発展した映画だ。

ジャン監督とオドレイ・トトゥはアメリでもコンビを組んだ。
ということで当然この映画もアメリっぽい雰囲気が随所に見られる。
主人公のマチルダ(トトゥ)が、ときおり妄想にふけったり、破天荒な行動を取ったりするのはアメリによく似ているし、周囲の人物の行動も、どこか愛らしかったりする。

決定的に違うのは、この映画の3割近くが戦場のシーンであること。
リアルな爆撃シーンがかなりあり、人は爆弾で吹っ飛び銃に撃たれて倒れる。
軍法会議で有罪になった5人が仲間から見殺しにされるシーンなんて(仲間から撃たれたやつもいた)、結構えげつなく見ていてつらいところもある。

マチルダは、この戦争から帰ってこない婚約者マネスを探し始める。
周囲が彼は死んだといっても、マチルダはきっと彼が生きていると信じ、執念を持って捜査を開始するのだった。
純愛映画+戦争映画にサスペンス映画がここでミックスされる。

捜査が開始されてから、過去と現在がバラバラと切り分けられながら次々と登場する。その過去が時系列になっていないので、よく見ていないとなんだかわけがわからなくなってくる。
さらに、登場人物の見分けが難しい。名前が覚えられないし、顔もみんなよく似ているのだ。
私は完全な理解を途中であきらめて、筋はだいたいわかればいいや路線に切り替えることにした。
それで最後にはなんとなく頭の中でつながっていたのだからよしとしよう。

ラストは予想通り。
それでもぐっと胸にくるいいラストシーンだった。
子供のころの二人の会話が最後に効いてくるなんて憎らしい演出じゃないか。

「ハリウッドに侵されている。これはフランス映画ではない」という声が、公開時にはフランス国内であがったらしい。
しかし、日本人の私にしてみれば、これはハリウッド映画とはやはり全然違うぞ。
なぜか画面から芸術の香りが立ち込めてくるもの。
ひとつひとつの画面が、美術館に飾られている絵のように美しい。
もちろん、フランス映画の中には、それがうざったくてジャマなものもあるのだが、この映画はただひたすらに美しくて感心した。
アメリカ人とは色彩感覚が違うのかなあ・・・。

そうそう、突然ジョディ・フォスターが出てきて驚いた。
あんなに小さかったっけ。トトゥがでかいのかな。

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2005年09月30日

ルパン−映画を見たで(今年123本目)−

ルパン1ルパン2







仏&伊&西&英合作 132分
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス、パスカル・グレゴリー、ロバン・ルヌーチ

評価:79点(100点満点)

公式サイト
モーリス・ルブラン原作のルパン・シリーズ生誕100周年を記念作品。
ルパンに思い入れのある人や、原作をよく知っている人なら結構楽しめるのだろうか。
そこそこ楽しめたが、少々退屈でもあった。

「カリオストロ伯爵夫人」をベースにしているということで、この夫人、本物の魔女という設定のようだ。最初は悪役なのかなんなのかキャラが掴めず苦労したが、銃創が翌日治っているあたりからちゃんと魔女キャラが確立されていく。演じるクリスティン・スコット・トーマスの妖艶さはもの凄い。いったい何歳なんだろう、この人・・・。

若き日のルパンが颯爽と登場する大活躍冒険物語、というよりは、魔女に運命を狂わされた若き天才泥棒の物語という感じかな。
アクションもそれなりにあるが、CG全盛期の現在ではなんともまったりとした昔懐かしいものばかり。
これがフランステイストなのか、それなら私にはいらない。

淡々と非常にゆるいペースで続くストーリーの裏には、親子3代で魔女に苦しめられるルパンの苦悩がある。(最後の若者はルパンの子供だと思うのだが違うか?)
苦しんでいるというか、魔女に惚れるこいつらが悪いのだが。
もうちょっと、ドキドキハラハラの展開を入れないと、なんの映画をみて
るのか途中でわからなくなるぞ。

