2005年10月31日

トルコライスの謎

(日本人に似ている)
 それが、継之助にはおかしかった。スネルが、トルコ人であると自称することがあるのはその髪の黒さ(トルコ人にはそういう特徴をもった者が多い)によるものだろうし、あるいはトルコ人の血も入っているのかもしれない。
 現に継之助に、
「私にはトルコ人の血が入っています」
と言った。
 トルコ民族とは、東洋史上の突厥であろう。ふるい時代、中央アジアの草原に活躍した騎馬民族のひとつで、その人種のうち西へ行った者は「ヨーロッパ・トルコ」といわれ、混血のために碧眼紅毛になった。しかしながらその言語の祖形は日本語とおなじウラル・アルタイ語族に属するものであり、その点でトルコ人は日本語をおぼえやすい。

       司馬遼太郎『峠』新潮文庫、エドワルド・スネルに関する記述より

   ***

このところ『トルコライス』という長崎名物がひどく気になっている。
単なる三品盛り合わせの“トリコロール・ライス”だと笑う友人がいる一方で、豚肉を羊肉に置き換えた伝統的トルコ料理がベースだという説も耳にする。

一度本格的なトルコ料理も食べてみたいな、などと「トルコ」という言葉が頭を離れずにいたら、読んでいる司馬遼太郎の本に「トルコ」という文字が出てドキッとしたのでメモしておくことに。

   ***

追記:

突厥は「とっけつ」と読む。本を読みながらのメモは携帯電話の片手入力でしているが「厥」の文字がどうしても出てこず、「どうしてもこの文字でメールを書かなくてはならない」という時にはどうしたらよいのだろう。音読みの「けつ」では候補に登場しないのでお手上げである。「蕨」と書く「けつ」は候補に出てくる。「厥」の訓読みは「その・それ」である。当然「その・それ」でも候補に出てこない。PC用のATOKでは「突厥」が「とっけつ」と打って入力される。

ところで突厥とは何だろうと自宅に戻ってから辞書を調べてみる。

とっけつ【突厥】
トルコ系の遊牧民。また、その遊牧民が支配した国。6世紀中葉、アルタイ山麓に起り、柔然の支配を破って独立、伊利可汗と称し、モンゴル高原・中央アジアに大遊牧帝国を建設。6世紀後半、東西に分裂し、630年以後前後して唐に征服されたが、682年東突厥が復興し(突厥第2帝国)、744年ウイグルに滅ぼされた。東アジア遊牧民最初の文字を残した。
とっけつもじ【突厥文字】
8世紀頃に突厥民族が使用した音素文字。起源はアラム文字、またはソグド文字といわれる。8世紀前半のオルホン碑文が発見され、19世紀末にトムセンが解読。
       広辞苑第五版より

なるほど。やはり凡庸な人間は辞書片手でないと本というのは正しく読めていないことが多い。

   ***

さらなる追記:
友人から教えていただいたトルコライスに関する『トルコライス共和国』 というサイトに私見としてこんな書き込みがあった。
「この店の前に東郷公園と言う公園がある。 トルコではロシアのバルチック艦隊を破った東郷元帥は英雄とされている そうゆう関係で付けられたのではと考えた」
“トルコ東郷英雄説”というのは本当だろうか。

“フィンランド東郷英雄説”というのがあり、フィンランドではバルチック艦隊を破ってロシア帝国の脅威を取り除いてくれた英雄として「東郷ビール」というのが売られており故にフィンランド人は親日的であるという話しがあり、かなり眉唾物らしい。

眉唾ではあっても日露戦争がが日本人を狂わせた端緒だったと司馬遼太郎も書いていたような気がするけど、そういう浮かれ気分で“トルコ親日説”を捏造しながら「東郷トルコライス」が誕生したという説は有り得るなぁ、と思ったりする。港町長崎名物というのも日本海軍がらみで考えれば納得がいく。

こんなメモをちょびちょび思いつくままに書いている携帯電話がフィンランド製というのも………………単なる偶然に過ぎないよ!

