お知らせ

浜通り156号

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浜通り156号  浜通り俳句協会(結城良一代表)

東日本大震災特集(16)を紹介します。

招待作品

「龍の玉」 駒木根淳子 (麟)

 裏山の鵯のよく鳴く日和なり

 幾万の涕を沈め龍の玉

「玉手箱」  鈴木正治(寒雷)

  齢九十を迎えて・・・。

去年今年玉手箱未だ開かずおく

亀鳴くに応え余生の一日過ぐ

 震災作品 

白百合を汀に供ふ月命日       青木燁子

牛舎には牛のゐぬまま梅雨の月    伊藤雅昭

紫陽花や桟橋落ちて薬師堂      笠間 杏

側溝は除染もならず春埃       小松洋子

放射能禍の村青田点在す       佐藤きよし

原発はいらないと書く星祭       柴田郁子 

大熊町はよもつひらさか花万朶     長岡 由

誰もいない堤防瑰群生す      花貫 寥 

被災地に生まれにぎはふ猫の恋    古市文子

元旦の海蕩蕩と凪ぎわたる      結城良一

夏草や津波の駅に鉄路果つ      中田 昇

特集 震災特集合同句集いわきⅣ

 いわき市俳句連盟合同句集Ⅳ集が発行された。193名の東日本大震災、原発事故という未曾有の大災害に遭遇した人々だからこその句集であると言える。
 
震災をただ受けいれるさくら花   会田い久

 春光や馬穴に満たす生きる水   伊藤一泊

 まつ黒な波ののみこむ春景色   遠藤節子

 汚染てふことば悔しき木の芽時   鯨岡芳子

 春寒し水なき火なき白昼夢    榮 志津

 メルトダウンの炉の上空を鳥帰る  佐藤俊子

 初夢やセシウム赤く見えて覚む   鈴木泰子

 教え子のまさかの水死春の星   (故)武川一夫

 被災駅廃電柱に葛盛る      田崎武夫

 いのちあればと人ごとにいふ嗚呼三月 寺島恭子

 フクシマを語れば口のかじかみぬ  中田昇

 被災者に捧ぐ黙蝶生る     仲野扶美枝

 みちのくの無より始めし稲の花    新田ひろ

災難の慟哭癒す春の天      林十市郎

絶望など無し稲の花みてをれば   古市文子 

 セシウム減少の花野を歩く     結城良一

 待春や諦念と言ふ被災の地    渡辺ふみ夫   他

あとがき

 この七年間のいわき市俳句連盟は、ボディブローの如き会員の高齢化の進行に加え、東日本大震災・原発事故という未曾有の大災害に遭遇し、多くの仲間を失うという、痛ましい変化に見舞われました。昨年には、合同句集いわきⅢの発行者の武川一夫会長をも失いました。いわき俳壇を支えてくれた、これら今は亡き方々の、ご冥福をこころからお祈り申し上げます。ご存知の通り合同句集は十年毎の発行ですが、これを三年繰り上げかつ震災特集として合同句集Ⅳを発行することにしました。震災句という制約の中、実に193名という多数の参加者があり、誠によろこびに堪えません。参加の皆様、本当に有難うございました。震災特集は、大震災の貴重な記録として、次世代へ継承され、いわき地域の俳句の一層の飛躍に繋がることでしょう。いわき市俳句連盟の良さはチームワークにあります。これからもいわきの風土から流派を超えて新しい俳句を発信して行きましょう。
         平成27年10月
結城良一  中田昇

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7月18日(海の日)に「海の俳句大会」が開催されます。
投句は、〒970-8017 いわき市石森1-11-1 古市文子 行
  2句一組千円・・海に関する一句、自由句一句
   締切5月10日 

     
選者; 稲畑廣太郎 、櫂未知子、鈴木正治、棚山波朗、
   古市枯声、宮坂静生、結城良一

講演;「暮しと季語」茨木和生
  

竹内正與句集「鰯雲」

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竹内正與 句集「鰯雲」を紹介します。

  昭和16年静岡県うまれ

 平成7年「宇宙」(島村正主宰入会)

