映画:さ行

2011年03月06日

シャーロック・ホームズ-映画:2011-5-

sherlock-holmes1sherlock-holmes2

監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニーJr.,ジュード・ロウ,レイチェル・マクアダムス,エディ・マーサン

原作をきちんと読んでいないうえに、ホームズに思い入れもないので素直な映画の感想になってしまうが、面白かった。
観察眼に基づく切れ味抜群の推理と説得力のある論理的な思考。そして地下ボクシング?シーンで見せる強さと肉体美。ここにアウトロー的なだらしなさと少年のような好奇心とユーモアのセンスが加わるのだから、ホームズが魅力的な主人公になるのは当たり前だよなあ。カッコいいし。
で、この映画ではワトソン君もカッコいい。
そりゃ、ジュード・ロウですから、当たり前。
冷静沈着でしっかりしていて、何かと人間離れしたホームズを支えるワトソン。
もう知らないよお前なんて!と言いながらもついつい面倒をみてしまうところがなんとも微笑ましい。
ホームズがワトソンのフィアンセにあからさまにやきもちを焼いているところなど、この映画はそっち系なのかとも思ったが、ちゃんとホームズにも気になる女性がいるようだったので安心した。

クライマックスの盛り上がりがいま一つのような気もするが、アクションとなぞ解きのバランスもちょうどよく、キャラも立っていて安心して見ることができる。
映像のカッコよさも秀逸だった。
DVDを一度も止めることなく2時間没頭。
続編、ありそうだけどどうだろうか・・・。

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2011年02月13日

ずっとあなたを愛してる-映画:2011-4-

ずっとあなたを12ずっとあなたを

監督:フィリップ・クローデル
出演:クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・グレヴィル、フレデリック・ピエロ

評価:85点

絶対に心から消えることのない喪失の悲しみと、消してはいけない罪の存在。15年の刑期を終えて妹家族のもとへ身を寄せることになった中年女性の心の機微を、主人公のクリスティン・スコット・トーマスが完璧に演じている。
心を閉ざした暗く影のある表情と時折見せるイライラ。そして屈託のない愛情を自分に向けてくる妹への戸惑い。この映画を見ている人で犯罪を犯して刑に服した人はそうはいないと思うが、観客の心にピリピリと緊張感を持って彼女の感情が響いてくるのだ。

同時に、暗い感情だけではなく、周囲の愛情のおかげもあって、再生への希望が芽生えてくる展開はまあ王道。
ストーリー自体には奇を衒ったところもなく、主人公が自分の息子を手にかけた理由も驚くようなものではない。
それでも、自分の姉が息子を思う気持ちからそんな行動をしたことを知った時、妹の心はどれほど救われたか。
ずっと愛していた姉をこれからも愛していけることを妹が確信し、全てを語った姉の魂を浄化するような雨が窓を伝うラストシーンは美しい。

単調な展開を単調にさせない、クリスティン・スコット・トーマスの演技力は必見。
あとは妹の養子の子供たちのあどけなさと義父の笑顔に随分救われる内容だった。

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2010年10月30日

サロゲート-映画:2010-

1サロゲートサロゲート2

監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウィリス,ラダ・ミッチェル,ロザムンド・パイク,ヴィング・レイムス,ジェームズ・クロムウェル,ボリス・コジョー,ジェームズ・フランシス・ギンティー,ジャック・ノーズワージー

評価:80点

人類の98%は自らの身代わりとなる“サロゲート”というロボットを日常生活に使用しているという近未来SF映画。
設定や映像はかなり面白い。
何も知らずにDVDを見たのだが、金髪フサフサの若作りブルース・ウィリスがいきなり登場したので倒れそうになってしまった。それがサロゲートとしって本当にホッとした。

日常生活のすべてを脳がつながったロボットが実体験してくれて、自分は家で寝ているだけ。全人口引きこもり状態だ。
で、なるほど便利かもと思って見ていたのだが、結局人間は飯も食わねばならないし生殖もおこなわねばならないし、その辺はいったいどうやって他人とコミュニケーションを取るのだろうね。
病気になったら、医者のサロゲートが人間本人を訪問するのか。
サロゲート同士の出会いで恋愛を肉体的にも精神的にも体感できるのだから、子供は生まれないなあ。
そうか、人口そのものは人工授精で増やし、大人になるまで別世界で育ててからサロゲート社会に放り込めばいいのか。
んー、それもうまくいかないのではないか・・・。

まあいいや。

黒幕は二転三転。
テーマを複雑にして映画のレベルを上げようとでもしたのかもしれないが、わかりにくくなっているだけで効果は薄い。
結局のところ、あなたはどちらを選択しますか、ということなのだから。

微かにB級テイストが漂うけれど、結構のめりこみ、楽しめました。

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2009年09月29日

スラムドッグ$ミリオネア−(映画:2009年鑑賞)−

スラムドッグ1スラムドッグ2

監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテール、アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール、フリーダ・ピントー、マドゥル・ミッタル、アニル・カプール

評価:92点

遅ればせながら、アカデミー賞受賞作品を鑑賞。
世界が認めた作品だから当たり前なのかもしれないけれど、素晴らしいできばえだった。
ストーリーに思い切った目新しさがあるわけではなく、展開も結末も想定の範囲内。葛藤も浅めなので感動もそう深くはない。
けれど、途中で見ているものを物語りに引きずり込むテクニックは素晴らしい。上映中一度も自分の時計を見ることなく映画が終わってしまった。
クイズミリオネアの番組シーンと、主人公のジャマールの生い立ちが交互に書かれることでメリハリが絶妙に効いているのだ。
クイズの場面は「静」であり、椅子に座った司会者とジャマールが緊張感たっぷりに対峙する。
そしてジャマールが過去を回想し、説明する場面は「動」。
こちらはとにかくスピード感に溢れている。警官から逃げてスラム街を疾走する場面から始まり、クソ塗れになって映画スターに突進していく場面。ギャングの元から脱走した後に生きのびていく場面も疾走する列車がずっとセットになっている。
激しく悲しい生い立ちであり、インドの持つ悲惨な部分を結構書いているのだが、アップテンポの音楽と映像のスピード感が必要以上に暗くならずに物語を進めていくのだ。かなりえげつないシーンも含まれているのに。こういうのもありでしょう。

終盤に向けての盛り上げ方も秀逸だし、ことごとく弟を裏切ってきた兄のサリームが最後に自分を犠牲にすることで全てがうまくまとまっていく。
いえ、サリームがああなってよかった、という意味ではないけど。

最後のダンスシーンはあまりに楽しくて、舞台がインドであることを強烈に意識させてくれた。
インド映画ならこれがなければね。あ、作ったのはイギリスか。

快作です。

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2009年09月21日

それでも恋するバルセロナ−(映画:2009年)−

バルセロナ1バルセロナ2

監督:ウディ・アレン
出演:ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、パトリシア・クラークソン、ケヴィン・ダン、レベッカ・ホール、クリス・メッシーナ

評価:82点

ペネロペが見たい。
そう思って観にいった映画だったのだが、なかなか画面にペネロペが登場しない。
スカーレット・ヨハンソンの色香はなかなかのものだったし、個人的にはマジメな堅物イメージのレベッカ・ホールもかなり気になる女優さんではあるのだが、相手がペネロペでは勝ち目はない。
個人的嗜好200%ではあるけれど、ペネロペが天然ホンマグロの大トロならば、ヨハンソンは養殖キハダマグロの冷凍赤身ぐらいか。
不適切な例えというか、どれくらい差があるかこれではわからんがとにかくそういうことだ。
ということで、中盤にようやくペネロペ登場。
いやあ、凄いオーラ。鬼気迫る美しさ。狂気の後ろに見えるかわいらしさ。完璧です。さすがです。いうことありませんです。

ウッディ・アレンならではの、起承転結があるようでないような洗練された展開は見事なもの。
スペインの風景と音楽とハビエル・バルデムの情熱的な態度が重なれば、女性がまいってしまうのもわかるような気がする。
バビエルとペネロペは愛し合っているのに憎みあってしまう元夫婦を演じているが、恋愛の奥深いところを撮っているようで、ウッディ・アレンのことだから適当にそれらしい設定をしているだけかもしれず、見ている私は騙されているようないないような、騙されているんだけどこのままついていっていいのか冷静に観察したほうがいいのか、果てしなく迷ってしまうのだった。

ウッディ・アレンは74歳か。
よくもまあ、これだけ情熱的かつ計算されつくした映画を撮れるものだ。
そうそう、ペネロペはこの映画で第81回アカデミー賞助演女優賞を受賞。
おめでとう!おめでとう!おめでとう!

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2009年02月06日

ザ・ムーン−(映画:2009年6本目)−

ムーン1ムーン2

監督:デイヴィッド・シントン
出演:バズ・オルドリン、マイク・コリンズ、ジム・ラヴェル、デイヴ・スコット、ジーン・サーナン

評価:65点

人類が初めて月に降り立ってから40年。40年で月面に立った人類はたったの12人。
多くの人たちが予想したよりも遥かに遅いペースで宇宙開発は進んでいる。進んでいるとはいえないのかもしれない。
そんなことだから、人類は実は月には行っていないというような「トンデモ理論」が横行し、この映画でも最後に宇宙飛行士達が苦笑交じりにそれを否定しなければならないのだ。
過酷な訓練に耐え抜き、命の危険を顧みず月に向かっていった人類の誇りとも言うべき人たちの耳に、「君達本当のところは月になんていってないんでしょ」というような戯言が届いてしまうこと自体が嘆かわしい。
それもこれも、いつまでもチンタラしている人類の宇宙開発のせいだ。
確かに宇宙船を飛ばすよりも地球上の利益争いのほうが大切なのかもしれないが、もうちょっと、なんというか、純粋なロマンを求めて志し高く宇宙を目指してもいいのではないか。
人類って、そういうもんではないのか。

などということをこの映画を見ながらとりとめもなく感じた。

昔、今は亡きNOVAのスクールに通ったときがあった。
そこで、あなたは宇宙旅行に行きたいかという質問があったのだが、10人くらいいた教室で「行きたい」と答えたのは私だけだった。
なんなんだ、そのロマンのなさは。そんなことだからいつまでたっても人類はダメなのだ。
英語で夢とかロマンを語るのは難しい。怖いからいやだ、と答えておけばとりあえずその場はしのげるからみんなそうしたんだと思いたいが。

映画に出てくる地球の映像は美しかった。
こんな星に自分が住んでいるのだということを誇りに思う。
こんな凄い星が宇宙上に現れたことに感謝する。そこに我々人類が生まれ繁栄し住み続けていることは奇跡なのだろうな。
明日からもうちょっと感謝の気持ちを持って生きなければ。

ということで映画の話を全く書いていないが、事実を淡々と重ねるドキュメンタリーなので感想もなかなか書きようがない。
はっきり言ってしまえば、そんな面白いものではない。
宇宙に、月に、興味がある人なら話のネタにそどうぞ。というレベルだろうか。

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2009年01月12日

ザ・マジックアワー −(映画:2009年3本目)−

マジック1マジック2

監督:三谷幸喜
出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、伊吹吾郎、寺島進、小日向文世、戸田恵子、西田敏行

