お知らせ

八月・葉月・AUGUST

8月葉月August

               

立秋、八月、文月、初秋(はつあき)、桐一葉、星月夜、 ねぶた、竿灯祭、七夕、星祭、天の川、梶の葉、中元、 生身魂、草市、真菰の馬(瓜の馬)、角火、迎え火、盂蘭盆、魂祭、霊棚、棚経、施餓鬼、墓参り、 燈籠、岐阜提灯、走馬燈、盆の月、盆狂言、踊、精霊舟(精霊流し)、 流燈(燈籠流し)、送火、大文字、解夏、 摂待(門茶)、相撲、花火、花火線香、蜩(日暮し、かなかな)、 法師蝉(つくつくぼうし)、秋の蝉、残暑、秋めく、初嵐、新涼(秋涼し、秋涼)、稲妻(稲光)、 流星(ながれぼし)、芙蓉、木槿(底紅、花木槿)、鳳仙花、白粉の花、朝顔、弁慶草、大文字草、 みせばや、めはじき、西瓜(西瓜番)、西瓜提灯、南瓜、隠元豆、藤豆、刀豆、小豆、大豆、新豆腐、 大根蒔く、吉田の火祭り、韮の花、茗荷の花、鬱金の花、赤のまんま、蓼の花、溝蕎麦、水引の花、煙草の花、懸煙草、カンナ、芭蕉、 稲の花、宗祇忌、不知火 


 

今月のお題は「生です。

8月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。


論語 本立而道生  本(もと)立ちて道生ず
            

島村正 第14句集「不壊」

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島村正句集「不壊」を紹介します。

 人間に不壊(ふえ)の魂さくら咲く

プロフィール;昭和18年、静岡生れ

S39年「七曜」堀内薫に師事・七曜賞受賞、S42年「天狼」山口誓子に師事・コロナ賞受賞。H5年「宇宙」創刊主宰

句集「母港」「一條」「燈台」「天地」「歳華悠悠」「自註島村正集」「無双」「有情」「未来」「永劫」「冠雪」「富士」「伊勢」「飛翔」「一億」など

自選10句

日の本の国を鎮める雪の富士

いつまでも知れぬ消息冴返る

仏生会ひとの一生空無なる

一湾の割れんばかりに土用波

海底の山河にひびく土用波

仲秋の月より遠きひと思ふ

白鳥を俘虜の化身ともてなせる

雪富士に賜はる覇気と勇気かな

老農の愚直なまでに蓮根掘る

どこまでも一本の道枯野道

帯文;

今回の句集には東日本大震災の句が見られる。作者は被災者への思いを率直に詠む。文学になし得ることは、被災者への共感・祈りを表現する以外にはないであろう。坂口昌弘(「序」より)

 共鳴句
春の句からは「生」の字のつく句(8月お題)を選びました。

人間の生死は一重冴返る

仏生会われも人の子仏の子

仏生会われに仏心なくもなし

仏生会ひとの一生空無なる

 夏の句

人間にいのちの地球したたれり

海鳴りが海鳴りを呼ぶ土用波(前浜)

原発に(どよ)もす湾の土用波
一枚の青田に青の生気満つ

何どきも爪先立ちて蟹走る

七変化努々変化おこたらず

里居とは安住のよし螢飛ぶ

凹凸の凸にて蟻の立ちあがる

青山をライバルとして雲の峰

海鳴りのごと遠雷の鳴りやまず

夕立に多生の縁をたまはれる

天地が一体となる大夕立

堤撕(ていぜい)を旨にゆつくり浮いて来い

透明のグラスにもかげ夜の秋

香車にも桂馬にもなる水馬

雲海の上に影富士の横たはる

何どきも一徹のこゑ蝉時雨

怖るべき集中力の蝉時雨

完全燃焼蝉時雨蝉しぐれ

命惜し夜なく蝉のかく多し

  秋の句(一部に生の字)

俳諧に性根を据ゑし生身魂

一変晶々滂沱の白露かな

水澄みて耳で捉へること多し

秋天に不壊の航路飛行雲
人生は釣瓶落としと異ならず
  
冬の句(生の字)
寒星として一生の星仰ぐ
生年は発掘の年寒気凝る(
s18年、登呂遺跡発掘作業始まる)
生得の天分はなし日脚伸ぶ

  

               

 

 

 

「鳳」21号(2017年夏)

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「鳳」21号(2017年夏)を紹介します。

 「鳳」は平成24年の夏、四人の同人誌として創刊。四年間発行後、一年間個人誌としたが、今回より結社誌として継続することになった。「運河」主宰、茨木和生先生にもご快諾をいただいた。
「運河」を父とし母として・・・自然を、人をおおらかに詠み上げることを掲げ、研鑽の場にしたい・・・浅井陽子。 

山の荒れ        茨木和生(運河主宰)
 
旧東海道の宇津の谷付近の茶畑や梅畑の荒廃に寄せて・・

 師の句に学ぶ(1)

残り火を海へ投げたる虫送り  和生 (「生駒」所収)