 平成20年「星雲」(鳥井保和主宰)創刊同人、21年「昴星賞」受賞、26年「天星賞」受賞・極星集同人

遠洋の基地全天に鰯雲

帯文:竹内さんのお住まいは焼津市にあり、地元の港の自然諷詠の作品を抽出した。折々眺めている爽やかな港の自然観照の完成度が高く、情景の空間を雄渾に詠い上げている。鳥井保和(「序」より)

鳥井保和 抄出

稲の穂を噛んで豊作疑はず

登檣礼喊声秋の天を衝く

神泉の鯉も紅葉も錦なる

遠洋の基地全天に鰯雲

伽藍より花の雲海見晴るかす

夜桜を花火さながら仰ぎけり

大花野千紫万紅晴れ渡る

糶待ちの湯気立ち昇る大鮪

濁声の次の鮪に糶移る

漁火の沖より漁夫の魂還る 

花の句

巡礼が浴ぶ霊場の落花かな

花吹雪享く観音の千手欲し

雪洞に灯が入り桜月夜かな

奔流に出て散りぢりの花筏

花守も五百羅漢も落花浴ぶ

共鳴句

日の丸が靡く船檣浦の春 (檣・ほばしら)

金星の明を賜り蓮咲く

白波をたて入港の鰹船

白蝶を化石の化身とぞ思ふ

落柿舎の別けて目映き柿若葉

大いなる虹の下にて漁れる

さきがけの螢が端の火を放つ

幕間に星の流るる花火の夜

水垢離は富士の湧水山開き

落日の天くれなゐの鰯雲

底抜けの空魁の雁渡る

松原を舞台に三保の薪能

         



鳥井保和主宰「星雲34号」

  鳥井保和主宰星雲34号を紹介します。

季節の一句 一献は花に月にと花の宴 鳥井保和  第2句集「吃水」より

 故立川談志は「酒が人間をダメにするんじゃない。人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ」と毒を吐いた。実に彼らしいレトリック。  酒の宴、酔いも回る頃、「月に」「花に」と口々に杯を捧げ興じる事もあるだろう。酒と花の宴の取り合わせを嫌う作者もいるがわたしは気にならない。その取り合わせに全く類型が無い訳ではないが、それさえも許されるハレの場のよろしs。宴の音読みにも切れがある。 花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

星戀集

火の鳥のごとく鷺飛ぶ冬夕焼   鳥井保和

走り根のあらはに瀧の涸れにけり   〃

極星集

   大釜の湯気にぬくもる大根焚   小林邦子

   岬に立ち祈る弥栄初旭     竹正與

小夜しぐれ峡に一灯また一灯    成千代子

   猛然と首都に攻め入る冬将軍    山田佳郷

落葉し尽し明明と夜学の灯    岩本たき代

  

天星燦燦  鳥井保和選  一部

   七十路の余白はひろし年新た   前田長徳

   鮟鱇の渾沌たるを吊しけり     吉田捷子

初山河熊野詣の一之宮   中川めぐ美

海神の護符の潮噴く浜とんど  加藤行蕙

谷ひとつ挟み隣家の夜なべの灯  澤禎宣

  雪吊にこだはる庭師生一本   園部知宏

極月や注連緩びたる御神木   土江祥元

  鰯焼く煙漂ふ恵方道      松本淳子

  能面の薄き微笑み冬座敷    新井たか志

  野地蔵に袈裟かけるごと蔦紅葉  平岡妙子

寒行の白装束は女人なる     岡本 敬

なまはげのお面のままに聞し召す   田島和子

かたまりて巌のごとき海鼠かな    木下恵三

字余りのやうな余生や冬至風呂   小林永以子

あかときの白玉ゆかし雪あられ    中嶋利夫

傘立てに蝙蝠傘と自然薯と    小川望光子

                 

  誓子の句碑巡り34(岐阜県羽島市・極法寺) 

