今回は、海外の主要競馬場のコース形態についてまとめます。

実は海外競馬場はシンガポールのクランジしか行ったことがないので、アクセスなどに関しては他のサイトをご利用ください。





エプソム競馬場(Epsom Race Course)



Epsom Course

Willie Carson's Virtual Epsomより引用。おじさまの笑顔が素敵だからこの画像を選んだわけではありません)



エプソム競馬場はロンドンの郊外南にある競馬場で、ダービーなどが最初に行われた歴史ある競馬場です。

図表Cにある2400mコースのスタートから、3.4コーナー中間の約1100mの道のりで、高低差42m(ソースによって誤差アリ)の上り坂が続きます。

そこからの約1200mで30mほど下り、最後の約100mがまた急な上りとなっている非常にタフなコースです。

日本最大の高低差を持つ中山競馬場の高低差が5.3mですから、その約8倍の高低差があるということですね。

あと最後の直線部分は内ラチに向かって傾斜しています。このあたりにも都市部に整備された日本の競馬場とは異なることが感じられます。


☆エプソム競馬場で行われる主な大レース

・オークス(G1、芝2410m。2016年勝ち馬マインディング)
・ダービー(G1、芝2410m。2016年勝ち馬ハーザンド)
・コロネーションカップ(G1、芝2410m。2016年勝ち馬ポストポンド)

今年の凱旋門賞の上位人気3頭がこのコースでG1を勝っています。








アスコット競馬場(Ascot Racecourse)

ascot

http://racing.betting-directory.com/ascot-racecourse.phpより引用。影を見れば高低差が分かりやすい?)


アスコット競馬場はロンドンの西約57キロ、バークシャー州にある競馬場で、イギリス王室が所有する競馬場です。エイシンヒカリが出走した英GIプリンスオブウェールズステークス(G1、芝2000m)もここで行われました。

2400mのスタート地点は図表右側の「1m4f」で、左下に向かって下っていきます。しかし、そこからはゴールまでずっと上り。コーナーは2つのおにぎり型コースで、高低差は約22m、直線の長さは約500mです。エイシンヒカリはほとんど上り坂だったわけですね。



☆アスコット競馬場で行われる主な大レース

・ロイヤルアスコット開催
セントジェームズパレスステークス
クイーンアンステークス
キングズスタンドステークス
プリンスオブウェールズステークス
ゴールドカップ(G1、芝4000m。2016年勝ち馬オーダーオブセントジョージ)
コモンウェルスカップ
コロネーションステークス
ダイヤモンドジュビリーステークス
・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1、芝2400m。2015年勝ち馬ポストポンド)
・シャーガーカップ(騎手招待競走)
・QIPCOチャンピオンズデー
チャンピオンステークス(G1、芝2000m。2015年勝ち馬ファシネイティングロック、2着ファウンド)
クイーンエリザベス2世ステークス
ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス
ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ
ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス
 




カラー競馬場(Curragh Race Course)



http://www.drawbias.com/Ireland/curragh.htmlより引用。ややこしいコース形態なので色付きの図を引用)

カラー競馬場はアイルランドの首都ダブリンから南南西約45km、キルデア州にある競馬場で、アイルランドの全てのクラシック競争が行われる競馬場です。3世紀には二輪戦車の競争が行われていたなど、その歴史は紀元前とも言われています。

2400mコースのスタートは「1m4f」地点で、マイルコースからの合流地点までが上り坂でコーナーが下り坂。約700mの直線部分はダラっとした上り坂です。引用したサイトでは「波打つコース」みたいな表記がありましたが、高低差はおそらくエプソムやアスコットに比べるとマシで、直線部分はほぼ平坦だと考えて良いでしょう。


☆カラー競馬場で行われる主な大レース

・アイリッシュ2000ギニー
・タタソールズゴールドカップ(G1、芝2112m。2016年勝ち馬ファシネイティングロック)
・アイリッシュ1000ギニー(G1、芝2800m。2015年勝ち馬オーダーオブセントジョージ)
・プリティーポリーステークス
・アイリッシュダービー(G1、芝2400m。2016年勝ち馬ハーザンド)
・アイリッシュオークス
・フィーニクスステークス
・モイグレアスタッドステークス(G1、芝1400m。2015年勝ち馬マインディング)
・アイリッシュセントレジャー
・ヴィンセントオブライエンステークス
 




メイダン競馬場(Meydan Racecourse)

Overhead map of Meydan racecourses


http://www.racinguk.com/racecourses/meydanより引用)


メイダン競馬場はアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイにある競馬場で、2010年に開場しました。

今まではヨーロッパのコースを中心に見てきて日本との違いに驚いた方も多いかもしれませんが、メイダンは非常に「日本馬に優しい」コースになっています。

コース図を見てもらえれば分かりますが、2400mコースは直線ゴール手前からスタートしてコーナーを4つ回り、直線入り口からゴールまでは約450mで、直線の上り勾配は1.5%。ほぼ阪神芝2400mと言っても過言ではありません。ドバイの芝レースで日本馬が好走しやすいのはこのあたりに原因があります。

逆に言えば、ドバイで好走した欧州馬は日本の競馬場への適性があるとも言えます。



☆メイダン競馬場で行われる主な大レース

・ドバイミーティング
ドバイワールドカップ
ドバイシーマクラシック(G1、芝2400m。2016年勝ち馬ポストポンド、2着ドゥラメンテ)
ドバイターフ(G1、芝1800m。2016年勝ち馬リアルスティール)
ドバイゴールデンシャヒーン
ゴドルフィンマイル
UAEダービー(G2、ダート1900m。2016年勝ち馬ラニ)
アルクォズスプリント
ドバイカハイラクラシック
ドバイゴールドカップ
・スーパーサタデー









日本語のソースが少なくて苦労しました。

ロンシャン・シャンティイについては凱旋門賞馬券発売に向けた予習(その1)を参照してください。

エプソムは42m、アスコットは22mの高低差ですが、ロンシャンやシャンティイの高低差は約10mなので、要は「イギリスよりはマシ」なわけですね。


つまりアスコットでハリケーンランやエレクトロキューショニストと叩きあったハーツクライはすごい
・・・という乱暴な結論を出したところで今回はこのあたりで。