評価:88点

笑った笑った。
136分の長丁場なのに、もっともっと映画が続いて欲しいと思わせる見事な構成。
映画、というよりは舞台、コントの世界に近い部分もあるだろうけど、ちりばめられたいくつもの小ネタや数々の映画へのオマージュ、そして登場人物たちの勘違いが複雑に組み合わさった重層的な笑いには感心した。

佐藤浩市演じる売れない役者、村田が、田舎のギャングのボス(西田敏行)のところに映画の撮影だと騙されて乗り込む。
笑えるんだけど、それなりにハラハラするシチュエーションの中で、何度も同じ場面が繰り返されるところは絶妙だ。
ナイフを舐め、「俺がデラ富樫(幻のスナイパー)だ、要件はなんだ!」という村田(騙していることも知らない)に対して、騙されていることを知らずに3度とも違った突っ込みをするボス。
よくできてるなあ。

笑いがいつも前向きなのが、三谷幸喜の作る映画のいいところだと思う。
見終わった後に、「面白かった」という言葉に加えて、「さあ、私も頑張ろう」という言葉がつけ加わってくる。
決して本格映画として評価はされないだろうけど、こういう思いを起こさせる映画って貴重なのではないだろうか。
そうそう、随所に泣かせるセリフもうまく配置されていて、ジワリと胸をうつ場面も多かった。
この次にどんな映画を撮ってくれるのか、楽しみです。

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2009年01月09日

センター・オブ・ジ・アース −(映画:2008年1本目)−

センター1センター2

監督:エリック・ブレヴィグ
出演:ブレンダン・フレイザー、ジョシュ・ハッチャーソン、アニタ・ブリエム

評価:75点

よくできた遊園地のアトラクション。
それがぎっちり90分ということで、堪能して楽しめました。

3D映画は嫌いではないけれど、3Dのための無駄なアクションが入るので、どうしても映画の進行としては間延びする部分が出てきてしまう。
観ていて、「これは3Dのためだけの映像だ」とわかってしまうと興ざめになるのはやむを得ないのだ。
それを補って余りある驚きや感動が3D映像から得られればいいのだが、いまどき3Dもそんなに珍しくないのだよなあ。
ディズニーランドのアトラクションのように、風が吹いたり水しぶきが実際にかかったりする3D映像ならさすがに驚くだろうけど。
そんなことを望むのならディズニーランドに行っとけと言われそうだ。

ストーリーは、フランスのSF巨匠であるベルヌの「地底旅行」が本当の話だったというもので、地質学博士の主人公トレバー(ブレンダン・フレイザー)と、トレバーの兄の子供ショーンと、アイスランドで彼らをガイドすることになったアニタ・ブリエム(役名忘れた・・・)の3人が地底探検をする冒険物語。
トレバーの兄であり、ショーンの父親であるマックスを探して始まった旅がスリルと興奮に満ちた大冒険に!というのはあまりにありきたりだし、トロッコのシーンや恐竜に追いかけられるシーンもどこかで観たようなものばかり。まあそれでもドキドキさせるように作っているのは凄いもんだ。

つっこみどころも多いけど(地球の真ん中にあった植物は、何をもとに光合成しているのだろう。マグマのヒカリなのかねえ・・・)、それなりに楽しめる映画だった。

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2008年09月20日

潜水服は蝶の夢を見る−(映画:2008年53本目)−

潜水服1潜水服2

評価:88点

監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック、マリー=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー

脳梗塞により左目だけが動かせるというロックドイン・シンドローム(閉じ込め症候群)になってしまった雑誌編集長が、その左目の動きだけで20万字のエッセイ集を書きあげたという自伝を映画化したもの。
もちろん左目の動きを文字にする献身的で忍耐強い協力者があってこそだが、素直に主人公のバイタイリティには感服せざるを得ない。
人はみんな限られた時間しか生きることができないのだ。どんな状況に陥っても、彼のような生き方をしてみたいものだ。

ちょっとこじゃれたフランス映画っていうのは私の好みなのだが、自意識過剰なため観づらいことも多い。
この映画は映像もストーリーもセリフもわかりやすくて観やすいなと思っていたらハリウッドスタッフが製作にかかわっている映画だったのか。なるほど。

あらすじを聞くと、お涙頂戴の「いい話」に思えてしまうが、映画はあえて感動的な言葉を羅列することなく、主人公の感情を控えめにつなげていく。それが逆に物語に落ち着きを与え、感動を深めてくれるから不思議なものだ。
しいて言えば、感情をあらわにしていたのは主人公の父親の電話シーンぐらいか。そのシーンでも、主人公の内なる声は動かない体を現すかのように淡々としていて、それが観るものをひきつける。

もうひとつ、この映画を成功させているのが「笑い」の要素だ。
目の前に現れるリハビリ担当の美女たちの、胸元や太ももに何度となく行ってしまうエロ親父っぽい視線。
舌の動かしかたを実演してくれる場面ではこちらまでニヤニヤしてしまう。
健康なときの私生活でも女性遍歴が派手であったということも繰り返し描かれている。
そうか、エロオヤジの生命力って凄いものなのだ。
エロ以外でも、いちいち突っ込みをみせる毒舌っぽい内なる声も笑えた。
彼が単純にまじめでユーモアのセンスもない男であったら、あの状態で20万字の文章を綴れたかどうか。

想像力あふれる人生を私も送りたいものだ、などと思ったりもしたが、私が同じ状態になっても誰も20万字分書き取ってくれないだろうなあ。

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2008年09月18日

幸せの1ページ−(映画:2008年52本目)−

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監督:マーク・レヴィン
出演:ジョディ・フォスター、ジェラルド・バトラー、アビゲイル・ブレスリン

評価:75点

そこそこ面白い児童向けコメディファンタジー。
リトル・ミス・サンシャインのあの女の子(アビゲイル)がこんなに大きくなったのかと感慨深くなったり、ジョディ・フォスターのコメディって初めてだったんじゃないかとそのチャレンジングな演技を楽しんだりしているうちになんとなく時間が過ぎていく。
海も空も山もとんでもなく美しく、出てくる動物たちはみんな芸達者(ペリカンとイグアナの表情はCGっぽいが、アシカは本当に調教して演技してそうだ)でかわいらしくて楽しい。

父親であり自然学者であるジャックと娘のニムは、二人きりで無人島に暮らしている。
ある日、プランクトンの採集に出かけた父親は嵐に巻き込まれボートが難破し家に帰れなくなる。父親の身を案じながらも、父親宛にパソコンにくるメールに対応していたニムは、大好きな冒険小説を書いているアレックス・ローバーからのメールを読み、彼にSOSを送ったのだった。
このアレックス・ローバーが実は女流作家で潔癖症で外出恐怖症という設定。演じるジョディ・フォスターの演技は多少大げさではあるものの、コメディとしてはまあ合格レベルかな。
ニムからのSOSを受け、意を決してサンフランシスコから遥か遠い太平洋の無人島まで旅をするジョディの話と、父親が行方不明になってからひとりで頑張るニムの話、そして難破した船で悪戦苦闘するジャックの話がそれぞれ別々に進んでいく。
そう、本当に別々に。
3人が絡むのは最後の最後。
ニムとアレックスが絡むのさえもラスト10分くらいでやっとだ。
ううむ、なんというに地味なクライマックスなんだろうか。
子供向けコメディファンタジーだからこれでいいのだといえばそれまでだが、どう考えてもあっさりしすぎだ。
もうちょっとなんとか捻ってもらいたいものだ。

さて、ジョディ・フォスターはこれからどうするのだろう。
この映画は演技の幅を広げるための修行なのか、長年強い女を演じてきて疲れたから休憩を入れたようなものなのか。
今後注目です。

ニムがアシカにつかまって透明な海の中を泳いでいく様子は楽しそうだった。
やってみたいもんだ。
私の泳力では無理だろうけど。

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2008年06月29日

JUNO / ジュノ−(映画:2008年45本目)−

juno1juno2

監督:ジェイソン・ライトマン
出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェーソン・ベイトマン、オリヴィア・サールビー、J・K・シモンズ、アリソン・ジャネイ、レイン・ウィルソン

評価:76点

公式サイト

16歳の妊娠という重ためのテーマを取り扱いながら、さらりと明るく前向きな雰囲気で締めくくった脚本には非常に好感が持てた。
アカデミー賞最優秀脚本賞もなるほどなと思わせる出来栄えだ。
さらには、主人公のジュノを演じるエレン・ペイジの演技がとにかく素晴らしい。
いまどきのちょっと悪めの16歳とでもいうのだろうか。
安易なセックスにはオヤジの年代としてバカヤロウ!と怒鳴りたくなるし、軽率な行動やハスッパなしゃべり方には時折イライラしてしまう。
だけど決していいかげんじゃなくて、彼女なりにとても真剣に物事に向き合っている。
傷つきやすく不安定で、でもタフな主人公の生き方を見事に演じていた。

16歳で妊娠して、中絶するのでもなく、産んで育てるのでもなく、生まれてくる赤ん坊を愛してくれる里親を探し出す。
思いつきのような浅はかな考えがうまくいくのかと心配になってみていれば、案の定さまざまなトラブルが起きる。
でも、両親も友達も里親のカップルもそしてボーイフレンドもみんないい人で、ゴチャゴチャしながらも最後はなんとかおさまっていくのだ。

もうちょっと盛り上がって劇的な展開も予想してたのだが、まあこれはこれでありかな。

見ながら考えていたが、この映画から感じる日米の倫理観ギャップってかなりのものがあるのではないか。
日本で16歳の妊娠がテーマになんかなったりしたら、もっと重たいものしかできないだろう(いくつかドラマでありましたね)。責任感とか純愛とかそんなところが前面にでるだろうし、父親である高校生が「君に任せた」なんて女性に言って済むはずがない。
女性の母親は泣き崩れ、父親は相手方に乗り込み、学校は退学になり、中絶するにしろ産むにしろ、イバラの道だ(たぶん)。
責任取れるようになってから子供をつくりやがれ!という意見がほとんどだろうな。

この映画ではそんな湿った雰囲気には一切ならない。
できてものは仕方がない。生まれてくる子供に罪もない。

どっちがいいとか悪いの世界ではないけれど、アメリカの考え方は随分大人だし、合理的だ。

でもまあ、今年16歳になる娘がそんなことになったら、私は半狂乱になって相手を刺しにいくだろう。
この映画のJ・K・シモンズみたいに、ものわかりのいいかっこいい親父でありたいものだが、それは無理というものだ。

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2008年05月18日

最高の人生の見つけ方−(映画:2008年41本目)−

最高の人生1最高の人生2
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ、ロブ・モロー、ビバリー・トッド

評価:90点

公式サイト

さすがです。
ジャック。ニコルソンとモーガン・フリーマンという名優の競演に加えて、監督はスタンド・バイ・ミーのロブ・ライナー。
脚本も音楽も演技も、何もかもが計算されつくした完璧な予定調和。
だからといって決して陳腐にはならず、ラスト近くで多少のサプライズを入れ込んで観客を心地よく裏切ってみたりする。
ううむ、うまい。
そもそも、余命6ヶ月の二人の老人が主人公という設定で、ここまでお涙頂戴にならない物語を作れると言うことが凄いのではないか。
爽やかに泣ける、笑って泣ける、韓国映画や日本映画が泣きを売りにするときとは明らかに異なる、ハリウッドのカラリとした涙。
カリフォルニアの風の匂いのする涙でした。どんなんじゃ。