器用に宝石をドンドン盗んでいくところは華麗だ。
そうそう、出てくる宝石や衣装はゴージャスだった(宝石はカルティエ)。
男にとってはあんまり興味が湧かないんだよな。
宝石好きの女性が見たらうれしいのだろうか。

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2005年07月25日

映画を見たで-ロボッツ-

ロボッツ1ロボッツ2監督:クリス・ウェッジ
出演(声):ユアン・マクレガー、ハリー・ベリー、グレッグ・キニア、メル・ブルックス、ロビン・ウィリアムズ

評価:87点(100点満点)

随分前に「トイ・ストーリー」を見たときには、CGアニメの質感とリアルな動きに感心させられたものだった。
あれから何年たったのだろう。
CGアニメはこんなレベルにまできてしまった。
この「ロボッツ」はなんとも凄い。
出てくるのはすべてロボットだが、その動きはもはやリアルさを超えている。特急列車(列車というのか、あのボールを?)のスピード溢れる映像などは、目で追うのがつらいほどだ。
出てくるロボットもピカピカの新品ばかりではない。今回のストーリーではスクラップ同然のオンボロロボットたちが重要な役割をになっているため、彼らの書き込みも非常に丁寧だ。
ちょっとしたサビや塗料のハゲ具合、へこんだボディ、グラグラした部品、なんと見事なくたびれ具合。

ストーリーは非常に単純でわかりやすく、小学校1年生でも(幼稚園児でも大丈夫かも)楽しめる内容になっている。だからといって大人が見たら退屈するかといったらそうでもない。
細かいギャグや映画やダンスのパロディ、笑える動きやかわいいしぐさをふんだんに盛り込んで大人の鑑賞にも堪える映画にしているところはさすがハリウッドだな。

童心に戻って、心熱くして見た後は「俺も子供の夢を応援してやろう」などと殊勝な父親になったりするのだった。

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2005年06月11日

映画を見たで−レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語−

レモニースニケット1レモニースニケット2監督:ブラッド・シルバーリング
出演:エミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、カラ&シェルビー・ホフマン、ジム・キャリー、メリル・ストリープ

評価:74点(100点満点)

可もなく不可もなく。
1800円払って映画館で見るかといわれればお断りはする。そんなレベルの映画だと私は思うのでありました。(なんじゃ、その文体は)

有名な児童文学の映画化ということで、ハリーポッターシリーズの匂いがそこかしこに充満している。モンスターこそ出てこないものの、ジム・キャリー演じるオラフ伯爵が過剰に濃い演技と変装によって主人公の子供たち3人を追い掛け回すことが、その代わりになっているとも言えるだろう。

主人公の3人は、家事で家と両親を一度に失い、そこから不幸な物語が始まる。
ナレーション(ジュード・ロウ)が何回も繰り返すほど内容は不幸ではなく、馬鹿な大人たちばかりのせいで一向に事態が好転しない中、子供たちが力を合わせて危機を乗り越えていくというもの。

セットや衣装、ジムキャリーの変装など、綺麗に細かく作りこんであり、映像はなんとも独特。決してこの雰囲気は嫌いじゃない。
でもなあ、ジム・キャリーの過剰な演技はどうしても好きになれない。この人、まじめな抑えた演技をするときはごっついいのに。
メリルストリープが変なおばさん役で遊んでいます。ダスティンホフマンもちょこっと顔を出したりして、内輪では楽しんで作られた映画なんでしょう。

そうそう、末っ子のサニーちゃんがかわいかった。
わけのわからん幼児語にちゃんと訳がついて笑わせてくれたのでした。
結局、オラフ伯爵は逃げてしまったし、放火軍団の謎もわからないまま。続編はあるのか?

