野分あと・吉備路

吉備路の国分寺の五重塔と古代米です。
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円通寺の句碑・中塚一碧楼

山一つ 山二つ 三つ 夏空    
  中塚一碧楼
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円通寺の句碑/良寛さんの辞世の句碑

玉島の円通寺に良寛さんの辞世の句碑があります。
「裏を見せ表を見せて散るもみじ  良寛」
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MMKの俳句感想(2017・9)

     

西日本では、八月は暑い暑い夏でした。それにしても、世界中の異常気象のニュースや、耳目を驚かす人の世の事件事故のニュースに、言葉を失います。
九月に入り、徳島では、やっと、朝夕の風にほんの少しの涼しさを感じることができました。

さて、私達としては毎回のことですが、自分の句には「何でこんなしんどい句しか作れないんだろう」と恥じています。それを棚に上げて、今月も皆さんの句の感想を三人で話し合いました。

雁瘡剥ぐ身の断片を捨つるかに    智行さん

そうそう、子供の頃よくやりました。治りかけたら剥ぎまた治りかけたら剥ぎ、なかなか治りませんでした。身を削ってでも削ぎ落としたい痒さ!!

「雁瘡」(がんそう、がんがさ)は、冬期乾燥性皮膚疾患。「雁の来る頃発症し雁が去る頃治る頑固な湿疹だそうです。今は、聞き慣れない言葉ですが、こういう言葉が季語と言うのも、面白いですね。アトピー性皮膚炎とは違うのでしょうね。

話は逸れますが、アトピー性皮膚炎と思われる子どもが目につき出したのは、昭和四十年頃からかしら。その後、高校生や大学生になってもアトピー性皮膚炎だなあ、大きくなっても治っていないのだなあと解る人が増えていった時期がありましたね。
今はよく効く薬ができているのでしょう。

私は、「雁瘡」を、自分の身についた悪癖や汚点と解釈したけど?深読みだね。

日常はつぎはぎの俳こぼれ萩   智行さん

智行さんには「つぎはぎ」と言い「こぼれ」と言いする「俳」の「俳句」でしょうが、私たちからすると羨ましい限りですよね。そうよね。私たちは、たとえ継ぎ接ぎのぼろぼろのようなものであろうと、まずは「俳句のは」が出て来なくて悩んでいますからね。

調子良き鋏の音や今朝の秋      八重子さん

鋏みの音に涼しさを感じました。「調子良き」がいい表現ですね。立秋を迎え、昨日とは違う爽やかさ、気分良く働いている姿が見えて来ます。

生け花でしょうか、農作業でしょうか、鼻歌でも出てきそうな感じですね。

峡の田の血脈のごとき落とし水  八重子さん

「血脈のごとき」に、山峡の稲作に対する作者の思い入れを読み取ることのできる句です。代々受け継いだ田、大切に育てた稲、そして今稲の刈り入れのための水を抜く。農業を守り続けるのも大変でしょうね。

誰よりも速くラムネを飲みにけり    紳介さん

けりで言い切ってます。はやく飲み干したことが誇らしげでもあります。ラムネを速く飲むのは結構難しいからね。私の町運動会では「ラムネの速飲み競争」があります。実は、私も出たことがあります。一気には飲めなくて、泡を噴きました。

かき氷食べ切る恐るべき速さ   紳介さん

前のラムネの句は作者自身のことと解釈しましたが、この句は見た句なのでしょうね。凄いスピードで食べ切ったのは、それほど暑くて喉が渇いていたか、若さゆえか、美味しかったか。それに引き比べ、自分の手元のかき氷は未だ食べ出したばかりなのでしょう。かき氷を食べた速さが句になるのは面白いですね。

萩こぼれ九重連山かげりなし   瞳子さん

由布岳を脊山としたる芒の穂   瞳子さん

二句共に、九州の地名を詠み込んでいます。私は湯布院から阿蘇へドライブしたことがあります。由布岳は湯布院の何処からでも見える山です。山裾は芒が原。その中に踏み分けられた一本道があって、登ろうと思えば簡単に登れそうな山でした。でも、登りませんでした。一方、九重連山は1700メートル級の山々で、簡単には登れそうにありません。連山の眺めは素晴らしいとのことですが行ったことはありません。地名など固有名詞を使った句は、時に観光のキャッチフレーズかと思うような句がありますが、瞳子さんの句は、さすが「かげりなし」「「脊山としたる」に、俳句としての言葉の力を示しています。