 げんげ田の廣大これが美濃の國 誓子

     敗荷の甕に囲まる誓子句碑   保和

 特別作品

「冬将軍」 岩本たき代

よく散ってよく咲く垣の姫椿

何処からも見えて枯野の無人駅

細滝のしぶき逆巻く冬将軍

     「凍滝」  吉田捷子

     ハンターの肩で分けゆく枯尾花

     一喝はおのれにかけて寒行者

     凍滝となりても人に仰がるる

 星座探訪33より 冨田正吉氏の星雲の俳句探訪 

 冨田正吉氏プロフィール;朝同人、俳句協会幹事

第一句集「父子」、H3年第2句集「泣虫山により第15回俳人協会新人賞受賞。H13年第三句集「卓球台」上梓。

   季節の作品「夏」  冨田正吉 

 牡丹やゆくさきざきの潦 

脱ぐシャツの中で笑ふ子雲の峯

父と子の父にぶつかる黒揚羽 

天星集  横綱は新米教師宮相撲     澤禎宣 

   クレーンで吊る優勝の大南瓜  田島和子

昴星集  ページ繰る風のたはむれ窓の秋   平岡妙子

星雲集  噴水のふんばる水の力かな     鷹野玲子

 「ふんばる水の力かな」が噴水のさまざまな動きの中のどのようなところを指しての表現なのかを読み手に想像させてくれるので愉しい。作者と読者の考えているとこが違っていてもこの場合はよい。

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行6 大上敬史

()()()王子  (和歌山市奥須佐3)

武内宿禰生誕の井戸 (和歌山市松原83 武内神社)

薬王寺  (和歌山市薬勝寺129)

奈久知王子址  (和歌山市薬勝寺223)
 「和歌山県聖蹟」奥本嘉平氏口伝と「紀伊風土記」の二つの説や写真など興味深い記事

小栗判官腰掛け石 (海南市多田525先 亀川の北側、古川筋)

  

     身体の俳句34「影のこと」 小川望光子

春光や塩粒小さき影を持つ     小川望光子

曼珠沙華赤き翳もつはずもなく    〃

炎天下母影つくり子を入れる     〃

 自分の句ばかり・・・「あんたほんまにナルシストやね」と家内に言われそうなので・・    

 鮎は影と走りて若きことやめず   鎌倉佐弓

 われをつれて我影帰る月夜かな   山口素堂

 冬の日や連子の影も連子なす    小川望光子

昴星集燦燦   鳥井保和 

 息を吞むほどに寒月美しき    服部久美

 雪の日のひとり待ちゐる手術室  中嶋美恵子

 寒柝の里に谺す隠れ里      岡田麻里 

  星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

 美しき舌出してゐる秋の蛇    天倉 都 

里山の明け暮れ早し蟬しぐれ   鷹野玲子

古の医聖の里の曼荼羅華     下村ツヤ子 

8回星雲・三賞 受賞者 

昴星賞

 平岡妙子  打ち水に跳ね返り来る日の匂ひ

   前田長徳   竜淵に潜む水底真暗がり

星雲新人賞

 天倉都   踊子の腰しなやかに風の盆

 中嶋美惠子  御廟みち苔衣召す露の墓          

 リレーエッセイなど

             

四月・卯月・うづきです。

4月April

田打ち桜こぶし辛夷が咲きました。

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茨木和生著「季語を生きる」暮しと季語より

 春、夏、秋は農耕の暮しにとって大切な季節だから、暮らしと結びついた季題、季語はたくさんある。しかし、農作業は五,六十年前とは大きく変化している。

耕すに馬持ちし身の嬉しさよ   召波

山国の小石捨て捨て耕せり    沢木欣一

子を産みしときの力や耕せる   鷹羽狩行

召波は明治八年(1771)に亡くなった江戸時代の俳人であり、鍬で耕していた農夫が耕馬を手に入れたときの喜びを詠んでいる。それまでは、〈千年の昔のごとく耕せり〉という富安風生の句のように鍬を使った耕しが、ここに掲げた二句のように続けられてきたのである。

