「木偶」の会

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 運河俳句賞おめでとうございます。毎年12月「運河俳句賞」の発表があります。9月締切までに「20句」をそろえて応募するので、大変です。しかも毎月の20句を欠句しての応募は認められません。今回は茨木和生選のみを掲載します。
    茨木和生選
 第一位   真野の卯波      山近由美子
      渦潮をならず潮色変はれども
      崩れたる山肌あらは山桜
      濁りをれども湖に稚鮎汲む
      夕暮れの真野の卯波の荒れ来たり
      上陸は年に一度よ島祭

 
第2位    山河賛歌       檜尾とき魚
      蝮酒指す元気かと問ひたれば
      杣小屋の屋根は杉皮蛇の衣
      涼しさよ電気水道なき暮らし
      指笛の谺透きゆく良夜かな
      秋の虹山河讃へてゐるごとし

 第3位  雪だるま       たなかしらほ
     農小屋の半ば埋もるる深雪かな
     余呉百戸つなぐ小径の雪を掻く
     融雪の湯の出ぬここら余呉も奥
     寒雲の垂れをり賤ヶ岳の上
     吹雪けり呟きほどの日が差して

 第4位  皇居観桜      代田正雄
     ボディチエック受けて皇居の花人に
     列乱す人なく皇居花の道
     引き返すことは御法度花の道
     遠く来て皇居観桜日和かな
     道尽きて黒大門に花吹雪

第5位  三和の御田   山田悦子 
     降臨の祝詞のさなか夏鶯
     白シャツの豊年議員祓ひ受く
     麻緒結ふ青竹すがし水戸祭
     燻炭にそだつ早苗の濃き緑
     田の神の鳥居は丸太抜穂祭 
                       
     
   

        

小雪   朔風払葉  さくふうはをはらう    11月20日~12月1日

橘始黄   たちばなはじめてきなり 12月2日~6日

大雪   閉塞成冬 へいそくしふゆとなる  12月7日~11日

熊蟄穴  くまあなにちっす     12月12日~16日

魚群  けいぎょむらがる     12月17日~21日

         「鱖魚」は中国に住む口の大きな魚。アサジ、オイカワ、ヤマベ、鮭         
冬至   乃東生  だいとうしょうず 12月22日~26日

      麋角解  びかくおつ 12月27日~31日

    201411252307000宮本ジジ絵

        松瀬青々 

 蕪こそ肥えて美人に似たりけれ    

 寒雀氷の珠を啄みぬ        

 狼藉と去来も見しか柿落葉

 ぽつかりと雪ほどのもの世にあらず

 の下に雷を感ずる冬至かな

     右城暮石

 風呂吹の湯気室内を甘くせり 

 かじかみて何をするにも腹だたし

 性格の違ひ障子を洗ふにも

 気象図の線美しく寒波来る

 に雪のあるところまで遠く来し

     中村正幸

 去年今年軸足いまだ決まらざる

 遥か来て白炎となる大白鳥

 キューピーのでこにあつまる寒さかな

 裸木となりてその影独立す

 底冷の鞄の底に旅の

   茨木和生

 空中で力強めて鴨飛べり

 囮鴨流れを切つてゐたりけり

 ほとけより神はおほらか公孫樹散る

 冬の海荒ぶ熊野が鳴りして

 水仙が自生す灯台敷にも
   
             

    今月のお題は「地」です。12月7日にお題二句と雑詠五句を公開します。 

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  霎時施  こさめときどきふる     1028日~111
  楓蔦   ふうかつきなり       112日~6

  山茶始開 さんちゃはじめてひらく    117日~11
      
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 最近稲架はすくなくなりました。今年は風で倒れた稲が多くて、稲刈りは大変だったようです。
  山口誓子DSC_0066

 風倒田風の踏みたる跡とどむ   






風倒の
稲を異草かと思ふ

(

 風倒の稲穂き左

 高低のまま泡立草立たせ置く

 近江の田泡立草のの割

    右城暮石

 藁ばかりなる藁塚のもたれ合ふ

 藁塚も神菩薩像なるよ

 新しき藁塚やわが詩も太れ

 コンバイン停めず運べり籾袋

 黄ばむ樹になんじやもんじやの名札吊る

    茨木和生

 ばらばらに立つ藁塚の意思ならず

 狸藁塚とはなまくらなつくりやう

 薄墨の紅葉の雨雫山
 桜
もみぢのときも一樹にて
 山の雲切れ紅葉かな

    今月のお題は「運」です。
     11月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。

             

