お知らせ

6月・みなづき・JUNE

 六月・みなづき・JUNE 

六月、皐月、花菖蒲、アイリス、グラジオラス、あやめ、杜若、著莪、一八短夜(みじかよ、明易し)、競馬(賀茂競馬、競べ馬、ダービー、勝馬、負馬)、花橘、蜜柑の花、朱欒の花、橙のの花、オリーブの花、柚の花、柿の花、紫陽花額の花、葵、紅の花、鈴蘭、入梅(梅雨に入る、ついり)、梅雨(つゆ、ばいう)、五月雨(さみだるる)、出水、五月闇、黒南風(白南風)、黴(黴の香、黴の宿)、苔の花、魚梁(やな)、鰻、鯰、濁り鮒、蟹(磯蟹、山蟹、川蟹、沢蟹)、蝸牛蛞蝓、蚯蚓、蝦蟇雨蛙、河鹿さくらんぼ、ゆすらうめ、杏、実梅(青梅)、紫蘇、辣韮、玉葱、枇杷、早苗、代田、田植、早乙女、植田、火取虫、アマリリス、ジギタリス、ベゴニア、蛍(源氏蛍、平家蛍、初蛍、蛍火・蛍合戦)、蛍狩、螢籠、蛭、田亀、源五郎、あめんぼう、目高、浮草水草の花、藻の花、藻刈、手長蝦、田草取、草取、夏の川、鮎(鮎釣り、鮎狩、鮎掛、鮎の宿)、鵜飼(鵜舟、鵜飼火、鵜篝、 鵜匠)、川狩(網打)、夜釣、夜焚釣堀、鰺、いさき、べら、虎魚、鯒、黒鯛(茅海、ちぬ釣)、鰹(鰹舟、鰹釣)、生節、青蘆、青すすき、葭切、翡翠、雪加、糸蜻蛉、蠅、蠅除、蠅叩、蜘蛛の囲(蜘蛛の巣)、ゲジゲジ、油虫、守宮、蟻、羽蟻、蟻地獄、蛆、ぼうふら蚊(蚊の声、蚊柱、泣く蚊)、蚤、蚊帳、蚊遣火(蚊遣、蚊火、蚊取線香)、蝙蝠、青桐、葉柳、南風(みなみ、大南風、南吹く、はえ)、青嵐、風薫(薫風)、白夜、夏至、老鶯、時鳥、閑古鳥、仏法僧、筒鳥、駒鳥、瑠璃鳥夏木、夏木立万緑、緑陰、木下闇、青葉、夏の蝶、夏野、夏草、草矢草茂る、夏蓬、夏薊、草刈、干草、昼顔、木苺、苺、蛇、蝮、百足虫、青芝、青蔦、ガーベラ、サルビア、虎尾草、孔雀草、釣鐘草、雪の下、蓼、若竹、竹の皮脱ぐ竹落葉、雹、水鶏、青鷺、五月晴、暑さ、夏衣、単衣、夏服、夏羽織、夏帽子、夏襟、夏帯、夏袴、青簾(葭簾、伊予簾、絵簾、玉 簾)、葦簀、葭戸、網戸、籐椅子夏暖簾、皐月富士  

 閑さ(しづか)や岩にしみ入る蝉の声  松尾芭蕉

 前回紹介した人類学者・中沢新一さんの「俳句の海に潜る」から引用します。この句はまさにアニミズムの極地でしょう。〈岩にしみ入る蝉の声〉と言うとき、蝉を流れるスピリットと岩を流れるスピリットが、相互貫入を起して染み込み合っています。それが〈閑さや〉というわけです。この立石寺という寺は、昔は死者の谷と言われたところです。山の中にはいっぱい横穴墳墓があって、あの地帯に住んでいたエゾ系の人々の埋葬地として使われていました。そこに立石寺というお寺が建てられた。お寺というのは先ず例外なく埋葬地に建てられるものでした。芭蕉にもその知識は十分にあったと思います。人間の体(骸むくろ)から自由に、つまり休止点から自由になって見えない流れに戻った霊が、しばらくの間はあの谷にうじゃうじゃ居るのです。・・・元禄当時ならそういう知識もまだ日本人の中に十分残っていましたし、立石寺のお坊さんであれば、そのことを怖いほどリアルにしゃべっただろうと思います。・・・今は観光バスが停まって開けた場所ですが、昔は一面の森に覆われた細い一本道をたどっていく場所です。・・人っ子一人いないような山道を、小一時間歩いて、ふっと見上げるとそこにお堂があらわれてくる。・・そんな世界・・・だから人間の体という容器から外に出て来たばかりの霊たちが、いっぱい群れ集まっている。そういうところに、土中から出てきたばかりの蝉が鳴くのです。そこには土中から立ち上がってきた岩もある。大地、岩、蝉、死者霊、それらすべてが相互貫入しあう世界。芭蕉は全感覚を開いてその全体運動を感知しています。そしてこの俳句が生れたこれは。とても凄まじいアニミズム俳句です

中沢さんの仕事はアースダイバーと言う。直訳すれば、大地(地球)に潜る人のことだが、思想的に潜る!と理解しよう。今回は「俳句の海に潜る」という切り口で「俳句が、言語の中でも特にメタファー(暗喩)の能力をフルに使う」ことと、アニミズムとの深い本質的なつながりに言及している。彼によると【詩は人類最初の芸術です。人類が生れたとき、詩も同時に発生したのではないかと思うのです・・脳の中に流動的知性が発生すると、今まで分れていたジャンル同士をつないでいく精神の運動がおこります。その能力が発生した瞬間に、根源的なアニミズムが同時に発生するのです】とある。

 ブラックベリーの花です。ほのかにピンクがさして 爽やかな花です。

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今月のお題は「尾」です。6月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。

           尾のあるもの?