大和また新たなる国田を鋤けば  山口誓子

「田打」とその傍題季語に「田を返す」「田を鋤く」があるが、これは田植に備える作業のことだ。誓子の句は昭和二十九年の作だから、牛を使って田を鋤いていたのだろうが、こういう視座で田打を詠めば、耕耘機時代にも通用する。鋤かれた真っ黒の土を見て、誓子は新たな国がそこに生まれたと詠んだのである。(一部)
       

今月のお題は「原」です。

四月七日にお題二句と雑詠五句を公開します。      

運河句集祭・2016

東吉野の天好園で「運河句集祭」がありました。
茨木主宰の「詩歌文学館賞」の受賞の朗報を受け多いに盛り上がりました。
句集「真鳥」、「季語を生きる」茨木和生・・感想 谷口智行
句集「山の神」山中弘道・・・・感想  森井美知代 
句集「綾子」井上綾子・・・・・・感想  高松早基子
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佐滝幻太個展  写真・俳句展 

 佐滝幻太個展 コラボレーション 写真・俳句展  
 日時; 3月25日(金)~27日(日) 午前9時から午後6時(最終日は5時)
 場所;徳島シビックセンター三階Aフロア
 写真には特有の直截的な事実があり、俳句(無季を含む)には言葉のもつ味わいがある。その両者を組み合わせたら、そのあわいにも何かが生まれるか、生まれないか。
佐滝宏和
 連絡先 088-654-0058
                                    photgraph$HAIKU⇒anything?
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三月・弥生・やよい

  三月March

   蕗の薹     イヌノフグリ踊り子草(夏の季語) 八手の実花は冬の季語

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傾ける土に傾き蕗の薹     林 徹

一つ見つけて蕗の薹背後にも  今瀬剛一

水中に花開きゐる蕗の薹    茨木和生

 この蕗の薹ははじめから水中にあったのではない。蕗の薹の花が咲いたころ、雪解水が溢れて水浸しになったのだ。こんな蕗の薹の花はてんぷらにしたり、蕗の薹味噌にしたりもする。

去年のいまごろ?どんな俳句詠んでいたの?
2015年の三月の俳句あれこれ 

天界をあぶれたるかに鳥帰る  谷口智行 

海の色残る目刺を焼きにけり  佐藤八重子

春雪に百樹百石寂に入る   野中千秋

モザイクのタイル修復春来たる 池端順子

野仏の頭に止り春の鶸    檜尾とき魚 

連凧に風の通りと言ふがあり  堀瞳子

霊峰の風の硬さも梅三分   安藤加代

ハンドルに遊び私に春の土   岩城眉女

種を蒔く土の活力目覚めをり  坂東恭子

梁落とす重機二掻き二月尽  松村公美子

もういいよなんども言わせ野に遊ぶ 新居三和

万葉も古今も今も猫の恋   工藤泰子 

松明売る青果店にもお灯祭  中村敏之
            

今月のお題は「中」です。
3月 7日にお題2句と雑詠5句を公開します

茨木和生著「季語を生きる」

茨木和生DSC_0942著「季語を生きる」を紹介します。

 帯文;句作の奥義 俳人の生き方 今こそ「ありがたい」と感じる心を大切に!俳句に《素》の生き方を希求してきた著者が、熊野の鮑や深吉野の猪を食べながら、竹に荒らされる里山や、衰えつづける吉野の山桜を愁い、行動する。日々の生活と共にある季語、俳句の本質に迫る現場の声を、《俳人協会賞》作家が熱く届ける!
宇多喜代子・中上健次・前登志夫らとの交友録は併載