自分の夢をすて、自動車整備工として妻や子供達のために働くことに人生の全てを費やしてきたカーター(モーガン・フリーマン)。
彼と病院で同室になるのが、一代で莫大な財産を築いた傍若無人な大金持ち、エドワード(ジャック・ニコルソン)。
最初はそりの合わない二人であったが、お互い病魔に苦しめられていることもあり、次第に打ち解けていく。
そんな二人が自分達のために残された時間を使おうと決心したのは、揃って余命6ヶ月いう宣告を受けたからだった。
死ぬまでにやりたかったこと。
それを書き出した「バケット・リスト」に沿って、二人は旅を始める。
スカイダイビング、カーレース、専用機を使っての世界旅行等、お前ら金があるから何でもできるんやないか、という突っ込みを誰もがしたくなるところは、きちんとカーターが「いったいいくら金持ちなんだ」とエドワードに突っ込みを入れてくれて、観客は笑いで許すことができる。
このあたりはうまい。

そして、自分達の欲望のままにバケット・リストを消化して帰国したように見せておいて終盤に感動的なシーンを畳み掛けるようにつなげていく。
エドワードが初めて会う孫を抱きしめ、キスをして、リストのひとつを消すところはたまらなくよかった。
あのシーンにセリフが抜いてあるところもこれまた最高だ。
カーターは家族との夕食に、自分の67年の人生が間違っていなかったことを確信してから倒れる。

ラストにあるちょっとしたサプライズと荘厳な風景。
大自然の中に寄り添う二つのナッツ缶が、人生って結構ええもんでっせとこちらに語りかけてくるようだった。
山頂で雪に埋もれたあの墓を今後見つけるのはちょっと難しいんじゃないかと心配にもなったが。

若いときはあまりわからなかったが、この二人はいいよなあ。
私もこんな爺さんになりたいもんだ。

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2008年03月29日

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ−(映画:2008年28本目)−

ジャンゴ1ジャンゴ2
監督:三池崇史
出演:伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、桃井かおり、香川照之、石橋貴明、安藤政信、木村佳乃、小栗旬、クエンティン・タランティーノ、香取慎吾

評価:90点

公式サイト

(ネタバレあります)
おお、面白い。
マカロニ・ウエスタンをパロって、スキヤキ・ウエスタンにするくらいなら普通のギャグ・センスで片付けられそうだが、本当に映画の中でスキヤキ食ったりして、しかも味付けについてタランティーノが激高し、ちゃぶ台ひっくりかえして桃井かおりを足蹴にするって面白すぎる。
「甘みは白菜から出すんだ!」って、なにゆうとんじゃタランティーノ。

平家と源氏というわかりやすい対立を、西部劇に持ちこんで日本の時代劇と混ぜ合わせ十分に攪拌して独特の世界観を出した時点で、私的には完全にOKです。
そこに細かい笑いを絶え間なく挟みこみながらも、ストーリーは極めてシンプルでシリアスだったりしてそのギャップがまたうまい。
役者達もいい感じだ。
佐藤浩一演じる平家の大将「キヨモリ(途中からヘンリーと呼ばせていたが)」と、伊勢谷友介演じる源氏の大将「ヨシツネ」、そして伊藤英明が演じる腕利き用心棒。この3人のキャラが実にしっかりと確立していて揺らぎがない。
「血まみれの弁天」こと桃井かおり姉さんもかっこよかったし、木村佳乃は綺麗な顔してこういうちょっと汚れた役の演技がうまいよなあ。

銃を撃ちまくるアクションも楽しいし、ガトリングガンなんて大仰な兵器を持ち出してくるところもまた心躍らせてくれる。
ストーリーがシンプルだからこそ、ユーモアとかっこよさを追求したひとつひとつのシーンが楽しくそして嬉しくなるのだ。

隠れた財宝伝説のある村が、平家と源氏の無法者たちに荒らされ、そこに現れるひとりのガンマン。
平家も源氏もみんなガンマンがやっつけるのはお約束だが、まあいろいろなサブストーリーがそこには挟まれているのです。

忘れてならないのは香川照之。
相変わらずの芸達者です。
ああ、面白かった。

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2008年03月28日

ジャンパー−(映画:2008年27本目)−

ジャンパー1ジャンパー2
監督:ダグ・リーマン
出演:ヘイデン・クリステンセン、レイチェル・ビルソン、ジェイミー・ベル、マックス・シエリオット、アンナソフィア・ロブ、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン

評価:68点

公式サイト


ドラえもんのポケットから出てくる道具の中で、何が一番欲しいかと言われれば、間違いなく「どこでもドア」だ。
子供の頃からずっとそう思っていた。
世界中のあらゆるところに、行きたいと思った瞬間に行ける。これほど素晴らしいことがあるだろうか。
タケコプターも暗記パンもタイムマシンさえもいらない。
私には「どこでもドア」さえあればいい。
「どこでもドア」が手に入ったら、あんなこともしてこんなこともしたい。そんな私利私欲をこの映画のジャンパーは気持ちいいまでに体現してくれた。
銀行の金庫に入って大金を盗み出し、スフィンクスの上で日光浴をし、ビッグベンに登って夜のロンドンを楽しむ。

しかしそれだけで映画になるわけもなく、ヘイデン・クリステンセン演じるジャンパーのライス君は突然わけのわからないおっさんに命を狙われる。サミュエル・L・ジャクソン演じるこのおっさんは、パラディンというジャンパーを狩るための一族なのだ。

だが、このあたりの説明は激しく不足していて、観客が納得感を全くもてないまま映画はどんどん進行していく。狼男一族とバンパイア一族が世代を越えて殺しあう映画があったな、ヴァン・ヘルシングだったか、ブレイドだったか・・・、あんなものなのかと勝手に想像を膨らませるしかないのだ。
パラディン側はワイヤーで縛って電気を流し、ジャンプができないようにしてからナイフで刺すとういうわけのわからん非効率的な攻撃を執拗に繰り返す。
何故だ。後ろからそっと忍び寄って銃で撃てよバカ。
儀式じみた攻撃方法にこだわることで、狂気に似た恐怖の演出でもしようとしていたのか。
それなら直のこと、ジャンパーとパラディンについてきちんとした説明が必要だ。

サミュエルがあらわれてからは逃げては追うというシーンだけが延々と続きあっというまに88分終了。途中で現れたライスの母親の謎もわからない。ついでに言えばダイアンレインを久しぶりにみたが何の感慨もわかなかった。

そして続編作る気満々のままエンディング。
主人公は金を盗んだ罪も償わず、人助けをしてヒーローとして目覚めることもなく、かといって悪役として恐怖を与えるわけでもない。
親近感こそわいても主役をはれるキャラにはなれず仕舞いだった。

世界中を飛び回りながら戦うシーンはそれなりに迫力があったが、そもそも、我々が行くことのできない場所に連れて行ってくれるのが映画なのだから、わざわざテレポートしながらの戦いを見せてくれる必要もあまりない気がした。

テンポよく最後まで走りきっているので退屈はしないが、見終わった後の消化不良感は今年最大規模。続編は別段不要じゃ。

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2008年03月20日

スターダスト−(映画:2008年25本目)−

スターダスト1スターダスト2
監督:マシュー・ヴォーン
出演:クレア・デインズ、チャーリー・コックス、シエナ・ミラー、リッキー・ジャーヴェイス、ジェイソン・フレミング、ルパート・エヴェレット、ピーター・オトゥール、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ

評価:84点

公式サイト

(ネタバレあります)
いやはや楽しかった。
ファンタジーをコメディにするとこんなに面白くなるのか。
これまで真面目なファンタジーばかりみてきたけど、たまには少々邪道なこんなファンタジーもいいものだ。

最初からムチャクチャだ。
イギリスのウォール村のハズレに、越えてはいけないという壁が築かれており、その先には異世界が存在している。
壁、といっても腰ぐらいの高さしかない。そしてその割れ目を守っているのは爺さんひとりって、なんじゃいその設定は。
主人公の父親は若いときにその壁を越えて異世界に入り込み、魔女に捉われていた王女様と一夜を過ごす。9ヵ月後、彼の元に赤ん坊が届けられてきた。それが主人公のトリスタン。
んー、ファンタジーなのに、出合ってすぐ寝る王女でいいのか。
そんなこんなでずっと突っ込みどころが満載でお気楽に楽しく見続けているうちに2時間なんかあっというまだ。

トリスタンは好きな女性の気をひくために、流れ星を拾いに異世界に入り込む(母親が異世界の存在であることを父から初めて聞いたときもあまりショックはなかったようだ。なぜ?)。
で、空から落ちてきた流れ星がなぜか若い女性。
なんだかよくわからん。
彼女の心臓を食べると不死になるらしく、それを狙う魔女。
彼女が身につけることになった宝石を、王位継承の証として手に入れようとする王族達、そこにデニーロ率いる空飛ぶ海賊や、主人公の母親を拉致し続けている魔法使いも混じって大混乱が続く。
やってることはハチャメチャだが、CGはもの凄く綺麗だし、魔女役のミシェル・ファイファーのシワシワぶりも凄い。
ミシェルは演技自体もさすがで、彼女とデニーロがでるだけで、映画のレベルが3ランクはあがってるだろう(何段階評価かはわからんが)。
女装して踊るデニーロは最高だった。
主人公とヒロインに紅茶を注いであげるシーンも、心優しい新宿2丁目のオカマさんっていう雰囲気が見事に醸し出されていて感心してしまった。
なにをやっても凄い人は凄いのだなあ。

そんなこんなで、ラストも「ファンタジーの落ちってこんなもんでしょう」とでもいいたげなところにきちんと落ち着いて、それがまたいいのです。

七人の性悪王子様たちが、殺されるごとに亡霊になって事態の推移を見守っていく様子も楽しかった。
よくできています、ほんとに。
ヒロイン(クレア・デインズ)があまり美しくなかったことだけが、少々残念。この女優さん、結構いろんな映画にでているようだが記憶にほとんど残っていないなあ。


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2008年02月22日

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師−(映画:2008年18本目)−

スイーニー1スイーニー2
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ローラ・ミシェル・ケリー、ヘレナ・ボナム=カーター、エドワード・サンダース、ジェイミー・キャンベル・バウアー、ジェイン・ワイズナー、サシャ・バロン・コーエン、ティモシー・スポール、アラン・リックマン

評価:78点

公式サイト

ミュージカル映画は大好きな私だが、それでも前半は若干の間延びを感じて一瞬気が遠くなってしまった。
その分、後半の怒涛の展開は面白すぎて画面に釘付け。
ティム・バートンってやはり凄い。
ジョニー・デップの変態ぶりも凄いけど。