 

          

 蟄虫坏戸 ちっちゅうこをはいす(9月28日~10月2日)

 虫類が巣篭もりをはじめる季節

  虫たちの饗宴はクライマックス・・そしておひらき

 水始涸  みずはじめてかる(10月3日~7日)

 稲田の水を干しはじめる頃合い・・まもなく稲刈り
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今月のお題は「月」です。

ひとつ家に遊女も寝たり萩と月      芭蕉

名月を取ってくれろとなく子哉      一茶

はなやぎて月の面にかかる雲       高濱虚子

名月や巡りて見する風車         正岡子規

名月や浪速に住んで橋多し        夏目漱石

夕月のたへにも繊き案山子かな      水原秋桜子

真っ向に名月照れり何はじまる      西東三鬼

鎌倉の月高まりぬいざさらば       阿波野青畝

月隠す術なき屋根となりにけり      久保田万太郎

稜線を刻々鎮め月のぼる         横山白虹

      10月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。

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                   彼岸花の俗称

 狐の剃刀・死人花・幽霊花・死人草・しぶとばな・仏花・数珠花・じゅじゅばな・じゅずかけばな・曼珠沙華・極楽花・天蓋花・・・

山内節子 第一句集 「七野七種」 角川学芸出版を紹介します。
つらつらと つらなるいのち くわとのひも

山内節子さんの作品が安心して読めるのは、どの句も現場に立って物を見つめて真摯に詠んでいるからである。・・・序文より 茨木和生
        自選句
BlogPaintお山から雨脚早し御田植

左義長の竹伐りに行く小舟かな

憧れが恋の始まり雲の峰

豆筵広げ相場のラジオ聞く

正倉院正面にして暦売る

夫にもと買ふ歌神の宝船

歌貝の句を諳んじて雛の客

産み月の髪を切りきて夏帽子

汐汲と決めて羽子板市に行く

つらつらとつらなるいのちくわとのひも

満員の川舟連ね紅葉狩

はやしけり京の七野の七種を
共鳴句

懸想文ぎなた読みしてゐたりけり

鬼封じ込めたる巌春の雪

竜穴の口に日の入る彼岸かな

端午鰤甑隼人の裔の海士

年表を皇紀でしるし献氷祭

天窓の小さき包パオの夏炉かな(モンゴル)

御花園(ぎょくわゑん)の岩の築山菊の宴

午後からも山影退かず石鼎忌

涅槃図の沙羅は黄金に枯れゐたり

うすがみのふくれきつたる葱坊主

昼は子と貝掘りに来て十三夜

この案山子煙草のにほひしてゐたり

猫よらず虫こないも苗四月馬鹿

湿原の荒れてをりたる花野かな

星落ちし所を祀り山桜

野遊びの続きに乗れる渡し舟

毒茸見とれて人に遅れたる

夜神楽の中入りに投ぐ福の種

ケンケンと朱書きの札も初鰹

落葉掻寒山似よと言はれても
                 

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「大和句会」200号記念合同句集

はじめに      運河俳句会 主宰 茨木和生  

月に一度の大和句会に集まっているのは15人ほどだが、こんな句会はよほど楽しくないと長続きしないものである。なによりもまとめ役に勝井良雄さんがいたことが大和句会の存続に大きな影響を与えていた。 大和句会では年に一度薬喰と称して忘年句会を大柳生の猪宿で行われてきた。私も幾度か招かれて参加したことがあったが、なんとも楽しい句会だったと思い出す。句会発足時から指導に当たってきたのは、山中麦邨さんだったが、麦邨さんが亡くなられてからは勝井良雄さんが句会を纏めて来られた。その勝井さんが昨年8月19日に亡くなられた。それでも大柳生での薬喰句会は、今年の1月末に行われた。暮石先生の句に「飲み食ひも供養のひとつ曼荼羅会」のあることを知っているかのようだった。みんなも勝井さんがあの世から戻って来るように思っての薬喰だった。私は急病で参加できなかったが。この句集は勝井良雄さんの一周忌に合わせて上木されるものだから、まず勝井さんの作品を褒め称えておきたい。