フィンランドは親日国か
「東郷ビール」という伝説

●→電脳六義園通信所に戻る  

Posted by denki_yagi at 01:50Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月30日

夜汽車

清水駅ホームに19時46分発東京行き普通列車が入る。

短い区間、数駅の利用者が多いせいか真ん中付近の車輌が混み合っていて先頭の方はがら空きである。
 
がら空きの先頭車両がずいぶんホームの外れの方に行って停車するので「(そうか、この列車は長距離を走るので長い編成なのか)」と改めて気づく。静岡県内を走っている東海道本線は短い車両編成で走っているので、ホームの端に立っていると電車がホームの遙か手前で停車してとどかなかったりするのだ。
 
熱海駅を過ぎJR東海からJR東日本の社員に車掌も変わったのか、車内放送の声が変わる。JR東日本の方がいかにも【旧国鉄】といった感じの紋切り型【鉄道喋り】のような気がする。そしてこんな事をいう。

「この列車、9両の短い編成となっております。お手洗い・洗面所は……」

首都圏に入るといつの間にか9両は短い編成の列車ということにになってしまうのである。

   ***

新橋駅を過ぎたら車内アナウンスがあり

「次ぎは終点、終点の平塚です……」

などと真面目くさって言うので車内のあちこちで気だるい笑い声がもれる。どうして咄嗟にそういうすっとぽけた駅名が出てくるのだろう。疲れているのだろうか。

22時39分、定刻通り列車は平塚駅ではなく東京駅に到着した。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 00:11Comments(6)TrackBack(0)

2005年10月29日

羊華堂と書くヨーカ堂

d1307c6c.jpg小学生時代、東京・十条にできた『ヨーカ堂』に遠足用のお菓子を買いに行ったことがある。その当時のヨーカ堂に関しては佐野眞一『人を見に行く』に詳しい。

品川区武蔵小山駅前に「日本中の靴下集めました」と豪語する昭和七年創業の老舗『ヨーカ堂』がある。いいなぁ、こういう店は好きだ。

この店の名は昔漢字表記だったらしく看板に『羊華堂』とある。

この写真の店は駅前店で靴下・パンスト・シェイプアップ肌着の店であり、パルム商店街から横丁に入った場所にある一番通り店は紳士アウター・インナー・雑貨の店、そして後池交差点を入った朝日公園前のパーク店は婦人アウター・インナーの店である。

どうして通りすがりの商店街で見つけた店でもすぐに応援したくなるのだろう……。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 01:00Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月28日

味噌漬飯もしくは桜飯

 一方、継之助によって救われた庄屋徳兵衛は、当然ながら継之助を恩人とし継之助がこの屋敷に出張吟味にやってきた十一月十五日には毎年かれの肖像を床ノ間にかかげ、味噌漬飯をそなえたという。
「味噌漬飯ほどうまいものはない」
と継之助がこの屋敷でいったからだというのである。このめしは焚きこみ飯の一種で、大根のみそづけをこまかくきざんで飯にたきこんだものである。長岡藩の家中では一般に「桜飯」といった。

                        司馬遼太郎著『峠』新潮文庫より

■司馬遼太郎の本に食べ物の話が出てくるのは珍しい。性欲に比して食欲の乏しい文学だと思うから。
病気でだんだん食べられる物が減っていった母だが新潟産の味噌漬けはかなり最後の頃まで好きだった。僕も新潟の味噌漬けが好きで、青森や山形の漬け物が好きな癖に味噌漬けは新潟産が好きだし、近所にはなぜか「新潟産」と書かれた味噌漬けを誇らしげに売っている店が多い。

美味しそうなので今度作ってみようと思う。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 12:10Comments(4)TrackBack(0)

夜の巷

a327bc58.jpg三人の親たちが相次いで倒れて、日暮れとともに仕事を終えて
ネオン輝く夜の巷に飲みに出る楽しみを失って丸三年が経過した。
7ポート付きのUSBハブが7階建ての飲食店入り雑居ビルに見える秋の黄昏。人生字余り。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 01:30Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月27日

「風景のいい人間」

 秋田の産だという。用助というのは用人という意味で、拙堂先生がこの用人を用助々々とよぶため、門下の者もそれにならって「用助どん」とよんだ。若い頃学問を志し、内弟子になった。
 が、学問にむかぬたちらしく、この道では成功しなかった。しかしかといって拙堂から離れる気がせず、頼み入って家来になり、やがて用人になった。秘書である。学問よりも拙堂そのひとに憑かれて生涯を捧げてしまったといっていい。
(これも一生だ)
と、継之助はこの用助を風景のいい人間としてこのもしくおもっていた。

司馬遼太郎『峠』新潮文庫より

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 03:00Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月26日