もとは19世紀中ごろのイギリスの小説。
それが舞台になりミュージカルになり、そして映画になった。
幸せな家庭を築いていた理髪師ベンジャミン・バーカー(デップ)が、妻子を街の実力者に奪われ、自身は無実の罪で15年間も監獄に入れられてしまう。
復讐のために名前をスウィーニー・トッドと変え、ロンドンに帰ってきたデップ。
激しい復讐劇が始まる。

ガンガン切りまくるのかと思いきや、前半はなかなか人が死なない。
妖しげなデップに加え、ヘレナ・ボナム=カーターもなんだか気持ち悪いメイクで、どこから見ても異様な化け物カップル。不自然なまでに胸元を強調しているのは、笑いをとるためなのだろうか。結構釘付けになってしまったのだが。
前半から中盤にかけて、敵を追い詰めようとするもののいいところで逃げられてしまうし、街中で詐欺師と髭剃り対決したりして無意味に時間ばかりが過ぎていく。
このあたりのやりとりもミュージカルなので当然歌いながら進んでいくのだが、さすがに少々冗長。
判事とトッドが歌の掛け合いをしているところはあまりの緊張感のなさにこれも笑えてしまった。

ところがトッドを強請りにきた詐欺師をかみそりで殺してしまってから、物語は怒涛の展開を見せていく。
手当たり次第に散髪椅子に座らせては、客の喉をどんどんと掻っ切っていくトッド。
流れ作業のように死体は地下に滑り落ち、人肉パイが次々と生産される。
コミカルな動作、かつかなりグロイ描写が続く。
ヘレナの妄想シーンも挟んでここから一気のクライマックスへいくところの勢いは見事だった。
気持ち悪さとシニカルさと面白さを混ぜ合わせて、救いのない悲劇的なラストを芸術的にまとめている。
溢れ出る血の中で抱き合う二人の姿って、悲惨なんだけどなんだか美しく感じてしまったのだ。

そういえば、トッドの娘役の女優の胸元もこれまた不必要なまでに強調されていた。
いや、いいんだけど、別に・・・。

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2008年02月17日

女帝 エンペラー−(映画:2008年15本目)−

女帝1女帝2
監督:フォン・シャオガン
出演:チャン・ツィイー、グォ・ヨウ、ダイニエル・ウー、ジョウ・シュン

評価:68点

公式サイト

♪ラララ〜ラララ〜
誰が〜殺した〜ツィイーを〜♪
♪ラララ〜ラララ〜
それは〜誰にも〜わからない〜♪
♪ラ〜ラララ・ラ〜♪

誰やねん。最後にチャン・ツィイーを殺してしまったのは!
でてこんかいっちゅうんじゃ。
やはり先帝の亡霊なのか・・・。

ということで大いなる謎を残して映画が終わってしまった。
確かにあそこでチャン・ツィイーがひとり生き残ると、野心に固まった恐るべし悪党が生き残るというわけのわからん脚本になってはしまうだろう。
だからと言って殺せばいいというもんではないと思うのだが、どうなのだ。

シェークスピアの「ハムレット」をベースにした、五代十国時代が舞台の宮廷歴史ロマン。
絢爛豪華な衣装は見とれるほどで(特にチャン・ツィイーが着てるから綺麗なのだけど)、人海戦術使いまくりの壮大なシーンとワイヤー使いまくりの戦闘シーンもお約束としてよくできている(かなりの血飛沫だったがR15くらいにはなっていたのだろうか)。
それでもちょっと展開が退屈だったのは、舞台劇をもとにしているからか演劇的演出にこだわりすぎて映画としてのダイナミックさにかけていたからじゃないだろうか。

大勢の人間が結集しているシーンのはずであるのに、役者が動いている部分だけにスポットがあたったような演出がやたらにめだった。
舞台だと思えば納得もできるが、そのたびに物語が分断されてしまうようでどうにも乗り切れない。

ラストはラストで、なんじゃそれはというくらい主要登場人物が死にまくる。
まあ、ストーリーや構成を見る映画ではないのかもしれないので、いたしかたない。
チャン・ツィイーが美しかった。
それだけでいいのだ。
でも、マユゲを短くするのはやめてね。

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2007年12月29日

ゾンビーノ−(映画:2007年144本目)−

ゾンビーノ1ゾンビーノ2
監督:アンドリュー・カリー
出演:クサン・レイ、ビリー・コノリー、キャリー=アン・モス、ディラン・ベイカー、ヘンリー・ツェーニー、ティム・ブレイク・ネルソン

評価:75点

公式サイト

ゾンビものコメディ。
ゾンビが映画界に登場してから随分とたつが、最近は徐々に笑いの対象にもなりつつあるようだ。
ショーン・オブ・ザ・デッドもそうだったし。
初登場のときはいかにも恐ろしげだったゾンビ特有の緩慢な動きも、コメディのなかでは単なるボケにしか思えない。
確かにあのスピードなら、なんとかなりそうに思えるものだ。

この映画は、そんなゾンビの動きに笑いを含ませるのはもちろんだが、ほんとのところは「ゾンビを人間の思うままにコントロールし、労働力として使う」というワンアイデア勝負。
地球上に広がったゾンビたちから人類を守るためにゾムコン社が開発した首輪。これをつけているとゾンビは人間に対して従順となり、人肉を食べるという欲望がなくなるのだ。

ということで、ゾンビをペットのごとく連れ歩いたり家でこき使っている人たちが次々と現れ、ドタバタ劇を展開していく。
主人公とゾンビは友情を育み、主人公の母親とゾンビの間には淡い恋心まで生まれる。
ゾンビ映画ではあるので、人を食う場面があったり、やたらに銃をぶっぱなしてドタバタたおれていったり結構やりたい放題。
まあ、コメディだからいいんだけど。

結局何が言いたいのかあまりよくわからず、腹を抱えて笑うこともなく映画は終了。
ゾンビはあまり体質に合わないのか、かなり退屈だった。
細かいネタがいろいろ仕込んであって面白いんだけど、まあワンアイデアでどれだけ引き伸ばしてもこんなもんでしょうか。
なんにせよ、死んだら生き返らないでほしいのです。
よろしくお願いいたします。

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2007年12月13日

ソウ4−(映画:2007年140本目)−

SAW4-1SAW4-2
監督:ダーレン・リン・バウズマン
出演:トビン・ベル、ベッツィ・ラッセル、リリク・ベント、スコット・パターソン、アシーナ・カーカニス、コスタス・マンディロア

評価:74点

公式サイト

(ネタバレあります−というほどには書けてません)
映画でありながら、あまりに排他的なこのシリーズ。その潔さが結構好きだ。
軽いノリで途中から見始めようとする人間を完全に排除し、「ソウ」という独特の世界観を受け入れることのできる非常に狭いところに対象を絞り込んで映画を作っている。

これまでの3作を見ていない人にはなんのことか全くわからず楽しめないどころか(拷問映画ぐらいには見えるかも)、前作を見た人間でも、直前にきちんと見直しておかないと、とてもついていけない。
私も前作を見てから随分とたっていたために、途中で完全に話がわからなくなった。
最後になんとか辻褄があって、ネットで有名どころのレビューを読んで確認し、内容を整理するのが精一杯。
なんともハードルの高い映画だ。
まあ、世の中にはこういう映画あってもいいだろう。

映画は前作で死んだジグゾウの解剖シーンから始まる。
これが強烈にグロイ。
グロイだけなら耐えられるのだが、ジグゾウのことだから急に動き出しそうで怖くて怖くて、とても見ていられなかった。
さすがにジグゾウは人間であってエイリアンではなく、生き返ることもなく普通に解剖される。
胃の中からみつかったマイクロカセットテープ。
これを再生するところから新たな恐怖は始まったのだった。

この流れで映画を見ていくとどうしても辻褄が合わなくなってくる。
そのうち前作の3とかぶっているのでは?と思い始める。
そして最後のシーンを見て、時間軸がようやく整理されるのだ。
ちょっとわかりにくくなりすぎているのでは、とも思うが、ジグゾウの後継者を以外に見せるためには「あり」の展開でしょう。

この謎解きの驚きはそこそこだったが(登場するところは初代ソウを髣髴させるものの、後継者になる必然性が全くわからん)、ジグゾウビギニングとでもいうべきジグゾウ誕生秘話や、相変わらずえげつない拷問マシーンに見入ってるうちに90分はあっという間に過ぎてしまう。
さて、ソウ5は作られるのか。
たぶん作られるのだろう。
そしてまたこの時期に日本公開だ。
年末の風物詩だ。まるで第9だな。こっちはマイナーだけど。

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2007年12月09日

THE3名様−(映画:2007年139本目)−

THE3名様


監督: 福田雄一
出演: 佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史

評価:75点

ホラーとかサスペンスとか、緊張感に溢れた映画を見た後は、こういうユルユルの映画を見て脱力したくなる。
実際映画でもなんでもなくて、マンガの実写版がDVDになっただけだけど。

原作は何度か読んだことはあるが、ビッグコミックスピリッツに連載されている石原まこちん作の短編ギャグ漫画。
フリーター3人が深夜のファミレスでダラダラとくだらないことを話すだけだが、そのくだらなさが絶品。
高尚さの欠片もなく、かといってえげつない下品さや鋭い突っ込みもなく、ボケもぬるければツッコミもぬるい。

でも、これって癖になるかもしれない。
恐ろしい。
DVDは5つも6つも出てるぞ。全部見るきだというのか?
まだ24のシーズン1も見終わってないのに。

そういえば近所のビッグボーイ。
休日に行くといつも超満員で30分は待たされます。
なんで?ビッグボーイのくせに。
サラダバーは美味しいけど。

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スリザー−(映画:2007年138本目)−

スリザー1スリザー2

監督:ジェイムズ・ガン
出演:エリザベス・バンクス、ネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカー

評価:80点

公式サイト

基本的に小心者なのでホラー映画は好きではないのだが、これくらいB級に徹してくれると逆に安心してみれるというものだ。

地球に向けて何かが飛んでくるところから映画が始まる。
そう、侵略者だエイリアンだ化け物だ!

