2016.10.23 Sun
初めての石垣島。
そこは、ハイビスカスの赤い花が、
道路脇に咲き誇り、
リーフ(珊瑚礁)に周囲を守られた、
コバルト色の海に浮かぶ常夏の島だった。
羽田空港から国内線の3時間余りのフライトで、この亜熱帯の島に行けるのだ。これは実際に体験すると少しの驚きを感じる。
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今回のチャリンコ大会への参加には理由がある。
自宅周辺の毎度のチャリンコ・コースにはいい加減、飽きてしまっていたのだ。 長距離を気持ちよく走行するコースを欲していた。加えて、何かチャリライドのモチベーションが必要だった。 そのために、直近ながら10月に入ってから、この大会にエントリーした。
効果はテキメンで、毎週のチャリンコ・ライドに励みを感じるようになってきた。
大会の名前は『第9回グレートアース石垣島ライド』 だ。 土曜日に開催される西表島も合わせると180kmとなる。 両方のライドに参加してもいいかもしれないが、モチベーションを見つけるためには、石垣島の135kmだけで充分だった。
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大会の受付は、土曜日の午後と大会当日の朝7時からだ。
時間に余裕のある僕は金曜日の夕刻に石垣島に到着し、土曜日の午前は宿泊先の近くや石垣市の繁華街(?)周辺を試走し、午後はのんびり休息した。
ところが、この試走時にタイヤがパンクし、少し出鼻をくじかれた感じとなってしまった。 おかげで予備のチューブは残り一本となり、少し心細くなってしまった。
宿泊場所は、大会会場の近くにあった「ペンションKatsu」をネットの予約サイトから探して予約した。 このペンションのオーナーは事業家で、7艘の船を持ち、港近くで水産加工場(勝水産)を経営し、(地下水による)タラの養殖や、モズクや海ぶどうの人工栽培を行い、それらの海産物を出荷する精力的かつ研究熱心な事業家である。確かに、ペンションで出されるそれらの海産物は美味しかった。
加えて、スキューバーダイビングを貸出し、海中のガイドも行い、工場と海中のガイドとペンションの賄いを受け持つマルチタスクの従業員も何名が働いていた。このペンションは石垣市の離島ターミナル(埠頭)から2kmあまり西端に進んだ所にあり、大会会場までは300~400メートルほどの所にある。(地図参照)
石垣空港から石垣市内までは、バスの便があるかもしれないが、荷物が大きいので迷わずタクシーにした。
(注:バスの乗務員にチャリンコを袋に入れてバスに乗っても良いかと後日質問してみた。 答えは「OK」だった。 バス賃は540円だ。ただ、バスターミナルからタクシーに乗る必要がある。)
空港からペンションKatsuまでタクシーは30分弱で、料金は3400円程である。
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10月23日(日曜日)の大会当日は、ペンションで朝食をたっぷり食べ、更に、前日に近くのコンビニで買っておいた、オニギリとドラ焼きをウエストポーチに入れて、真喜良小学校の向かい側の大会会場(写真)出向いた。 出発は8時なので時間に余裕がある。
参加者数は60kmの「初心者コース」と105kmの「ショートコース」を加えて総勢で 450名ほどだ。
そのうち 250名程が135 kmの「ロングコース」のようだ。 僕はもちろんロングコースだ。
(地図の赤い線は僕の実走行ルート。)
やや寂しい人数かもしれないが、このくらいの人数だと、追い越しや追い越されが少なく、のんびり走るには適度な参加者数と言えるだろう。
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コースの大部分は、片側1車線の一般道を一列になって走行する。
大会のための交通規制は殆ど行われていない。 しかし、島には大きな産業が少ないせいか大型トラックとすれ違うことは殆ど無い。 時折すれ違う乗用車は、ライーダーの脇をゆっくり走行してゆく。 軽四輪やレンタカーの小型乗用車が多い。
また、島内の市街地以外の場所では信号機は極端に少なく、このロングライドのコースには、道路工事用の片側通行用の信号を除き、信号機は全く無い。 それゆえ、エイドを一旦出発すると、次のエイドまで停止する必要は無く、ストレスを殆ど感じること無く走行できる。