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2005年04月04日

映画を見たで-Ray レイ-

レイレイ2監督:テイラー・ハックフォード
出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、シャロン・ウォレン、レジーナ・キング、アーンジャニュー・エリス、クリフトン・パウエル

評価:92点(100点満点)

R&Bとゴスペルを融合させて、ソウルミュージックを生み出した米国音楽界の巨匠、レイ・チャールズ・ロビンソンの生涯を描いた作品。2時間30分の長編だが、子供時代をうまくカットバックさせながらの情感たっぷりの展開が時間を感じさせないのが見事。なにより、「俺が2004年のアカデミー賞主演男優賞じゃああっ!」という気合入りまくりのジェイミー・フォックスが全身からオーラを発していて見とれてしまう。うーん、すげえすげえ。ほんますげえ。
米国人にとって、特にアフリカンアメリカンにとっては思い入れの強い人物だとは思うが、私が知ってる曲は、「ジョージア・オン・マイ・マインド」と「いとしのエリーのカバー」ぐらいなもの。あとはサングラスをかけて体を揺らしながらピアノを弾いて歌う姿ぐらいしかわからない。しかし、この映画のレイ・チャールズは実に魅力的で人間的だ。
卓越した音楽の才能と繊細な感覚、盲人ゆえの高いプライド、愛を求めるがゆえに愛人を多数作り、暗闇と過去のトラウマに恐怖するからこそヘロインにおぼれていく。栄光と挫折のギリギリのラインを歩く危うさがビリビリと感じられる。

演奏シーンはどれもこれもかっこいい。
レコーディングもコンサートも臨場感に溢れてるもんなあ。
どこかで聞いた音楽がたくさん出てきて、そうかあれもこれもレイ・チャールズが生んだ新しい音楽だったのだと実感させられるのだ。

ううむ、なんだか褒めちぎってしまったな。
でも、一番よかったのは、レイ・チャールズの母親役で出ていた女性の意思の強そうな眼差しだったりするのだ。

公式サイトはこちら

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2005年03月31日

映画を見たで-LOVERS-

LOVERS2LOVERS1監督:チャン・イーモウ
出演:金城武、アンディ・ラウ、チャン・ツィイー

評価:80点(100点満点)

アジアンビューティー、チャン・ツィイーの魅力溢れるアイドル映画、かと思っていたら、「HERO」の続きともいえる中国武侠映画だった。

まったく期待せずに見始めたわりには、画面の美しさと絡み合ったストーリに結構引き込まれてあっというまの2時間。金城武もまともに演技しているし(中国語がどの程度のものなのかは知らないが)、チャン、ツィイーは鼻の穴を膨らませ、血を吐きながら熱演している。なかなかよろしかったのではなかろうか。

ストーリーは、唐の時代、朝廷と反乱軍のスパイ合戦に男女の三角関係が絡むというもの。なんだか身も蓋もないが、結構最後はドロドロで、そんなんでええんかいなという終り方になってしまう。
それでも、美しい自然の中を疾走する馬はカッコイイし、鮮やかな画面の色使いも素晴らしい。
特筆すべきはチャン・ツィイーの演舞?かな。美しさを通り越し、荘厳ささえ感じる。

ただ、突っ込みどころは満載だ。
チャン・ツィイー、いくらなんでもそこまで動けて盲目という設定は無理だ。団体戦、個人戦と繰り広げられる戦いのシーンは力が入りすぎて物理法則無視のオンパレード。竹林のうえをスイスイと飛んでいく軍団、直角に曲がるナイフ、反射角を無視して跳ね返る石礫、ありえない量のタケヤリ攻撃・・・。いやはや強烈だった。
なんだか、いつまでも「マトリックス」の呪縛を受けているような気がした。こういうの、そろそろ「なし」ではないのでしょうか?