エイリアンのターゲットとなったのは、アメリカ田舎町の大金持ち、グラント。歳の離れた若く美しい妻、スターラと暮らしていた。
そのグラントが地球に到達したエイリアンの幼虫?を偶然見つけ、それに寄生されるというお約束の展開。
やたらと肉を欲しがり、動物を殺して食べたりしながら徐々に変化して行くグラント。
やがて警察に追われるようになったグラントだが、彼は自分の家畜として育てたブロンド女性のブレンダの体内で、ナメクジエイリアンズを大量に育てていたのだった。
ブレンダの体内でそだったエイリアンズは一斉に行動を開始し、人の口から進入してその人間を支配する。
このナメクジが気持ち悪いが、いつかどこかでみたような生き物。
口から進入、ってそれはヒドゥンだったか。
エイリアンに体をのっとられた人はゾンビのように復活し、ひとつの意志のもとに行動を開始する。
立ち向かうのは警官のビルと、グラントの妻、スターラ。
そうそう、途中からはロシア人?という設定だったか、家族を失った美少女も加わっていた。
市長も途中まで一緒だったが、あれは「捨てキャラ」なので死ぬでしょう。それは。

ということで、エイリアンに加えてゾンビも楽しめます。
気持ちの悪い怪物の姿に身震いし(ナメクジにしては結構でかいし動きも早い)、音響とともにびっくりさせてくれるお約束のホラーシーンに時おり驚き、ゾンビがわらわらと集まってくるところでは「やっぱりゾンビの動きはこうでなくては」と、ゾンビがフルスピードで走っていたバイオハザードにダメだしを行い、風船ブレンダはいくらなんでもかわいそうと、役者としての彼女のキャリアに思いを馳せ、そして映画は無事に大団円に向うのだった。
最後はジョーズへのオマージュか。

キモカワイイとかいうのが流行っているらしいが(よく知らんので流行っていなかったらごめんなさい)、この手の映画はコワキモチワルオモロイ、という感じでどうでしょう。
どうって言われてもなあ・・・。長すぎるよ。

ということで良くも悪くもB級の王道です。

そうそう、ツメは伸ばしてキチント手入れをしておいたほうがいい。
何が起こるかわからないから。

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2007年11月12日

しゃべれどもしゃべれども−(映画:2007年129本目)−

しゃべれども1しゃべれども2
監督:平山秀幸
出演:国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫、伊東四朗

評価:81点

公式サイト

(ネタバレあります)
佐藤多佳子原作の映画化。
そういえば「一瞬の風になれ」は1作目を読んだ後、なかなか次の予約が図書館から回ってこない。

いまひとつ売れない二つ目の落語家、今昔亭三つ葉(国分太一)が、ひょんなことから話し方教室の先生をすることになる。
といっても生徒は3人。話すのが苦手で無口で無愛想な女性、大阪から転校してきたおしゃべりな小学生、口下手でテレビ解説ができない元プロ野球選手。
3人に落語を教えながら、三つ葉自身も落語家として人間として成長していく様子をさわやかに描いている。
素直に、「ええはなしやないか」と思える作品だ。
そして、話すこと、自分の思いを伝えることの大切さも改めて教えてくれる。
古典落語もたっぷり楽しめる。

物足りないところがあるとすれば、一門会のところだろうか。
今昔亭三つ葉が「火焔太鼓」を最後まで見事に噺きってしまうところはもっと感動的な演出ができたような気がするのに、出番前に酒を飲んだだけでうまくいってしまうというのはどうなんだろうか。
師匠のいう「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」が的を射ていて、たまたまこの噺がツボに入ったということなんだろうか。
三つ葉の影での努力や落語に対する想いをもっと描いたうえでの一門会にすれば泣いていたかもしれないのに。
などと感じたのだが、そこはさらりとかくところが江戸っ子の粋というもんだ、なんでしょうか。

それにしても、国分も伊東四朗も落語がうまいなあ。
ついでに言えば、子役の森永悠希が演じている桂枝雀の落語もうまかった。
そうそう、枝雀師匠の落語ってあんな感じだったなあと、懐かしく思い出してしまった。

話すのがやたらに早くてカツゼツも悪く、何を言っているのかよくわからないといつも人から言われている私なので、落語の勉強をしたいと日頃思っているところだった。
通勤時にiPodでたまに落語を聴いているが、オチの前に会社についてしまうとイライラしてしまうので困ったもんだ。
電車の中でひとりニヤけてしまうのはさらに困ったものだけど。痴漢と間違われないようにしなければ。


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2007年11月03日

ステップ・アップ−(映画:2007年124本目)−

step-up1step-up2
監督:アン・フレッチャー
出演:チャニング・テイタム、ジェナ・ディーワン、マリオ、ドリュー・シドラ、ディシャーン・ワシントン、レイチェル・グリフィス

評価:78点

公式サイト

(ネタバレあります)
私は全く踊ることができない。
この映画にでてくるストリート系のダンスやクラシックバレエはもちろん、社交ダンスの経験もないし、クラブに行って踊る、なんてこともない。
学生のころはディスコが街中にたくさんあり、何度か行ってはみたものの、自分のリズム感のなさに愕然としてフロアから早々に退去し、隅っこに座ってひたすら飲み続けたものだ。
あ、フォーク・ダンスならできるか。
オクラホマ・ミキサーとか、マイムマイムとか。

というわけで、「踊れる人」というのは無条件に尊敬してしまう。
ダンス映画も結構好きで、フット・ルースもフラッシュ・ダンスもダーティ・ダンシングも気に入っている。
この映画もレンタルビデオ屋で見つけて借りてみた。
「クラシックとヒップホップの融合」というのがうたい文句だったようだが、さらに、映画が始まってすぐにクラシック・バレエの画面とストリート・ダンスの画面が交互に映し出されるので、この時点で映画のストーリーはほとんどわかってしまうというもの。
ま、それでもいいのだが。
ダンス映画はダンス・シーンを楽しむためのものだし。

懸念していたとおり、ストーリーの浅さはなかなかのもの。
落ちこぼれダメダメ学生で、車を盗んでは売り飛ばすという犯罪を重ね、将来について全く夢も希望も見出せないタイラーを演じるのがチャニング・テイタム。そんなに男前には見えないし、演技も少々白々しい。が、踊りはうまかった。
タイラーが犯罪で捕まり、社会奉仕を命じられた芸術学校でバレエを学んでいたのがヒロインのノーラ(ジェナ・ディーワン)。
ノーラのパートナーが足首を痛めて発表会に出られなくなり、たまたまタイラーがパートナーの代役を務めることになった。
おお、ベタベタ。
お嬢様とやんちゃ小僧の恋。バレエとストリートダンスの融合。
将来に大きな影響を及ぼす発表会に必死の思いで挑むノーラと、真剣に将来に向かい合ったこともないタイラー。

多少のヤマありタニありで、最後は二人で一緒に踊って大団円という予想通りの展開。
タニが浅かった分(仲間が一人亡くなりはするが)、ヤマは低め。
ダンスシーンの盛り上がりでなんとか映画としての最低ランイはキープしてたようだ。

タイラーの妹がオマセな感じでかわいかったなあ。

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2007年09月20日

10億分の1の男−(映画:2007年105本目)−

10億分110億分2

監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ
出演:レオナルド・スバラグリア、ユウセビオ・ポンセラ、モニカ・ロペス、アントニオ・デチェント、マックス・フォン・シドー

評価:55点

公式サイト

(ネタバレあります)
いいネタを仕入れているのに、あまりにも不親切で説明がなさ過ぎるために、途中何度もわけがわからなくなる。
そのうち、どうでもいいやと思い出し、爪を切ったり、コーヒーを淹れたり、DVDを止めて風呂に入ってきたり、ハーゲンダッツ食ったりして、さらによくわからなくなる。
最後はなるほどそうなのか、と思って終わって考えてみると、さらに混沌度合いが進んでくる。
ということでどんな感想を書いてみたらいいものやら・・・。

雰囲気は嫌いではないんだけど、ちょっとSFがかったサスペンスをこんなにアートに仕上げなくてもよかったんじゃないだろうか。

強運を持つ人たちが戦う物語。
戦うと言っても、運をかけてゲームをするだけだ。
ハチミツを頭に塗って虫が止まるかどうかを競ったり、目隠しをして林の中を疾走し、木にぶつからなければ勝ちにしてみたり。
それって面白いのか?

フェデリコが、飛行機事故で生き延びたトマスという強運の男を探し出し、彼の運でサムに挑戦しようとする。強運の持ち主サムは、触れるだけで他人の運を奪うことができ、カジノのオーナーとしてその運で生き残ってきた男だった。
フェデリコはもともとサムの片腕だったが、独立しようとしたときにサムに能力を奪われ、復讐の機会を伺っていたのだ。

このあたりまでは見ていてなんとかわかる。
触れれば運を吸い取るというのも漫画チックで悪くない(画面は漫画とは程遠い雰囲気だったが)。
しかし、写真が出てきてよくわからなくなった。
どうして写真を写してその人の運を操れるようになるんだろう。
そもそも写真を撮られる人はどこまでわかってるんだ?

女刑事の行動もよくわからないところが多かったし、トマスの恋人は果たして強運だったのかもよくわからん。
運試しゲームもぱっとしない。
そのうちフェデリコは簡単に復讐の機会を手に入れ、それを達成してしまった。
あまりに消化不良だ・・・。

運というのは面白い。
マージャンなんかしてるとつくづく本当に運はあるのだと痛感する。
でも、コントロールできないんだよなあ。
そもそも俺はそんなに運が強いほうではないようだ。まあしゃあないか。


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2007年09月17日

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい−(映画:2007年102本目)−

スモーキンエース1スモーキンエース2
監督:ジョー・カーナハン
出演:ベン・アフレック、アンディ・ガルシア、アリシア・キーズ、レイ・リオッタ、ジェレミー・ピヴェン、ライアン・レイノルズ

評価:80点

公式サイト

(ネタバレあります)
激しくイカれた映像のオンパレード。
ここまでやってくれるとなんだか気持ちいいぐらいだ。

ラスベガスで人気のマジシャン、エースは、マフィアから命を狙われることになった。
マフィアの大物スパラッザを裏切り、FBIと司法取引に応じることを承諾したからだ。
エースを保護しなければならないFBI。エースのもとには、5組の殺し屋達が終結しようとしている。彼の心臓に100万ドルの賞金がかけられたからだ。
FBIと殺し屋達が入り乱れての大乱戦が始まる。

殺し屋達のキャラが非常にたっていて面白い。
隣のビルから馬鹿でかい機銃を打ち込む美女ペアや、ラリってチェーンソーを振り回しながら突入してくるキチガイ3人組。
手からジャキーンととがった金属が飛び出してくるX-MENのようなやつもいれば、変装名人の手の込んだ準備もまた凄い。

みんなが、最上階のペントハウスに滞在するエースを目指して進むのだが、様々な騙しあいと銃撃で、もう無茶苦茶になっていくのだ。
そう、これはプロレスのバトルロイヤル。

ラストにはそれなりのどんでん返しを用意しておき、仲間を失ったFBI捜査官のやるせない怒りで締めくくっているが、そんなものはおまけでしかない。
見どころは中盤から後半の大混乱大激戦なのだ。

変装名人のスートが渋かった。
喉に薬まで吹き付けて声色を真似し、速攻で顔に被るマスクも作ってしまう。なんだかルパン3世の世界だったな。
やることはもっとえげつないけど。

らりった空手小僧も途中で出てくるが、撃たれてしまうんじゃないかとひやひやしたぞ。変なガキとばあちゃんだった。

映像はかなりグログロだが、こんなイカれた映画も結構好きなのだ。

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2007年09月15日

サンシャイン2057−(映画:2007年101本目)−

サンシャイン1サンシャイン2
監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ、真田広之、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンス、ローズ・バーン、トロイ・ギャリティ

評価:80点

公式サイト

(ネタバレあります)
2057年、太陽の力が弱まり、地球は滅亡の危機に瀕していた。
残された手段はひとつ。太陽の中心で核爆弾を炸裂させ、ミニビッグバンを起こして太陽を復活させるのだ。
核爆弾を積んだイカロス1号は途中で消息を絶った。
同じミッションを背負いイカロス2号に乗り込んだ8人が、ラストチャンスに挑む。