桐集(1) 浅井陽子

愛宕山晴れて夕立の比叡山

陶片に織部のみどり蝉時雨

寂庵の葉擦れに畳む白日傘

みづうみの闇押しきたる夏祓

水亭へ水かげろふと入りにけり

一切について(そのⅡ・Ⅲ)すずきみのる

岩城久治氏は「はじめなかをはり一切大文字」を短冊に書くとき、

「はじめなかをはり

一切大文字」  と、二行に行分けするそうだ。文字の散らしと意味の切断の意図などの考察が、俳句の深いところに触れる評論である。

(らん)   陽子

蜘蛛の囲の一糸に雨の粒走る     森脇八重

跣の子忘れ潮より戻りくる       堀瞳子

ヨット真帆海は途方のなく蒼し     鹿島あけみ

来し方を引つぱつてゐる蝸牛     安藤加代

ほうたるのいのちをつつむたなごころ  野中千秋

水打つて翁の道を覚ましけり     福井緑

横ずれの地相あらはに麦熟るる    高森ひさ

山青くむらさき麦のよく熟れて     森山久代

暮れてきて風の見え来る菖蒲園    山近由美子

新緑や乾ききつたる空の色      田和三生子

鳴き頻る雲雀の空の暮残る      中畑隆男

春の雲かくありたしよ我が余生    前尾五月夫

花卯木闇にも白き香を放つ      吉田喬

時の日のダイヤグラムの点と線    工藤泰子

ゆつたりと風着るやうに更衣     武田和子

ぎながら次の実梅を視野に入る   廣岡ともゑ

賓客に向きかへて見る金魚玉     森敦子

潮の香の届く日溜り花蜜柑      草地明子

売れ残りゐる猫の仔の目のうつろ   井上宏子

青嵐竹林沿ひの笹穂垣       藤田駒代

手になじむ母の聖書の雲母虫    光本忠夫

山の子の塊解かぬ磯遊       野口修造 
      

俳句探勝1         堀瞳子

 正木ゆう子、小川軽舟、辻田克己氏など8句を鑑賞している。

エッセイ 銀龍草      河村美登里

旧街道を歩く        森山久代

鳳抄  一部

立葵咲き継ぎ空を高くする    久戸瀬孝子

鑑識木芽吹きの枝を広げたり    マサト

膝を抱く冷酒に波を聴きながら  山下卓郎

大空を谷瀬を自在鯉幟      新家明美

 

鳳集作品に寄せて    浅井陽子

季語を味わう(3)   浅井陽子   など・・ 
            

その時、俳句手帳(運河7月号より)

    

その時、俳句手帳

 「木石に手を触れ」   茨木和生

 師の右城暮石先生から、作句への思いが昂っていると、寝付かれないでいるときや夢うつつの中で句ができることがあるから、枕元に鉛筆をおいておくとよいと聞いたことがあった。日吉館句会の時、西東三鬼さんと枕を並べて寝ることがあったが、真夜中に三鬼さんは懐中電灯の明かりで、枕元の紙に何かしら書いている。翌朝この句どうやというて見せてくれた。その一つに

頭悪き日やげんげ田に牛暴れ    三鬼

があったと覚えている。授かるという句かなと聞いたことがあった。

その樹下に鹿立つ夜の山桜    和生

 私は暮石師の教えに倣って、枕元に紙とマジックやペンや赤のボールペンを置いて寝ているが、紙を忘れていたときに、テッシュペーパーの箱に書いていたのが句集「真鳥」に収めているこの句である。夢中吟であったと思い出す。別の夜だったと思うが、同じ箱の裏に、赤のボールペンで書いた二句がある。

その空に花吹き上げて屏風岩   和生

月明を雪走り来て山桜       〃

 かって見た景を思い遣って句を作ったのかも知れない。私は季語の現場に立つために、句帳を持って吟行に出る。作句は現場で作品の形に仕上げる。しかし今、手元にある句帳は5冊に満たない。家庭ごみと一緒に出して焼却処分しているからである。これまで収集した句帳や軸、色紙、短冊はたかすみ文庫、詩歌文学館に寄贈している。二人の息子から何も残さないでほしいと言われているからである。

自然が持つ秘密、その秘密に触れなければならない。

     松野靑々のことばより

  (「俳句四季」2017年6月号より転載)


俳句四季新人賞2017

涼野海音さんが「俳句四季新人賞」を受賞されました。作品30句と写真です。

5回俳句四季新人賞

 「天へ発つ」涼野海音

あたたかや畳に拾ふ貝ぼたん

紅梅につめたき顔を上げにけり

野遊の途中に開く手帳かな

屋上に一人のバレンタインデー

日曜は手帳開かずチューリップ

踏青のみな太宰より若きかな

滝水のひかりが胸に移りたる

空蝉や少年院へつづく道

大使館より白靴の出てきたる

日輪のかすかに暗し青芒

起し絵の幼帝に日の差しにけり

夏至の日の昆虫館のしづかなる

箱庭の真ん中に置く一樹かな

滴りのまはりの音の消えにけり

東京の地図に雨粒星祭

口笛は雲へとどかず秋澄めり

記念樹に傷ひとつあり鳥渡る

秋草のにほひの手紙届きたる

登高や亡き人の句をつぶやいて

秋の野のひかりに開く聖書かな

別れたる日のどんぐりのあたたかき

にごりなき川に沿ひゆく七五三

夕焚火イエスに似たる男立つ

手袋をはめてまぶしき街に入る

撃たれたる狐の眼にござらる

トランクに傷あまたあり冬

尾道の港に年を惜しみけり

革靴の先に海あり大旦

初旅や雲かがやいて雲の中

読初の銀河鉄道天へ発つ


dsc_0097しゅうごうしゃしん俳句四季dsc_0072UMINO酸と高橋睦郎  




鳥井保和主宰「星雲39号」


                   

鳥井保和主宰星雲39号を紹介します。

季節の一句帰省子に空のあをさを褒めらるる 鳥井保和 

第2句集「吃水」より

大学と就職の関係で、東京・大阪と日本を代表する大年でそれぞれ数年間生活した。

どちらの街にも良い所あり厄介な所あり、住んでみて初めてわかる事なども多々あった。

「住めば都」という言があるが、残念なことに、両都市を都だと思えた事は一度もなかった。

結構いい年齢となった今、それらの街にすんでみたらどうだろうか、また違った思いが起るだろうか。

句は平易を怖れぬ詠みっぷり。気取った美意識など微塵も感じさせない。

優しい句の中に透徹した感性、力強さを感じた。

花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

天狼集

海うらら出窓に飾る貝細工  鳥井保和

鉛筆は先師の形見鳥雲に    〃

第一句集「大峯」8・9 より
昭和63年※俳句を始め8年、9年目の作品である。前年の昭和63年に、第24回「天狼」コロナ賞を受賞して・・回りの態度も一変・・少しこそばゆい感じもあった。

