-委員名簿-


新たな時代の電波制度とメディア・コンテンツ産業の在り方に関する勉強会

-委員名簿-

 

敬称略、座長以外五十音順

 金 正勲 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 准教授

金先生








小川 善美
 株式会社インデックス 代表取締役会長

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鬼木 甫
 株式会社 情報経済研究 所長/大阪大学 名誉教授

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岸本 周平 衆議院議員
メイン顔写真-パス付き-中




 


砂川 浩慶
 立教大学 社会学部 メディア社会学科 准教授
砂川浩四慶






津田 大介
 メディアジャーナリスト 

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夏野 剛
 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授

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森 祐治
 株式会社シンク 代表取締役社長
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山田 純
 クアルコムジャパン株式会社 代表取締役会長兼社長
Qualcomm yamada 






山田 肇
 東洋大学 経済学部 教授
yamada







座長 ◎

6つの提言と報告書のファイルダウンロード先

 

新たな時代の電波制度とメディア・コンテンツ政策の在り方に関する6つの提言(提言①~③)

新たな時代の電波制度とメディア・コンテンツ政策の在り方に関する6つの提言

 

平成2267

 

新たな時代の電波制度とメディア・コンテンツ産業の在り方に関する勉強会

 

  

 

 

Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。この報告書はクリエイティブ・コモンズ “表示—非営利—改変禁止” ライセンス(http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.1/jp/)で公開されています。再利用の際には、『電波・メディア・コンテンツ勉強会』というクレジットと、以下のURLへのリンクをお貼りください。http://blog.livedoor.jp/denmecon/ 」


提言にあたって

 

平成211230日閣議決定「新成長戦略(基本方針)」では、「(5)科学・技術立国戦略」において「通信技術は新たなイノベーションを生む基盤」「情報通信技術の利活用による国民生活向上・国際競争力強化」がうたわれている。また「(3)アジア経済戦略」において「『アジア所得倍増』を通じた成長機会の拡大」として「日本のコンテンツ、デザイン、ファッション、料理、伝統文化、メディア芸術等の『クリエイティブ産業』を対外発信」するとされている。

 

しかしながら、これらの戦略実現へ向けては課題も多い。実際に、技術的、周波数的に放送と通信の垣根をなくし融合することでの国民のメリットは大きいにも関わらず、政策・制度がその融合を妨げている。それにより、放送や通信のプラットフォームの上位レイヤーにあたるコンテンツのマルチユースや産業全体としての成長も停滞気味である。今まさに、放送と通信を融合させた上で、コンテンツも含め、デジタル時代に即した民間のイノベーションを誘発する政策運営が実現できる行政組織に再構築すべきであろう。

 

同産業において、民間が主導するイノベーションを促進する政策としては、環境整備と事業・技術支援の2つが重要となるが、特に情報通信分野においては環境整備、つまり、世界市場から孤立し国内企業のイノベーションを阻害する制度・規制を取り除く政策導入が急務である。またメディア・コンテンツ分野においては、放送局を頂点とする国内志向のコンテンツ制作・流通モデルの崩壊に対して、新たなモデルへの転換・発展の契機や国際展開を促す環境整備と事業・技術支援の双方が必要である。以下に、新成長戦略の実現を推進するための具体的政策を提言する。

 

7つの提言の構造化3


 

上記6つの政策の実行主体となる行政組織の再編成も次ページ以降に記載する。


本提言の政策導入に際する、行政機構の再編成について

 

現在、総務省は情報通信・メディア分野の事業・技術支援と同時に、これら業界における事業者間の関係を規定する環境整備の双方を担っている。しかし、特定の事業者や技術を振興する誘導型の行政と、その業界における規制権限の両方を同一官庁に担わせることは、産業に大きな歪みをもたらす懸念がある。とくにわが国では行政活動に関する法規定が、行政組織の構成、行政任務と所掌事務の指定のみに限られ、行政権限の実施・適用に関する手続き規定が欠落しており、この点で米・英など先進国との差が大きい。その結果現状では、スポーツにおける「レフェリーとチーム監督の兼任」から生ずる結果にも比すべき弊害を生じている。

 

よって、総務省における情報通信・メディアの振興機能と規制機能を分離し、規制機能は独立性を持つ別の機関に委ねるべきである。

 

また、インターネットの時代における新たなメディア・コンテンツ産業の振興においては、情報通信・メディア事業者のビジネスモデルの問題や著作権の問題が複雑に絡まり合い、情報通信政策とメディア・コンテンツ政策は厳密に分けて議論することができない。しかし現状では、それぞれを担当する総務省・経済産業省・文化庁の議論や政策がうまく統合されておらず、メディア・コンテンツ産業の発展を阻害している。また、特にコンテンツ分野は自主規制の名のもとに省庁が業界内自主規制を指導している実態も散見される。