これがハリウッド映画なら、太陽の力が弱くなったことで地球で起こっている惨状の描写があり、帰れないかもしれない宇宙船に乗り込む人たちの選出のところで盛り上がるドラマがあり、感動の伏線を張りまくる大げさな演出になるはずだ。
ところがイギリス映画。
さすがというかなんというか、いきなり宇宙船内部の映像から始まって、そのまま宇宙船で終わってしまう。
地球が映るのは、ラストの美しい日の出だけだ。
つまらん似非ヒューマニズムを映し出すくらいなら、太陽の圧倒的な映像を映しつづけて、そこからいろいろ感じてくれ、とでも言っているように思える。
実際、映像の美しさは素晴らしかった。
太陽の持つ、圧倒的な光と熱量が、画面からビシビシと伝わってくる。
宇宙の暗闇がさらに太陽の凄さを強調する。
宇宙船内部の映像も文句のつけようがない。
酸素供給のために植物を栽培している部屋もかっこよかったし、太陽の光を感じる部屋の映像も実に印象的だった。

ただ、宇宙船内部のストーリーとしてはややありきたり。
いくつもの命が次々に犠牲になっていく。多くは、地球のために、自ら。
そして、そのまま素直に感動的なラスト、と思っていたらラスト20分でモンスターが登場して一気にB級テイストが振りまかれてしまった。
いや、それでもいいのだが、しかし、なんちゅうか・・・。

でもまあ、楽しめました。
映像はほんと美しい。

真田広行が宇宙船のキャプテンという役で登場。
流暢な英語も含め、かなり頑張ってます。
中盤であっさり退場するのが少し残念・・・。

明日、太陽が昇ることに感謝しながら眠ることにしよう。

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2007年08月20日

サイドカーに犬−(映画:2007年89本目)−

サイドカーに犬1サイドカーに犬2
監督:根岸吉太郎
出演:竹内結子、古田新太、松本花奈、谷山毅、ミムラ、鈴木砂羽、トミーズ雅、山本浩司、温水洋一、伊勢谷友介、樹木希林、椎名桔平

評価:84点

公式サイト

(ネタバレあります)
1980年頃が舞台。
ううむ、微妙だった。
あと5年くらい若ければ、薫と同じ目線でこの映画の時代を眺めることができただろうし、あと10年歳をくっていれば、ヨーコさんになって時代を感じることができたかもしれない。
1966年生まれの私はちょうどその真ん中。
1980年は、鬱屈した思春期をおくる脂臭い中学生だったなあ。

250mlのコーラの缶や(あの当時は自販機100円だったのだ)、パックマンというコネタが微妙に郷愁をくすぐる。
そう、ほとんど事件の起こらない静かな映画だから、観る人にどれだけ郷愁を感じさせるかが勝負。
その点では、きっちり勝負してきっちり合格点をだしていんじゃないだろうか。

薫(ミムラ)が、10歳の夏を思い出すところから映画が始まる。
母が突然家を出て行き、そして家には父の愛人らしき「ヨーコさん」(竹内結子)がやってきた。
厳しくしつけられていた薫(少女期は松本花奈)は、大胆で奔放でガサツながらも、優しくそして自分をひとりの人間として相手をしてくれるヨーコさんに次第に惹かれていく。
今までお嬢様役が多かった竹内結子が、かなりイメージと違う役を演じている。でもそんなに違和感を感じない。やっぱりこの人は相当演技がうまいんだろうなあ。
そしてなんといっても薫役の松本花奈がむちゃくちゃいい。
表情ひとつ、仕草ひとつが、素直で頭がよくて思いやりのある、ちょっとハニカミやの少女を見事に演じている。
きっとこの子は成績が抜群にいいんだろうな。
薫はこの夏、ヨーコさんにいろんなことを教わる。
自転車の乗り方だったり、親に無断で外泊することだったり、忌野清志郎だったり。
そして、思ったとおりに生きることの大切さと、思ったとおりにいかないことの悲しさも。

怪しげな中古車販売をするお父さんが軽めの事件に巻き込まれたり、ヨーコさんとお母さんが鉢合わせする修羅場はあるものの、どれも緊迫感はない。
何もかも、「セピア色のいい思い出」みたいな演出。

物足りないと言えば物足りないけど、こんな風に淡々と郷愁を煽る映画って、わりと好きだったりするのだ。
最後にYUIの歌っていうのも、ぐっときました。

古田新太は太ったなあ。このおっさんに竹内結子が愛人っていうのはちょっと赦せないかも。

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2007年07月22日

さくらん−(映画:2007年81本目)−

さくらん1さくらん2
監督:蜷川実花
出演:土屋アンナ、椎名桔平、成宮寛貴、木村佳乃、菅野美穂、永瀬正敏 、安藤政信、小泉今日子、石橋蓮司、夏木マリ

評価:74点

公式サイト

(ネタバレあります)
綺麗でおしゃれな映画で、面白かった。
原色バリバリの映像美と、土屋アンナ演じる花魁のかっこいい生き方と、吉原ならではのドキッとする濡れ場を楽しめばいい映画なのでしょう。
それ以上でもそれ以下でもない。
情念は欠片も感じられなかったし。
だから感想も、単純に面白かったとしか言えないのだ。

吉原に売り飛ばされた少女が、吉原独特のドロドロした世界で逞しく生き残るものの、最後は全てを放棄して吉原を飛び出していく。
捻りも何もないし、感動に胸を震わせることもない。
脚本もうちょっとなんとかならなかったのか。
吉原内部のドロドロだって、最近のテレビドラマで描かれる現代の中学生のほうがもっとドロドロして恐ろしいくらいで、インパクト薄すぎ。
木村佳乃がもっともっと意地悪して、アンナを貶めていくとかすればよかったのに。
大体、木村佳乃が早くに死にすぎだ。

監督は世界的に有名な写真家というだけあって、映像の美しさは文句のつけようがない。門の上の水槽の金魚が特に印象的だった。
椎名林檎の歌も見事にマッチしている。
そして菅野・木村・土屋の体を張った演技。
ここに見る価値を見出せる人は、楽しめたんじゃないだろうか。

うーん、書くことないや。
夏木マリが相変わらずだったなあ・・・。

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2007年07月08日

幸せになるための恋の手紙−(映画:2007年74本目)−

幸せに1幸せ2
監督:ミッチ・デイヴィス
出演:アン・ハサウェイ、クリストファー・ゴーラム、ジョー・フォラウ、ナサニエル・リーズ、ミリアマ・スミス

評価:59点

「アン・ハサウェイの魅力が満載のラブロマンス・ヒューマンドラマ」と書いてあったからDVDをレンタルしてみたが、なんだかこれでは「トンガに行った宣教師物語」じゃないか。
確かにいろんな困難を乗り越えて、宣教師の役目を果たしていく様子は時には感動的でもある。
しかし、基本的に日本人は「宣教師」の行動には感動を覚えないのだ。
それよりも、宗教を勧めるという行為に潜む胡散臭さを先に感じ取ってしまう。
キリスト教が国の宗教みたいなものであるアメリカとは感じ方が違うのだろうな。

アン・ハサウェイは基本的にじっとじっとじっと待っているだけで、映画での登場も時間的には少ない。
これで、「アン・ハサウェイの魅力満載」などという宣伝文を書ける奴の気が知れない。
宣教師の頑張りには敬服したが、基本的に眠たさが増幅されるばかりの映画で、途中なんどか意識を失った。
結論は「トンガに行ってきました、帰ってきました、結婚しました」というだけだ。これでよく映画になるものだ。
なにか裏に隠されたハリウッドの野望があるのだろうか。
ただし、トンガの自然の風景を写した映像は、どれもこれももの凄く美しかった。
一度くらいあんなところに行ってみたいものだ・・・。


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2007年07月01日

シュレック3−(映画:2007年72本目)−

シュレック1シュレック2
監督:クリス・ミラー
声の出演:マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィー、キャメロン・ディアス、アントニオ・バンデラス

評価:66点

公式サイト

(ネタバレあります)
ストーリー
遠い遠い王国で幸せに暮らしているシュレックとフィオナ。しかし、フィオナの父であるハロルド国王の症状が悪化し、逝去。ハロルド国王の遺言で、シュレックとドンキー、長靴を履いた猫は、国王継承者のアーサーを探す旅に出る。しかしチャーミング王子は悪の軍団を組織し、王権を奪取しようとする陰謀を図る。

なんだか小さくまとまってしまって、ハチャメチャさが無くなってしまってるんじゃないのかシュレック。
ひょっとして、「文部省推薦」映画になろうだとか、国語の教科書に載ってみようだとか、そんなこと考えていないだろうなシュレック。
自分の都合で王位継承を捨てて逃げ出したけど、それでいいのかシュレック。
ということは、自分のやりたいことをやろう!嫌なことからは逃げよう!という主題になってしまうけど、本当にそんなことでいいのかシュレック。
まあいいのか、王位からは逃げ出したけど、子供を育てることには立ち向かったのだから・・・。
あ、そうか、これは少子化対策映画だったんだ!
きっとハリウッドが日本から頼まれて作ったに違いない!
「赤ん坊を育てることを怖がらないで!きっとうまく行くから!」という若い夫婦向けのメッセージがこめられているのだろう。
違うようなきもするが・・・。

なんでカエルが王様なんだっけ。
しばらく考えてようやく2を思い出した。
細かいところでは随所に笑い(仕掛け)が散りばめてあって面白いのだが、大きなストーリーが読めてこない。
ストーリーというか、誰にスポットを当てて作っているのかよくわからんのじゃ。
まさか、アーサーの成長物語、というわけではないと思うのだが。
まあ、あまり深く考えずに見るには楽しい物語です。

一番楽しかったのはお姫様軍団の活躍ぶりかな。
途中までは超お荷物軍団だったのに突然のかわりよう。笑えました。

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2007年06月24日

シュガー&スパイス〜風味絶佳〜−(映画:2007年71本目)−

シュガー1シュガー2

監督:中江功
出演:柳楽優弥、沢尻エリカ、夏木マリ、大泉洋、チェン・ボーリン、サエコ、板倉俊之、高岡蒼佑

評価:60点

公式サイト

(ネタバレあります)
甘酸っぱく、しかし切ない10代の恋の思い出。
オジサンが遥か昔に思いを馳せて、「ほのぼの+しんみり」とした気持ちになるにはいい映画だったのかもしれない。映像は結構お洒落だし、無意味に感動的な音楽が場を盛り上げてくれるし、夏木マリは見事に怪演しているし。

また、10代の中学生・高校生が見るのにもちょうどいい映画だろう。
自分達の境遇と重ね合わせて、恋愛の楽しさとつらさを実感して楽しみ、感動できるのかも。たぶんだけど。

ということで、ラブストーリーとしては極めて現実的な展開(勤務先(ガソリンスタンド)で年上の彼女ができたが、金持ちで将来有望な元彼が登場して、彼女は自分を捨てて去っていく)であって、大きな感動はないのが少し残念。
「アメリカかぶれの70歳のグランマ」を演じている夏木マリが放つ言葉の端々に「恋愛の真理」っぽいフレーズを混ぜ込んで雰囲気を作り上げ、そこに笑える小ネタも挟み込んで(マッスルのセリフはなかなか強烈)、味付けもしてあるものの、これで120分は少々冗長だろう。
板倉絡みの場面なんて必要だったのか?