月鉾の上空真の月懸かる

白息が漉きゐる紙にまでとどく

蜑(あま)の子の日焼漁師の父よりも

一村が神と繋がる祭注連

極星集 

山桜一枝を強く湖へ張る   小林邦子

春水へ鱗光らせ鯉走る   竹正與

中空に春曙の月白し     成千代子

縄電車花菜畑を出て来たり    澤禎宣
風光る池畔に老いの気功かな   園部知宏
方言に方言答ふ花の宴    岩本たき代

天星燦燦  鳥井保和選 

月に触れみ空に触れて梅ひらく  前田長徳

観梅に空の青さも称へたる   土江祥元

菜の花の風やあやせる乳母車  平岡妙子

満願の脂びかりの遍路杖    吉田捷子

涅槃哭く釈迦の足裏に額づきて  中川めぐ美

満身の力を角に牛合せ     加藤行惠

満開の桜長子に嫁来たる    天倉 都

梅東風や辻に傾く塞の神    新井たか志

寄り道をしつつ膨らむ春の水   小林永以子

寄居虫の石火の如く宿替へる  岡本 敬

古都霞み大寺の塔浮かびゐる  田島和子

母親の赤子抱く手に花一片  中嶋利夫

白魚の喉仏にて踊りをり    木下恵三

しあわせに生きて幸せ福寿草   小川望光子

 誓子の句碑巡り39 洲本市・洲本バスセンター北隣の小公園

船の笛南風の中にて洲本呼ぶ 誓子

黒南風の沖タンカーの投錨す  保和

星座探訪38より 柘植史子氏の星雲の俳句探訪 

プロフイール;俳人協会会員・「ふう」同人・句集「レノンの忌」・第60回角川俳句大賞受賞

 季節の作品 「歳月」より  

葉桜やわざとしくじる曲芸師  柘植史子

旅はじまる泉に双手浸けてより  〃

 天星集

太き割箸龍神の牡丹鍋  土江祥元     

龍神温泉で詠まれたのだろう。「太き割箸」が野趣に富んだこの料理の特色を見事に言い留めている。手元にある箸に焦点を絞ったことで、鍋を囲む人々の熱気がリアルに伝わってきて、賑やかな声も聞こえてくるようだ。「俳句は物に語らせよ」という鉄則を思い出させる句である。 

昴星集歩いても歩いてもまだ芒原  古谷とく    

     落葉敷く耳朶ふくよかに羅漢仏 池田邦子  

星雲集戸締りの手を止め仰ぐ冬の星  前田汐音

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行11 大上敬史

玉坂  (有田市宮原町畑白倉427)日本霊異記にいう玉坂の故事。

爪書地蔵 有田市宮原町畑616 南 爪書地蔵尊)

伏原の墓  (有田市宮原町道459南)

中将姫 得生寺有田市糸我町中番229得生寺 )

糸我峠市有田市糸我町中番 糸我峠) 

 身体の俳句39「教えること」 小川望光子(医療センター医師)

七夕やまだ指折つて句を作る 秋元不死男

小学校2年生の頃から城山トンネルを越えて自転車で鈴木のそろばん教室に通っていたので、計算するのは好きでした。・・今でも覚えているのは一から百までの足し算で・・・算数好きは高校まで・・解析概論で挫折し、今では数学物語的な本を読むのを楽しむだけ・・小川洋子の「博士の愛した数式」を愛読しています。(テレビで見ました、原作とは少し違っていました。博士を寺尾聡、杏子を深津絵里。恭子の息子を√(ルート)と名づけたり、江夏の背番号28の意味など・・面白かったです・・私は数学に弱いので、理解ができたわけではありません・・)

算術の少年しのび泣けり夏   西東三鬼

昴星燦燦   選後評  鳥井保和 

土蹴つて血走る眼牛角力 荒川くみ子

引く波に月影とどく桜貝 奥井志津

松原を舞台に三保の薪能 服部久美
春節の獅子舞の脚酔うてゐる 森本潤子        

 星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

  季節の作品 「当り散らして」より

昼顔はいつも視界の外に咲く     坂本登

かなぶんの当り散らして墜ちにけり    〃 

観賞/選    

まなうらの祖母や十能火消壺  前田汐音

一合の米研ぐ今朝の初炊き   岡本千恵子  


7月・文月・ふづき・July(2017)

  