墓参り何が何でも行くと言ふ   順子さん

「送り火や亡夫を語り泣き笑ひ」の句に見られるように、ご主人を亡くされました。私の友人にもご主人を亡くされ、毎朝、墓参りをする人がいます。最近、県外の孫娘が帰ってきて「何が何でもついて行く」と早朝にも拘わらず一緒に墓参りをしたそうです。友人曰く「あの世とこの世がどう繋がっているか解らない。ただ、先祖があって自分たち子孫が存在することだけは厳然たる事実だ。だから、そちらで穏やかにお過ごしください。有り難うございますと祈る」と

甲子園全球場が汗になり     順子さん
見ました。見ました。夏の全国高校野球の試合。まさに「全球場が汗に」なりました。テレビを見ている私たちも汗、汗・・

曲がるたび風新しき路地晩夏      加代さん

私は今まで、人家の間の狭い道路(路地)に入って行くことは少なかったのですが、町内会の仕事を引き受けてから、こんな所にこんな道があるんだと知ることになりました。それぞれの路地にはそこに住んでいる人の生活が見えて、それぞれ趣があっておもしろいものです。現在、町中の路地は様変わりしつつありますね。少しずつ秋が近づいてきますね。
触れ合つてこぼるる一枝軒の萩   加代さん

路地の話のつづきになりますが、高い生け垣を巡らせて、路地奥に女性一人が住んでいます。最近、その家の側を通ると何かが戦ぐ気配して、目の前に萩の花が一つ落ちました。見上げると萩の一枝が軒端から垣を乗り越えているのです。こんな所にと意外な感じでしたよ。

零れ種空き地の紫蘇の青々と      眞知子さん

青紫蘇(大葉)ですね。青紫蘇は結構逞しく、雑草化(?)して、毎年同じ場所に出てきます。 薬味はもちろん、油炒めでも何の料理にでも使えます。
私の庭にも毎年たくさん生えるので、今年は、煮出して青紫蘇ジュースにしてみました。味はイマイチで、色も香も味も赤紫蘇ジュースにはとうてい及びません。なお、赤紫蘇ジュースの作り方はとても簡単で、煮出して砂糖を加え、最後に酢を加えるだけです。
秋彼岸お萩の甘さ加減して    眞知子さん

仏前に供えるお萩(牡丹餅、あんころ餅とも)、故人を偲び、故人の好みに合わせた甘さ加減にしているという、いい句ですね。私は、今回の眞知子さんの句の中で一番すきです。

みどり児を青田の風の触れていく   千秋さん

幸せいっぱいですねえ。みどり児と青田風の取り合わせによって、この子がすくすくと成長するであろうことを象徴していますね。「名は幸乃子は父となる御来迎」の句がありますが、お孫さんが生まれ、息子さんが父親になられたのですね。

方丈に籠もる墨の香秋の夜    千秋さん

秋の夜長に、方丈(約四畳半)の部屋で、書き物をしているのでしょうか。それとも新しい書を拡げて鑑賞しているのでしょうか。澄んだ秋の夜の空気と墨の香ですね。「籠もる」ですから随分強く匂うのでしょう。

野仏に傘さしかけて萩の雨    恭子さん

日本にはたくさんの野仏があります。お地蔵さんが多いようです。そして六地蔵さんに雪で冷たかろうと笠を被せた話や石仏に衣服を着せる話もありますね。そこには日本人の優しさや思いやりの心を感じます。外国にも、日本と同じように、石仏や神像に、寒かろう暑かろうと思いやる行動をとることがあるのでしょうか。

秋嶺のこころゆくまで明けの色  恭子さん
爽やかな空気、秋の嶺嶺に明けてゆく東の空の朱の色。「心ゆくまで」は、自然との一体感を表した言葉なのでしょう。

高瀬舟通ひし水路破芭蕉     泰子さん

高瀬舟は川舟のことですね。動画では見かけますが、今は保津川下りなど観光用に用いる位なのでしょう。泰子さんの岡山では、昔、高梁川を高瀬舟が通ったと聞いています。以前、泰子さんが「木偶」に、高梁川の紀行文を出されていましたね?渡しのあった辺りも様変わりしているのでしょう。私はカラオケで「高瀬舟」を下手に歌っていますよ。
はらはらと風を零して萩の花  泰子さん