中川めぐ美句集「葭切」

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中川めぐ美 句集「葭切」を紹介します。

滝壺は渾身で滝受けとめる

「もの」の本質を即物的に捉え、情景の空間を雄渾(ゆうこん)に詠う情趣は間然するところがない。まさに「景」と「情」が渾然とした「景情一如」の境地は深い。 「星雲」主宰 鳥井保和

プロフイール;中川めぐ美

昭和14年和歌山県生まれ

平成10年「圭」入会、津田清子に師事

平成23年「星雲」入会、鳥井保和に師事

平成24年「圭」終刊

平成26年「星雲」第6回昴星賞受賞、天星集同人

 俳句協会会員



平成10年より28年までの作品より465句を精選収録

津田清子の師は「七曜」の橋本多佳子、「天狼」の山口誓子であるから、作品の底流にあるめぐ美さんの作風にも清子の抒情性と誓子の知的構成の融合、所謂「即物具象」に「硬質の抒情」が感じられるのである。そして、この一巻を読み進めてゆくと、めぐ美さんの信念である現場主義の作品で貫かれているのが感得できるであろう。

鳥居保和 抄出

蝲蚯の痙攣しつつ脱皮せる

蒼穹に吸ひ込まれゆく鷹柱

乾坤の空の限りを鷹渡る

鶴歩く豊芦原の日射し浴び

天空を焦がす火柱燈籠焼

青田風天へ抜けゆく千枚田

的を射し残心凛凛し弓始

火の列が激流となるお燈祭

葭切や母漕ぐ舟で登校す

海光や枝の先まで梅開く

滝壺は渾身で滝受けとめる

金色の佛陀乳首風薫る

泰子選

初蝶(平成10年~14年)

初蝶や未知の己と出会ふ旅

遠足の列のしんがり城に入る

でで虫の角ひつこめて登校拒否

埋もれつつ蔓伸ばしゐる浜昼顔

百日紅少女の秘密増ゆるばかり

曼珠沙華(平成15年~19年)

落葉焚バベルの塔の火柱よ

鳥になる願望銀杏黄葉飛ぶ

 竹動書屋の白木蓮 津田清子先生宅

白木蓮素顔を天へ向けて咲く

天帝に告ぐる事あり揚雲雀

梅雨茸やダリの口鬚はね上る

曼珠沙華鋼のごとき蕊張つて

鷹柱(平成20年~24年)

すかんぽは苦し中学同窓会

椎若葉して一島の盛上がる

ちちろ鳴く古墳の封土崩れ落ち

若布舟海峡の門に列なして

蚊喰鳥玄室の闇揺れ動く

 津田清子先生の畑にて

トマト畑トマト黄色い花つけて

梅開く(平成二五年~二八年)

蛍火の北斗の杓へ消えゆきぬ

岩窪に取り残されし水母かな

花五倍子(ぬるで)野猿で渡り落人めく

新緑や山に貼りつく祖谷の里

 津田清子先生ご逝去

虹二重はせをと清子出会ひしや

海外詠

大き星混むチベットの冬の天  中国

雪催ひ峠の標祈り石    ブータン

棚田植う腰に赤ん坊くくり付け ネパール

草原の闇天の川斜かひに  モンゴル

焼栗を買ふイスタンブールの夕べ トルコ

国境の花野つづきに有刺線  アルメニア

石柱たつのみの墳墓星流る  アイルランド

象でゆくクメール遺跡青葉風  カンボジア

滝壺は渾身で滝受けとめる  ラオス

蜃気楼砂漠に高き砂の城  サハラ砂漠

口許に蠅の集りてマサイの子 サバンナ(ケニア・タンザニア)

朝焼の川沐浴の巡礼者   インド

青い罌粟咲くヒマラヤの空青し  ヒマラヤ

        

「俳壇」6月号「俳壇ワイド作品集」

俳壇」6月号「俳壇ワイド作品集」  今月の有力同人
 北信五岳・・・堀瞳子「運河」

三月の半ばに、野沢温泉の毛無山から千曲川の集落へ滑り降りるスキーツアーに参加した。途中で羚羊(かもしか)に出合ったり、熊棚や鷹の巣を見つけて胸が弾んだ。自然と呼応して生まれる俳句を大事にしたい。「大景を詠め」は師の言葉だが、どこまで迫れるだろうか。

春の虹代るがはるに席ゆづり

湿原の鳥散らばれる涅槃かな

朽舟は鳥の止り木水草生ふ

蛇崩れの一筋ひかり雪解川

流水は影をうつさず春の月

水温む北信五岳力ぬき

夕空の燃えだしさうな古巣かな

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五月・皐月・早月・May

五月皐月早月May


立夏、初夏、卯月、卯浪、
牡丹、更衣(ころもがえ)、袷、鴨川踊、余花、葉桜、菖蒲葺く、端午、菖蒲、草合、武者人形、幟、吹流し、鯉幟(こいのぼり)、矢車、粽(ちまき)柏餅、菖蒲湯、薬の日、薬玉、新茶、古茶、風呂、上族、繭、糸取、蚕蛾、袋角、松蝉、夏めく、薄暑、セル(毛織物の一種)、母の日、夏場所、夏炉、芭蕉巻葉、苗売、苗物、苗植う、茄子植う、根切虫、練供養、葵祭、祭、筑摩祭、安居、夏花、夏書き、西祭、若楓、新樹、新緑、若葉、柿若葉、椎若葉、樟若葉、常磐木落葉、松落葉、杉落葉、夏蕨、筍、篠の子、筍飯、蕗(ふき)、藜(あかざ)蚕豆(そらまめ)、豌豆(えんどう)、豆飯、浜豌豆、芍薬、都草、踊子草、駒繋、かくれ蓑、文字摺草、羊蹄の花(ぎしぎしのはな)、擬宝珠、ゲンノショウコ、車前草の花(おおばこのはな)、罌粟の花(けしのはな)、雛罌粟(ひなげし)罌粟坊主、罌粟掻、鉄線花、忍冬の花(すいかずらのはな)、韮の花、野蒜の花(のびるのはな)、棕櫚のはな(しゅろのはな)桐の花、朴の花、泰山木の花、大山蓮華、手毬花、アカシアの花、金雀枝(えにしだ)薔薇、茨の花、卯の花、卯の花腐し、袋掛、海酸漿、蝦蛄、穴子、鱚、鯖、飛魚、烏賊、山女、綿蒔、菜種刈、麦、黒穂、麦笛、麦の秋、麦刈、麦扱、麦打、麦藁、麦藁籠、麦飯、穀象

