大山名人記念館

倉敷出身の棋士・大山康晴十五世名人の記念館です。下の建物は倉敷芸文館で、劇などのイベントがあります。蔵の町の景観です。DSC_2708DSC_2711

その時、俳句手帳(運河7月号より)

    

その時、俳句手帳

 「木石に手を触れ」   茨木和生

 師の右城暮石先生から、作句への思いが昂っていると、寝付かれないでいるときや夢うつつの中で句ができることがあるから、枕元に鉛筆をおいておくとよいと聞いたことがあった。日吉館句会の時、西東三鬼さんと枕を並べて寝ることがあったが、真夜中に三鬼さんは懐中電灯の明かりで、枕元の紙に何かしら書いている。翌朝この句どうやというて見せてくれた。その一つに

頭悪き日やげんげ田に牛暴れ    三鬼

があったと覚えている。授かるという句かなと聞いたことがあった。

その樹下に鹿立つ夜の山桜    和生

 私は暮石師の教えに倣って、枕元に紙とマジックやペンや赤のボールペンを置いて寝ているが、紙を忘れていたときに、テッシュペーパーの箱に書いていたのが句集「真鳥」に収めているこの句である。夢中吟であったと思い出す。別の夜だったと思うが、同じ箱の裏に、赤のボールペンで書いた二句がある。

その空に花吹き上げて屏風岩   和生

月明を雪走り来て山桜       〃

 かって見た景を思い遣って句を作ったのかも知れない。私は季語の現場に立つために、句帳を持って吟行に出る。作句は現場で作品の形に仕上げる。しかし今、手元にある句帳は5冊に満たない。家庭ごみと一緒に出して焼却処分しているからである。これまで収集した句帳や軸、色紙、短冊はたかすみ文庫、詩歌文学館に寄贈している。二人の息子から何も残さないでほしいと言われているからである。

自然が持つ秘密、その秘密に触れなければならない。

     松野靑々のことばより

  (「俳句四季」2017年6月号より転載)


俳句四季新人賞2017

涼野海音さんが「俳句四季新人賞」を受賞されました。作品30句と写真です。

5回俳句四季新人賞

 「天へ発つ」涼野海音

あたたかや畳に拾ふ貝ぼたん

紅梅につめたき顔を上げにけり

野遊の途中に開く手帳かな

屋上に一人のバレンタインデー

日曜は手帳開かずチューリップ

踏青のみな太宰より若きかな

滝水のひかりが胸に移りたる

空蝉や少年院へつづく道

大使館より白靴の出てきたる

日輪のかすかに暗し青芒

起し絵の幼帝に日の差しにけり

夏至の日の昆虫館のしづかなる

箱庭の真ん中に置く一樹かな

滴りのまはりの音の消えにけり

東京の地図に雨粒星祭

口笛は雲へとどかず秋澄めり

記念樹に傷ひとつあり鳥渡る

秋草のにほひの手紙届きたる

登高や亡き人の句をつぶやいて

秋の野のひかりに開く聖書かな

別れたる日のどんぐりのあたたかき

にごりなき川に沿ひゆく七五三

夕焚火イエスに似たる男立つ

手袋をはめてまぶしき街に入る

撃たれたる狐の眼にござらる

トランクに傷あまたあり冬

尾道の港に年を惜しみけり

革靴の先に海あり大旦

初旅や雲かがやいて雲の中

読初の銀河鉄道天へ発つ


dsc_0097しゅうごうしゃしん俳句四季dsc_0072UMINO酸と高橋睦郎  




MMK俳句感想 (2017・7) 

     

氷砂糖に漬けておいた梅、梅シロップ、待っていてくれる人がいて、もう貰われていきました。五倍程度に薄めると美味しくて、熱中症対策としての水分補給にいいと好評です。7月はMMKの鼎談(と言う程でもありませんが)で、感想を書きました。
智行さん
梅の実の獣臭きを収穫す