「紳」さんのコメント通り「風を零して」という視点に感動です。同じ情景を見て、どう表現するか、それが作句の力なのでしょうね。「視点を変える」と言うことを学びました。
今月は三人のおしゃべりで、俳句感想にさせて戴きました。私たち「俳句開眼」したいのですが、なかなか・・・頑張ります。ごきげんよう。

 

 

Akiakiの「MMKの俳句鑑賞」2017・9

 

AkiakiのMMKの俳句鑑賞  

皆様お元気ですか。いつも様々なブログを楽しませていただいています。本当にありがとうございます。先日栃木も、Jアラートがけたたましく鳴りました。何事かと思いましたら、北朝鮮のミサイルでした。それにしてもすごい音でした。どうしていいか分からず、部屋の奥に小さくなりながら、テレビを見ていました。戦争を直接知らないのですが、戦争を連想する音でした。

「木偶の会」の今月の兼題は、「萩」。

日常はつぎはぎの俳こぼれ萩  智行

いつも柔軟で、季語とすれすれで重ねている俳句には、脱帽です。私は、今回もつぎはぎの俳であり、鑑賞です。

 

岩城眉女さん

跳ねつるべ残る仕舞た屋萩こぼる

 跳ねつるべ井戸が今も残っているのに心を止め、さらにその趣のある家に萩の花がこぼれている。この萩は、赤でも白でもいい。

ゆで玉子回して立てる震災忌

 震災忌と、ゆで卵の取り合わせが。ゆで卵は、庶民の食べ物で、なつかしい思いのする食べ物。震災忌が立ち上がってきた。

ブロックサイン盗め残暑の甲子園

 今年も高校野球熱戦でした。勝つために一年中苦しい練習をする。それでも勝てない高校がほとんど。甲子園に行けるのは、ラッキー。何でもできることはやる。そんな思いが伝わってくる。

座り込む踊りの後の背の丸み

背筋を伸ばして踊り、疲れたために反動の姿勢。上手く対比させている

松村公美子さん

萩の茶屋青石伝いに通さるる

 萩の茶屋で奥ゆかしいお店が分かり、青石の青と、萩のみどりと視覚を使い落ち着きを感じさせる。こんなお店で何を食べたのかとか、どんな話をしたのかと様々な想像が広がる。

三日月の先を離るる翼の灯

飛行機からの眺めでしょう。三日月は、神秘的で人恋しさを感じさせられる。旅に行くのか、目的はわからないが、家を離れる寂しさは、強く感じさせられる。この句も月の赤みを帯びた金と、翼に灯る人工的な金の重なりから離れまで、見事な技巧を感じた。

満月や村に外灯一つきり

 私の家も田舎。満月の明るさがありがたいこんな村。昼間は、隣近所の人と話もするだろうが、薄暗くなるともう人も通らない。そんな生活が良く見える。真っ暗な村のたった一つの灯りが印象的。

新居三和さん

萩叢に隠れん坊の子供達

 萩でこんなに無邪気な俳句ができる。意外性があって素晴らしいと思った。

一灯を立てて舟ゆく月の雨

月の雨は、雨の十五夜。満月を待つ私達には本当に残念に思う夜。そんな夜に小さい船が出て行くのだ。小さな灯が、ぼーとかすみながら海に出て行く。妙に心に残る句だった。

初風やぷるんとプリンひとすくい

 三和さんは素晴らしい季語をたくさん知っていらっしゃる。私は、歳時記をくることが多い。初風も秋の初風。プリンとぷるんと涼風の取り合わせが絶妙。本当に勉強しているんですね。

世の中は風の吹くまま猫じゃらし

 上57が、猫じゃらしの季語に上手く重なり合い、本当にそうねと納得してしまう。

現世の休耕田に古代蓮

 今と古代。休耕田と使われ生かされている田。この句も良い意味で計算された素晴らしい句。これだけ隙なく作れる力に敬服。

                           Akiaki

 


第6回しらさぎ句会

    

第6回しらさぎ句会報告  兼題「夜長」

 今回から兼題を設けてみました。兼題は、順番に各月出してもらう。今回は、「夜長」です。初心者なので、季語の説明をしました。

「夜長」 秋

秋の夜の長いことをいいます。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり気分的にも、夜の長さが身にしみます。春の「日永」に対応する季語です。

