東京新聞によると、
  天皇陛下の退位を巡り、衆参両院の正副議長は十七日、各党派の全体会議を参院議長公邸で開き、陛下一代限りの特例法制定を柱とする国会見解を正式決定したそうである。(特例法で退位 国会見解 5月上旬にも法案提出
その時示された退位国会見解の中に、下記文言がある。
3 皇室典範改正
(2)国会が退位問題に責任を持って、その都度、判断するべきだといった観点から、典範付則に、特例法と典範の関係を示す規定を置く。具体的には「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、この法律と一体をなすものである」との規定が考えられる


「今後天皇陛下の退位に付いては、その都度国会が判断する」と言ったら聞こえが良いが、
これでは天皇陛下の退位を国会が自由に決めれる態勢を作るという事に他ならない。つまり偶々国会に多数を持った党派が、恣意的に時の天皇の退廃を決める事が出来る体制を作るための法律と言えるだろう。
こういう法改正をさせない為にこそ、憲法で天皇の譲位に付いては、
第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。
とわざわざ書き込まれているのに、
その憲法を捻じ曲げても、特例法に拘っているという事は、
現政権が今後恣意的に天皇の退廃をやろうとしているという証左ではないだろうか?

私は4年近く前に週刊新潮が書いた記事週刊新潮が「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」に、
将来、皇太子さまが天皇に即位した後、早い段階で退位され、悠仁さまが皇位を継承されるという考えを宮内庁側が示し、そのために秋篠宮さまに皇位辞退の権利を認めるとしている
と書かれていた事が忘れられない。(週刊新潮「天皇の生前退位」報道騒動に思う 

続きに 東京新聞の記事を複写して置きます。

特例法で退位 国会見解 5月上旬にも法案提出
2017年3月18日 朝刊
 天皇陛下の退位を巡り、衆参両院の正副議長は十七日、各党派の全体会議を参院議長公邸で開き、陛下一代限りの特例法制定を柱とする国会見解を正式決定した。自由党を除く与野党が賛同した見解では、皇室典範付則に特例法の根拠となる規定を置くとし、双方を「一体」と位置付ける。衆参両院議長から見解を受け取った安倍晋三首相は「総意を厳粛に受け止め、直ちに法案の立案に取り掛かる」と強調。政府はこれを反映させた特例法案を五月上旬にも国会提出する調整に入った。


 首相は十七日午後、衆参議長と国会内で会談。退位に関し「国の基本、長い歴史、未来にかけての重い課題だ。しっかり対応していかなければならない」とした。「速やかに法案を提出するよう全力を尽くす」と述べた。


 見解では、特例法に書き込むべき内容を詳述した。陛下による昨年八月のビデオメッセージについて「国民の間で広く深い敬愛をもって受け止められている」と指摘。陛下が公務などに困難を感じている状況にも触れた。皇太子さまは陛下が即位した年齢を超えていることも記した。こうした法形式を取ることで、将来の天皇が退位する場合、国会がその是非について諸事情を勘案し判断できるようになり、恣意(しい)的な退位や強制的退位を防げるとした。


 特例法の根拠規定を典範付則に設けるのは、特例法に関し、皇位継承は典範で定めるとした憲法の規定に違反するとの疑義を解消するのが狙い。


 皇位継承を安定化させるための「女性宮家」創設などにも言及。特例法施行後、政府が速やかに検討するよう促した。結論を出す時期については各党派で協議し、採決時の付帯決議に盛り込むよう努力するとして明記しなかった。


 国会見解決定を受けて政府の有識者会議は二十二日に再開する。

◆女性宮家検討など 報告期限明記せず


 衆参両院の正副議長が十七日まとめた天皇陛下の退位を巡る見解は、政府が「女性宮家の創設」を含む皇位継承の安定化策を速やかに検討する必要性を強調する一方、報告の期限は明記しなかった。


 民進党などが求めた国会論議の場にも触れていない。政府は検討を「先延ばしすべきではない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)とするものの、進展につながる保証はない。