    7月 JULY

「木偶の」は7月7日で6年目となります!みなさまのあたたかいコメントが推進力です。これからもよろしくお願いします。

2016年7月から2017年6月までの「お題」の俳句

2016年 7月「風」

海月浮く風に吹かれてゐるごとく  佐藤八重子 

天辺を風の私語過ぐさるすべり   野中千秋

山峡の風が玉解く芭蕉かな    安藤加代
海風の湿り具合もついりかな    堀瞳子

 8月「音」

音の壁うすばかげろふなら破る   谷口智行

踊り果つ三味の音闇へ遠ざかり  松村公美子

遠花火遅れてきたる闇の音    中村敏之
沼涼し音叉のような細波よ    岩城眉女

  9月「白」

青年の白色白光貝釦     新居三和

月白や水駅より鳥が立ち    堀瞳子

童謡はみすゞ白秋小鳥来る   工藤泰子
鎮魂の白石踊りの振りあまた  佐藤八重子

  10月「久」

鹿増えし話屋久島にも及ぶ  堀瞳子

久闊を叙する夜長や月鈴子  岩城眉女  

久留米発絣モダンな秋袷   松村公美子
秋彼岸永久保存の肖像画  坂東恭子

 11月「遠」

幽遠と鏡合はせの冬田道    谷口智行

海遠く無花果の実の熟れ始む  山田紳介

団栗の屋根に落つ音遠き里   池端順子

遠き日の記憶は白き花芒    野中千秋

  12月「超」

極月や超過勤務の申請書   中村敏之

超新星爆発しきりに木の実落つ 山田紳介

冬空に最期輝く超新星    新居三和
超然と宙つかさどるうつた姫  工藤泰子

  2017年 1月「縁」

戦争と無縁に生きて鍬始   岩城眉女

良縁に華やぎまさる春小袖   坂東恭子

縁側に伸びる日差しも冬至かな 池端順子
初手前畳の縁を踏まぬやう   野中千秋

   2月「景」

野火分け来る竹下景子似の女 谷口智行

幽谷の景観をなし祖谷の雪  坂東恭子

初景の富士に神々集まりぬ  野中千秋
朽舟も園の一景山眠る    安藤加代

  3月「森」

森光子のでんぐりがえり春の風  池端順子

かたつむり真昼の森の底を這ひ  山田紳介

懐かしきタラの芽採りし森の道    髙下眞知子

幸せのひとつに春の森の声    堀瞳子

  4月「東」

花菜東風分けて施設のバスが着く 佐藤八重子

スカイツリー東西南北みな朧   山田紳介

強東風や(いくり現る潮境         安藤加代

強東風に一串五匹雑魚を干す  松村公美子

  5月 「村」

律儀なる山村の四季ちるさくら   谷口智行

百堂念仏舞の形振(なりふり)響く初夏の村  髙下真智子

夏燕一村然と傾れ畠       新居三和

花うばら畠を捨てて村捨てて    工藤泰子

  6月「尾」

鳩尾から背まで広がるアイスティ  岩城眉女

尾を切りて蜥蜴賽銭箱に逃ぐ   中村敏之

片蔭に尾鰭を付けて艶話      佐藤八重子

再生の尾は瘤の態青蜥蜴    新居三和
 昨年のお知らせには、開設当時の俳句や写真も紹介しました。アーカイブで、見ていただけると光栄です。
 今月のお題は「俳」です。俳句の「俳」!原点に立ちたいです!
7月7日にお題2句と雑詠5句を公開します!
      


6月・みなづき・JUNE

 六月・みなづき・JUNE 

六月、皐月、花菖蒲、アイリス、グラジオラス、あやめ、杜若、著莪、一八短夜(みじかよ、明易し)、競馬(賀茂競馬、競べ馬、ダービー、勝馬、負馬)、花橘、蜜柑の花、朱欒の花、橙のの花、オリーブの花、柚の花、柿の花、紫陽花額の花、葵、紅の花、鈴蘭、入梅(梅雨に入る、ついり)、梅雨(つゆ、ばいう)、五月雨(さみだるる)、出水、五月闇、黒南風(白南風)、黴(黴の香、黴の宿)、苔の花、魚梁(やな)、鰻、鯰、濁り鮒、蟹(磯蟹、山蟹、川蟹、沢蟹)、蝸牛蛞蝓、蚯蚓、蝦蟇雨蛙、河鹿さくらんぼ、ゆすらうめ、杏、実梅(青梅)、紫蘇、辣韮、玉葱、枇杷、早苗、代田、田植、早乙女、植田、火取虫、アマリリス、ジギタリス、ベゴニア、蛍(源氏蛍、平家蛍、初蛍、蛍火・蛍合戦)、蛍狩、螢籠、蛭、田亀、源五郎、あめんぼう、目高、浮草水草の花、藻の花、藻刈、手長蝦、田草取、草取、夏の川、鮎(鮎釣り、鮎狩、鮎掛、鮎の宿)、鵜飼(鵜舟、鵜飼火、鵜篝、 鵜匠)、川狩(網打)、夜釣、夜焚釣堀、鰺、いさき、べら、虎魚、鯒、黒鯛(茅海、ちぬ釣)、鰹(鰹舟、鰹釣)、生節、青蘆、青すすき、葭切、翡翠、雪加、糸蜻蛉、蠅、蠅除、蠅叩、蜘蛛の囲(蜘蛛の巣)、ゲジゲジ、油虫、守宮、蟻、羽蟻、蟻地獄、蛆、ぼうふら蚊(蚊の声、蚊柱、泣く蚊)、蚤、蚊帳、蚊遣火(蚊遣、蚊火、蚊取線香)、蝙蝠、青桐、葉柳、南風(みなみ、大南風、南吹く、はえ)、青嵐、風薫(薫風)、白夜、夏至、老鶯、時鳥、閑古鳥、仏法僧、筒鳥、駒鳥、瑠璃鳥夏木、夏木立万緑、緑陰、木下闇、青葉、夏の蝶、夏野、夏草、草矢草茂る、夏蓬、夏薊、草刈、干草、昼顔、木苺、苺、蛇、蝮、百足虫、青芝、青蔦、ガーベラ、サルビア、虎尾草、孔雀草、釣鐘草、雪の下、蓼、若竹、竹の皮脱ぐ竹落葉、雹、水鶏、青鷺、五月晴、暑さ、夏衣、単衣、夏服、夏羽織、夏帽子、夏襟、夏帯、夏袴、青簾(葭簾、伊予簾、絵簾、玉 簾)、葦簀、葭戸、網戸、籐椅子夏暖簾、皐月富士  

 閑さ(しづか)や岩にしみ入る蝉の声  松尾芭蕉

 前回紹介した人類学者・中沢新一さんの「俳句の海に潜る」から引用します。この句はまさにアニミズムの極地でしょう。〈岩にしみ入る蝉の声〉と言うとき、蝉を流れるスピリットと岩を流れるスピリットが、相互貫入を起して染み込み合っています。それが〈閑さや〉というわけです。この立石寺という寺は、昔は死者の谷と言われたところです。山の中にはいっぱい横穴墳墓があって、あの地帯に住んでいたエゾ系の人々の埋葬地として使われていました。そこに立石寺というお寺が建てられた。お寺というのは先ず例外なく埋葬地に建てられるものでした。芭蕉にもその知識は十分にあったと思います。人間の体(骸むくろ)から自由に、つまり休止点から自由になって見えない流れに戻った霊が、しばらくの間はあの谷にうじゃうじゃ居るのです。・・・元禄当時ならそういう知識もまだ日本人の中に十分残っていましたし、立石寺のお坊さんであれば、そのことを怖いほどリアルにしゃべっただろうと思います。・・・今は観光バスが停まって開けた場所ですが、昔は一面の森に覆われた細い一本道をたどっていく場所です。・・人っ子一人いないような山道を、小一時間歩いて、ふっと見上げるとそこにお堂があらわれてくる。・・そんな世界・・・だから人間の体という容器から外に出て来たばかりの霊たちが、いっぱい群れ集まっている。そういうところに、土中から出てきたばかりの蝉が鳴くのです。そこには土中から立ち上がってきた岩もある。大地、岩、蝉、死者霊、それらすべてが相互貫入しあう世界。芭蕉は全感覚を開いてその全体運動を感知しています。そしてこの俳句が生れたこれは。とても凄まじいアニミズム俳句です