 俳論は句に申させよ冷し酒

 暮石師の写真も拭きぬ年用意

酒も俳句も暮石師も好きというのは、勝井さんの右に出る人はいないだろう。

 あと各人の作品を一つずつ掲げて大和句会の第二集を称えたい。

ひちりきの指は骨太里神楽   三木昭二

月の酒話おのづと勝井さん   井上綾子

活鮑見れば酌みたし語りたし   小野京子

検診の済秋晴の空仰ぐ     木村緑枝

春の川光を束にして流る     栗原加実

宇宙とは暗きものなり夏満月   齋藤良雄

水口を浄め田の神祀りけり     佐藤哲夫

麦邨もあきをもをらず牡丹鍋    清水 修

水盤に活く御田植のあまり苗    鈴木好子

教へけり端午の兜の折り方を    瀧川義朗

円城寺素通りをして薬喰     西川徳蔵

神々はこの山上に青嵐      濵田武寿

麦飯を食べてゐる夢汗をかく   福本須代子

 

 表紙絵・西川徳蔵 作


 

  
 

  九月です。白蔵、金蔵、白帝、高秋、金秋・・

どんなとき秋を感じますか?今回はドラマチックな女性の俳句集めました。

          
 初秋のまひるまぶしき皿割りぬ  桂信子

 井戸に汐さして八月終りけり   鈴木真砂女

 西鶴の女みな死ぬ夜の秋  長谷川かな女

 この樹なら鬼女となるべし夕紅葉  三橋鷹女

 不動明王(おみな)われゐて秋まひる   石橋秀野

 恋ともちがふ紅葉の岸をともにして  飯島晴子

 夜の卓智慧のごとくに胡桃の  津田

 月光に一つの椅子を置きかふる  橋本多佳子

 古九谷の深むらさきも雁の頃  細見綾子

 とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女

 暁は宵より淋し鉦叩  星野立子

 虫籠に虫ゐるさゐぬさ  西村和子

 コスモスなどやさしく吹けば死ねないよ 鈴木しづ子

 野にて裂く封書一片曼珠沙華  鷲谷七菜子

     今月のお題は「夢」です。
   9月7日に お題二句と雑詠5句を公開します。
      

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 8月 葉月 

 
   鬼灯の花と実、茄子・胡瓜・オクラ・南瓜の花 

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 大暑   8/2~8/6   大雨時行  おおあめときどきおこなう

  立秋   8/7~11   涼風至    すずかぜいたる

       8/12~16  寒蝉鳴  かんせんなく  寒蝉は蜩(かなかなとも)

      8/17~22  蒙霧升降 ふかきりまとう

  処暑   8/23~8/27 綿柎開 わたのしべひらく

       8/28~9/1  天地始粛 てんちはじめてしゅくす
蝉がうるさく鳴きだしました。蝉と夏の甲子園・・いよいよ夏本番です。

   蝉の声あの世も同じ声なるや     右城暮石
   空蝉を入れし袋の落し物       茨木和生
   人の死も蝉の死も皆仰向ける     能村登四郎

   蝉の木のもりもり重くなりたるよ   内田美紗

   空蝉の背を月光のなほも裂く     中村正幸
   蝉聲に倒伏の草起きろ起きろ     中原道夫 
   戰前に鳴き戰後掃かれたる蝉       〃
   光る空蝉老人の宝物         佐滝幻太        
    
 瓜と禊萩・ミソハギ「溝萩」は誤って伝えられたもの「みそはぎ」は禊ぎに由来し、この花が悪鬼を去らせると考えられた。水をかけた花束で門火を消したりうるので「水懸草」の異名も・・
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 今月のお題は「発」です。
 8月7日にお題2句と
   雑詠5句を
 公開・発表します

                                           



静岡市の俳誌「宇宙」を紹介します。
  主宰 島村正 ; 昭和18年生まれ、201407280646000
39年「七曜」堀内薫に師事 七曜賞受賞。
42年「天狼」山口誓子に師事、コロナ賞受賞。
平成5年「宇宙」創刊
句集に「母港」「天地」「無双」「永劫」「富士」など