ツートンNOKIA

ee765d53.jpg仕事の打合せを終えて銀座から東京駅まで歩き、八重洲地下街のNOKIAショップに立ち寄る。

702NKという機種が非常に気に入っており、ひとつ気に入ったものがあるとその会社の商品には二つも三つも欲しいデザインが見つかる物なのだが(ゴキブリみたいだ)ここの商品はどれも奇っ怪な意匠で二つ欲しいと思わないのが不思議だ。ということは702NKというのも気に入っていない人から見ると充分に奇っ怪なのかも知れない。
ブルーグレイのフロントパネルをつけてみたが地味すぎるので、裏面はブルーグレイ表面はベージュの二色アイスにしてみた。この方が薄く見えるよくある手法だ。革製のストラップはコニカミノルタのデジカメ用。






●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 16:14Comments(4)TrackBack(0)

PhotoStorage

1035d3d6.jpg中国訛り(台湾人?)の女性が店番をする秋葉原裏通りの店で5,800円だった小箱。

ノートパソコンなどに内蔵されている2.5インチのハードディスクを収納するケースなのだけれど、上部と左右に差し込み口があって、コンパクトフラッシュ/マイクロドライブ/SD/miniSD/MMC/メモリースティック/メモリースティックPro/メモリースティックDuo/メモリースティックProDuoなどのメモリカードを挿入でき、それらのデータをハードディスクに吸い上げられる。要するにPhotoStorage(フォト・ストレージ)というやつだ。パソコンを介さずにデジカメなどのデータをコピーできる。
 
「PhotoStorage(フォト・ストレージ)なんていらない、意味ないじゃん!」
と思っていたのだけれど5,800円(ハードディスクが余ってたので)なら、凄く良いと思う!凄く便利だ!!帰省時もデジカメデータを吸い上げるためだけにiBookを起動する必要がなくなった!!!何万円もするなら要らないけど5,800円なら必携の逸品だ!!!!と評価が値段でコロッと変わるのがガジェットの宿命である。

USB2.0でパソコンに接続するとストレージクラス対応らしくMacintoshでもWindowsでもすんなりマウントされる。しかもUSBから自動的に充電されるのだ。ということはUSB端子付き単三電池ケースを持っているので外出時の電池切れの心配もない。こんなに良くできているのに何で5,800円で投げ売りなのだろう。怪しい。

操作は簡単。丸い電源ボタンを押す→メモリを差し込む→丸いコピーボタンを押す→コピー開始→コピー終了。実に呆気なくシンプル、しかも高速で気持ちがよい。ブルーの液晶表示も簡潔で綺麗だ。

商品名は何というかというと、それが実に怪しくてパッケージには「PHOTO BANK」と書かれているのに製品には「PHOTO & DATA CENTER」とある。製品にもパッケージにも会社名や型番がなく、製造国名すら記載されていない。インターネットで検索してもこんな商品は出てこない……が、アルミとラバー塗装で堅牢に造られていてとても良くできていると思う。

これは久々のアタリだったかもしれない。ソフマップ9号店近くの「PC SHOP iCON」という店に昨日はたくさんあった。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 15:22Comments(0)TrackBack(0)

タイガー食堂

52e2e3b3.jpg仕事の打合せで銀座一丁目の出版社に行ったら裏通りで『タイガー食堂』という看板を見つけた。

相当年季が入ってただ者ではない雰囲気を発散しているので、打合せを終えて同い年の編集者(東京造形大出身)に聞いたら、彼が入社したときには既にあったという。彼が入社する以前、僕は学生時代銀座1丁目の小さな広告代理店でバイトをしていたがこの店の存在には気づかなかったのでネット検索してみたら1964年開店だという。東京オリンピックの年だ。

11時半からランチタイムだとLivedoorグルメに書かれていたが開いていなかったので懐かしの『岩戸』でイワシの天ぷら定食を食べて帰ってきた。どんぶり飯としじみの味噌汁がお代わり自由なので2杯食べたらお腹が爆発しそうだ。

それにしてもタイガースは勝てる気がしない。バレンタイン監督はロッテガムでも噛んで唾を吐くのをやめて貰いたい。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 13:48Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月25日

英語と「、」

25be3a6f.jpg秋葉原でおそらく台湾人経営と思われる小さな店で買い物をし、それはおそらく台湾製(表記がない)の製品だと思うのだが、箱に印刷された文章がとてもユニークだった。

英文なのだが文中の「カンマ」であるべき部分がみな「、(読点)」になっている。こういうのは始めて見たがこういう組版ルールがあるのだろうか。明らかに日本向けを狙った商品ではないと思うのだが。