はじめに 俳人と環境問題

磯焼け現象、那智の滝水の危機、吉野の山桜の枯死、日本の山の竹林化・・平成23年9月の台風12号、15号によって、ことに和歌山県、奈良県、三重県の山間部や海岸部が大きな被害を受けました。これまで述べてきたこととも関わりが深いのです。コンクリートの代表はダムですが、ダムを作るよりも、その資金を活用して、荒廃した山を復活させ、保水力のあるヤマにする、竹林化した山の伐採を進め、広葉樹など豊かなな林相の山にする、こういうことを考えてくれる政治家が一人でも出てきてほしいと思っています。山仕事は素人にはできませんが、講習会などで訓練を積んでもらうなどすると、雇用の促進にも繋がるなどど思っているのですが、いかがでしょうか。
  平成24年11月25日に刊行された「俳句文学館紀要」第17号(俳人協会発行)より転載

暮しと季語

新年の季語・忘初・寒施行・寒の水・寒の川魚・(しみ)渡り(わたり)・山里の春の訪れ・早春の淡水魚・海べりの春の訪れ・のめ・木の芽,草の芽磯遊・・・・(夏以降は後日紹介します
季語を考える;言葉を得るまで・新幹線の景色から・天の竹藪・季語を死語とさせない・忌日俳句を読む

読んで楽しむ辞典―夏井いつき著「絶滅寸前季語辞典」2001年出版

一部を紹介します(夏井さんは)「この本を読んでも役に立たないことにかけては、右に出るものはないかも知れない」と謙遜して語って・・・「読めば笑っていただけるシロモノに仕上がっていれば・・こんな幸せなことはない」とも・・どんな季語が絶滅寸前になっているのかと、

 古来、日本の詩歌の眉目は「雪・月・花」であったが、俳句でも「雪・月・花」という季題は、伝統を負った(たて)(だい)()(ことば)た。中略 地球温暖化と、た、奈良京都・・・・

「花」といえば桜であるが、その桜は日本の国の花とされている山桜である。そして、詩歌に詠まれてきた山桜は吉野山のものであった。古くから和歌に詠まれ、俳句に詠まれてきた吉野山の山桜が、いまのうちに、なんとか手を打たなければ、ゆくゆくは枯死(こし)まうている。下の千本、中の千本、奥の千本と半月ほどかけて吉野山を咲きのぼってゆく約3万本の山桜は・・・・今吉野の桜を守ろうという声が俳人の間にも起っているのは、季題そのものである「花」を、「山桜」を守ろうということなのである。・・・後略

民族学からの照射―小池純一著「伝承歳時記」-

古季語の豊かさとその実作―宇多喜代子著「古季語と遊ぶ」-

繋がる交わり ;鰹だんねん・仏見舞・連れ・前登志夫さんを悼む

  あとがき; 那智の滝源流水資源保全事業基金へのご協力のお願い
  郵便振替口座 00960-1-126020 
     
加入者名  那智の滝 水資源基金

「運河」創刊60周年750号記念祝賀会

DSC_0849「運河」創刊60周年750号記念祝賀会

H28年1月30日(土)

シェラトン都大阪 4F 浪速の間

 司会 浅井陽子・藤勢津子

主宰挨拶  茨木和生

語り・歌  バイヤーヤンジン

来賓祝辞 大峯あきら、辻田克己・尾池和夫 乾杯   藤田真一  

 祝宴  記念俳句大会受賞者表彰  など

閉会の辞   谷口智行

  入選作品

井上弘美 特選  子の影を月よりもらふ良夜かな  堀瞳子

岩城久治 特選  登登と山振振と鴨来る     浅井陽子

宇多喜代子 特選 立しさうで立たずにくづれ鷹柱  山尾カツヨ

大石悦子 特選  登登と山振振と鴨来る     浅井陽子

辻田克己 特選  カーテンに影が溌剌小鳥来る   林 周作

西村和子 特選  水無きが如くに澄みて神の川  山中悦子

山本洋子 特選  鷹渡るかはたれ星を従へて   福西泰子

茨木和生 特選  白鳥座能褒野の天に懸りたり  小林青波

  その他(入選は各選者20句)関係者のみ

天高く麒麟の耳の動きけり     池端順子

稲妻を拾へりラジオ深夜便     堀瞳子

楽しめり糸瓜の水を取ることも    工藤泰子

落鮎の鰭打ち合ひて流れけり    堀瞳子

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二月・きさらぎ

二月いんしゅん(殷春)、うめみづき(梅見月)、きさらぎ(如月・衣更月)、けんうづき(建卯月)、ちゅうしゅん(仲春)、なかのはる(仲の春・中の春)、はつはなつき(初花月)、ゆききえつき(雪消月)、ゆきげしづき(雪消月)、れいげつ(麗月・令月)、をぐさおひつき(小草生月)