中沢新一「俳句の海に潜る」小澤實  角川書店  より

はじめに;・・NHKの俳句講座で、その回の季語は「蚕豆」であった。

そら豆はまことに青き味したり・・細見綾子

この句を見て私はいきなり古代ギリシャの哲学集団ピタゴラス派の戒律のことを思いだしてしまったのである。ピタゴラス派は教団内で蚕豆を食べる事を厳禁した。・・ある哲学者の説によれば、女性を連想させるが故だそうだ。エロティックな俳句ですことと、私は口走ってしまった。これが、小澤さんと出会いだそうだ!・・・中沢さんの「アースダイバー」(講談社)に現代俳句に重要な視点がちりばめている・・・そうです!
五月のお題は「村」です。
五月七日にお題2句と雑詠5句を公開します。

 
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星雲38号

          

鳥井保和主宰星雲38号を紹介します。

季節の一句日当たるも翳るも花の吉野かな 鳥井保和  第2句集「吃水」より

 浅学の頃、桜の花の句を沢山詠んだ。無知ほど怖いものはない。今それらの句を見返すと微笑ましいやら怖れ多いやら、学べば学ぶほど季語「桜」は私の前に大きくたちはだかる。右句、日の当たる花、翳る花、その意味その幻想性を解き明かすことが誰かに出来ようか。どの言葉も四つ巴の様、桜の普遍性を支えている。伝統的な俳句の型の力強さをも感じさせる一句。
花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

天狼集

スクランブルエッグと珈琲開戦日 鳥井保和
寒明けて生きとし生くる影の濃し  〃

第一句集「大峯」7 昭和63年※俳句を始め7年目の作品である。当時36歳。此の年に「大峯山修験道」にて、昭和63年度、第24回「天狼」コロナ賞を受賞した。・・「天狼」最年少

海峡をさらに狭める海苔の粗朶

御廟まで今日も雪掻く奥の院

大峯に峯雲峯を連ねたる

廃坑の間歩滴りの尽きるなし

跳び降りてすぐに地を嗅ぐ狩の犬

極星集 

春近し赤子声立て笑ひけり   岩本たき代
離れ立ち総身映す初鏡   小林邦子
元朝の富士一刷毛の雲もなし  竹正與
暁闇に神鼓一打の淑気かな   成千代子
大寺のその借景の初景色   山田佳郷
露寒やのつぺらぼうの石仏   澤禎宣
神木のむささびの巣や月丸し  園部知宏

天星燦燦  鳥井保和選 

落葉掃く園丁檻の中までも   土江祥元

わたつみの沖の補陀落冬銀河 前田長徳

天空の青き一等天狼星   吉田捷子

寒鯉の跳ねて静寂拡げけり  平岡妙子

合掌の羅漢へ合掌冬うらら 中川めぐ美

村祭頭屋の床に獅子頭  天倉 都

子授けの陰陽仏に寒卵   加藤行惠

竜淵に入る暗渠と閻魔堂  新井たか志

雪娘雪の妖精かも知れず  岡本 敬

天気図の曲線美しき冬に入る  小林永以子

極楽と口に出でたる初湯かな  田島和子

拍子木を抱へて夜鳴蕎麦喰らふ 中嶋利夫

マニキュアの指もて松葉蟹を食ぶ 木下恵三

銭投げる顔顔顔や初詣  小川望光子

 誓子の句碑巡り38 和歌山県有田市・初島公民館前庭

山窪は蜜柑の花の匂ひ壺 誓子

山々は今が盛りの花蜜柑  保和

 星雲・三賞  受賞者

第5回天星賞  

禎宣 民宿の女将は猟師猪捌く   

園部知宏 神木と知らで刺しゐる鵙の贅  

第9回 昴星賞

天倉 都 走り根の太きを跨ぎ初詣  

第9回 星雲新人賞

森本潤子 梯梧咲く青天井や海の駅  

星座探訪37より 柘植史子氏の星雲の俳句探訪 

プロフイール俳人協会会員・「ふう」同人・句集「レノンの忌」・第60回角川俳句大賞受賞

 季節の作品 「うす煙」より  

囀の空を流るるうす煙  柘植史子

真つ黒な穴脈打つてゐる巣箱  〃

天星集清流の飛込台は丸太橋  澤禎宣 清流とそこにかかる丸太橋という、シンプルな構図の句に、飛込台という文字が動きを与えている。・・ 

満目の里田を渡る稲つるび 園部知宏 「稲つるび」は「稲交」または「稲交換」、「稲妻」の傍題である。・・「満目の里田」という大景に走る稲妻を想像するだけで、光に対する人々の信仰には共感を誘われる。季語の土俗的な響きも効果的である。

昴星集人影の方へ方へと秋の鯉    天倉都

     捨舟に覆ひかぶさる葛の花  大野良子

星雲集満月や紀の狼の吠ゆる声  大橋定順

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行10 大上敬史

裏見の滝  (海南市下津町橘本 福勝寺)

橘本神社 海南市下津町橘本)

記紀によると、垂仁天皇の勅命により、()道間(じま)(もり)が不老長寿の薬を求めて常世の国(現在の中国)に渡り非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」を持ち帰った。しかし天皇はすでに亡くなられており、陵にその橘を捧げて嘆き叫んだ・・

小栗判官隠し道 海南市下津町市坪 山路王子神社)・山路王子神社市坪) 

蕪坂(下津町小畑)

 身体の俳句38「夢のこと」 小川望光子(医療センター医師)

夢に見る猫はわたしの夢をみる 笹田かなゑ

ヴァレリーによれば、夢を語ることができるのは起きている者だけでした。・・(難しい展開ですべてを紹介できません)!この「猫」も起きているかどうかわかりません。(柳本々々  夢を読むこと)より・・近頃とんと夢を見なくなった望光子)そうです!