昔「1.4」と綴るべきところが「1,4」と書いてあるのを見て笑ったら「常識がないなぁ、ドイツではこう書くんだよっ!」と逆に笑われて恥をかいたが、カンマを読点に置き換えて書くのが常識である国が実はあったりすると困るので、取り敢えずぐっと笑いをこらえる。

そういえば理系や医学系の本では日本語の文章なのに「、」「。」のかわりに「,」や「.」を使ったりしているが、欧米人があれを見て笑いをこらえることはないのだろうか。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 17:23Comments(0)TrackBack(0)

新品で3,980円のThinkPad

秋葉原の“ジャンクな店”に格安の入力デバイスが出ていた。
 
複数の店が同じ物を売っていたので“ワケアリ”で放出されたのかも知れない。店頭でパソコンに接続して実際に使えるようになっており、常に誰かが立ち止まって書き心地を試している。
 
要するにお洒落な紙バサミみたいな物であり、ビリッと破いたレポート用紙を1枚挟んで専用ボールペンで絵や文字を書くと、その通りのペンの軌跡が専用ソフトの画面に記録されていくのだ。よくあるペンタブレットと違うのは実際に紙にボールペンで書くわけだから紙だけを見てパソコン画面を見なくても済むわけで、会議のメモを紙に向かって書き会議が終わるとその紙が自分のパソコンの中でそっくりそのまま電子化されているわけだ。
 
実際の会議の場を想像してみる。
「じゃあ会議のメモはメールで送っておくから」
なんていう使い方をするのかなぁ、とも思うが
「そっちの書いた紙を今ここでコピーしてくれればええやん」
などと言われそうな気がする。

絵を描く場合を考える。
「いや、コンピュータで絵を描く場合、画面を見ながらペンタブレット上でペンを動かすなどと言う不自然な描き方でなく、きちんと描いた軌跡を見ながら紙に描く方が楽なんだ」
などと言うと
「んなもん、紙に描いたんをあとでスキャンして取り込めば済む話しやん」
などと言われそうに思う。

僕と年格好の似た会社員風の男性が熱心に試し書きをしているので、何を書いていたのかと自分の番が来たので覗いてみると意味不明の図形をエンドレスでグニュグニュと書いていた。そうやりながら(これは何に使えるのだろう)と考えていたのだろう。

僕もやはりグニュグニュと意味不明な図形を書いてしまい、1度ならず先日も意味不明な図形を書きながら考え込んできた。どうしてそんなに考え込んでしまうかというと値段が3,980円と信じられないくらいに安いのである。

高ければ誰でも「んなもん、買わんでもええやん」とすぐに考えがまとまるのだが、安さが人を考え込ませるのだろう。そうか意味不明な物を書き散らしながらひたすら思索に没頭して無為に時間を費やすのに最適なガジェットかも知れないと気づき、真のThinkPadかも知れないと思う。まだ売れ残ってるかなぁ……。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 11:28Comments(3)TrackBack(0)

ラベルの裏側

6a9d1cac.jpg最近のネーム・ラベル製作機はパソコンに接続できるらしいので簡便な物を買ってみた。机の周りにネーム・ラベルを貼っておかないととっ散らかって収拾のつかないものが増えてきたのであり、そのほとんどがパソコンや電子機器のコード類である。

テプラはどうかなと思ったらWindows用のドライバしかなく、CASIOはユーザが開発したMacintosh用ドライバがあるが製品構成を変更するのか徐々に撤退するのかめぼしい商品がみな製造終了になっており、ブラザー工業株式会社のP-touchがなかなか元気がよいので1500pcというのを買ってみた。この会社は以前からMacintoshユーザーに好意的で、ちゃんと最新OS用のドライバや印刷ソフトを提供していて感心する。

P-touch 1500pc

Windows対応と銘打って全くMacintoshを無視しているメーカー、Windows対応と銘打って全くMacintoshを無視しているように見えて熱心なユーザーが開発したソフトをちゃっかり紹介しているメーカー、本気でWindows用とMacintosh用のドライバ・ソフトを用意しているメーカーとネーム・ラベル製作機メーカーのネーム・ラベルの裏側も様々である。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 08:12Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月24日