「物心ついた日から梅の匂いを感じて生きて来ました。あの甘酸っぱい匂いを獣臭と表現した人は初めてです。凄いです」(M)「収穫するのだからこの梅は熟れているんでしょうね。私は、熟れた梅の匂いが大好きです。良い匂いのシロップを作りたいと思うのですが、柔らかくなると潰れ易いから漬けるのには適さないね」(M)「『獣臭き』がどういう臭さか分からないけれど、成熟したものの持つにおいを感覚的に表現しているのでしょうか。何だか、野性的でエロチックな句とも」(K)

瞳子さん

いかづちの光れば座り鳴れば伏す

「よく分かります。子供の頃を思い出します。」(M)「そうそう、雷は高いものに落ちると言われ身をかがめましたね」(K)「私は小さい頃、雷が川に落ちるのを見ました。その川面に火が一つあったので、あれは何かと父に尋ねると、今落ちた雷様だと言われて、それを信じました。今思えば漁り火でした」(M)

紳介さん

動かざるものの如くに夏の蝶

「山でなくて蝶でしたか」(M)「本来の蝶は『風の中の羽根のような』軽い存在です。作者は、どんなことがあっても動じないかのような蝶を見て、根性のある蝶だと思ったのかどうか?ともかくじっと見詰める作者と蝶、蝶の存在がクローズアップされた句ですね」(K)

敏之さん

磯ものとひとつくくりにして呼べり

「磯の岩などについている小さな貝類はそれぞれに名前があるのですが、一括りにして磯ものと言いますよね。私などは、子どもの頃泳ぎに行ったついでに、許可などいらないから自由にとってきて、茹でて貰って、針先で蓋を除け、くるりと身を出して食べましたよ。子どもたちは、磯ものを、確か『ごんぼ』(『がんが』だったかな?)と呼んでいました。栄螺や鮑などと違って、取るに足りないものは、個々の名前で呼んでもらえません。」(M)「最近では、磯ものを商品として売り出していると聞きましたよ。『呼べり』は『売りぬ』などとしてはいけないかなあ」(K)

八重子さん

大昼寝あの世この世を行き来して

「あの世へ行った夢をみたのでしょうかね。夢なら何処へでも行けますからね」(K)「行ったことのないあの世の夢を見るなどと、不思議な夢ですね。危篤状態から回復した人が、あの世へ行こうとした時、まだ死ぬにははやいから帰れと言われて、帰ったと言う話を私は聞いたことがありますよ」(M)「夢ならロマンチックな夢か、でっかい夢か、愉快な夢が見たいね。私はまだあの世へ行きたくないしね・・」(M)
恭子さん

太陽が笑いころげて海開き

「『太陽が笑いころげて』と言う表現は、なかなか思い付かないね。夏の、海の、砂浜の、子供らの、海開きの高揚感が感じられる句ですね」(MMK)
加代さん

山清水ささやくやうに流れけり

「山清水ならではのささやきですね」(M)
順子さん

宝ジェンヌ配る知事選団扇かな

「宝ジェンヌが選挙の応援するんですか?」(M)「宝塚ならではの選挙風景なのでしょう。この団扇は特定の候補者名を書いたものではなく、投票に行きましょうと書いてあるのでしょうね。特定の候補者を応援などしたものなら、対立候補から宝塚歌劇をもう見ないぞと言われるものね」(K)「そうそう、以前、選挙中に団扇を配って問題になった国会議員がいましたね」(M)

眞知子さん

もてなしは地酒と鮎と鬼怒川の風

「何も言う事無し、最高の川遊び!」(M)「下七音になると、だらりとしてる感じですね?」(K)「いつきさんではないけれど添削してもいいかなあ?例えば、1,「おもてなし」という説明は省略する。2,語順を変える。『鬼怒川の風と地酒と鮎料理』・・・なんてどうかしら?眞知子さん」(M)

千秋さん

夕顔を剥くきしきしと人を恋ふ

「この句にたいして私たちMMKは何にもコメントしません。恋する女の心の内や身の置きようが、体験的に分かるから・・・」
泰子さん

夏雲を花のゴンドラかき回す

「かき回すが面白いと思います。かき回すと急に雨が振り出したりするかも知れません」(M)「お伽話の世界のようですね」(K)「ほら、以前「木偶」の泰子さんの写真で見た、山口フラワーランドの花のゴンドラのことですね。それにしても、子どもに読み聞かせたいような句ですね」(M)