 創刊のことば  島村正

 久しく熟慮した結果、管鮑貧時(かんぽうひんじ)の友と、俳誌『宇宙』をここに創刊する。「宇宙は、俳句をこよなく愛する人々の小集団であり、研鑽の場でありオアシスでもある。誌名『宇宙』の「宇」は空間(森羅万象)、「宙」は時間(過去・現在・未来)、少しく広義に天地ほどの謂。勿論、俳句は始めに感動ありきで、対象の小宇宙を、個々の感性(センス)において捉え、俳句という、最小の詩型によって具現に努める。俳句は感動(こころ)の所産に他ならない。今、地方の時代であり、個性の時代同人各位は、個々の個性を充分に発揮する場を『宇宙』と心得、『宇宙』を最大限(フル)に活用していただきたい。小鮮でも魚は魚、精進、切磋琢磨することによって、やがて、水を攪する季節も到来するであろう。『宇宙』には、夢があり明日がある。表紙画 矢澤 賢一   題字 欧陽詢      
 全国俳誌協会・50周年記念句集  宇宙 主宰 島村 正

 俳句は「即物具象」「寄物陳思」を旨に、誓子の「連想飛躍」をモットーとしている。

  朋友は五十歩百歩秋高し  島村正

  剣ヶ峰より大鷲の飛び翔てり  秋本恵美子

 自然薯の形に宇津の谷峠かな  矢澤 賢一

  仲秋やらくだの背ですごしたし  池谷 晃

  スコールの過ぎて星降る誕生日  梶野 定義

  継続の二十年あり秋高し     小林 邦子

  太陽がひとつ百戸の柿すだれ   田島 明志

 客人に冠雪の富士あらはれず   八木 裕子

  日本海見ゆる会場天高し     山田 佳郷

  凍鶴の心音の黙思ひたり     結木 桃子

  目次】  190ページもの充実した俳誌なので一部のみ紹介する。

  書に見る俳句
 エッセイ的自分史「ふしあわせという幸福」(11) 西村 滋
 走れ、ラン(14) 木下 恵三 ;ランは足が不自由な猫のこと

 俳句千一夜話(16)「現象学的還元④」 田島 明志

 季語の周辺「樹木の季節」(9) 結木 桃子

 犬も歩けば38   矢澤 賢一

 「未來抄」を読む(27) 二瓶 洋子

   島村正句集 『飛翔』の一句鑑賞 

  『宇宙』の一句鑑賞

 「伴星集」 「新星集」 

 同人(日矢・通し矢・幸矢)作品評(10月号より)島村 正

「伴星集」の星辰  八木 裕子

 「新星抄」選後独言  島村 正


                

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涼野海音Suzuno Umine

平成25年 第四回北斗賞受賞「一番線」一五〇句にて

句集「一番線」

  香川県高松市生まれ

 「ぶどうの木」「白桃」を経て現在「火星」「晨」同人 「草蔵」会員

  俳人協会会員

平成23年 石田波郷新人賞作家 

本集には、およそ4年かけて自選した句を収めた。私自身の思い入れが深い句を重点的に選んでいる。俳句を始めてかたずっとただ「自分に正直に」詠んできた。俳人にとってこれ以上、大事なことはないと思う。「あとがき」より

自選一〇句

水温む壁に山下清の絵

会ひしことなき人待てる桜かな

海の日の一番線に待ちゐたる

峰雲や胸の高さで名刺受く

空海の生まれし国へ帰省かな

鶏頭のまはりの空気澄みゐたり

鬼の子の前で挨拶交はしけり

セーターを脱ぐ満天の星の下

読初のメロスまだまだ走りをり

寒卵海光さしてゐるごとし

若い感性のあふれる句!すべて紹介したいところですがいくつか独断でピックアップしました。



恋もせず菜飯を混ぜてゐたりけり

鷲づかみしたる虚子忌の花鰹
桜蕊降る妹のやうな人
青空は窓の大きさ啄木忌

青葉風小舟のやうなスニーカー

ひげ剃つてどこへも行かず羽抜鶏

黒揚羽天文台の空より来

箱庭に倒れしままの釣人よ

炎天へ転がりさうなガスタンク

自転車の二つ並んで天の川

むつかしき顔して糸瓜棚の下

秋の日やふと啄木の妻のこと

月の客膝を正してゐたりけり

豊年や海見えてきし赤穂線

待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり

凩や鞄に入れし求人誌

賀状書く机の隅にマトリョーシカ

大年や吊革海の方へ揺れ

白壁句会に海音さんが来られた時、鬼の歓迎を受けました。
句会には鬼はいませんよ!倉敷美観地区には、白壁のゆるキャラもいます。
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    「木偶の」は7月7日で3年目になります!