模造の不思議

806226ed.jpgSONYのデジカメを買うと汎用電池が使えない。
 
仕方なしにSONY純正を買うとびっくりするほど高くて、この電池だって5000円以上した。専用電池なのでいざという時は相当な大手量販店に行かないと手に入らない。
 
いっぽう他社のデジカメは汎用メーカー品が売られていて、少しでも安い方がいい人が多いのか割合入手しやすい。SONYの電池を購入し「ちぇっ!」と心の中で舌打ちしながら秋葉原のガード近くまで歩いたらなんと1600円くらいで同等品が売られていてびっくりした。台湾製だと思う。
 
もう一度「ちぇっ!」なのだけれど、こういう同等品を作るときわざわざ同じ寸法の金型を作るのだろうか。先日も別のPDA用格安電池をネットで購入したけれど、そちらも純正品と寸分たがわない仕上がりだった。
 
真似てわざわざ金型をおこしているとしたら採算がとれるのだろうか。そして、そういう行為は法に触れないのか、独自の電池はプロダクトデザインの一部ではないのか、電池の意匠は法的に保護されないのだろうかと次々に疑問が湧いてくる。

電池くらい、いい加減に汎用性のあるパーツを使って独自規格はやめて欲しい、という意味では電池製造者にエールを送りたいのだけれど。

●→電脳六義園通信所に戻る  
Posted by denki_yagi at 12:42Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月23日

音の出るマフィン

37074b15.jpgパソコンパーツショップを覗くとクラフト包装でイメージを統一した【玄人志向】 という商品群があり、非常にいかがわしい商品の中でもちょっと安心感のある《無印良品という有印商品》というか《ノーブランドというブランド》みたいな位置を占めている。玉置浩二みたいなキャラクタも印象的である。
 
パソコンのUSB端子に繋ぐだけで動作し、別電源不要で携帯に向いたチープなスピーカーが欲しかったので探してみたら【玄人志向】の中に『玄音』という直径11センチほどの円形スピーカがあるので買ってみた。掌にのるハンバーガーというかジャンボどら焼きというか、うんマフィンに似てるかもしれない。

『玄音』と書いて『くろおと』と読むのかと思いきや『KURO SOUND』と書き添えられている。とぼけた名前だが、携帯時には中高音用スピーカがたたみ込まれUSBケーブルが底面部に収納できるという、ネーミング以外にもギミックをこらした製品であるわりには堅牢にできている。

確か2,000円を切る価格だったので音質には全く期待していなかったのだが、繋いで鳴らしてみたら超小型2スピーカーとはいえサブウーファー付き!なのでなかなか良い音がする。「玉置ちゃんやるなぁ」と笑いがこみ上げる。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 15:35Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月22日

Paparazzi!

0a3bb5b7.jpg昔々、インターネット関連の書籍デザインを依頼されるとサイトのスクリーンキャプチャを撮らなくてはならず、たとえば電脳六義園通信所トップページの全体像をキャプチャしようとすると何枚にも分けて撮影して画像処理ソフトでつなぎ合わさなくてはいけなかった。

一気に縦長のページを一枚の画像として撮影してくれるソフトもあるにはあったが有料ソフトだったりし、年に一度あるかないかの仕事で買うのも馬鹿馬鹿しいと思って購入したことがない。

Macintosh OS X 用フリーウェアでこれができるソフトを見つけたのでダウンロードしてみたが非常に楽しいシンプルなインターフェイスでとても面白い。名前もふるっている。

Paparazzi!

これで電脳六義園通信所トップページを全体キャプチャ してみた。非常に馬鹿馬鹿しい気もするがWindowsユーザーにMacintosh OS X ユーザーはQUARTZによるこんな表示の画面を見ているのだと紹介するにはいいかも知れない。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 16:15Comments(5)TrackBack(0)

Appleの忘れ物

76426a33.jpgパソコンというのは使い手ごとに自在に形を変える道具だから面白い。
何て便利なソフトウェアだろうと他人に紹介すると、全く使い道が思い浮かばないなどと言われることも多い。

Macintosh OS X になって不便なことのひとつにFinderで表示したファイル一覧をプリンターで印刷できないことがあった。OS 9 まではちゃんとFinderに「プリント」というメニューがあって、CD-Rに記録したファイル一覧を印刷して他人に渡しながら説明するようなときに便利だったのだ。

そのうちプリント機能が復活するだろうと思っていたのだが忘れられて久しい。そして世の中でそういう機能を必要としているのはひょっとして自分ひとりなのではなかろうかという孤独感を感じることもあった。

なんとそう思っている人が他にもいたのだ!
Print Window
というソフトがそれで、起動してプリントを選ぶと好きなフォルダの中身一覧を印刷してくれる。しかも階層化されたフォルダをすべて展開して印刷して貰うこともできるのである。これでフリーウェアである。凄い!