中沢さんの仕事はアースダイバーと言う。直訳すれば、大地(地球)に潜る人のことだが、思想的に潜る!と理解しよう。今回は「俳句の海に潜る」という切り口で「俳句が、言語の中でも特にメタファー(暗喩)の能力をフルに使う」ことと、アニミズムとの深い本質的なつながりに言及している。彼によると【詩は人類最初の芸術です。人類が生れたとき、詩も同時に発生したのではないかと思うのです・・脳の中に流動的知性が発生すると、今まで分れていたジャンル同士をつないでいく精神の運動がおこります。その能力が発生した瞬間に、根源的なアニミズムが同時に発生するのです】とある。

 ブラックベリーの花です。ほのかにピンクがさして 爽やかな花です。

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今月のお題は「尾」です。6月7日にお題2句と雑詠5句を公開します。

           尾のあるもの?

中川めぐ美句集「葭切」

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中川めぐ美 句集「葭切」を紹介します。

滝壺は渾身で滝受けとめる

「もの」の本質を即物的に捉え、情景の空間を雄渾(ゆうこん)に詠う情趣は間然するところがない。まさに「景」と「情」が渾然とした「景情一如」の境地は深い。 「星雲」主宰 鳥井保和

プロフイール;中川めぐ美

昭和14年和歌山県生まれ

平成10年「圭」入会、津田清子に師事

平成23年「星雲」入会、鳥井保和に師事

平成24年「圭」終刊

平成26年「星雲」第6回昴星賞受賞、天星集同人

 俳句協会会員



平成10年より28年までの作品より465句を精選収録

津田清子の師は「七曜」の橋本多佳子、「天狼」の山口誓子であるから、作品の底流にあるめぐ美さんの作風にも清子の抒情性と誓子の知的構成の融合、所謂「即物具象」に「硬質の抒情」が感じられるのである。そして、この一巻を読み進めてゆくと、めぐ美さんの信念である現場主義の作品で貫かれているのが感得できるであろう。

鳥居保和 抄出

蝲蚯の痙攣しつつ脱皮せる

蒼穹に吸ひ込まれゆく鷹柱

乾坤の空の限りを鷹渡る

鶴歩く豊芦原の日射し浴び

天空を焦がす火柱燈籠焼

青田風天へ抜けゆく千枚田

的を射し残心凛凛し弓始

火の列が激流となるお燈祭

葭切や母漕ぐ舟で登校す

海光や枝の先まで梅開く

滝壺は渾身で滝受けとめる

金色の佛陀乳首風薫る

泰子選

初蝶(平成10年~14年)

初蝶や未知の己と出会ふ旅

遠足の列のしんがり城に入る

でで虫の角ひつこめて登校拒否

埋もれつつ蔓伸ばしゐる浜昼顔

百日紅少女の秘密増ゆるばかり

曼珠沙華(平成15年~19年)

落葉焚バベルの塔の火柱よ

鳥になる願望銀杏黄葉飛ぶ

 竹動書屋の白木蓮 津田清子先生宅

白木蓮素顔を天へ向けて咲く

天帝に告ぐる事あり揚雲雀

梅雨茸やダリの口鬚はね上る

曼珠沙華鋼のごとき蕊張つて

鷹柱(平成20年~24年)

すかんぽは苦し中学同窓会

椎若葉して一島の盛上がる

ちちろ鳴く古墳の封土崩れ落ち

若布舟海峡の門に列なして

蚊喰鳥玄室の闇揺れ動く

 津田清子先生の畑にて

トマト畑トマト黄色い花つけて

梅開く(平成二五年~二八年)

蛍火の北斗の杓へ消えゆきぬ

岩窪に取り残されし水母かな

花五倍子(ぬるで)野猿で渡り落人めく

新緑や山に貼りつく祖谷の里

 津田清子先生ご逝去

虹二重はせをと清子出会ひしや

海外詠

大き星混むチベットの冬の天  中国

雪催ひ峠の標祈り石    ブータン

棚田植う腰に赤ん坊くくり付け ネパール

草原の闇天の川斜かひに  モンゴル

焼栗を買ふイスタンブールの夕べ トルコ

国境の花野つづきに有刺線  アルメニア

石柱たつのみの墳墓星流る  アイルランド

象でゆくクメール遺跡青葉風  カンボジア

滝壺は渾身で滝受けとめる  ラオス

蜃気楼砂漠に高き砂の城  サハラ砂漠

口許に蠅の集りてマサイの子 サバンナ(ケニア・タンザニア)

朝焼の川沐浴の巡礼者   インド

青い罌粟咲くヒマラヤの空青し  ヒマラヤ

        

「俳壇」6月号「俳壇ワイド作品集」

俳壇」6月号「俳壇ワイド作品集」  今月の有力同人
 北信五岳・・・堀瞳子「運河」

三月の半ばに、野沢温泉の毛無山から千曲川の集落へ滑り降りるスキーツアーに参加した。途中で羚羊(かもしか)に出合ったり、熊棚や鷹の巣を見つけて胸が弾んだ。自然と呼応して生まれる俳句を大事にしたい。「大景を詠め」は師の言葉だが、どこまで迫れるだろうか。