昴星燦燦   選後評  鳥井保和 

慶びの悲しびの皺初鏡  奥井 志津

東雲のほがらほがらの初茜 古谷とく

剪定の済みし枝先力満つ 服部久美
戦場の矢のごと水漬き蓮枯るる  池田邦子      

 星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

  季節の作品 「地虫出づ」より

レコードの波打ち廻る春の風邪  坂本登

美しき空箱たまる利休の忌    〃 

観賞/選    

満月や紀の狼の吠ゆる声   大橋定順

まほろばの皇子の墓より虫すだく 南壽子

      

四月・卯月・April

四月卯月April

四月、弥生、四月馬鹿、春の日、日永、春の空、麗か、長閑(のどか)、初桜、入学、出代、山葵(ワサビ)、芥菜(からしな)、三月菜、春大根、草餅、蕨餅、鶯餅、桜餅、椿餅、東踊、蘆辺踊、都踊、浪花踊、種痘、桃の花、梨の花、杏の花、李の花、林檎の花、郁李の花、山桜桃の花、沈丁花、辛夷、木蓮、連翹木瓜の花、紫荊、黄楊の花、枸橘の花、山椒の花、接骨木の花、杉の花、春暁、春昼、春の暮、春の宵、春の夜、春燈、春の月、朧月、朧、亀鳴く、蝌蚪(蛙の子)、柳、花、桜、花見、花篝(はなかがり)、花曇、桜漬、花見虱、桜鰄、桜鯛、花烏賊、螢烏賊、春の海、春潮、観潮、磯遊、汐干、蛤、浅蜊(あさり)、馬刀(まて、貝)、桜貝,栄螺(さざえ)、壷焼、鮑、常節、細螺(きさご)、奇居虫、汐まねき、いそぎんちゃく、海胆(うに)、搗布(かぢめ)、角又、鹿尾菜(ひじき)、海雲(もづく)、海髪、松露、一人静、金鳳華、桜草、チューリップ、ヒヤシンス、シクラメン、スイートピー、シネラリヤ、アネモネ、フリージア、灌仏、花御堂、甘茶、花祭、虚子忌(48日)、釈奠、安良居祭、百千鳥、囀(さえづり)、鳥交る、鳥の巣、古巣、鷲の巣、鷹の巣、鶴の巣、鷺の巣、雉の巣、烏の巣、鵲の巣、鳩の巣、燕の巣、千鳥の巣、雲雀の巣、雀の巣、孕雀、孕鹿、仔馬、春の草、若草、古草、若芝、蘗(ひこばえ)、竹の秋、嵯峨念仏、十三詣、山王祭、梅若忌、復活祭、猟名残、羊の毛剪る、春光、風光る、春の塵、青麦、麦鶉、菜の花、花菜漬、菜種河豚、大根の花、豆の花、蝶、春風、凧、風車、風船、石鹸玉、鞦韆(しゅうせん、ブランコ)、ボートレース、運動会、遠足、遍路、春日傘、朝寝、春眠、春愁、蠅生る、春の蠅、春の蚊、虻、蜂、蜂の巣、巣立、雀の子、子猫、落し角、人丸忌、花供養、御身拭、御忌、蜃気楼、御影供、壬生念仏、島原太夫道中、先帝祭、鮒膾、山吹、 海棠、馬酔木の花(あせびのはな)、ライラック、小米花、小粉団の花、楓の花、松の花、珈琲の花、櫁の花、木苺の花、苺の花、通草の花、郁子の花、天皇誕生日、どんたく、葱坊主、萵苣、みづ菜、鶯菜、茗荷竹、杉菜、東菊、金盞花、勿忘草、種俵、種井、種選、種蒔、苗代、水口祭、種案山子(たねかがし)、苗代茱萸、朝顔蒔く、藍植う、蒟蒻植う、蓮植う、八十八夜、別 れ霜、霜くすべ、茶摘、製茶、鯛網、魚島、蚕、山繭、桑摘、桑、桑の花、畦塗、蔦若葉、萩若葉、草若葉、葎若葉、罌粟若葉(けし)、菊若葉若蘆、荻若葉、若菰、髢草、水芭蕉、残花、春深し、夏近し、蛙、躑躅(つつじ)、満天星の花(どうだんのはな)、石南花(しゃくなげ)、柳絮、若緑、緑摘む、松毟鳥、ねじあやめ、薊の花、山帰来の花、藤、行春、暮の春、春惜む、馬市

うかれける人や初瀬の山桜     松尾芭蕉

いにしへも火による神や山桜   飯田蛇笏

おのずから山険に立つ山桜    宇多喜代子

みづからの歳月を経し山桜    津田清子

一日がたちまち遠し山ざくら   宮坂静生

一丁の斧水底に山ざくら       齋藤愼爾

二人してあの木この木と山桜  矢島渚男

ひかり降るごとく雨来て山桜    茨木和生

太陽を海より招き山ざくら       鷹羽狩行

山ざくら暮れ道くさの夫と猫    大木あまり
今月のお題は「東」です。4月7日に、お題2句と雑詠5句を公開します。

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第28年度「運河句集祭」天好園

第28年度「運河句集祭」が東吉野の俳句の宿「天好園」で開かれました。
 皆様の俳句はブログの「句集あれこれ」で紹介しています。

 写真右から

たなか游「ゆりの木の花」
高松早基子「俳句の杜」
浅井陽子「浅井陽子自註句集」
茨木和生第13句集「熊樫」
(佐保光俊)
小畑晴子「蛍火」
兒玉充代「沖雲」
五十嵐藤重「山揚げ」
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「俳句の背骨」島田牙城

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「俳句の背骨」島田牙城

帯文芭蕉を神から人間に戻した子規」を語り 「有季俳句は雑歌なり」と看破する。二十四節気の中国とのズレを否定」その真の姿へ肉迫し「松瀬青々の使ふ季語の豊かさ」に惚れ込む。「高濱虚子は我々が拂ふ税金だ」とうそぶきつつ「師・爽波、友・裕明それぞれの立ち姿」を明かす。すなはち、