サイトにはこう書かれていた。

We've brought back what Apple forgot.

ホントにね。ありがとう。



●→電脳六義園通信所に戻る


  
Posted by denki_yagi at 13:32Comments(0)TrackBack(0)

コタツとミカンとキーボード

5b4ef2f3.jpgスキャナ対面修理中の空き時間に秋葉原ソフマップの中古機器売場に行ったら気に入りのMacintosh用キーボードが大量に出ていた。
 
これはブラウン管方式だった頃のiMacに付属していたキーボードでテンキー付きの割りには小さくできている。ハードに外国語の入力をする人には非常に使いにくく打てない文字があると聞いたことがあって人気がないらしい。そろそろiMac本体に寿命が来て廃棄され、キーボードだけが中古で出回っているのかも知れない。
 
僕はキーボードに対して、自分にとって支障のない範囲で入力できるなら小さければ小さいほど好もしい、という考え方をしているので、最近のMacintosh用の純正巨大キーボードはどうしても好きになれない。
 
ちょうどエスパルスカラーのタンジェリン(コタツミカン)色のがあったので2つ買ってきた。今使っているのを含めると3つになったので、死ぬまでキーボードはこれで足りそうな気がする。
 
歳をとりコタツでミカンを食べながらタンジェリン色のキーボードをポチポチ叩いて友人に年賀メールでも書いている自分を思い浮かべたりする。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 08:42Comments(5)TrackBack(0)

雲散霧消

cd83e8a1.jpgスカジー接続のスキャナが使えなくなったので同じCANONのCanoScan 9950FVという機種を買ってみたら最初からうんともすんとも言わなくて動かない。
 
頭に来たので台東区上野にあるキヤノン販売に直接持ち込んだら対応に出た若者たちが非常に感じよく、初期不良であることを確認して2時間ほどで部品交換してくれるという。

「ばーろー、初期不良の製品を出荷するな!」とねじ込んでやろうかと思っていたが、窓口の対応が熱心で気持ちがよいので好印象に転じ、評判も業績も急降下のS社などにくらべ、業績好調な会社は社員のやる気も違うなぁと感心させられたりする。

CANONのフラッグシップモデルというだけあって35ミリフィルム30コマの自動個別調整スキャンなどもできるそうなので古い清水の写真を暇なときに取り込んでみようかな、と楽しみに……。あらら。

なんとFireWireで接続するこのスキャナは本体直のポートを占有し、リピーターなどを通すと認識されない。そういえばスカジーのスキャナは必ず終端に繋げなどと言われていたが、やはりスキャナというのはわがままなのだろう。しまったなぁ、FireWireポートを増設できるG5が必要かなぁと一瞬機種選びを悔やんだが、こちらも窓口の対応が良かったのでもう気になっていない(笑)

修理窓口というのは大切な職場だ。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 06:54Comments(0)TrackBack(0)

2005年10月21日

たいこの叩き方

9795f975.jpg10月20日付読売新聞朝刊の【編集手帳】を読んでいたら笑ってしまった。
 
幇間(ほうかん)、たいこもちは客が手洗いに立つと一緒についていく。外で待ちながら、用を足す客にあれこれと楽しい話を語って聞かせる(10月20日付読売新聞朝刊【編集手帳】より)
 これは面白いなぁと思って夕食時の家族に
「たいこもちって客がトイレに行くとついていくんだけど何のためについていくんだと思う?」
と聞いたら
「トイレに行くと客の着物の袖とか裾が汚れるので持っていてあげるため」
などという女性らしい答えが返ってくる(洋服だったらどうする?)。
 
答えがなるほどなぁと思うのだが、人はトイレに行くと急に冷静になって我に返り、仕事のことや家庭のことを思い出して家に帰りたくなったりするものらしい。たいこもちは客に我に返らせないためにあれこれ語り続けるのだという。
 
そういえば友人たちと飲むとトイレから帰って来るなり
「おれ、今日やっぱ帰るわ」
などと言い出すやつがおり、あれはトイレで我に返っちゃったのかと思うとひどくおかしい。
 
※写真は昨日見かけた【三色ダックス】。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 08:17Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月20日