春の虹代るがはるに席ゆづり

湿原の鳥散らばれる涅槃かな

朽舟は鳥の止り木水草生ふ

蛇崩れの一筋ひかり雪解川

流水は影をうつさず春の月

水温む北信五岳力ぬき

夕空の燃えだしさうな古巣かな

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五月・皐月・早月・May

五月皐月早月May


立夏、初夏、卯月、卯浪、
牡丹、更衣(ころもがえ)、袷、鴨川踊、余花、葉桜、菖蒲葺く、端午、菖蒲、草合、武者人形、幟、吹流し、鯉幟(こいのぼり)、矢車、粽(ちまき)柏餅、菖蒲湯、薬の日、薬玉、新茶、古茶、風呂、上族、繭、糸取、蚕蛾、袋角、松蝉、夏めく、薄暑、セル(毛織物の一種)、母の日、夏場所、夏炉、芭蕉巻葉、苗売、苗物、苗植う、茄子植う、根切虫、練供養、葵祭、祭、筑摩祭、安居、夏花、夏書き、西祭、若楓、新樹、新緑、若葉、柿若葉、椎若葉、樟若葉、常磐木落葉、松落葉、杉落葉、夏蕨、筍、篠の子、筍飯、蕗(ふき)、藜(あかざ)蚕豆(そらまめ)、豌豆(えんどう)、豆飯、浜豌豆、芍薬、都草、踊子草、駒繋、かくれ蓑、文字摺草、羊蹄の花(ぎしぎしのはな)、擬宝珠、ゲンノショウコ、車前草の花(おおばこのはな)、罌粟の花(けしのはな)、雛罌粟(ひなげし)罌粟坊主、罌粟掻、鉄線花、忍冬の花(すいかずらのはな)、韮の花、野蒜の花(のびるのはな)、棕櫚のはな(しゅろのはな)桐の花、朴の花、泰山木の花、大山蓮華、手毬花、アカシアの花、金雀枝(えにしだ)薔薇、茨の花、卯の花、卯の花腐し、袋掛、海酸漿、蝦蛄、穴子、鱚、鯖、飛魚、烏賊、山女、綿蒔、菜種刈、麦、黒穂、麦笛、麦の秋、麦刈、麦扱、麦打、麦藁、麦藁籠、麦飯、穀象

中沢新一「俳句の海に潜る」小澤實  角川書店  より

はじめに;・・NHKの俳句講座で、その回の季語は「蚕豆」であった。

そら豆はまことに青き味したり・・細見綾子

この句を見て私はいきなり古代ギリシャの哲学集団ピタゴラス派の戒律のことを思いだしてしまったのである。ピタゴラス派は教団内で蚕豆を食べる事を厳禁した。・・ある哲学者の説によれば、女性を連想させるが故だそうだ。エロティックな俳句ですことと、私は口走ってしまった。これが、小澤さんと出会いだそうだ!・・・中沢さんの「アースダイバー」(講談社)に現代俳句に重要な視点がちりばめている・・・そうです!
五月のお題は「村」です。
五月七日にお題2句と雑詠5句を公開します。

 
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星雲38号

          

鳥井保和主宰星雲38号を紹介します。

季節の一句日当たるも翳るも花の吉野かな 鳥井保和  第2句集「吃水」より

 浅学の頃、桜の花の句を沢山詠んだ。無知ほど怖いものはない。今それらの句を見返すと微笑ましいやら怖れ多いやら、学べば学ぶほど季語「桜」は私の前に大きくたちはだかる。右句、日の当たる花、翳る花、その意味その幻想性を解き明かすことが誰かに出来ようか。どの言葉も四つ巴の様、桜の普遍性を支えている。伝統的な俳句の型の力強さをも感じさせる一句。
花尻 万博 (花尻氏は第二回攝津幸彦記念賞受賞)

天狼集

スクランブルエッグと珈琲開戦日 鳥井保和
寒明けて生きとし生くる影の濃し  〃

第一句集「大峯」7 昭和63年※俳句を始め7年目の作品である。当時36歳。此の年に「大峯山修験道」にて、昭和63年度、第24回「天狼」コロナ賞を受賞した。・・「天狼」最年少

海峡をさらに狭める海苔の粗朶

御廟まで今日も雪掻く奥の院

大峯に峯雲峯を連ねたる

廃坑の間歩滴りの尽きるなし

跳び降りてすぐに地を嗅ぐ狩の犬

極星集 

春近し赤子声立て笑ひけり   岩本たき代
離れ立ち総身映す初鏡   小林邦子
元朝の富士一刷毛の雲もなし  竹正與
暁闇に神鼓一打の淑気かな   成千代子
大寺のその借景の初景色   山田佳郷
露寒やのつぺらぼうの石仏   澤禎宣
神木のむささびの巣や月丸し  園部知宏

