工藤泰子
春泥を跳ぶに助走を致しけり
曙も獅子も椿よ四股名めく
蛇の出て来さう日当たる石垣を
緑なすほどにあらねどクローバー
満天星 どうだん
「遥照」400号記念誌・合同句集
鴨方文化協会・俳句部
佐藤宗生 近詠
動かねば焦げてしまひそ日の盛
あるなしの風によろけて糸蜻蛉
何処までといふ当てもなし蝸牛
俳句15句より2句 ア行~
金婚や写真館へと小春の日 石井弘子
墨の香や孫に楷書の賀状書く 〃
纜にぴんと弾かれ青葉潮 石津淡紅
朝涼や富士を踏破の靴も捨て 〃
筍の産院のごと並べられ 泉剛志
橋渡る隔離の島も飛花落花 〃
新米はこれが最後とメモ添えて 岩崎弘舟
老二人懐炉の余熱ほどの仲 〃
全開の生意気盛り山笑ふ 大橋淳子
白菜巻く命抱き合ふ形して 〃
歯に感謝父母にも感謝ごまめ噛む 岡田エツ子
溝浚ひ邑の話題も浚ひをり 〃
六時屋のタルトを買ひぬ獺祭忌 小野奨次
沈む陽がやけに眩しき大晦日 〃
一張羅着込み米寿の初詣 甲斐梶朗
白牡丹秘め事一つ無かりけり 〃
神主の腰の直角初祓 門脇登志子
来し方や晴れ後夕立雨上がる 〃
二重跳び二月の空を高く切り 工藤千枝子
里いものことこと煮ゆる里の音 〃
その2に続く
穴出でし蛇に触れたる鍬の先
折り紙の枡に入れたる鬼の豆
天文台のドームが二つ春隣
シクラメン六年生と俳句して
日舞琴俳句教室名草の芽
辰年だから、龍を作りました・・。
陶芸教室のみなさまも、苦戦していました。
龍に見えますか?鱗とか髯とか牙とか
竜天に登る・・気合だけ・・です。
冬ぬくし「いい日旅立ち」流れくる
枯蔦の煉瓦斜めに縦横に
ふかふかのメタセコイヤの落葉踏む
裸木の曙杉の空突けり
「野球しようぜ」革ジャンの漢来る
脳味噌のほこほことして日向ぼこ
松手入れ老人向きの高さとす
銀杏散る呪力のカード切るごとく
届かざる声のあとさき空也の忌
座布団を猫に譲りてちやんちやんこ
点睛に金を入れたる囮鴨 和生
タイガーズのアレ。スポニチの記事のコピー・・です。
七種を句帳に栞してをりぬ
可愛げな名よ撫子に底力
里山のふところ広し柞の実
はらはらと刻の移ろふ黄落期
赤い実が付いてにぎやか小鳥来る
dekunokai