Cセット

50e5f126.jpg最近気に入っている六義園近くのラーメン屋で隣り合わせた二十歳(はたち)そこそこの若者が『Cセット』を食べていた。

『Cセット』というのは味噌ラーメンに半チャーハンがついたランチメニューで注文時に塩ラーメンも選べる。

混んでいて待ち時間が長く、所在ないので横目で観察して暇つぶし。

麺類はのびるので味噌ラーメンを先に野菜まで残さず平らげてしまうのは賢い。息子であってもおかしくない年頃であるせいか「(それにしてもスープを飲まない子だなぁ)」とよけいな心配をしていたら、食べ終わった味噌ラーメンのスープをやおら蓮華でチャーハンにかけはじめる。あらら。

要するに中華風味噌汁ぶっかけ飯なのだけれど『味噌クッパ』みたいで、スープをかけ終わったチャーハンを見たら意外にも美味しそうなので「(へぇー)」と感心する。

急いでかっこむでもなく淡々とペースを乱さず食べているので自分の息子なら「そうやって食うと旨いか?」と聞いてみたいところである。

どう考えても他人に「そうやって食うと旨いか?」と尋ねるのは失礼なので、次回に注文するのは『Cセット』と自分の頭の予約をセットする。  
Posted by denki_yagi at 08:17Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月19日

桐の育て方

44b784ed.jpg静岡県清水、清水銀座商店街を歩いていると何年も前からの空き地があって買い手(借り手)がつかないらしい。

清水という街は旧東海道沿いでなくても昔ながらの間口が狭くて奥行きが驚くほど深い家が多くて、こういう土地を買っても使いこなしが難しくて、結局市街地商店の新陳代謝がすすまないのだと思う。腕利きの建築家である友人にお金さえあったらこの土地を買ってやり試しに設計させて商店街再建のモデルハウスにしたいところである。
 
この空き地に桐が一本生えているのが以前から気になっている。
庭に桐を一本植えておけば娘が成長して嫁に行くときは桐箪笥が一竿できる、などと昔から言うけれど、確かに桐の生長は驚くほど早い。
 
通るたびに「おお、大きくなったなぁ」と眺めていたら最近ばっさり枝を切られてしまい、根こそぎほじくり返したりしないのがせめてもの温情かな、などと微笑ましく眺めていた。
 
先週の帰省時に眺めたら再び大きく枝葉を伸ばしていてその生命力に驚く。他人の子と桐は大きくなるのが早い。
 
「馬鹿だなぁ、ちゃんと引っこ抜かないからまた剪定しなくちゃならない」
とこういうところが清水っ子の大らかさというか甘さだよなぁと笑ってしまった。

帰京して写真を眺めながら考えていたら、あれっ?こうやって大胆に枝をはらうからこそ幹の太い箪笥に使えるような桐が育つのかな?というような気もして来て、売れ残った土地の買い手を探しながら、どんどん育つ桐を育てている売り手もなかなかの者かもしれないと思い始めた。う〜ん。

何事も写真に撮るのはよいことであり、撮った写真は何度も見返さなくてはダメだ。読写百遍意自ずから通ず。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 08:42Comments(4)TrackBack(0)

2005年10月18日

○○屋さんの逆襲

7fcc5e1e.jpg「お肉屋さんのカレーライス」と言ったら誰でもニンジンやジャガイモではなく肉がたくさん入っているのを期待するだろう。そういう時代だ。
 
かつて昭和30年代というのはとても貧しくて「お肉屋さんのコロッケ」を買ってガブッと齧って断面を見たら茶色い物があり「あっ、挽肉だ!」と喜んでほじくって見たらジャガイモの皮だったりするいじましくも悲しい時代だった。

2005年はすでにそういう時代ではないので、毎週金曜日、旧東海道沿い入江町のタガヤ肉店が「お肉屋さんのカレーパン」を売るというので行ってみればちゃんと「お肉屋さんのカレーパン」の味がしている。

お肉屋さんではなくて「八百屋さんのカレーライス」なら野菜たっぷりであるべきだが、八百屋さんはいつも売れ残った野菜ばかり食べているので「せめてカレーライスくらいはお肉たっぷりで!」というわけで「八百屋さんのカレーライス」は野菜がちょっぴりでお肉だらけ!!という商品づくりも面白いかも知れない。

清水で「お蕎麦屋さんのカレーライス」と誇らしげにメニューに書いてある店があるので行ってみたら、「どこがお蕎麦屋さん?」と聞きたくなるようなどこにでもある普通のカレーライスだった。