現代俳句を過激に書き散らす    

目次・・

講演録 芭蕉と現代俳句

有季俳句は雑歌だといふこと

文語なのか慣用表現なのか

假名遣ひのこと 高山れおなさんの時評に觸發されて

峠の文化としての春夏秋冬 あるいは、「ずれ」といふ誤解について

「青々歳時記」を讀む  1新季語「桃柳」立項のこと 2「清明」の句から見えてくること 3「佛生會」は春か夏か  4季語の重層のこと 5幻に挑む青々

新季語提言 ゆきあひ考

つくつく法師のこと

税としての高濱虚子「ホトトギス」の功罪

中西其十発見

計らわない 歿後14年目の爽波論

のやうなもの〈閒〉の美学 田中裕明讚

龜が哭いた

挨拶ごころのことなど 田中裕明出座歌仙紹介

裕明の笑窪

裕明の變な句

あとがき

 島田牙城;プロフィール千九百五十七年生まれ、月刊俳句同人誌「里」代表・邑書林代表

(この本は漢字も正字?で、仮名遣いも違うのですが、時々普通に入力しました・・・・)
今回は「青々歳時記」を讀む  1新季語「桃柳」立項のこと

この中から「後日譚」の一部を紹介します。

僕は、桃に柳を差し交へることを実際に行ってみた。・・   新暦の三月三日ではあるけれど、寒い佐久といへども桃は花屋で買ってゐる。佐久は以前には桃源郷と呼ばれた桃畑が広がってゐた土地で・・春先に剪定し、その枝が二月の半ばごろからスーパーマーケットなどの店先に竝ぶ。・・・柳は…野沢の中島公園。昨夜降った雪の上に柳の枝が数本・・雪折柳・・。家に戻り、桃の枝と柳を花瓶に差し、壁掛け用の一輪挿からは畳に届くほどに柳を垂らした。三月三日まで一週間、結果だけ書くと、花はほとんど咲かず、完敗であった。柳はあっけなく枯れたけれど、facebookに画像をアップするなどしてゐたので呼応してくださる方も多く、自ら桃と柳をお雛様に飾る方も現れた。また、実作なくして新季語なしと言ふ思ひから「桃柳」の句を募集したところ・・一五〇句近くのご応募をいただいた。「里」二〇一四年五月号に全句掲載させて頂いている。

磔刑の画像が壁に桃柳    仲 寒蝉

掻膝に水の廻るや桃柳    五島高資

地窓から子の這ひ入りぬ桃柳  高橋博夫

春薄三千歳草に日のこぼれ    堀本吟

桃柳ひねの酸茎にて酌めり   谷口智行

桃柳座敷童子の揺らすなり   黄土眠兎

本醸造吉田屋治助桃柳    瀬戸正洋

さざ波のやうな目尻や桃柳   中山奈々

剣山にやなぎ挟まり桃刺さる  島田牙城

昔から作例のある新季語、・・多くのご家庭で桃に柳を差し交へ雛に供することが実際に行われてこそ、本当の復活となるであろう。青々が呉れた贈りものを大切にしたいものだとの思ひが強い。

帯文昭和十二年頃、「俳句研究」では盛んに「俳句性」について論じられてゐた。俳句といふものがすでに有つて、過去に製造された俳句や俳諧に習つて俳句を作るといふ問ひを繰り返し、仲間と戦はせていた。なのにここ十数年、「俳句とは何か」という問ひをとんと聞かなくなった。そもそも「俳句性」といふ単語に出合はない。この単語はどこへ消えたのだらう。「俳句性」を問へば、おのづと「俳とは何か」を考へなくてはならなくなるはずなのに、「俳」についての考察もないままだ。(本文より)

3月・やよい・弥生・March

三月・やよいMarch

三月、如月、此花踊、二日灸、雛市、桃の節句、雛、白酒、菱餅、曲水、鶏合、闘牛、春の雪、初雷、春雷、啓蟄、蛇穴を出づ、東風、春めく、伊勢参、春の山、山笑ふ、水温む、春の水、蜷田螺、田螺和、蜆、烏貝、大試験、水草生ふ、春田、春の川、諸子、柳鮠、子持鯊、若鮎、上り簗春日祭、御水取 、御松明、西行忌、涅槃、涅槃西風、雪の果、鳥帰る、引鶴、引鴨、帰る雁、雁風呂、彼岸、彼岸詣、彼岸桜、開帳、大石忌、貝寄風、暖か、目貼剥ぐ、北窓開く、炉塞、炬燵塞(こたつふさぎ)、春炬燵、捨頭巾、胴着脱ぐ、雉、駒鳥、鷽(うそ)、雲雀、燕、春雨、春泥、ものの芽、草の芽、牡丹の芽、芍薬の芽、桔梗の芽、菖蒲の芽、蘆の角、菰の芽、耕、田打、畑打、種物、苗床、花種蒔く、鶏頭蒔く、夕顔蒔く、糸瓜蒔く(へちままく)、胡瓜蒔く、南瓜蒔く、茄子蒔く、牛蒡蒔く(ごぼうまく)、麻蒔く、芋植う、菊根分、菊の苗、萩根分、菖蒲根分、木の芽、芽柳、接骨木の芽(にはどこのめ)、楓の芽、桑の芽、薔薇の芽、蔦の芽、山椒の芽、田楽、木の芽和、青饅(あおぬた)、枸杞(くこ)、五加木(うこぎ)、菜飯、目刺、白子干、干鱈、鰆、鯡、鱒、飯蛸、椿、茎立、独活(うど)、松葉独活、慈姑(くわい)、胡葱(あさつき)、野蒜、韮蒜(ニンニク)、接木、取木、挿木、苗木植う、桑植う、流氷、木流し、初筏、厩出し、垣繕う、屋根替、大掃除、卒業、春の野、霞、陽炎、踏青、野遊、摘草、嫁菜摘む、蓬、母子草、土筆、蕨、薇、芹、三葉芹、防風、小水葱摘む、蒲公英(たんぽぽ)、紫雲英、苜蓿(うまごやし)、酸葉、虎杖、茅花、春蘭、黄水仙、磯開き、ミモザの花、利休忌、其角忌
 

金泥(きんでい)盛りあがる(もりあがる)(ふち)(かい)(ひいな)   浅井陽子 

土蔵(どぞう)まで(むしろ)()ける(ひな)(いえ)    