 みなさまのあたたかいコメントが推進力です。これからもよろしくお願いします。

   2013年7月から2014年6月までの「お題」の俳句

2013年7月「手」

手も足も出ません僕はかたつむり   檜尾とき魚

   手榴の模型にもふれ沖忌     新居三和

   夏草の中を軍手の突き進む      工藤泰子

8月 「富」 

 富籤の愉いつまで蟻地獄      野中千秋

   「富」の字の一字なき心時雨  安藤加代

   熊野にも富士望む山雲の峰      中村敏之

9月「世」

   世の外に生きわれからの伸び縮み   堀瞳子

   世の中を俯瞰してゐる大向日葵    池端順子

   圧巻舞我が世の阿波踊り     坂東恭子

10月  「山」

   よき岩場ぢやつたと山女れにけり  谷口智行

   山分けて芒野分けて高速道      松村公美子

   山姥のゐさうな岩屋からすうり    檜尾とき魚

   秋天やその名の形甲山        池端順子

11月 「道」
   道ひとつ違へば風や冬日影     堀瞳子
   男体山縦横龍田       野中千秋
   山寺へ遍路ころがし野紺菊    坂東恭子
12月  「人」
   そのうちの一人は日陰日向ぼこ     谷口智行
   着膨れて他人のごとき距離にゐる    佐藤八重子
   若人のブツ長くてしなやかで     工藤泰子
2014年 1月 「初」
   微笑めば微笑み返す初鏡          岩城眉女
   初夢や応挙の孔雀啼いてをり        野中千秋
   人の影伸びて初日の昇りて        中村敏之
   初詣不明門(あかずのもん)も開かれて   安藤加代
2月  「新」
   新しき雪を被りて塞の神           堀瞳子
   新しき生命(いのち)が土を割る雨水     檜尾とき魚
   日報に新規契約梅ひらく           中村敏之
3月 「光」
  ブラウスの胸光らせて春の風      松村公美子
  春泥や光の中の子供たち         新居三和
  春雲や光降るごと軒雀          佐藤八重子
  三月の光背山に妹山に          坂東恭子
4月 「草」
  春の犬草吐いて舌吐いて         谷口智行
  道草の出ぬ通一年生        新居三和
  指先の粉も舐めて草子        岩城眉女
5月 「野」
  虎杖も格上げされて野草園        池端順子
  軍はハ野に遊ぶ       安藤加代
  万や視野と視界の間なる        工藤泰子
6月「作」
  田風本屋大賞受賞作            岩城眉女
  更衣さりげなくする若作り          松村公美子
  カレ作りより始まりぬキャンプかな     佐藤八重子
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       今月のお題は「先」です。お題2句と雑詠5句を
           
7月7日 七夕の日に公開します。 
  


 

201406211208000中野弘氏は昭和二年生まれ
第一句集「バックミラー」
第二句集「後ろ姿」
第三句集「日日」
第四句集「日差」
エッセイ集「赤とんぼ」
句文集「リーベ・愛」 
第五句集メメント・モリ「死を思へ」あとがきに「2007年から5年間の作句から411句を抽出してまとめた・・私の最後の句集と思われる。」とある。

  「青熊野」

軒に注連青田に帛を張る熊野

睡りさめ睡りさめ青熊野去る

「天狗」

榧の実落つ天狗の仕業と思ふ程

青空のひりひり炎ゆる冬紅葉

  「カラマーゾフ」

立秋の朝カラマーゾフ読了す

こぶしほどの雲に冬日のかげりたる

 「純愛派」

龍の玉わが青春は純愛派

牡丹の風におくれて揺らぎけり

  「夏目雅子」

夏目雅子に似たる眼涼し阿修羅像

毛糸編む妻に言葉をさがしをり

   「果無」

赤とんぼ宙にとどまりとどまり飛ぶ

海の日や靴を出船にぬぐ習ひ

   「無垢」

遺影にする頃合ひの顔初鏡

突込めばまくなぎちやんと躱し群る
              
     

  

            


 6月!水無月です。旧暦の水無月は、真夏の暑い太陽が照り付ける現在の七月に相当します。水無月は、炎暑のため水源も涸れ果てて水が無い月、の意味とされますが、本来は、稲作を中心とした農作業を、みなし尽した月、皆尽月(みなづき)であったといわれます。旧暦であてはめると少し無理を感じますね。鳴神月(なるかみづき)とも言います。古代にあっては、稲妻は稲の夫(つま)を表わし神格化され、稲は稲妻をうけて結実すると信じられていました。蝉羽月(せみのはづき)、風待月(かぜまちづき)、涼暮月(すずくれづき)、常夏月(とこなつづき)、松風月(まつかぜづき)、夏越月(なごしのつき)いろいろな呼び名がありますね。
            