この大会は僕のイチオシである。 来年は多摩のチャリンコ仲間を誘って参加したいものだ。
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(写真) 御神崎灯台方面にある屋良部崎への登り坂。
(写真) 御神崎灯台からカビラへ向かう途中の筆者。
(写真上) 川平(カビラ)から見た平離島。 海岸線が美しく、ダイビングスポットなのだろうか、ボートが何雙も浮かんでた。
(地図) チャリンココースはこの半島の先端にある道を一周廻って県道に戻る。 おすすめの撮影スポットだ。
(写真) 写真を撮りながら、のんびりペダルを漕いでいると、女性ライダーにも抜かされてしまう。
(写真) カビラは、「クラブメッド」という外資のリゾートグループが出店するエイドだ。 いろんな国から来た従業員によりダンスが披露され、美味しそうなケーキやバナナ等が提供されていた。
(写真) 米原ビーチのエイドは砂浜のすぐ脇にある。
(写真下) 揃いのユニフォームを纏った格好の良いカップルに追い越されてしまった。
しばし頑張って後を追っかけた。
(写真下) 伊原間湾から「はんな岳(右端の山)」を見る。
大抵のサービスエイドには、たっぷりの食物が用意されている。 片や参加者数がそこそこなので、落ち着いて、お代わりしながら食べることができる。
この大会では自分でレーション(行動食)を用意する必要が全く無いかも知れない。
念の為、どら焼き一個くらいが適切なレーション(行動食)だろう。 また、水かスポーツソリンクは、全てのエイドでボトルへ補給できる。 ただし、米原ビーチのエイドには、スポーツドリンクの代わりに生姜ウオーターが置かれていたが、これは風邪でもひいてない限り、欲しいとは思わない。
(写真下) 船越漁港のエイドと
折り返し地点である平久保灯台下の筆者。
折り返し地点までの走行距離は約80km。 残りは55kmの復路だ。
(写真下) 復路を走る筆者だが、まだまだ平久保灯台を目指すライダーが多い。
(写真) 復路は向い風に加えて、顔面に強い日差しを受けるのでペダルを漕ぐのが非常に暑かった。そんな中で、米原ビーチのエイドではトロピカルな美しい「かき氷」が準備されていた。
美味しく感激した。 人生で味わった最も美味しいかき氷だった。 写真を撮る前に全部食べてしまった。
(写真) 30km程を残し、2時半頃からパラパラと雨が降ってきた。 やがてスコールと思えるような驟雨になってしまった。
メットをつたい雨に流された汗が目に染みて痛かった。
『シャワーライド』などと言うと聞こえがいいが、この雨は雨足が強く、ブレーキの効きが極端に悪くなり、視界も最悪となった。 途中で何度もメガネをふき、顔を拭って、ようやくゴールにたどり着いた。
ゴールした時刻は、15時40分だ。
7時間40分も時間を費やしてしまい、8時間の時間制限まで、残り20分となった走行だった。
まだまだ雨足が衰えないゴールでは、主催者側のお姉さんが雨の中ハイタッチで出迎えてくれ、カメラマンは、僕を撮影した後に手渡した僕のカメラで上の写真を撮影してくれた。
筆者が手に持っているのはパウチされた「完走証」だ。 来年は西表島と石垣島の両方(合計180km)に参加してもいいかも知れない。
(写真上: おすすめの撮影スポット、カビラにて)
+++ 出費のメモ +++
航空運賃 Yen 32,100.- (JTA073<>JTA070, 14:15/17:25<>10:45/13:30)
石垣Taxi 約 Yen 6,700.- (往復)
宿泊費 Yen 19,500.- (朝食と夕食付き、直接電話すればもっと安くなる。)
他 約 Yen 5,000.- (昼食、飲み物、ビール等)
計 約 Yen 63,300.-
注: 自宅から羽田空港までの交通費とその間の食費は含まず。
+++ 追伸 +++
自宅に戻り、
チャリンコを組み戻し、衣類等を洗濯し、
このブログを書き終えると、
あたかも小説を読み終え、本を閉じた時のような、
ごく普通の日に戻っている自分に、やや違和感を感じてしまった。
ひとつのアクティビティを袋に入れて本棚にしまう感じだ。
多分これが「幸せな活動」と言う奴なんだろう・・・。
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