正座(せいざ)してかしこまりゐる雛荒(ひなあら)し    

ももいろの(でん)()すもじに雛祭(ひなまつり)    〃

てのひらを(ふね)のかたちに(ひな)流す(ながす)    〃

DSC_2256DSC_2255今月のお題は「森」です。3月7日にお題2句と雑詠5句を公開します

季刊「鳳」19号

季刊  19号 

あるいは山を、

あるいは海を

ありえるであろう、

自己の魂を覓ぐべく、

ほうほう(鳳々)と

声にして跋渉する。

「弱冠」

~人は生れて十年したら「幼」といい、学門を始める。二十年したら「弱」といい、冠をつける。三十年したら「壮」といい、妻を迎える。四十年したら「強」といい仕官する。五十年したら「艾(がい)」といい、重要な官職につく。六十年したら「耆(き)といい、人を指揮する。七十年すると「老」といい、家事をその子に伝える。八十年以上を「耄(ぼう)」といい、生れて七年までを「悼(とう)」といい、「耄」と「悼」の者は、罪を犯しても刑を加えない。百年の人を「期」といい、ねんごろに養う~(「礼記(らいき)より)弱冠はここからきた言葉で、二十歳の男子のことである。・・・・一般では、実際に冠をつけることはないが、大人になるということは、目に見えない冠を賜ることになる。その冠には自負や責任がちりばめられている。冠を心に、胸を張って人生を歩いて欲しいものである。浅井陽子

作品  「青々忌」  浅井陽子  (読んで思った鑑賞・感想少し・・工藤泰子)

本抱けば文字踊るかも空也の忌 

空也の口から小鳥が飛び出す像がありますよね!文字も踊るはず・・。  

近松忌解きたる帯に足とられ      

近松に似合う措辞!

蕪村忌の暮れて艶めく空の色  

蕪村の画のタッチ好きです。艶めく空の色なんですね。

青々忌燠の芯まで透き通る  (「俳句」一二月号より転載) 

透き通るのは、焔に不純物がないから・・見ている作者の純な心が見れる。

笹鳴や胴埋もるる石仏

青空へ長き坂道帰り花  (「俳壇」一二月号より転載)

虎落笛嵯峨も奥なる仏訪ふ

木漏れ日を入れてふんはり落葉籠 (「俳句四季」一二月号より転載)

落葉焚焔にふつと水の色  
ふつと・・元素記号!?

昆布巻の鮒の腸とる比良颪(「俳句界」一二月号より転載)

吟行で見た情景が的確な季語と結びついて感慨を呼んだ!    

作品&エッセイ

おたふく」  水野紀子 京丹後在住「参」所属、句集「旦」

宵込めの芋嵐とぞなりにける

蔓たぐり婆が引くまた蔓が引く

牧閉し連山空へ帰りけり

おたふくに皺永久に無しごまめ噛む

「平畑静踏と季語」 すずきみのる 

所属結社「参」「汀」「城」 、句集に「遊歩」・合同句集「俳句最前線」

静踏が関西から移住した関東の地で・・・農耕文化以前の風土精神性の残存・・縄文文化への着目・・・・

鹿谷を夢に黒曜石一個 静踏  (蛇笏賞受賞・「壺国」より)

上雪を除け縄文の雪を舐む 〃

新季語の発見が、俳句世界の拡充に繋がることは明らかであるが、その発見の方向性は、言葉自体の発見と従来の季語の本意の発見という両方向があるように思われる。平畑静踏の場合は、後者に属しており、季語の背景に縄文時代を設定することを通じて・・・俳句世界に新展開をもたらすことに成功した・・・季語と季語以外の部分との二物衝撃の相互作用を通じて・・日々季語の内実の拡充・深化・・

句句燦燦(3)    「季語に息吹を」  浅井陽子

歯固に鴨の砂肝造りけり   茨木和生

歯固のこは深吉野の猪ならめ   和生

歯固の鮑に小疵ありにけり    和生

搗栗のくちやくちやの皺毛の国の  森 澄雄

「季語を死語にしてはならない」との思いが強く、講演会などでも述べられる。この「歯固」は、長寿を願って年んお初めに固いものを食べる風習で、「歯」は「齢」の通じ、齢を固めて健康を増す意味だという・・「絶滅季語」になっているように思われがちだが・・・・・

エッセイ 「野鳥の楽園 伊良湖・藤前干潟」 森山久代「運河・晨」

 むかし、伊勢湾の奥には広大な干潟が広がっていて、・・「あゆち潟」と呼ばれていた。「桜田へ鶴啼き渡る年魚市潟(あゆちがた)潮干しにけらし鶴鳴き渡る」(万葉集・高市黒人)に詠まれている。現在の「愛知」という県名もここから・・(久代さんの好奇心が楽しく展開して文も句も好き)

三百年いま又鷹の来る季ぞ   中村草田男

鷹渡り過ぎたる空に何もなし  栗田やすし

やや冷えて鴨待つ水のひろさかな  鷲谷七菜子

日のあたるところがほぐれ鴨の陣  飴山 實

この旅の思い出波の浮寝鳥     星野立子

あかつきの月あるうちを鳥帰る   森山久代

初鴨に朝の空気の行き届く      〃

 私たちの暮らしと干潟・・では「一度失った自然を取り戻すことは、並大抵のことではないと切実に思うこのごろである。」と・・。

 

季語を味わう① 春を待つ  浅井陽子

春を待つおなじこころに鳥けもの   桂信子

少年を枝にとまらせ春待つ木    西東三鬼

なんとなく街がむらさき春を待つ   田中裕明

 季語「春を待つ」は、すでに情緒をふくんでいるので、その上に余情的な言葉はいらない。物を配して詠むことが、その気持ちをより鮮明に表わすことができるのではと思う。・・季語の本意を知ればしるほど俳句は楽しい。

二月・きさらぎ・February

二月きさらぎFebruary

立春、寒明、初春、早春、春浅し、睦月、旧正月、二月礼者、ニの替、絵踏、初午、針供養、奈良の山焼、 雪解、雪しろ、雪崩、残雪、雪間、凍解、氷解、薄氷、沍返る(いてかえる)、冴返る、春寒、余寒、 春の風邪、春時雨、猫の恋、白魚、公魚(わかさぎ)、鰔(さより)、野焼く、焼野、山焼く、末黒の芒(すすき) 麦踏、木の実植う、猫柳片栗の花、雛菊、春菊、菠薐草(ほうれんそう)蕗の薹(ふきのとう)、水菜、 海苔、獺の祭梅、梅見、盆梅、紅梅、山茱萸、木五倍子(きぶし)、黄梅、三椏(みつまた)、鶯(うぐいす)、下萌、いぬふぐり、菜種御供、磯竈、若布(わかめ)、バレンタイン、義仲忌、実朝忌、比良八講
節分の翌日が立春である。暦の上では春なのに・・梅の古名は「風待草」春風を待って咲くから・・日本の代表的な春の花木で、原産地は中国中部とされる。遣隋使が中国から梅見の宴の華やかな帰国と共に持ち帰ったものだろう。


今月のお題は「景」です。

2月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。
   

「景」と言えば、「景勝地」

日経新聞に間違えやすい景勝地編がありました。さて何県にあるでしょうか?