地震や水害に遇われた方たちのことを思うと言葉も失います。どうかこの困難を乗り切ってください。皆様のご健康をお祈りいたします。
             



SKYのMMKの俳句感想(2017・7)

のMMKの俳句感想  

MMKさんが自分たちの俳句を自分で鑑賞するのも何だから・・てなわけで、もろもろ・いろいろ・うろうろの一句鑑賞をしてみました。

岩城眉女さん

屋上のプールサイドや夜の街

 屋上のプールサイドの意味が、シンガポールのマリーナベイサンズホテルを知らなければ、判らないだろう。世界一高い天空プール・・夢のような光りの街!

src_10575683hoteru シンガポール


坂東恭子さん

遠花火俳諧絶妙感無量

この漢字ばかりのお経のような俳句を何と読むか?南無遠花火!南無俳諧!不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼無耳舌身意!感無量!

松村公美子さん

落ちてより楊梅の赤深めおり

やまももの実を食べたことがありますか?倉敷の阿智神社の階の途中の石畳が真っ赤に染まっていました。一度にたくさん熟れているからでしょうか?鳥も食べきれないほど、血塗られたような赤でした。手も服も赤く染まりそうです。“赤深めおり”

言い過ぎないで、読者に想像させていますね。

「ゼロから始める人の「俳句の学校」(清水潔・石寒太・・)を読んだのですが、「俳句は表に出さず、感動をせきとめて切ります」に留意しました。

世界短小詩は「ものを言わずに相手に感情を伝えなければなりません。」「沈黙に徹することです。」不自由な型を抵抗体にして、生かす・・・!ですね!

新居三和さん

連まんと蝶々ひらめく風の中

今の時代は、風評・風!などと目に見えない人々の動き・世評の動きを「風」と言います。蝶々ですら風に流され、風に煽られながらも・・逆風にめげず己の生を懸命に生きています。ひらめく・・は少し甘い言葉ですが、かえって共感を覚えました・・。

 

第4回しらさぎ句会報告

          

 暑くなってまいりました。北九州では大雨被害が出ています。栃木県は

幸いなことに割と災害の少ない県なので感謝しています。7月9日()4回目の句会が開かれました。少し報告をさせていただきます。

 まだ若い句会は、なかなか新鮮で面白いです。

 

前回は、ただ楽しかっただけですが、今回は少し「もやもや感」が残りました。

家に帰って、その理由を考えたのですが、不完全燃焼しているのだと思います。との感想を渕さんからいただきました。他人が添削するときには、丁寧に分かりやすくしなければいけないということを感じました。それはとても難しいことも。今回は、添削前の俳句を出しました。

 

今回の俳句

鷲ににて水面を飛ぶバタフライ      善紀

萩野公介(コウスケ)の泳ぎし水に深呼吸  眞知子

古希迎え高齢講義梅雨の空        俊雄

半額のシールに群れて夜光虫       和彦

半夏生母と連れ立ち遠道す        みどり

携帯に出てきたカエル用件は       昭子

道端の仙人掌(サボテン)の花(タクマ)しく         廣信

電光板見てスイマーの夏終る       千秋

 

今後の成長を期待してください。           千秋

 


鳥井保和主宰「星雲39号」


                   

鳥井保和主宰星雲39号を紹介します。

季節の一句帰省子に空のあをさを褒めらるる 鳥井保和 

第2句集「吃水」より

大学と就職の関係で、東京・大阪と日本を代表する大年でそれぞれ数年間生活した。

どちらの街にも良い所あり厄介な所あり、住んでみて初めてわかる事なども多々あった。

「住めば都」という言があるが、残念なことに、両都市を都だと思えた事は一度もなかった。

結構いい年齢となった今、それらの街にすんでみたらどうだろうか、また違った思いが起るだろうか。

句は平易を怖れぬ詠みっぷり。気取った美意識など微塵も感じさせない。

優しい句の中に透徹した感性、力強さを感じた。

花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

天狼集

海うらら出窓に飾る貝細工  鳥井保和

鉛筆は先師の形見鳥雲に    〃

第一句集「大峯」8・9 より
昭和63年※俳句を始め8年、9年目の作品である。前年の昭和63年に、第24回「天狼」コロナ賞を受賞して・・回りの態度も一変・・少しこそばゆい感じもあった。