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2005年03月26日

映画を見たで-ラブ・アクチュアリー-

ラブアクチュアリー2ラブアクチュアリー監督:リチャード・カーティス
出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、コリン・ファース、ローラ・リニー、キーラ・ナイトレイ、ローワン・アトキンソン

評価:95点

愛に溢れたええ映画じゃ。
笑いも涙も感動も、よくぞ2時間にこれだけ詰め込めたなというくらい詰め込んであるが、それが不自然さなくスムーズに流れていく。見事なものだ。
英国首相(ヒューグラントの首相っていかにも嘘っぽく思ったのだが、米国大統領とやりあう記者会見シーンはなかなか見事)と秘書の恋、英国人作家とポルトガル人家政婦の恋、母をなくした少年と学園のマドンナとの恋、クリスマスソングで復活した往年のロックスターとマネージャーの愛(これは友情か?)、友人の恋人に恋する男、家庭の危機を迎える中年夫婦の愛、2年7ヶ月越しの恋が成就しそうでうまくいかない女性・・・。あっ、SEXビデオモデルのカップルもあったな、それからSEXだけを求めてイギリスから米国へと旅立つ男もいた。
書き出してみると何がなんだかわからなくなるが、映画ではこれらの登場人物のキャラが見事にたっているため、わけがわからないということはない。同時進行のこれらの物語が、突然どこかでかみ合い大きな流れになったりしながら、クリスマスイブのクライマックスへとつながっていくのだ。
脚本そのものはちょっと甘いところもあるのは確かかな。米国へ旅立つ男がアメリカ女性を簡単にゲットして帰ってくるストーリーはなんのために必要なのかわからない。
精神を病んだ弟の看病のために、恋のチャンスを一度は逃した女性が、その後どうなるのかも気になるところだ。
だが、欠点はそこぐらいだろう。あとはひとつひとつのストーリーで映画を作れそうなくらい、感動的な場面がどんどんつながっていき、見ている人を圧倒する。
友人の花嫁(キーラナイトレイ、相変わらず綺麗じゃ)に恋する男が、その思いを告げられないシーンがたまらなく切なかった。ポルトガルに出向いて、ポルトガル語で求婚をしたイギリス人作家に、ポルトガル人女性が英語で答えるところも感動的。
少年の爽やかな恋と、スリリングな空港での別れのシーンもなかなか魅せてくれる。

ヒューグラントがいつもよりかっこよく見えたのはなぜだろうなあ・・・。



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2005年03月02日

映画を見たで-リディック-

リディック2リディック1監督:デヴィッド・トゥーヒー
出演:ヴィン・ディーゼル、タンディ・ニュートン、カール・アーバン、アレクサ・ダヴァロス、コルム・フィオーレ

評価:70点(100点満点)

お尋ねものが正義の味方になるスペースオペラ映画、といえばなんとなく寺沢武一の「コブラ」という漫画を連想させるが、残念ながらこの映画には「コブラ」のもつユーモアのセンスはない。
ユーモアはないんだが、そこはかとなく流れてくるB級の香りが、時折冷めた笑いを引き起こしてしまうのは困ったもんだ。

「ピッチブラック」という映画の続編だということを見終わってから知った。
道理でストーリーが全然わからないはずだ。
展開が速いのに加えて、カメラワークも早いため、戦闘シーンでは画面がチカチカして結構目が疲れる。中年のおっさんには優しくない映画だな。

銀河系でお尋ね者になっている「リディック」は、過去の戦いで囚われてしまった女性を救うため?に監獄に乗りこむ。そこで大暴れしながら、最終的には銀河を覆う暗黒軍団と対峙してそれを打ち負かす銀河系の救世主となるというお話(たぶん)。
独特の世界観を出しているごつごつとしたセットや衣装はなかなかいいと思うのだが、変な仮面を模した壁やら杖やらレバーやらはカッコよさを通り越して悪趣味の領域一歩手前。役者の過剰な演技も、映画というより舞台劇を見ているのかと錯覚させられる。
中身を思い出すとドキドキハラハラで見入ってしまうシーンも結構あるのに、見終わった後に徒労感がこんなに強いのはなぜだろう。脚本の悪さが、リディックの魅力を半減させてしまっているのが残念だ。