文化財編;1位・吉見百穴。2位・吉野ヶ里。3位・二重橋。4位・永平寺。5位・高野山金剛峯寺。

景勝地編;1位・北岳。2位・笹川流れ。3位・袋田の滝。4位龍泉洞。5位・田沢湖。

正解はコメントで・・


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浅井陽子集/自註現代俳句シリーズ12期 ⑪ 

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自註現代俳句シリーズ12期 ⑪

 浅井陽子集    発行者  大串章
公益社団法人俳人協会 出版
 この本は自選300句に自註を付したもの・・です。
たくさん紹介したいので、折りにふれて紹介したいと思います。

プロフイール;京都府生まれ・平成3年「運河」入会、茨木和生に師事・

平成11年浮標賞受賞・平成13年「第二回俳句界賞」、14年「深吉野賞」、15年「北溟社賞」等受賞。平成14年「晨」同人参加。平成24年「鳳」創刊同人、現在「鳳」発行人、「運河」「晨」同人。句集「狐火」、「紅鏡」。俳人協会評議員、京都俳句作家協会幹事。大阪俳人クラブ会員。大阪俳句史研究会会員。

月山の鷹の座を月照らし出す  平成11年

 夫の定年を記念して東北地方を一周。出来るだけ「奥の細道」を辿った。一連の30句「月山」で第2回「俳句界賞」を受賞。励みになった。

杉山を日の移りゆく注連貰ひ  平成13年

 東吉野村や川上村によく通った。山を見ているとほっとする自分がいる。第9回「深吉野賞」を受賞。応募句30句の中のひとつ。

寒芹や水はひかりの玉ととび  平成13年

 谷水は日を弾きながら日の中へとぶ。日を含む水玉はひかりとなる。寒芹の紅を帯びた茎や葉が水玉に打たれて返すことを繰り返す。

水も日も神のものよと紙を干す  平成13年

 吉野町国栖の紙漉きを故藤本安騎生さんに連れて行っていただく。紙を干しながら呟かれた言葉が句に、川上の大峯山が輝いていた。

(かぜ)(まと)()(まと)となり()(うま)跳ぶ(とぶ)  平成20年作

 馬の肢体の美しさには惚れぼれする。仔馬もすでに親にひけをとらない美しさがある。風も日も仔馬にぴったりと寄り添っていた。

(はる)(ざし)(いし)白布(はくふ)(つつ)けり   平成20年作

 京丹波の大原神社は養蚕と安産の神様。季語は「春志」で秋の「秋志」には、春に鼠除けに貰った小石を返す。小石を猫と呼ぶ。

「星雲」37号

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鳥井保和主宰星雲37号を紹介します。

季節の一句さざ波のごと粉雪の地を這へり 鳥井保和   第3句集「星天」より

 海近くのホテルだと海産物中心の食事が出てくる。山の宿だと山の恵み中心の食事が出てくる。ぶっきら棒で申し訳ないが、街の食事はお金を出せば海も山もない。さざ波は水、粉雪は空、そして落ちてから地を這う。一見色んな活字が縄張り争いの喧嘩をし合いそうだが、読後感は思ったより澄明で安心(あんじん)。地の静けさの上を粉雪の静かさが微音を立て過ぎ去る。これが筆圧というものか。
花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

天狼集

海坂の琥珀に釣瓶落としかな 鳥井保和

岬角の枯の極まる枯木灘    〃

極星集 

台風圏縄文の森荒れゐたり   山田佳郷

沖雲の衰へそめし白露かな   岩本たき代

人の来る気配恐ろし芒原   小林邦子

凛と聳つ雲筒抜けて夏の富士  竹正與

老僧を囲む僧坊菊の酒   成千代子

天星燦燦  鳥井保和選 

鵙猛る無人駅舎の手配書  澤禎宣

百歳が曲り角でふ生身魂  園部知宏

星影の窓に人影秋灯火   前田長徳

尊徳忌陽のある限り畑にゐて  新井たか志

一笛に集散早し体育祭    土江祥元

糸瓜忌や処方の薬また増えし  岡本 敬

伊良湖岬いま打ち晴れて鷹の天 加藤行惠

化粧ふ山装ふ峡や日本美し   中川めぐ美

結界に入り佛恩の風涼し    平岡妙子

秋の蛇泳ぎきつたる水緊る(しまる) 吉田捷子

水底に一村沈む錦秋湖     小林永以子

手筒花火火の粉の滝を浴びにけり 田島和子

町石道抜けて大門天高し    中嶋利夫

華の字の脚を伸ばせば曼珠沙華 木下恵三

銀杏散る真只中に知事公舎  小川望光子

 誓子の句碑巡り37 岐阜県羽島市・圓隆寺

学門のさびしさに堪へ炭をつぐ 誓子

色変へぬ松を背に誓子句碑  保和

 特別作品

「十三夜」  園部知宏

豆稲架の乾き切つたる山日和

串に挿す落鮎旨し石かまど

城濠に鯉の清けき十三夜

星座探訪36より 柘植史子氏の星雲の俳句探訪 

プロフイール;俳人協会会員・「ふう」同人・句集「レノンの忌」・第60回角川俳句大賞受賞

 季節の作品 「春着の子」より  

町ぢゆうの仮名拾ひよむ春着の子  柘植史子

消えかかる水輪に浮かび鳰      〃

天星集夕立の初めの粒を掌に   新井たか志

一天にわかに掻き曇り激しく降りだす夕立は、雨のなかでもひときわ存在感がある。空の色や雲の動き、風の匂いからも、来るぞ、と思わせるこの雨。掌を空に広げて待ち構えていたのかも知れない。「初め」の措辞がいきている。