 退位に関する与野党協議で、自民党は安定化策について当初は「慎重に検討すべき課題だ」との表現にとどめた。その後、期限を設けて国会で議論するよう訴える民進党に配慮して「遅滞なく進めるよう求める」と踏み込んだが、政府が検討の主体だとした。各党派の主張を受けた国会見解も、政府に取り組みを促す記述となった。


 日本維新の会も求めた国会論議に、与党幹部は「安定化策は簡単に結論が出る問題ではない」と否定的だ。女性宮家は女性・女系天皇につながるとして自民党内に慎重論があり、安倍晋三首相も二〇一二年に月刊誌上で反対を表明した。


 戦後に皇籍を離れた「旧宮家(旧皇族)」の復帰を推す意見も考慮して、国会見解は「女性宮家の創設『等』」とした経過がある。


 政府は皇族減少への対応策について「これまでの議論の経緯を検証」している、との説明を繰り返す。菅氏は今月八日の衆院内閣委員会で、結論を出す時期を問われ「今の時点で『いつまで』と言うことは控えたい」と答弁した。


 国会見解は、退位の特例法の付帯決議に国会への報告時期を盛り込むことを含め、各党派間の協議に委ねた。付帯決議に法的拘束力はなく、仮に与野党が合意しても政府に従う義務はないのが現実だ。

◆退位国会見解の要旨


 1 立法府の主体的な取り組みの必要性


 各党派は立法府の主体的な取り組みが必要との認識で一致した。


 2 退位などに関する共通認識


 (1)昨年八月八日の天皇陛下の「お言葉」を重く受け止めていること。


 (2)天皇陛下による象徴としての行為は国民の幅広い共感を受けていること。退位を認めることに国民の理解が得られており、退位できるよう立法措置を講ずること。


 (3)安定的な皇位継承が必要で、政府は速やかに検討するべきであること。


 3 皇室典範改正


 (1)天皇の退位および皇位継承の法整備は、憲法上の疑義が生じないよう皇室典範の改正が必要だと一致した。


 (2)国会が退位問題に責任を持って、その都度、判断するべきだといった観点から、典範付則に、特例法と典範の関係を示す規定を置く。具体的には「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、この法律と一体をなすものである」との規定が考えられる。


 この規定で(1)憲法2条違反との疑義が払拭(ふっしょく)される(2)退位は例外的措置である(3)将来の天皇が退位する際の先例となり得る-ことが明らかになる。


 4 特例法の概要


 特例法においては以下の趣旨の規定を置くことが適当だ。


 (1)退位に至る事情に関する規定。「お言葉」は国民の間で広く深い敬愛をもって受け止められ、象徴としての行為は国民の幅広い共感を受けていること。皇太子さまは、陛下が即位された年齢を超え、長年、国事行為の臨時代行を務めてこられたこと。陛下が従来のようにお務めを果たすことに困難を感じている状況で、「お言葉」以降、お気持ちが広く国民に理解され、共感が形成されていること。


 (2)退位に伴う皇位継承に関する規定。退位の時期の決定手続きにおける皇室会議の関与の在り方は、付帯決議に盛り込むことを含めて各党派間の協議で結論を得るよう努力する。


 (3)退位後の敬称などの特例規定。


 以上の法形式で恣意(しい)的な退位や強制的な退位を避けることができる。先例となって将来の天皇の退位の際の考慮事情としても機能しうる。


 5 安定的な皇位継承


 女性宮家の創設は、政府が法施行後、速やかに検討すべきとの点で各党派の共通認識に至った。国会報告の時期については「明示するのは困難」との主張と「一年を目途とすべきだ」とする主張があり、各党派間の協議で、付帯決議に盛り込むことを含めて合意を得るべく努力してほしい。


 6 政府に対する要請


 直ちに法案の立案に着手し、事前に各党派に説明しつつ、速やかな国会提出を強く求める。