柳楽優弥はオトナになったなあ。
沢尻エリカはかわいかったが、役柄があまりにも生々しい。手紙一枚で決着つけて男を捨てるところはなかなかシビア。
現実は確かにそうなんだろうけど。

「女の子はねシュガー&スパイス。優しいだけじゃダメなんだよ。」
40年生きても、そこのところのサジ加減はわかりません。
たぶんこのままずっとわからないのだろうな。

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2007年06月10日

サイレンサー−(映画:2007年68本目)−

サイレンサー1サイレンサー2
監督:リー・ダニエルス
出演:ヘレン・ミレン、キューバ・グッディング・Jr、スティーヴン・ドーフ、ヴァネッサ・フェルリト、ジョセフ・ゴードン=レヴィット

評価:88点

(ネタバレあります)
「クイーン」でアカデミー賞主演女優賞を獲ったヘレンミレンが、癌に犯された殺し屋役を好演している。
もう、「さすが」としかいいようがない完璧な演技だ。
キューバ・グッディング・Jrもうまい。
どこかで見たなあと思っていたら、10年前に「ザ・エージェント」でアカデミー賞助演男優賞を受賞していたんだよな。
演技での二人の絡み合いは、惚れ惚れとするものだった。

映画そのものは2005年の作品。
おそらく「クイーン」でのヘレンミレンの受賞にかこつけたのだろう。4月頃にちょっとだけ劇場公開もあったらしいが、一昨日DVD発売になってレンタルの新作コーナーにひっそりと置かれていた。
たまたま発見してラッキーだった。

殺し屋としての相棒であり、恋人同士でもあるローズ(ヘレン・ミレン)とマイキー(キューバ)。マイキーの父親も殺し屋であったが、マイキーの少年時代に父が死にマイキーがその家業を引き継ぐ。父の死の秘密は、この物語の最後にきちんと効いてくる。
ローズの癌が進行し、二人は足を洗うことを考え始める。そんなときに引き受けた仕事で、ローズがターゲットに銃を向けた瞬間、妊婦であったターゲットの女性が破水したのだ。
そのまま女性を撃てなかったローズは、女性と乳児をかくまうことになる。
当然それは、殺しの依頼主から彼ら自身が狙われることも意味するのだった。

死にゆく自分の運命を受け入れ、偶然出合った新しい命を守ることが自分の使命だと感じるローズの強い瞳は印象的だった。

ストーリー的には若干ご都合主義的な面もある。あんなにバンバン殺しておきながら警察の影はまったく無視されているのが凄い。この映画に警察の描写は不要、ということなんだろうな。
あとは、医者の彼女があまりにもブサイクでびっくりしたことくらいか。
あれはないだろうあれは。設定が歪だ。
そんなことを含めても、かなり面白い映画だった。

ヘレン・ミレンは濡れ場も演じている。
いったい何歳なんだ。ヘレン・ミレン。おお!この映画のときは60歳か!なんと知的で素敵で艶やかなオバサマなんだろう。

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11:14−(映画:2007年67本目)−

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監督:グレッグ・マルクス
出演:ヒラリー・スワンク、パトリック・スウェイジ、レイチェル・リー・クック、ヘンリー・トーマス、バーバラ・ハーシー、ブレイク・ヘロン

評価:89点

(ネタバレあります)
ぐえええ、パトリック・スウェイジ、なんなんだその腹は!
てめえ、おっさんになるといっても限度があるだろうが!
20年前にダーティ・ダンシングでかっこよく踊っていたスウェイジはどこにいったというのだ。
しかも余りに情けないオヤジの役。娘に対してまともに教育できないばかりか、彼女が殺したと思い込んだ死体を始末しようとしてドタバタを繰り返し、あげくの果てに事故で娘を亡くしてしまう。

彼だけではなかった。
この映画に出てくる人たちはみんな間抜けばかりだ。
自分の過ちを隠そうとするばかりに、さらに悲劇を生んでいく。
特にヒラリー・スワンクのバカっぷりは最高だった。
オスカー女優、さすがというかなんというか、よくぞココまで頑張ってくれたものだ。
そもそもこの映画にでていること自体が不思議だ。監督は無名の新人でしかもこの映画を撮ったときには20代前半だというのに。

ある日の夜11時14分。飲酒運転で免停中の男が道路で人をはねてしまう。
男は顔の潰れたその死体をトランクに隠そうとしたのだが、運悪く警官に見つかってしまった。
隙を見て逃げ出す男を警官が追いかける。
ちょうどパトカーには恋人を事故で失った男と、その男に拳銃で左腕を撃たれた女も乗っていた。
彼らも11時14分に事件にあっていたのだ。

いくつかの話が、11時14分を中心に複雑に交わりあっている。
この手法は昨年度アカデミー賞作品賞の「クラッシュ」と同じだ。
といってもこっちのほうが2003年に作られているのでマネをしたというわけでもないのだが。
内容はクラッシュと比べるまでもなく、B級の香りもそこはかとなく漂うコメディチックなもの。
絡み合ういくつかの物語から、クラッシュのようなテーマも浮かび上がってはこないし、心に染みるような部分もない。
でも、これはこれで十分に面白かった。
悲惨な事件がおきているのだが、コメディとして見られるように十分に工夫が凝らしてあり(音楽もコミカル)、いったいどことどこをつなげてくるんだろうかと、ワクワクしながら展開を楽しむことができた。

何故に11時14分なのかはわからないが。

それにしても、友人のちぎれたペニスを捜して道路をうろつきたくはないものだ。

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2007年06月02日

300−(映画:2007年65本目)−

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監督:ザック・スナイダー
出演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ、デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト、ミヒャエル・ファスベンダー

評価:70点

公式サイト

(ネタバレあります)
紀元前480年の話。
スパルタ王レオニダスの元に大帝国ペルシアの使者が訪れ、スパルタに服従を要求する。レオニダスはこれを拒否。わずか300名の軍勢で100万のペルシア軍を向え撃つこととなった。

ということで題名が300。
屈強なスパルタの精鋭300名が、大軍勢を相手に暴れまわる。
その高い戦闘能力とモチベーションがいかにして身についたか、スパルタの容赦ない教育方針も最初に語られるのでよくわかる。
そうか、これがスパルタ教育という言葉の元だったんだよなと、昔どこかで聴いた話を思い出した。

ストーリーにたいした起伏はない。
議会の賛同を得られず、300人の兵だけを連れてペルシアに立ち向かうレオニダスたちが、ひたすらに闘いまくるだけ。
ペルシアの王様はなんだかやたらに体がでかく、顔中ピアスだらけでわけのわからんキャラになっている。
そのボスにたどり着く前に出てくる中ボスキャラはほとんど漫画だ。
というかこれは原作がフランクミラーの漫画だったっけ。

繰り返される戦いのシ−ンは見事に劇画チック。
白黒っぽい画像に血の色は鮮烈な赤で映し出し、強烈なインパクトを与えている。
手も首も血飛沫もずっと飛びまくりだ。
嫌いな人は最初から見る気もおきないだろうし、嫌いでない私でも最後は食傷気味になってしまった。
大体、兵士がみんないい体すぎるよ。
盛り上がった大胸筋、綺麗に割れた腹筋。
みんながみんな、それを見せ付けるかのように闘っている。
たまにはデブも混ぜておいてくれよう。
あれでは腹筋割れていないとエキストラさえできないぞ。

300人で100万人を!というような煽り文句が広がっているので、もっと戦略的な頭脳戦を期待する人もいるかもしれないが、そんなものはなくてひたすらに肉弾戦です。
覚悟してご覧ください。

あんな体になるぞ。
さ、腹筋じゃ腕立て伏せじゃ!


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ザ・シューター/極大射程−(映画:2007年64本目)−

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監督:アントワン・フークア
出演:マーク・ウォールバーグ、ケイト・マーラ、マイケル・ペーニャ、ローナ・ミトラ、ネッド・ビーティ、ダニー・グローヴァー

評価:80点

公式サイト

(ネタバレあります)
ディパーテッドのときからかなりいい感じで好きだったマーク・ウォーバーグ、渾身の頑張りです。
ディパーテッド同様、笑顔なんて全く見せず、いつも怖い顔で走り回って撃ちまくって怒鳴りまくっての2時間。ただし、紙袋を足に履いたりはしませんのであしからず。

マークが演じる主人公は、元海兵隊の狙撃手ボブ・リー・スワガー。海兵隊の任務中にも国家に裏切られ敵中放置・同僚死亡という酷い目にあったというのに、
「大統領が暗殺されるかもしれないので助けてくれ」
と言われると、すぐにのこのこついてきてしまう始末。

マーク、そいつらどう見ても悪者じゃないか、もうちょっと疑ってかかれよ、変なリモコン装置なんて先に見つけとけよ、と思うのだけど、そこはご愛嬌で殺人狙撃犯の汚名を着せられ、追われる立場に追い込まれるのだ。

真実を探る途中でこれまた権力に殺されそうになるFBI捜査官(ニック)が新しい相棒になり、悪人達と対峙するマーク。
カーチェイスあり銃撃戦ありナパーム弾あり戦闘ヘリありの激しいアクションが中盤から後半にかけては延々と続く。
見事な狙撃の腕前や、いろいろなトラップの数々も見ごたえがあって退屈はしないのだが、いかんせんマークも人を撃ちすぎだ。
裁判では裁けないから自分が殺すって、まあいいけど短絡的だなあ。
デスノの夜神月と同じだってば。

国家犯罪を描いたサスペンスタッチの脚本、というには程遠く、マークが私怨を交えて暴れまくるだけの映画になっていたような気もするぞ。
かっこいいマークを堪能しながら飽きずに見れたのでよかったといえばよかったんだが・・・。
後はもうちょっとグっとくるヒロインを置いて欲しかった。

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2007年05月31日

主人公は僕だった−(映画:2007年63本目)−

主人公1主人公2
監督:マーク・フォースター
出演:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマン、クイーン・ラティファ、マギー・ギレンホール

評価:86点

公式サイト

(ネタバレあります)
ちょっと前に「奥様は魔女」でニコール・キッドマンの旦那役で登場したときには、なんだかパッとしないおっさんだなあとしか思わなかったウィル・フェレル。
最近やたらに顔を見るようになってきた。プロデューサーズではイカれたドイツ人役だったよな。
もともとアメリカでは人気のあるコメディアンらしいけど、日本でも確実に認知されつつあるようだ。

今回の映画では、そのウィル・フェレルが抑えた演技で真面目にコメディを演じている。
毎日同じことを繰り返すだけの生真面目な税務署の役人だったウィルが、突然天からの「声」を聞くようにになる。
彼にしか聞こえず彼の行動を描写するようなその声は、彼を主人公とする小説を書いている作家の声だったのだ。
声の謎を解こうとやっきになるウィルは、次第に自分の単調な生活を変えていく。
しかしある日、かれは自分が近いうちに死ぬという声を聞いてしまうのだった。