月鉾の上空真の月懸かる

白息が漉きゐる紙にまでとどく

蜑(あま)の子の日焼漁師の父よりも

一村が神と繋がる祭注連

極星集 

山桜一枝を強く湖へ張る   小林邦子

春水へ鱗光らせ鯉走る   竹正與

中空に春曙の月白し     成千代子

縄電車花菜畑を出て来たり    澤禎宣
風光る池畔に老いの気功かな   園部知宏
方言に方言答ふ花の宴    岩本たき代

天星燦燦  鳥井保和選 

月に触れみ空に触れて梅ひらく  前田長徳

観梅に空の青さも称へたる   土江祥元

菜の花の風やあやせる乳母車  平岡妙子

満願の脂びかりの遍路杖    吉田捷子

涅槃哭く釈迦の足裏に額づきて  中川めぐ美

満身の力を角に牛合せ     加藤行惠

満開の桜長子に嫁来たる    天倉 都

梅東風や辻に傾く塞の神    新井たか志

寄り道をしつつ膨らむ春の水   小林永以子

寄居虫の石火の如く宿替へる  岡本 敬

古都霞み大寺の塔浮かびゐる  田島和子

母親の赤子抱く手に花一片  中嶋利夫

白魚の喉仏にて踊りをり    木下恵三

しあわせに生きて幸せ福寿草   小川望光子

 誓子の句碑巡り39 洲本市・洲本バスセンター北隣の小公園

船の笛南風の中にて洲本呼ぶ 誓子

黒南風の沖タンカーの投錨す  保和

星座探訪38より 柘植史子氏の星雲の俳句探訪 

プロフイール;俳人協会会員・「ふう」同人・句集「レノンの忌」・第60回角川俳句大賞受賞

 季節の作品 「歳月」より  

葉桜やわざとしくじる曲芸師  柘植史子

旅はじまる泉に双手浸けてより  〃

 天星集

太き割箸龍神の牡丹鍋  土江祥元     

龍神温泉で詠まれたのだろう。「太き割箸」が野趣に富んだこの料理の特色を見事に言い留めている。手元にある箸に焦点を絞ったことで、鍋を囲む人々の熱気がリアルに伝わってきて、賑やかな声も聞こえてくるようだ。「俳句は物に語らせよ」という鉄則を思い出させる句である。 

昴星集歩いても歩いてもまだ芒原  古谷とく    

     落葉敷く耳朶ふくよかに羅漢仏 池田邦子  

星雲集戸締りの手を止め仰ぐ冬の星  前田汐音

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行11 大上敬史

玉坂  (有田市宮原町畑白倉427)日本霊異記にいう玉坂の故事。

爪書地蔵 有田市宮原町畑616 南 爪書地蔵尊)

伏原の墓  (有田市宮原町道459南)

中将姫 得生寺有田市糸我町中番229得生寺 )

糸我峠市有田市糸我町中番 糸我峠) 

 身体の俳句39「教えること」 小川望光子(医療センター医師)

七夕やまだ指折つて句を作る 秋元不死男

小学校2年生の頃から城山トンネルを越えて自転車で鈴木のそろばん教室に通っていたので、計算するのは好きでした。・・今でも覚えているのは一から百までの足し算で・・・算数好きは高校まで・・解析概論で挫折し、今では数学物語的な本を読むのを楽しむだけ・・小川洋子の「博士の愛した数式」を愛読しています。(テレビで見ました、原作とは少し違っていました。博士を寺尾聡、杏子を深津絵里。恭子の息子を√(ルート)と名づけたり、江夏の背番号28の意味など・・面白かったです・・私は数学に弱いので、理解ができたわけではありません・・)