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 半天は鳩に覆はれ節分会      鷹羽狩行

護摩焚いて黒炎立たす節分会    鷹羽狩行

節分の白兎の波がふくれきし     奥田節子
節分や性悪説に傾きて        二瓶洋子

東司まで下る難儀を節分會      中原道夫

わがこゑののこれる耳や福は内    飯田蛇笏

こだまする後山の雪に豆を撒く    飯田蛇笏

豆撒く声おこるわが家に灯ともせば  秋元不死男

須弥壇の三宝にあり年の豆     高浜虚子

節分の鬼役今日は免れて      稲畑廣太郎
灯の宮の春日明神年の豆      阿波野青畝

逃げやすき日を追ひ節分すぎの町  豊田都峰

鬼は外主なかなか帰宅せず     阿波野青畝
                          
 2月のお題は「前」です・
2月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。

      


運河創刊60周年750号記念特集

DSC_0761「運河」は創刊60周年を迎えました。750号記念特集号を紹介します。

 「運河」についてー創刊の言葉   文・右城暮石

 会報誌として出発した「筐」も既に四十号に達した。会員の希望や新参加者の要望で、此の機会に「筐(かたみ)」を「運河」と改題して一進展を試みることになつた。

 「運河」は至極自由な集まりである。そして成るべき多くの集まりになることを希望する。質よりも量とは言わないが、量の中から質の生じることを思へば、余り性急に質ばかりに偏したことは言はない。先ず何よりも線香花火的には終り度くない。

 「運河」の作品は一口に言へば、各者各能であってよい。でたらめや負け惜しみで言ふのではない。出発早々から一色一列の作品を並べられる筈もないし、そう言ふ積りもない。只作品意欲だけは旺盛であり度い。少々俗つぽくても不死身の態度の中から、次第に本物が生まれて来ることを期待する。

 出発に当たって多少の抱負や希望もないわけではない。会員からの活発な意見もある。しかし今は多くは言はない。雑誌の上で言ふべきこと、遣るべきことをやらなければ、今何を言ってもはじまらないからである。

 誌名「運河」は思ひつきに過ぎない。たゞ四囲の濁りを入れて、水が豊かに平らかなのは見て悪い気持ちはしない。汪洋と言へば当たらないとしても、人工の痕を感じせしめない運河の風貌には、万人を容れるしたしさがある。常に自ら清(す)むを恃む気持ちがあるかないか。それは知らない。しかし何かを蔵する不逞さはたしかに感ぜられるのである。

 「運河」昭和三十一年四月号・通巻四十一号)

 創刊から三十年後の昭和六十年「運河創刊三十周年記念合同句集」が発行された際、当時編集長であった茨木主宰は〈あとがき〉にこう記された。「運河は流れつつ、水量をゆたかにし、もろもろの濁りを、澄みを集めて、何ともいえぬ水質の流れになっている」と・・(谷口)  

鳥井保和主宰「星雲33号」

鳥井保和主宰星雲33号を紹介します。

季節の一句 寒砂丘掬へば砂の温かし 鳥井保和 第1句集「大峯」より

 DSC_0732遠景と近景の妙、また温感の差、句評の落とし処を探れば幾つもの切り口が試される句であろう。大上段に構えた表現「~ば」の精度にも氏ならではの情感が走る。冷たい景色に反し掬った手には温かい砂、その砂に微かな潤いさえ感じ、その潤いが寂とした生死の不思議を呼び起こす。