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2004年10月04日

映画を見たで-ロッキー・ホラーショウ-

ロッキーホラーショウ監督:ジム・シャーマン
製作総指揮:ルー・アドラー
出演:ティム・カリー、スーザン・サランドン、バリー・ボストウィック、リチャード・オブライエン、パトリシア・クイン、リトル・ネル、ピーター・ハインウッド、ミートローフ、ジョナサン・アダムス

評価:80点(100点満点)

なんとも楽しくそして胡散臭い、ロックミュージカル映画だ。
1973年、ロンドンで始まった舞台は、様々な経緯をへて観客参加型お馬鹿ムービーになっていったらしい。
そのあたりは、このサイトに詳しく書かれている。

婚約が決まったブラッドとジャネットが恩師スコット博士へ報告に行く途中で車はパンク,外は嵐とお手上げ状態。二人が電話を借りに行った城の主はトランスセクシュアル星からやってきたフランク・フルター博士。愛と倒錯のマッドサイエンティストというわけのわからん設定だ。
いろんなホラー映画やSF映画のパロディも入っているらしいが、そんなことを知らなくても、馬鹿馬鹿しさと「のり」のよさと、B級なゴージャスさを楽しんでいるうちにあっというまに時間はすぎていってしまう。

俺も「タイム・ワープ・ダンス」を踊りたい!

それにしてもミートローフ(エディ)はどうして冷凍庫に入っていたんだろう?

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2004年08月17日

映画を見たで−リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い−

league1league2監督:スティーヴン・ ノリントン
出演:ショーン・コネリー、スチュアート・タウンゼント他

評価:55点(100点満点)

時空を超えて集結した7人のヒーローたちが繰り広げるファンタスティック・アクション・アドベンチャー、といえばいかにも面白そうだが、実は薄っぺらいB級映画に成り下がってしまっている。

ヒーローの7人は、海外ではそれなりに有名な物語のヒーローらしい。

H・R・ハガードの秘境冒険小説『ソロモン王の洞窟』のアラン・クォーターメイン、
ジュール・ヴェルヌの海洋科学小説『海底二万里』のネモ船長、
ブラム・ストーカーの恐怖小説の金字塔『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン=ミナ・ハーカー、
H・G・ウェルズの怪奇科学小説『透明人間』のロドニー・スキナー、
マーク・トウェインの不滅の少年小説『トム・ソーヤーの冒険』のトム・ソーヤー、
オスカー・ワイルドが永遠の若さを望む青年を耽美的に描いた怪奇幻想小説『ドリアン・グレイの肖像』のドリアン・グレイ、
二重人格の代名詞ともなったR・L・スティーブンソンの怪奇小説『ジキル博士とハイド氏』のジキル

まあでも、こんな7人並べられても日本人には思い入れがなく感慨がわかないのが実際のところだろう。
それでいて、7人とも平等に活躍させようとするものだからストーリーが非常に散漫になってしまっている。
ジキルとハイドでは、変身した後の化け物が、ちょっと前に上映された映画「ハルク」にそっくりでとってもチャチである。

時代は1899年のロンドン。
敵は鉄化面をつけたリーダー、ファントム。
始まった戦いは、時代考証もへったくれもなくはちゃめちゃに展開されていく。聞けばこれはアメコミの映画化らしい。まあそれならこんな風になるのもしゃあないかなとは思う。しかし、同じアメコミでもX−MENはそこそこまとまりもあって見やすかったのに対して、これは収拾がつかなくなってる。
ヒーローを出しすぎたからだろうね。
最新鋭の武器や乗り物とレトロな建物とのアンバランスさはなかなかいい感じだが、どれもこれもCGなのが見えすぎて底が浅い。ショーンコネリーの存在感だけが、ストーリーからも他のキャストからもそして背景からも浮いてしまっていた。
どうせなら全部ギャグにすればよかったのに。


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