算術の少年しのび泣けり夏   西東三鬼

昴星燦燦   選後評  鳥井保和 

土蹴つて血走る眼牛角力 荒川くみ子

引く波に月影とどく桜貝 奥井志津

松原を舞台に三保の薪能 服部久美
春節の獅子舞の脚酔うてゐる 森本潤子        

 星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

  季節の作品 「当り散らして」より

昼顔はいつも視界の外に咲く     坂本登

かなぶんの当り散らして墜ちにけり    〃 

観賞/選    

まなうらの祖母や十能火消壺  前田汐音

一合の米研ぐ今朝の初炊き   岡本千恵子  


H29年7月のお題「俳」の句あれこれ

        

佐藤八重子

俳壇の漢も覗くあじさい忌

俳味ある鳴声交じる雨蛙

谷口智行

泥酔す八一九の日とは俳苦の日

本名和男俳号和生パナマ帽

池端順子

鉄斎の墨の涼しき俳画かな

芸能人の俳句合戦日雷

岩城眉女

俳聖の辿りし道や梅雨寒し

はみ出しておりぬ俳画のどて南瓜

山田紳介

梅雨空や俳句は定型守るべし

俳句とは短歌とは何ビール干す

坂東恭子

俳優(わざおぎ)の気分高まる夏神楽

遠花火俳諧絶妙感無量

堀瞳子

手習ひも俳画も一寸(ちょつと)金魚玉

ほととぎす俳家を訪ね行きたれば

松村公美子

俳号を贈られ百寿夏座敷

映像に生きる俳優夜の短

新居三和

俳諧に遠き句作る俄雨

七夕紙神へ願いの俳句書き

安藤加代

暑気払ひ俳人たるを忘じけり

黒南風や机上に俳書積み上げて

髙下眞知子

俳人の遠き足音蝉しぐれ

俳優の非凡なオーラ青蜥蜴

野中千秋

俳人のふりして夏の芭蕉の地

俳聖の歩きし径や雲の峰

中村敏之

俳友と呼べる少年夏立てり

俳句手帳最初の一行夏出水

工藤泰子

サングラスかけて擬革(ぎかく)の俳句帳

俳人なら鳴かせてみやうほととぎす
                   

 

谷口智行の句(H29年7月)

茶葉煎り揉み女性部会の解散す

梅雨晴にして川たぎつ海とよむ

梅雨の恋さらば五十の恋さらば

梅の実の獣臭きを収穫す

十薬や死んで腑分けをさるること

堀瞳子の句(H29年7月)

頻波の俄かに速しはたた神

軽雷の川面を小さき魚跳ねて

遠雷の思はぬ強さ熊野灘

托鉢の尼は動ぜず日雷

いかづちの光れば座り鳴れば伏せ

山田紳介の句(H29年7月)

飛ぶものと飛ばざるものと夏の森

二杯目のビールもすぐに干しにけり

友達の友達もゐて雲の峰

夏蝶がいちばん最後に現れて

動かざるものの如くに夏の蝶 

 

中村敏之の俳句(H29年7月)

磯ものとひとつくくりにして呼べり

路地裏のなじみの店の名の団扇

雨風に負けず継子の尻拭い

梅仕事終へたる母の手の匂ひ

昭和懐かしサイバーテロの梅雨晴れ間

松村公美子の句(H29年7月)

制服に(やま)(もも)の染み遅刻の子

夕立や手よりばらりとかりんとう

あうあうと背伸びする嬰夏座敷

落ちてより楊梅の赤深めおり

夕焼けのサーカス小屋の客まばら

佐藤八重子の句(H29年7月)

冷酒や煮干し三匹あれば良し

大昼寝あの世この世を行き来して

フルートの音色愛しき芙美子の忌

芙美子忌や乙女に戻り唄いけり

肩までも隠る女優の夏帽子

坂東恭子の句(H29年7月)

大空へ犇めく実梅枝ごとに

太陽が笑いころげて海開き

風蘭の岩根も潤む苔雫

一列に青田風背に登校す

路地狭し芭蕉の花にそぞろ雨

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