     花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

星戀集
 仮の世のごとし一切霧高野 鳥井保和
雲一朶高天原の柿日和    〃 


極星集

   天高し園児の声のなほ高し    岩本たき代

   月光につながれてゐる砂丘かな   小林邦子

   秋光や出雲は神の都なる     竹正與

贈られし箸に亀の絵敬老日    成千代子

   花街はわづか三丁照紅葉    山田佳郷  

天星燦燦  鳥井保和選  一部

  塩梅は老舗の秘伝秋刀魚鮨   澤 禎宣

  神木と知らで刺しゐる鵙の贄   園部知宏

  浦祭海に斎竹渡御の道     松本淳子

  和紙よりもうすく流るる秋の雲    吉田捷子

秋霖や苔のにほひの水子仏     加藤行蕙

だんじりの団扇発止と遣り廻し   中川めぐ美

椋鳥の一羽の翔てば百の影    新井たか志

撫子や「飛鳥美人」のおちょぼ口   土江祥元

子蟷螂はや剣客でありにけり    岡本 敬

地獄谷噴煙染むる秋夕焼    田島和子

溝蕎麦を縫つて瀬音の光りをり   小林永以子

天高し紀州青洲志        中嶋利夫

血の池となる紅葉の心字池    木下恵三

秋天を窓に映して摩天楼     小川望光子

                 

誓子の句碑巡り33(関ヶ原・歴史民俗資料館前)

   秋雪積みて全白となる関ヶ原  誓子

     鵙猛る天下分け目の合戦地   保和

 特別作品

「秋の航」 正與

秋の航碧一色の駿河湾

一湾に富士の峙つ秋高し

洋上の天に迫リ出す秋の富士

     「天心の月」  平岡妙子

    天心に淡き三日月萩の風

    澄み渡る天心の月孤高なり

    まろびゆく落葉の重さ軽さかな

 

星座探訪32より 冨田正吉氏の星雲の俳句探訪 

 冨田正吉氏プロフィール;「朝」同人、俳句協会幹事。第一句集「父子」、H3年第2句集「泣虫山により第15回俳人協会新人賞受賞。H13年第三句集「卓球台」上梓。

   季節の作品
  「春」  冨田正吉 

 父と子の年の差をかし遠蛙

 飛ぶは飛ぶは泣虫山の杉の花

 引返すことなき風の光るなり

   星座探訪  一部

天星集  神と居る糺の森の木下闇      小林永以子  

 一時半二時半三時明易し      小川望光子

昴星集  特攻兵舎いま廃屋に梅雨の月    奥井志津

星雲集  清姫も渡りし河か鮎上る      組口庄司

     和歌山県の道成寺は安珍・清姫の伝説で有名。この伝説は能・舞踊・邦楽でとりあげられている。その伝説を踏まえた作品である。眼前の鮎の川からの場面展開が見事である。
 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行5 大上敬史

白鳥の関・小町堂・川辺の六地蔵尊・布施屋・矢田峠・・など

 矢田峠和歌山市禰宜)和佐山の峰には、黄金千枚、朱三石を埋蔵し、村民飢渇のおりはその用に備えたと伝わる。・・近年、高積山の麓で黄金や小判ではないが、大量の古銭を見つけたという逸話も残る。・・
身体の俳句33「体育のこと」 小川望光子   体育は苦手でした。

 跳箱の突き手一瞬冬が来る    友岡子郷

 二十のテレビにスタートダッシュの黒人ばかり 金子兜太

 木枯しや家まで三千六百歩   小川望光子

昴星集燦燦   鳥井保和 

 水底の石にも影や秋澄めり      前田長徳

百の田の百の畦みち曼珠沙華      平岡妙子

飛騨の宿丸太刳り貫く大火鉢      服部久美  

夕焼の父の海あり沖縄忌        内山恭子  

星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

 蜜柑咲き温室みかん売られをり   下村ツヤ子

 藤棚のむらさき重き夕べかな    大坂 弘

雨あとのすぐに繕ふ蜘蛛の糸    森本潤子  

第十一回日本詩歌句随筆評論・協会賞「俳句部門・奨励賞」

                      「紀の春」    花尻万博        三十句より

 冴え返る九絵は瞼を厚くして

 古道や夕湿りある草の餅 

 木の国や潮にたはむ蝶の角

 切れ切れに柳の中の夕日影

 失ひしもの探すかに貝揺れる

                