 

そこで、これら三省庁の振興機能を統合し、通信・メディア・コンテンツ産業振興を総合的に推進する新たな「情報通信文化コンテンツ省(仮)」の創設を提言する。一方、規制については省庁機能からは切り離し、省庁そして業界と一定の距離を保つ独立行政機関「放送通信コンテンツ委員会(仮)」の設置を提言する。これら、二つの行政組織の権限については、英国や韓国など諸外国の例も参考にしながら、民間の創意工夫・イノベーションを妨げない振興・規制(自主規制を含む)の在り方から検討を進めるべきである。

 

欧米などグローバルな潮流を考慮すると、特に通信・放送・コンテンツが一体となった新たな領域においては、自主規制を活用せざるを得ない部分が確実に存在している。自主規制の有効的な活用にあたっては、自主規制が万能ではないという前提に立った上で当該委が規制のグランドデザインを策定すべきである。なお、自主規制内容の透明性を確保するための当該委や国民による監視機能の強化や自主規制内容・範囲や役割分担などの定期的な見直しなど運用レベルも含めて検討すべきである。

 

但し、これらの行政機関の再編成には、より多くの議論がなされるべきであり、その第一歩として、総務省、経済産業省、文化庁、そして消費者の利用促進・保護の観点から消費者庁を含めた四省庁横断で正式に検討を進める組織の設置を提言したい。

 

7つの提言の構造化_4


提言① 周波数利用目的の国際的ハーモナイゼーション

 

―これまで日本は、ITUに代表される国際機関へ参画し続けてきたものの、第二世代における独自方式の採用や、日本規格の国際標準化争いに敗れるなど、国際機関と連携・協調した電波行政とは言い難い。

 

―こういった背景があるにも関わらず、現在の日本では一部の周波数帯の利用目的が、主要諸外国における利用目的と異なる形で定められつつある。これは国際市場との互換性がない技術や製品を生むことになり、海外輸出の可能性を失うなど、メーカーにとっての機会損失が非常に大きい。

 

―これは利用者にとっても大きな損失である。欧米の通信市場で開発された新たな通信機器、端末や方式が海外と日本で周波数帯が違うことから、日本で利用可能な選択肢が限定的になってしまう。(あるいは、利用するのに相当の対価が必要となる。)

 

―特に黄金の周波数帯とも呼ばれ、もっとも使いやすい700-900MHz台の帯域は、国内の通信市場が「ガラパゴス」と揶揄される象徴的な帯域の一つである。この帯域を国際市場と互換性のある環境に整備し直すことで、今後、事業者が開発する同帯域での新製品・サービスの世界市場への迅速な展開が可能となる。

 

―具体的には、以下の帯域の利用目的(またはその案)を見直すべきである。

 730-770MHz帯及び915-950MHz帯:現行の両者をペアリングして第三世代携帯電話に利用する政府案ではなく、730-770MHz帯と915-950MHz帯それぞれを個別に事業者に割り当てる(基本的に900MHz帯は欧州型に合わせることとする)

 710-730MHz帯:ITS(高度道路交通システム)に割り当てる政府案を中止し、ITSは国際標準に合致する帯域で実用化すべき

 770-810MHz帯:現在、FPU(無線中継伝送装置)やラジオマイクに利用しているが、利用に不都合が生じない別の帯域に移動させ空いた帯域は無線ブロードバンドに利用する。

 基本的に700MHz帯はアジア域内で整合性を取るのが成長という観点からも望ましいと考えるが、20103月末に開催されたAPT Wireless Forumでの700MHz帯の調整内容と現在の総務省案は差が大きく、このままでは日本だけ孤立した周波数割り当てになりかねない。


提言② 周波数の転用・移転によるブロードバンド向け周波数帯域の

割り当て促進 (通信も含めたホワイトスペースの戦略的な活用を含めて)

 

20103月に、米国FCCが国家ブロードバンド計画を発表。同計画には、ブロードバンド向けに新たに500MHzの周波数を2020年までに開放すること、電波オークションの収入の一部を活用し、放送事業者や既存の周波数保有者により効率的な電波利用を促す内容が盛り込まれている。また、同周波数で民間のイノベーションを促進し、医療、教育、安全、行政などの各分野での利活用を進めるというグランドデザインが描かれている。これは、日本のような放送と通信を分けた政策運営ではなく、従来の放送と通信の枠組みを超えた、「ブロードバンド」の整備や利活用へ向けた政策再構築の在り方として報告されている。

 