天星燦燦  鳥井保和選 

落葉掃く園丁檻の中までも   土江祥元

わたつみの沖の補陀落冬銀河 前田長徳

天空の青き一等天狼星   吉田捷子

寒鯉の跳ねて静寂拡げけり  平岡妙子

合掌の羅漢へ合掌冬うらら 中川めぐ美

村祭頭屋の床に獅子頭  天倉 都

子授けの陰陽仏に寒卵   加藤行惠

竜淵に入る暗渠と閻魔堂  新井たか志

雪娘雪の妖精かも知れず  岡本 敬

天気図の曲線美しき冬に入る  小林永以子

極楽と口に出でたる初湯かな  田島和子

拍子木を抱へて夜鳴蕎麦喰らふ 中嶋利夫

マニキュアの指もて松葉蟹を食ぶ 木下恵三

銭投げる顔顔顔や初詣  小川望光子

 誓子の句碑巡り38 和歌山県有田市・初島公民館前庭

山窪は蜜柑の花の匂ひ壺 誓子

山々は今が盛りの花蜜柑  保和

 星雲・三賞  受賞者

第5回天星賞  

禎宣 民宿の女将は猟師猪捌く   

園部知宏 神木と知らで刺しゐる鵙の贅  

第9回 昴星賞

天倉 都 走り根の太きを跨ぎ初詣  

第9回 星雲新人賞

森本潤子 梯梧咲く青天井や海の駅  

星座探訪37より 柘植史子氏の星雲の俳句探訪 

プロフイール俳人協会会員・「ふう」同人・句集「レノンの忌」・第60回角川俳句大賞受賞

 季節の作品 「うす煙」より  

囀の空を流るるうす煙  柘植史子

真つ黒な穴脈打つてゐる巣箱  〃

天星集清流の飛込台は丸太橋  澤禎宣 清流とそこにかかる丸太橋という、シンプルな構図の句に、飛込台という文字が動きを与えている。・・ 

満目の里田を渡る稲つるび 園部知宏 「稲つるび」は「稲交」または「稲交換」、「稲妻」の傍題である。・・「満目の里田」という大景に走る稲妻を想像するだけで、光に対する人々の信仰には共感を誘われる。季語の土俗的な響きも効果的である。

昴星集人影の方へ方へと秋の鯉    天倉都

     捨舟に覆ひかぶさる葛の花  大野良子

星雲集満月や紀の狼の吠ゆる声  大橋定順

 読み物

「熊野を駆ける」熊野古道伝説紀行10 大上敬史

裏見の滝  (海南市下津町橘本 福勝寺)

橘本神社 海南市下津町橘本)

記紀によると、垂仁天皇の勅命により、()道間(じま)(もり)が不老長寿の薬を求めて常世の国(現在の中国)に渡り非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」を持ち帰った。しかし天皇はすでに亡くなられており、陵にその橘を捧げて嘆き叫んだ・・

小栗判官隠し道 海南市下津町市坪 山路王子神社)・山路王子神社市坪) 

蕪坂(下津町小畑)

 身体の俳句38「夢のこと」 小川望光子(医療センター医師)

夢に見る猫はわたしの夢をみる 笹田かなゑ

ヴァレリーによれば、夢を語ることができるのは起きている者だけでした。・・(難しい展開ですべてを紹介できません)!この「猫」も起きているかどうかわかりません。(柳本々々  夢を読むこと)より・・近頃とんと夢を見なくなった望光子)そうです!

昴星燦燦   選後評  鳥井保和 

慶びの悲しびの皺初鏡  奥井 志津

東雲のほがらほがらの初茜 古谷とく

剪定の済みし枝先力満つ 服部久美
戦場の矢のごと水漬き蓮枯るる  池田邦子      

 星雲集鑑賞  坂本登(OPUS

  季節の作品 「地虫出づ」より

レコードの波打ち廻る春の風邪  坂本登

美しき空箱たまる利休の忌    〃 

観賞/選    

満月や紀の狼の吠ゆる声   大橋定順

まほろばの皇子の墓より虫すだく 南壽子

      

四月・卯月・April

四月卯月April

四月、弥生、四月馬鹿、春の日、日永、春の空、麗か、長閑(のどか)、初桜、入学、出代、山葵(ワサビ)、芥菜(からしな)、三月菜、春大根、草餅、蕨餅、鶯餅、桜餅、椿餅、東踊、蘆辺踊、都踊、浪花踊、種痘、桃の花、梨の花、杏の花、李の花、林檎の花、郁李の花、山桜桃の花、沈丁花、辛夷、木蓮、連翹木瓜の花、紫荊、黄楊の花、枸橘の花、山椒の花、接骨木の花、杉の花、春暁、春昼、春の暮、春の宵、春の夜、春燈、春の月、朧月、朧、亀鳴く、蝌蚪(蛙の子)、柳、花、桜、花見、花篝(はなかがり)、花曇、桜漬、花見虱、桜鰄、桜鯛、花烏賊、螢烏賊、春の海、春潮、観潮、磯遊、汐干、蛤、浅蜊(あさり)、馬刀(まて、貝)、桜貝,栄螺(さざえ)、壷焼、鮑、常節、細螺(きさご)、奇居虫、汐まねき、いそぎんちゃく、海胆(うに)、搗布(かぢめ)、角又、鹿尾菜(ひじき)、海雲(もづく)、海髪、松露、一人静、金鳳華、桜草、チューリップ、ヒヤシンス、シクラメン、スイートピー、シネラリヤ、アネモネ、フリージア、灌仏、花御堂、甘茶、花祭、虚子忌(48日)、釈奠、安良居祭、百千鳥、囀(さえづり)、鳥交る、鳥の巣、古巣、鷲の巣、鷹の巣、鶴の巣、鷺の巣、雉の巣、烏の巣、鵲の巣、鳩の巣、燕の巣、千鳥の巣、雲雀の巣、雀の巣、孕雀、孕鹿、仔馬、春の草、若草、古草、若芝、蘗(ひこばえ)、竹の秋、嵯峨念仏、十三詣、山王祭、梅若忌、復活祭、猟名残、羊の毛剪る、春光、風光る、春の塵、青麦、麦鶉、菜の花、花菜漬、菜種河豚、大根の花、豆の花、蝶、春風、凧、風車、風船、石鹸玉、鞦韆(しゅうせん、ブランコ)、ボートレース、運動会、遠足、遍路、春日傘、朝寝、春眠、春愁、蠅生る、春の蠅、春の蚊、虻、蜂、蜂の巣、巣立、雀の子、子猫、落し角、人丸忌、花供養、御身拭、御忌、蜃気楼、御影供、壬生念仏、島原太夫道中、先帝祭、鮒膾、山吹、 海棠、馬酔木の花(あせびのはな)、ライラック、小米花、小粉団の花、楓の花、松の花、珈琲の花、櫁の花、木苺の花、苺の花、通草の花、郁子の花、天皇誕生日、どんたく、葱坊主、萵苣、みづ菜、鶯菜、茗荷竹、杉菜、東菊、金盞花、勿忘草、種俵、種井、種選、種蒔、苗代、水口祭、種案山子(たねかがし)、苗代茱萸、朝顔蒔く、藍植う、蒟蒻植う、蓮植う、八十八夜、別 れ霜、霜くすべ、茶摘、製茶、鯛網、魚島、蚕、山繭、桑摘、桑、桑の花、畦塗、蔦若葉、萩若葉、草若葉、葎若葉、罌粟若葉(けし)、菊若葉若蘆、荻若葉、若菰、髢草、水芭蕉、残花、春深し、夏近し、蛙、躑躅(つつじ)、満天星の花(どうだんのはな)、石南花(しゃくなげ)、柳絮、若緑、緑摘む、松毟鳥、ねじあやめ、薊の花、山帰来の花、藤、行春、暮の春、春惜む、馬市