 リレーエッセイなど

2016年1月

      2016昭和28年1月
P1080879 加島祥三

求めない-

すると

 いま自分にあるものが

素晴らしく思えてくる

求めない-

すると

 ひとの心が分かりはじめる

 だって、利害損得でない目で見るから

 あらゆる生物は求めている。

 命全体で求めている。

 一茎の草でもね。でも、

 花を咲かせたあとは静かに

次の変化を待つ。

そんな草花を少しは見習いたいと、

そう思うのです。

ぼくが「求めない」というのは

求めないですむことは求めないってことなんだ。

すると

体のなかにある命が動きだす。

それは喜びにつながっている。

    

 今年初めてのお題は「立」です。
 本年も「木偶の会」をよろしくお願いいたします。

   17日にお題2句と雑詠五句を公開します。

第61回角川俳句賞候補作品「西ようず」②

       俳句」2015年11月号より転載 
 第61回角川俳句賞候補作品「西ようず」 谷口智行 
「西ようず」  ①の続き

白南風に船出す筵破りかな

かはせみの来て埴土の崖穿つ

松脂に捲かれ天牛絶命す

ふるみちの果神さびの滝かかる

瀬に漬けて鯵の干物をもどしけり

猿醤ねぶれる水中りの閨に

薔薇病んで即ち能火野人(のうくわやじん)かな

青海亀寄り来流竄の神のごと

無患子の山蜜切りて夏惜しむ

田の神を祀れる稲場より鶉

焼栗やちかきむかしの炭飢饉

落とし水流せる川にせいご)くる

健次忌の辻々に立つ青をんな

川施餓鬼藁の舟方燃えのこる

橙は死人の路銀精霊舟

乳いろの貝砂敷きつめ盆の墓

   

厠までほーいほーいと猪やらふ

盆魂の来てゐる家のお葬式

ぬかご採る百円傘を下に受け

芋茎なる縄暖簾かと触れたれば

牡鹿(をが)の角月の光をかへしけり

恋の牡鹿角の股数鳴くといふ

炉明りや草鞋の縁に四つの乳(ち)

鮎をあい粥をかいとて榾をつぐ

流れ藻を柑子蜜柑の肥とせる

冬に実をむすぶは哀し冬苺

修羅落し修羅に打ちたる水凍る

雨乞も日和申しも神楽歌

かもしかの糞の両端尖りをり

冬凪や正月餅を搗かぬ村

鮫の胃を割きて沖醤蝦汲み出せる

数へ日の軒に晒せる鹿の枝

黒枠のなかもよかれと年木積む

荒磯廻にひろふ流木年の暮


        

第61回角川俳句賞候補作品「西ようず」①

   「俳句」2015年11月号より転載 
 第61回角川俳句賞候補作品「西ようず」谷口智行

「西ようず」 50句より 

ふくらかにしなふ浦波初しののめ

払暁の寒九のうしほ汲み来たり

ぞんぶんにの芽喰うて角落とす

深更のちひさき地震にほろろ打つ

水の上の山桜とは反りかへる

海底は沈木の森西ようず

黒文字の花や狸の恋ざかり

鰹釣るこゑ山番の無線機に

きりぎしの道の曲りの緑雨かな

磯馴松磯馴姥目に薬降る

浦越しの風に海蘿を掻ける音

海びらき野良の神職きて祓ふ

端居して元筏師は海知らず

草笛も草鉄砲も悪達者

籠罠の浮子はキューピー頭蟹とる
       続く

       
 
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