―一方、日本の総務省でも電波の有効利用という観点から、ホワイトスペースの活用を通じた地方発の新たなコミュニティサービスや産業育成による地域活性化などが議論されている。しかしながら、現在の議論は3つの理由から電波の有効利用を推進するものとしては不十分である。

1 これまでの議論は、免許不要でのホワイトスペースの活用が中心であり、技術的な干渉問題が解決していない現在は、机上の空論になってしまっている。(この点は、米国でも規制や技術仕様含め、議論が続いている。)

2 これまで様々な“特区”で電波の有効活用が検証されてきたが、特区での実証実験終了後、全国展開はもとより特区内での民間による事業化はほとんど進んでいない。

3 電波の有効利用を検討する前提として、現在の電波利用の状況が開示されるべきだが、現在の電波利用状況が一般の利用者目線で整備されておらず、利用実態の把握・検証のコストが大きい。

 

―このため、放送に限らず通信も含め、既存利用者の周波数の転用・移転や利用効率を上げるインセンティブ制度の導入が必要不可欠である。また、その一部として、全国的かつ長期的に、通信も含めたホワイトスペースの戦略的な活用が望まれる。加えて、その前提として、FCCSpectrum Dashboardのように、電波の利用実態を利用者目線で公開する電波利用データベース(総合無線局監理システム)へのアクセス手段を構築するべきである。また民間によるアクセス手段の開発・提供のために、軍事・警察など安全上の理由がある部分を除いて同データベース・ファイルの公開が望まれる。(つまり地図・地理情報、土地所有・利用情報などと同様に扱う。)これらの政策は、ブロードバンド向けの周波数割り当てを進める上でのプラットフォームとなり、同時に電波利用技術の新規開発を大幅に加速する。

 

―ホワイトスペースの活用にあたっては、免許不要制は干渉問題が出ないことについて慎重に確認する必要があるため、当面は免許制の導入が望ましい。なお、免許制の導入にあたっては、現行の比較審査方式と提言③の電波オークションの導入の両方を並行して検討すべきだが、いずれにしても、民間の自由な発想を活用したイノベーション誘発を阻害しないために、利用技術と利用用途の規定を設けるべきではないと考える。


提言③ 電波オークションの段階的導入

 

―電波割り当てにおける現在の比較審査方式には、審査過程を通じて、技術方式、ビジネスモデルやサービスの在り方への行政による介入という問題がある。技術革新のスピードが政府機関の審査スピードを上回る現在、この方式は技術やサービスのイノベーション、ひいては消費者便益の最大化を阻害している。また、ビジネスモデルへの介入の結果、割り当て先企業の経営状況に対する責任の一端を負わざるを得ない状況も生じている。

 

―このため、事業者の電波利用に対してその経済価値に応じる支払いを求めることにより、自由競争を通じた最適選択とイノベーションを促す、電波オークションを段階的に導入すべきである。

 

―具体的には、まず地デジ移行後のVHF帯跡地の高帯域207.5-222MHz)や、UHF帯のホワイトスペースにおいて試験的に導入すべきである。その後、700-900MHz代の帯域等、他の帯域へ本格展開していくことが望ましい。

 

―そのため、現在も比較審査方式で事業者の選定が進んでいるVHF帯跡地の免許割り当ては即刻停止すべきである。

 

―なお、電波オークションの導入は、事業者の新規参入を促し市場競争を活性化することで技術革新のスピードを上げ、消費者への革新的なサービス提供を促進するという本質的な効果がある。加えて、即効的な便益としては、国家の資産である電波の利用から得られる収入を国民に還元するという効果や、グローバルな整合性が取れなくなった電波帯域の割り当て先が他の電波帯域に効率的に移行することを可能とする効果も持つ。なお、オークションによる消費者が支払う携帯電話利用料等の上昇といった懸念が繰り返し表明されているが、この効果はそれを上回るものである。

 

―上記理由から1980年代末以来、多数の海外諸国が周波数オークション採用に踏みきり、現在までOECD加盟30国のうち23国までが、また非加盟国でもすでに20国がオークションを実施している(予定を含む)。さらに、20103月にアメリカFCCが発表した国家ブロードバンド計画には、割り当てられた6MHzの周波数を効率的に利用し、その半分の3MHzを自主的に返納する放送事業者には、3MHzのオークションから得られた収入の一部を分配するインセンティブ・オークション制度が提案されている。また、上記したインセンティブ・オークション制度での分配金や、低価格ブロードバンドの敷設のためのConnect America Fund(全米をつなぐ基金)創設などを含む同計画にかかる実行費用は、将来のオークション収入で歳入黒字ではないまでも歳入中立になる見込であり、新たに政府からの資金拠出を必要としない旨も明記されている。

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