うかれける人や初瀬の山桜     松尾芭蕉

いにしへも火による神や山桜   飯田蛇笏

おのずから山険に立つ山桜    宇多喜代子

みづからの歳月を経し山桜    津田清子

一日がたちまち遠し山ざくら   宮坂静生

一丁の斧水底に山ざくら       齋藤愼爾

二人してあの木この木と山桜  矢島渚男

ひかり降るごとく雨来て山桜    茨木和生

太陽を海より招き山ざくら       鷹羽狩行

山ざくら暮れ道くさの夫と猫    大木あまり
今月のお題は「東」です。4月7日に、お題2句と雑詠5句を公開します。

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第28年度「運河句集祭」天好園

第28年度「運河句集祭」が東吉野の俳句の宿「天好園」で開かれました。
 皆様の俳句はブログの「句集あれこれ」で紹介しています。

 写真右から

たなか游「ゆりの木の花」
高松早基子「俳句の杜」
浅井陽子「浅井陽子自註句集」
茨木和生第13句集「熊樫」
(佐保光俊)
小畑晴子「蛍火」
兒玉充代「沖雲」
五十嵐藤重「山揚げ」
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「俳句の背骨」島田牙城

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「俳句の背骨」島田牙城

帯文芭蕉を神から人間に戻した子規」を語り 「有季俳句は雑歌なり」と看破する。二十四節気の中国とのズレを否定」その真の姿へ肉迫し「松瀬青々の使ふ季語の豊かさ」に惚れ込む。「高濱虚子は我々が拂ふ税金だ」とうそぶきつつ「師・爽波、友・裕明それぞれの立ち姿」を明かす。すなはち、

現代俳句を過激に書き散らす    

目次・・

講演録 芭蕉と現代俳句

有季俳句は雑歌だといふこと

文語なのか慣用表現なのか

假名遣ひのこと 高山れおなさんの時評に觸發されて

峠の文化としての春夏秋冬 あるいは、「ずれ」といふ誤解について

「青々歳時記」を讀む  1新季語「桃柳」立項のこと 2「清明」の句から見えてくること 3「佛生會」は春か夏か  4季語の重層のこと 5幻に挑む青々

新季語提言 ゆきあひ考

つくつく法師のこと

税としての高濱虚子「ホトトギス」の功罪

中西其十発見

計らわない 歿後14年目の爽波論

のやうなもの〈閒〉の美学 田中裕明讚

龜が哭いた

挨拶ごころのことなど 田中裕明出座歌仙紹介

裕明の笑窪

裕明の變な句

あとがき

 島田牙城;プロフィール千九百五十七年生まれ、月刊俳句同人誌「里」代表・邑書林代表

(この本は漢字も正字?で、仮名遣いも違うのですが、時々普通に入力しました・・・・)
今回は「青々歳時記」を讀む  1新季語「桃柳」立項のこと

この中から「後日譚」の一部を紹介します。

僕は、桃に柳を差し交へることを実際に行ってみた。・・   新暦の三月三日ではあるけれど、寒い佐久といへども桃は花屋で買ってゐる。佐久は以前には桃源郷と呼ばれた桃畑が広がってゐた土地で・・春先に剪定し、その枝が二月の半ばごろからスーパーマーケットなどの店先に竝ぶ。・・・柳は…野沢の中島公園。昨夜降った雪の上に柳の枝が数本・・雪折柳・・。家に戻り、桃の枝と柳を花瓶に差し、壁掛け用の一輪挿からは畳に届くほどに柳を垂らした。三月三日まで一週間、結果だけ書くと、花はほとんど咲かず、完敗であった。柳はあっけなく枯れたけれど、facebookに画像をアップするなどしてゐたので呼応してくださる方も多く、自ら桃と柳をお雛様に飾る方も現れた。また、実作なくして新季語なしと言ふ思ひから「桃柳」の句を募集したところ・・一五〇句近くのご応募をいただいた。「里」二〇一四年五月号に全句掲載させて頂いている。

磔刑の画像が壁に桃柳    仲 寒蝉

掻膝に水の廻るや桃柳    五島高資

地窓から子の這ひ入りぬ桃柳  高橋博夫

春薄三千歳草に日のこぼれ    堀本吟

桃柳ひねの酸茎にて酌めり   谷口智行

桃柳座敷童子の揺らすなり   黄土眠兎

本醸造吉田屋治助桃柳    瀬戸正洋

さざ波のやうな目尻や桃柳   中山奈々

剣山にやなぎ挟まり桃刺さる  島田牙城

昔から作例のある新季語、・・多くのご家庭で桃に柳を差し交へ雛に供することが実際に行われてこそ、本当の復活となるであろう。青々が呉れた贈りものを大切にしたいものだとの思ひが強い。

帯文昭和十二年頃、「俳句研究」では盛んに「俳句性」について論じられてゐた。俳句といふものがすでに有つて、過去に製造された俳句や俳諧に習つて俳句を作るといふ問ひを繰り返し、仲間と戦はせていた。なのにここ十数年、「俳句とは何か」という問ひをとんと聞かなくなった。そもそも「俳句性」といふ単語に出合はない。この単語はどこへ消えたのだらう。「俳句性」を問へば、おのづと「俳とは何か」を考へなくてはならなくなるはずなのに、「俳」についての考察もないままだ。(本文より)

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