     田を植ゑてより新しき空と水  辻田克己
     六月の教師むつつり腕を組む    〃
     全山の絞る力を滝と呼ぶ      〃
     カケキクケコカコ昼蛙ゆめうつつ  〃
     雷神の賀茂に雷落ち給ふ      〃  

 

     満月に多感となりし山の百合     中村正幸  

     ひとり子の蟻を見るにも父を呼ぶ     〃
     深海も目覚めよとまた稲光り       〃


         今月のお題は「作」です。
      お題の俳句は「わうわう右往左往」の「作」の字(5/17)を参照してください。
      
お題2句と雑詠5句を7日に公開します。
                

             
    

  五月です!五月晴れ!聖五月!早苗月!橘月!五月雨月!・・・・ 
「さみだれ」の「さ」は「五月」の「さ」、或いは「早乙女」や「早苗」などと同じく田植えに関する「さ」、「みだれ」は「水垂れ」からとも・・・・歌人は憂鬱な「五月雨」を「さみだれ」「小乱れ」に掛けてて恋を詠みました。
        俳句では
   五月雨を集めて早し最上川     芭蕉
   五月雨や大河を前に家二軒     蕪村
   五月雨や棹もて鯰うつといふ    泉鏡花
   五月雨や上野の山も見あきたり   正岡子規
   五月雨や起き上りたる根無し草   村上鬼城
   さみだれのあまだればかり浮御堂  阿波野青畝

        「野」の俳句  
      
機関車の単車行くのみ野のみどり  山口誓子
     野につづく緑ゴッホの自画像より    〃
     メタセコイヤ富士の裾野に青く聳つ   〃
     麦秋や葉書一枚野を流る        〃
     何故に野路に鍬立つ田植時       〃
     野をへだて神の嫩葉(ふたば)を拝し去る 〃
      麦秋の野に逃げ水の直線路    右城暮石
     麦秋の野に人見ぬは息ぐるし    〃
     枯わらびなど梅山の野焼きかな   〃
     深吉野の闇味へとさくも月    茨木和生
     雲の峰横動きせる熊野灘      〃
     熊野より戻りて奈良の青田濃し   〃
     水着の子野猿に乗りて戻り来し   〃
        
今月のお題は「野」です。お題二句と雑詠5句を5月7日の公開します。
                 
       

  

            

四月になりました。一日はエイプリルフールですね!罪の無い嘘なら・・許されますが・・。日本語では「四月馬鹿(四月バカ)」、漢語的表現では「万愚節」、フランス語では「ポワソン・ダヴリル」(Poisson d'avril, 四月の魚) 
   四月馬鹿の句を集めてみました。
 四月馬鹿ゴム靴ばかり洗ふ妻    辻田克己                       

 船酔の欠食五回四月馬鹿      大橋敦子 

 万愚節半日あまし三鬼逝く     石田波郷

 万愚節明けて三鬼の死を報ず    渡辺白泉

 養生は図に乗らぬこと春の草    藤田湘子

 万愚節ともいふ父の忌なりけり   山田ひろむ 

 馬鹿に陽気な薬屋にいて四月馬鹿  清水哲夫                                                   

 エイプリルフールの駅の時計かな  轡田進

 万愚節に恋うちあけしあはれさよ  安住敦

 ひつ込まぬびつくり箱や万愚節    北野平八

 あっさりと出ていく猫や四月馬鹿   六花

 こと切れしテレホンカード四月馬鹿 山田弘子

 どの辺で気づかれゐしか四月馬鹿  稲畑汀子

 四月馬鹿天下取りなる手相とて   品川鈴子

 深爪の痛みはまこと四月馬鹿    行方克己  
     
      
    桜・海・光・・いいですね!

 ちるさくら海青ければ海へ散る  高屋窓秋   

 山に花海には鯛のふヾくかな   松瀬青々

 灯台は光の館桜の夜       山口誓子

 ひく波の跡美しや桜貝      松本たかし 「鳳・俳句好風」堀瞳子より
  てふてふに草の光の波寄する  浅井陽子「鳳より」
  今月のお題は「草」です。お題二句と五句を4月7日に公開します。
                  

 

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