設定としてはトゥルーマン・ショーを思い出させるようだが、こちらはファンタジー色の強いコメディ。
自分が映画や小説の登場人物のひとりで、その運命を誰かに握られているのではないかっていうのは、一度は誰もが感じたことがあるような話だ。
自分がそうではなくても、人類そのものが宇宙人や神のあやつり人形だったりペットだったりするっていう設定なら、SFにいくらでも出てくる。
そう考えると設定としては突飛でもないし、小説の主人公が著者と出会うっていうのもよくある話。
あ、筒井康隆の新作もそれだった。
もっともあれはわけがわからなかったが・・・。

税金の取立てしか能のなかったウィルが、クッキー屋のマギー・ギレンホールと恋に落ちていく様子は微笑ましく、かなり上質のラブコメだ。
ウィルはなんとか彼を主人公とする作家を探し当て、自分を殺さないように訴える。しかし、彼の死でしか完結しえなかった小説はついにエンディングを迎えるのだった。

ダスティン・ホフマンは出てくるだけで場を支配するオーラに溢れてるよなあ。凄い役者だ。
ダスティン・ホフマンとウィルの会話はなんとも哲学的で、聞いていて心地よい。死について語る言葉がこれほど素直に心に入ってくるもの珍しいかもしれない。

ま、いい映画でした。
ウィル・フェレルはこういう映画のほうがいいんじゃないのか。

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2007年05月27日

サンキュー・スモーキング−(映画:2007年62本目)−

サンキュースモーキング1サンキュ−スモーキング2
監督:ジェイソン・ライトマン  
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト

評価:91点

公式サイト

(ネタバレあります)
いやはや面白い。
爽快なアクションはなく、涙する感動的な場面もない。
ドキドキするスリルに満ちているわけでもなく(一回だけ誘拐されたけど)、爆笑するコントが繰り広げられるわけでもない。
でも、面白い。
簡単に言うと、見る人の知的好奇心をくすぐりまくる映画なのだ。
だからなんだろうか、大概のブログではこの映画のことを褒めている。
映画ファンを自認し、自分はちょっとしたインテリだと思ってる人間をひきつけるフェロモンを出す映画なのだ。
この映画を褒めた瞬間に、主人公であるタバコ研究アカデミー広報担当のニック・ネイラーの話術にハマってしまったようなものである。
(独断と偏見による分析です。ご容赦を)

だからと言って、この映画がまがい物であるなんて言うつもりはまったくない。
理屈をこねくり回し論点をすり替えながら、人間にとって「毒」でしかないタバコを擁護する様子は実に面白く、ブラックでありながらも切れ味の鋭いジョークの数々には思わずにやけてしまう。
不謹慎さを感じながらも思わず笑ってしまうときの、背徳の快感がたっぷり味わえるのだ。

映画の中では、アルコール業界の広報担当、ポリー(マリア・ベロ)と銃業界の広報担当、ボビー(デヴィッド・コークナー)とニックの3人が集まって飲んでいる場面が何度も出てくる。
ここは最高に楽しい。
放送コードギリギリのいく自虐的なギャグのやりとりはたまらんほどだ。

映画の中ではただの1回も喫煙シーンが出てこない。
主人公がタバコ会社のPRマンであったとしても、喫煙を進めたり擁護する映画ではないのだ。その証拠に最後はあっさりとPRマンを辞めてしまう。
このオチはちょっと真面目すぎたかなとも思う。

息子が仕事に対する父親の姿勢を尊敬し、父親の話術を盗みながら成長していく様子にも思わずニンマリしてしまった。
実際に自分の息子があんなクソ生意気だったらちょっと困ってしまうけど・・・。
全て、結局は自己責任。正しいかどうかはともかく、それもひとつの考え方。

久しぶりのロブ・ロウに思わずうれしくなったり。
やられ役の上院議員を演じているウィリアム・H・メイシーを見て、なぜかこの情けないおっさんはいつも気になるなと思ったり。
ケイティ・ホームズを見て、絶対にニコールキッドマンのほうが素敵じゃないかとトム・クルーズにけちをつけたり。
そんなこんなであっというまの90分。
素敵な映画です。
あ、オープニングかわいくていい感じです。

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2007年05月26日

スネーク・フライト−(映画:2007年60本目)−

スネーク1スネーク2
監督:デヴィッド・エリス
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス

評価:78点

公式サイト

(ネタバレあります)
むせ返るようなB級の香り。
これでもか、と繰り返されるパターン化された展開と、次々と出てくるステレオタイプな登場人物たち。
狙っているとしか思えず、その安っぽさには思わずにんまりしてしまう。

ただし、「飛行機にヘビ」というとんでもないシチュエーションはおそらく初めてで、この馬鹿馬鹿しくも斬新なアイデアが、B級映画の中で見事に活かされているのだ。
なんとも不思議な、でも面白い映画だった。

ハワイでマフィアの殺しの現場を目撃したショーンは、ボスのキムから命を狙われる立場になってしまう。
FBIのフリンによって命を助けられたショーンは、フリンの護衛の下飛行機でロスに向かい、キムの殺人を証言することになった。
キムは、ショーンとフリンが乗り込む飛行機を突き止め、そこに数千匹の毒蛇を積み込んで飛行機をパニックに落としいれて事故による墜落に見せようとしたのだった。

最初の3分の1はチンタラとした登場人物説明。
しかしこれが結構面白い。
そんなやつらいねえよ!という突っ込みを入れまくりたくなるようなステレオタイプの奴ばかり。
ひたすらに傲慢なスーツ姿のオッサン、小さい犬を連れたちょっとおばかなネエチャン、子供だけで始めて旅行する小さな兄弟、エロエロカップル、メタボ400%のオバハン、チンピラ上がりの歌手、などなど。
フライト・アテンダントだってなんだか強烈・・・。

途中でやっとヘビ登場。
ここからは一気にパニックムービーになって最後までドタバタで突っ走る。
まあ、なんでもありです。
でっかいニシキヘビまでだすなよな。
あんなもん機内のどこに隠れていたんだろう。
おっさんを頭から食っていたし・・・。

飛行機に穴を開けてヘビをどんどん機体の外に吹っ飛ばしていたときに、きちんとそのニシキヘビっぽいでっかいのが飛んでいったのはちょっとうれしかった。

まあ、リアリティのかけらもない映画だが、逆にちょっとでも「これはできそうだ」なんて思わせるハイジャックやテロの映画は逆にまずいのかもね。
ほんとにやる奴が出てくるかもしれないから。
飛行機にヘビなんて誰もやらないだろうし、ランの花で、フェロモンで云々っていうのもなんとも嘘くさい。

ま、楽しかったからいいか。
それにしてもサミュエルが出るような映画なのか?

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2007年05月13日

スパイダーマン3−(映画:2007年55本目)−

spiderman1spiderman2
監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイヤ、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、トファー・グレイス、ローズマリー・ハリス、J・K・シモンズ

評価:80点

(ネタバレあります)
ついに出たかブラックスパイダーマン!
どれだけ強いんだブラックスパイダーマン!
本物スパイダーマンは果たして勝てるのか!
などと勝手に勘違いしていた。
そうか、トビー・マグワイヤが悪の心を持ってしまったときに変身するのがブラック・スパイダーマンだったのか。

その活躍が認知され、人々のヒーローとなったスパイダーマン。
今回のピーターは調子に乗って奢り高ぶり、仕事で傷つき癒しを求めていたMJの気持ちにも気づかず、さらにはスパイダーマンとの戦いで脳震盪を起こして一時的にピーターの親友に戻っていたハリーの策略にもはまって、次第に自分を見失っていく。
MJにプロポーズして幸せになろうとしていたのに、掛け違えたボタンはいつまでも元に戻らず、ついでにサンドマンだとかヴェノムだとかややこしい強敵が次々と現れて、スパイダーマン(ピーター)は公私共に(スパイダーマンが公か?それは知らんが)窮地に追い込まれていく。

復讐は是か否か、という重ためのテーマを扱って、登場人物たちの葛藤もきちんと描いているところはさすがで、シリーズが人気を保っているのがわかるような気がする。
父の死に対する誤解を理解したハリーが、最後にスパイダーマンに助太刀するシーンは胸が熱くなる。
どうして死ななきゃならないんだ、ハリー。
なんとかあそこは丸く収まらなかったのか、ううう。
さらにサンドマンのラストも切ない。
そうだったのか、そうだよな。悪人には見えない佇まいだったもの、サンドマン。娘さんは助かったのかなあ。

アクションシーンのスピード感、スケールの大きさはさらに威力を増していて、見ていて目が回ってくる感覚は変わらない。
いつもビルの谷間を飛び回っているうちに目で追うことができなくなってしまうのだけれど。
俺も歳じゃ。

それにしてもあの変な虫はいったいなんだったんだろう。
次回作で大量に地球に飛来するというのはどうだろうか。
スパイダーマン、大ピンチ。
そこでスパイダーマンの兄弟が登場するのだ。
帰ってきたスパイダーマン、とか。スパイダーマンV3とか。

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2007年04月25日

幸せになる彼氏の選び方 〜負け犬な私の恋愛日記〜−(映画:2007年52本目)−

彼氏1彼氏2
監督:ジョン・シャーマン
出演:モニカ・ポッター、ジョン・ハナー、ガエル・ガルシア・ベルナル、ヘンリー・トーマス

評価:70点

(ネタバレあります)
ニューヨークで雑誌記者をしているルーシー(モニカ・ポッター)は、付き合っている男に振られてしまった。(ありえない振られ方だったけど・・・)
落ち込むルーシーに姉がブラインド・デートの相手を次々と紹介する。
結局ルーシーは5人の相手と付き合い、1年後にそのうちのひとりと結婚することになるのだ。
この5人との付き合いは重なっているわけではない。(5股はもちろん、2股もかけてはいない、ん、結局かけていたことになるのか?)
しかし、映像は5人との初めてのデートの様子を順番に映していくので、最初は全て同時進行恋愛なのかと思ってしまった。
それはいくらんなでも無理だよなあ。

デートの相手は、昆虫学者ダグ(ジョン・ハナー)、脚本家ガブリエル(ガエル・ガルシア・ベルナル)、元大リーガーのボビー(アンソニー・ラパグリア)、パソコンショップ経営のバリー(ヘンリー・トーマス)、医師のルーク(デヴィッド・ボレアナズ)。
よくもまあこれだけバラエティに富んだ相手を見つけてくるものだ。
実はお姉さんが凄いんじゃないのだろうか。

5人と会っているときのルーシーは、それぞれ服装も髪型も化粧も全然違っていて、まるで違う人のようにさえ見える。
といっても基本的にはジュリア・ロバーツ顔なんだけどね。

ヘンリー・トーマスって、ETのあの少年だったのか。
それはなんだか衝撃的な事実だ。
ガエル・ガルシア・ベルナルは、モーター・サイクル・ダイアリーズに出ていたが、日本では結構ファンが多いらしい。
他に何か映画に出ていたかなあ。

きわめてオーソドックスな選択をしてくれたルーシーにはホッとするが、それではあまりに盛り上がりに欠けないだろうか。
時系列を複雑にして、見る人をちょっと混乱させただけ。
その程度では魅力度の向上にはつながらないと思うのだ。

モニカ・ポッターがかわいかったから70点。そうでなければ45点がいいところじゃ。

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