このお店の「カレー南蛮」はとびきり美味しいので東京の良質なそば屋が出す焦げ茶色のカレー丼のような「お蕎麦屋さんのカレーライス!」を期待して行って玉砕し「貴重な清水での昼食を無駄にしたなぁ」と泣いて帰ってきた腹いせの日記である。

だけど考えてみたら「せめてカレーライスくらい和風ダシ臭くないもんを食べたい!」といういかにも蕎麦屋さんらしい「まかない食」だったのだろうか。だとしたらなかなかのやり手である。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 14:36Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月17日

はなくそ

789599e2.jpg両手で鼻くそをほじくるひとはおそらくいない。

同時に両手の指が鼻の穴に入らないこともあるが、もし鼻くそが両手でほじくらなくてはほじくれないものならほじくる人は減ると思う。片手に比べて両手は疲れるからだ。

長文を書くのにちょっとはましな携帯電話に替えたので、細いストラップで首から下げて気付いたことを書き留めるメモ帳代わりに使っている。片手で入力できるのがひどく使いやすくて気に入りのZAURUSを取り出すのが億劫になった。

“ふと気付いたこと”というのは鼻くそに似ているのかもしれない。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 10:34Comments(2)TrackBack(0)

金銀の後始末

5e4b2665.jpgなぜか手元に金貨や銀貨がたくさんある(拾ったり盗んだりした訳じゃない)。

母の遺品のでっかい財布を開けたらそんなもんがいっぱいあって、そういう人だったかなぁと意外。金色の天皇陛下御在位六十年(拾万円)とか銀色の天皇陛下御在位六十年(壱万円)とか議会開設百年(五百円)とかいろいろな記念コインが大量に。懐かしい東京オリンピックのもある。こういうのどう始末したらいいのかなぁ。眺めて楽しむ趣味はないし、記念品として残してやる子孫もないし(^_^;)

まぁ銀行に持って行けば額面通りに預金できるんだろうけど、母は少しでも銀行の利子より増しな値上がりを期待していたんだろうか。昔は記念切手を買うと値上がりするとか言われて郵便局に行列して買い、郵趣協会のガイドブックを見て値上がりしたと大喜びし、お店に持って行ったら額面に毛の生えた程度の額でしか買ってもらえない、なんていうトホホな時代があったもんなぁ。今思えば凄い商売だ(@_@)

「もしかしたら少しは高額で換金できるかも…」なんていうスケベ心があるからそういう仕組みに取り込まれるんだろうなぁ。Krugerrand金貨なんていうのも混じってるけどこういうのってどう換金するのが賢いんだろう。「賢いんだろう…」なんてことをまだ言ってる自分が恥ずかしいけどね。



●→電脳六義園通信所に戻る

  
Posted by denki_yagi at 00:00Comments(2)TrackBack(0)

2005年10月04日

POWERCHE-V1

e6685728.jpg5ボルトの電源は便利だ。
 
LinuxZaurusもPocketPCも5ボルトあれば充電できる。

SL-B500の電池がSL-C3000より保たないのが不思議だ。SL-C3000はハードディスク搭載なのでワンスピンドルマシンでありスピンドルレスのマシンの方が、同じ電池を早く消費するのが不思議である。それだけ新しい機械は省電力を考慮した設計になっているのだろう。
 
1泊2日程度の旅行でも通信を行ったりすると内臓電池が心許ないので、充電式の外部電池を買ってみた。 POWERCHE-V1という韓国製の製品で、大きさはキットカットとかスニッカーズとかのチョコレート・バー程度の大きさである。
 
でなんとこの電池はパソコンのUSB端子から充電でき、USB端子として出力でき、付属コードで標準電源プラグとしても出力できるのである。要するに5ボルトをあちらからこちらへ自在に融通する橋渡し役になるわけで、パソコンのキーボードの端で余っているUSB端子に接続して普段充電しておき、外出時にサッと外して持って歩けるわけだ。
 
いざという時にはUSB機器の外部電源としても使用できるので常時携帯すると非常に便利だ。

※ちなみにCASIOのCASSIOPEIA E3000 には電源プラグの端をカッターで削ってちょっと深く挿入してやると充電できる。どうしてCASSIOPEIAの穴は深いのだろう(^_^;)



●→電脳六義園通信所に戻る


  
Posted by denki_yagi at 10:31Comments(0)TrackBack(0)