「秋の夜」秋・秋夜・夜半の秋

夜が少しずつ長くなり、静かな感じになります。外は、月が昇り、虫が鳴いて、秋が来た感じがします。落ち着いて夜の時間を楽しめます。

「夜の秋」 夏

この季語は、夏です。夏の終り頃、夜になると涼しく何となく秋めいた感じのすることがあります。立秋も近く去りゆく夏に一抹の寂しさを感じたりしたときの季語です。

  会員の俳句

 障子開けぼうじぼう恋ふ夜長かな  和彦

(ぼうじぼうは、虫追い行事の別名)

刺身買い親父もてなす秋の宵  俊雄

長き夜の爪切る夫の背中かな  眞知子

傍らに刺し子針刺し長き夜  みどり

大曲(おおまがり)花火夜空に咲かす万の華  廣信

穏やかになりし寝顔や日焼けの子  千秋
      

微妙なニュアンスを持つ季語に関心を持つ大切さを確認しました。千秋

 

H29年9月のお題「萩」の俳句あれこれ


                  

  谷口智行

日常はつぎはぎの俳こぼれ萩

白萩にねぢるる風は白ならず

  野中千秋

白萩の重きのままに活けられて

師の恩はありがたきもの萩の花

   山田紳介

子供等は走って行けり萩の花

海へ出る別れ道なり萩の花

  岩城眉女

牛小屋の今は物置乱れ萩

跳ねつるべ残る仕舞た屋萩こぼる

 池端順子

又の名を萩の寺てふ寺に萩

萩一粒咲いて季節の入れ替る

  堀瞳子

萩こぼれ九重連山かげりなし

山高く星を戴き萩の寺

  佐藤八重子

祝ぎ事と葬の重なる萩の寺

小流れに白萩の散る裏参道

     坂東恭子

山裾の萩の径かな山気かな

野仏に傘さしかけて萩の雨

  松村公美子

萩の茶屋青石伝いに通さるる

お座敷へ萩の簪京舞妓

  新居三和

萩叢に隠れん坊の子供達

雨催い磴狭まりし萩の寺

  髙下眞知子

秋彼岸お萩の甘さ加減して

白萩の枝垂れしだれて触れにけり

  安藤加代

山萩のこぼれて風を呼びにけり

触れ合うてこぼるる一枝軒の萩

  工藤泰子

はらはらと風を零して萩の花

盆栽の屋久島萩の花溢る
 
           
 

 

 


谷口智行の句(H29年9月)

好きでない人に見られて踊りけり

雁瘡剥ぐ身の断片を捨つるかに

青檸檬放つておけばレモン色

歌女鳴いてゐるルルルともラララとも

林檎むく少女の顔はすでに母 



佐藤八重子の句(H29年9月)

調子良き鋏の音や今朝の秋

星飛ぶや天女の心変わりかも

峡の田の血脈のごとき落とし水

出勤のごとく現れ稲雀

新松子投句箱ある札所寺

山田紳介の句(H29年9月)

歌う時は少女のやうに夏の雲

誰よりも速くラムネを飲みにけり

大夕立このまま終はらざる如く

かき氷食べ切る恐るべき速さ

何となく蟻多くゐる真昼時

堀瞳子の句(H29年9月)

健康に痩せ豊年の土踏まず

日向より豊後へせめぎ野分雲

由布岳を背山としたる芒の穂

何事もなきが幸せ月見豆

古酒や豊後一なる山降りて

岩城眉女の句(H29年9月)

帰省子を見送る駅や赤とんぼ

ゆで玉子回して立てる震災忌

ブロックサイン盗め残暑の甲子園

座り込む踊りの後の背の丸み

土乗せる手捻り轆轤台風裡

池端順子の句(H29年9月)

送り火や亡夫を語り泣き笑ひ

墓参り何が何でも行くと言ふ

甲子園全球場が汗になり

爽やかや語る球児は怪物くん

優勝校準優勝校天高し

安藤加代の句(H29年9月)

曲がるたび風新しき路地晩夏

堰越ゆる水の迅さも秋はじめ

きちきちと鳴いて(なぞえ)を越えにけり

池の藻へいくたび触るる川とんぼ

フェリー発つ水脈に晩夏の風のこり

坂東恭子の句(H29年9月)

雑草に深入りしたり汗滂沱

朝顔の真っ紅や朝未来

秋麗の心ゆくまで明けの色

まざまざと祖の語り部盆供養

おびえつつ過る辻堂虫時雨

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