     祭笛吹いて漁師と思はれず   吉田捷子

昴星集歌舞伎座の天に隈ある朧月   内山恭子

一読、「隈」が歌舞伎の化粧の隈取を連想させるところが面白い。ぼんやりと霞んで見える月を「隈ある」と詠んだことで、銀座の空にあがった朧月が歌舞伎座の舞台上の月のようにも思えてくる。斬新な工夫がさりげなく巧みである。

星雲集ビアガーデン赤き夕日に囲まれて  岡本千恵子

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行9 大上敬史

御坂(みさか)  (海南市藤白)

 藤代の み坂をこゆと 白妙の 我が衣手は ぬれにけるかも

有間皇子事件の43年後、無名の付き人が詠んだのがこの歌である。熊野神が棲む山を「御山」と言うように、この坂に、最高位の「御」をつけて詠んだ。

丁石地蔵  海南市藤白   熊野古道藤白坂)

筆捨松 (海南市下津町橘本1612地蔵峯寺 北東) 

藤代峠  (同上 北)

 家にあれば笥(け)に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る 

有間皇子は、護送の途中、この峠で・・椎の葉に盛られた一握りの飯を見る。死を覚悟した彼が口にする飯。この歌は死の「気(け)」と縊られるという「強(し)い」を詠みこんだ予言詩であるとの説もある。

御所の芝 (同上)熊野路第一の美景なり。花山法皇(花山院)熊野御幸の折、頓宮(仮の宮)の跡と伝わる。

 身体の俳句37「ハグとチュウのこと」 小川望光子(医療センター医師)

雪はげし抱かれて息のつまりしごと 橋本多佳子

「ハグ(hug)」とは「抱擁」のこと。「チュウ」とは「接吻」のこと。虚子の句に〈鞦韆に抱きのせて沓に接吻す〉があります。・・ハグすると安心感をもたらすセロトニンと快楽物質であるドーパミンという2つの物質が脳内で放出されるとのこと。・・・

いなづまの野より帰りし猫を抱く  橋本多佳子

大好きな苺ケーキの苺にキス    杉本 零

稜線にキスして富士の初日かな   佐々木敏光

黄落や朝の習慣ハグとキス     小川望光子

昴星燦燦   選後評  鳥井保和 

流星や父母が逝き兄も逝き   天倉 都

いちにちの命いたはる虫の声   服部久美

水の秋沼の底ひも空のあを   内山恭子
骨酒や嘉門次小屋の炉火明り  荒川くみ子
一湾の空の限りに鰯雲     大野良子
美しく世を生きたし水の澄む日なり 奥井志津
秋麗の遠海まろし空まろし    池田邦子     

 星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

  季節の作品 「昔の顏」より

行きがけにごみ持たされる今朝の冬  坂本登

毛皮着て昔の顏を誰も知らず      〃     

  鑑賞

荒磯の潮の香りの焼栄螺    森本潤子

母の日や享年三十路の母の墓  岡本千恵子

車窓より植田みてまた田植見て 椎崎義孝

田植えのころの列車旅というのは気持ちのいいもの。植田終わったばかりの田があるかと思えばこっちの田は田植えの真最中。もちろん植えているのは人ではなく田植機だが。               



五十嵐藤重 句集「山揚げ」

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五十嵐藤重(とうじゅう)さんの第2句集「山揚げ」を紹介します。山揚げは野州烏山に450年以上も続く夏祭で、年明けにはユネスコ無形文化遺産に登録されるという、路上に上演される芝居のことだそうです。

帯文」 選句を終えて句集名は「山揚げ」以外に考えられないと思うようになった。というのは平畑静塔句集「漁歌」が上梓されたのは昭和五六年のことだが、その集の中にあった、

山揚げにまことの雲も道具立  静塔

紋白も出て山揚げの板につく  静塔

という昭和五十年作の二句に惹かれたことを思い出したからである。山揚げを地方季語として定着するようにもっともっと地に食い入って詠んでほしいと思ったからである。茨木和生(跋より)



自選一二句

虹立ちて卒寿の母の合掌す

静踏の生誕百年葡萄垂る

蜃気楼浮かび上がりしロシア船

新ワインゲルマン鬚の議論好き

ひらがなの母の便りと新走り

峯行の鉢巻締めしまま眠る

山里に一筋の煙芋煮会

野火の火の立ち上がりたる戊辰の碑

山揚げの蝦蟇の出どころ稲光

泣かぬ子をなほ差し上げて泣き相撲

囀に赤の広場の明けゆける

父の忌は終戦日なり風騒ぐ

山揚げの句

山揚げの山の裏より稲光    藤重

山揚げの山を崩して平とす    〃

早飯を食らふも得手と山揚げ衆  〃

峯雲に山揚げの山押し上ぐる   〃

若衆の跳ねて確かむ山車舞台   〃

共鳴句

誰よりも高く肩くま初詣

雪の壁押す除雪車の黒けぶり

満天の星に外せる神楽面

番犬の眼の前よぎる嫁が君

七福神巡りて雪に転びたる

どんど塚組む校庭のどまんなか

午祭金精様の注連吹つ飛び

着ぶくれの吾に鼻寄す麻薬犬

日向ぼこ古代ローマの浴場に

花粉症ベトナムに来て治りけり

一本の針金づくり兎罠

自在鉤一つ落として牡丹鍋

 プロフイール;福島生まれ、宇都宮市在住、S52年平畑静塔に師事、「天狼」「圭」「鉾」「白魚火」を経て「運河」入会。句集「棟木」(H23年)、第14回平畑静塔全国俳句大会静塔賞受賞。

 



一月・正月・太郎月・January

賀正2017平成29

一月正月太郎月January


nenga2017-illust

今年初めてのお題は「縁」です。
 本年も「木偶の会」をよろしくお願いいたします。

   17日にお題2句と雑詠5句を公開します。

 


 


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