矯正・歯並び噛み合わせ関連

2014年07月27日

睡眠時無呼吸は小児期の顎発育の影響が大きい 

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因の一つは骨格です。
欧米人と比べて骨格が小さい日本人は、肥満がなくてもOSASを発症するケースが多いことがわかっています。

顎顔面で正常な呼吸に重要な骨は
‐絣楾 (主に左右方向の大きさ)
下顎骨 (主に前後方向の大きさ、前後的な位置)
です。

‐絣楾について

 正面から見た骨格的な鼻腔は、左右の上顎骨によって大きさが決まります。
上顎骨がドーナツで鼻腔がドーナツの穴だと考えてもらうとイメージしやすいかと思います。ドーナツが小さければドーナツの穴も小さくなります。上顎骨の発育が悪く、上顎骨が小さければ、骨格的な鼻腔は狭くなってしまいます。鼻中隔弯曲があればさらに条件は悪くなってしまいます(よりつまりやすくなってしまいます)。

 骨格的に鼻腔が狭ければ、粘膜の炎症(アレルギー性鼻炎など)で簡単に鼻腔が狭窄し、鼻に空気が通りにくくなってしまいます。その結果、口呼吸になってしまいます。口からの吸気が多いと、外部の細菌、ウィルス、ごみを吸引してしまい、口腔周囲の免疫組織に炎症がおきてしまいます。口蓋扁桃(へんとうせん)やアデノイドがふくれあがり、のど(咽頭部)で気道が狭窄あるいは閉塞してしまうことになります。

 口呼吸をして、口を開けていると、舌は奥にひっぱられます。そのため、舌がじゃまをして、のど(咽頭)で気道が狭くなってしまいます。

 また、上顎骨が下顎に対して小さい場合、下顎を前にもっていった位置ではうまく噛みあわすことができなくなります。上顎骨の未発達は、後述の下顎後退の一因でもあるわけです。 

下顎骨について

 顔を横から見た時の下顎の「小顎」は、下顎が後方に位置した状態のことです。
舌の位置も後方になるので、のど(咽頭)で気道が狭くなってしまいます。
前歯の噛み合わせでいうと「ディープバイト」と呼ばれるタイプか、「出っ歯」タイプが要注意です。
前歯の噛み合わせがディープバイトだと、前歯が邪魔していまい、下顎を前にもっていくことが困難になってしまいます。
奥歯がすり減ってしまうと、噛み合わせが低くなってしまうため、前歯のディープバイトはよりひどくなってしまいます。

どうすれば予防できるか?

 上顎骨の骨体部が成長するのは主に0〜6歳なので、この時期の食事が重要です。
1歳以降は
1)上顎骨を成長させるため、よく噛む。
2)下顎骨が後退しないようにするため、前歯で噛む(前歯で噛むときに、下顎は前方に出ます)。前歯で噛み切ったり、一口サイズにする。かぶりついたりする、というのが基本です。
現代食では1)も2)も足りない傾向にあります。
6歳の時点で顎の発育が足りなければ、矯正するべきだと考えます。

1)2)を達成するためには、哺乳(できれば母乳育児)と離乳食も大切です。
母乳を飲むときに、赤ちゃんは舌を上下に動かすことを学習します。
離乳食の時期に幼児は、口唇を使うことと舌を左右に動かすことを学習します。成長に伴い舌や頬の複雑な動きができるようになります。

1)2)がうまくできない場合は、哺乳や離乳食の食べ方に問題がある場合があるので、ご相談ください。


※樋口歯科の「子育て教室」で、詳しい説明をいたします。
 参加費は無料です。
 開催日時は原則として、毎月第三水曜日の11時30分〜です。
 ご興味のある方は、お気軽にご予約ください(TEL 072-752-6556)


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2013年07月13日

上顎が狭いと前歯がだめになることも

歯並びが悪いお子さんの治療はいつスタートするのがいいのでしょうか?
よく「永久歯が全部そろうまで待ちましょう。」と聞くことがあるかと思いますが、それでいいのでしょうか?

上記のやり方のデメリットの一つを紹介します。
上顎骨が成長期に狭いままだと、犬歯や小臼歯の位置が悪くなり埋伏してしまうことがあります。また犬歯が変な方向を向くと、その手前の前歯の歯根を溶かしてしまい、前歯がだめになってしまうこともあります。


BlogPaint犬歯がななめ横を向いてはえてきています。そして側切歯(前歯)の歯根を吸収していっています。(写真クリックで拡大できます。)




側切歯吸収デンタル同部のデンタルレントゲン写真。根が吸収してしまった側切歯はおそらく抜歯となると思います(もったいない…)。







犬歯が変な方向を向くのは、上顎骨が狭いためです。
私は子供の不正咬合は放置せず、6歳ごろに上顎骨を大きくしておく(予防矯正しておく)べきだと考えます。
不要な抜歯や犬歯の埋伏を避けられることも、予防矯正のメリットです。

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2013年02月28日

仮面ライダーにみる日本人の顔の変化

近年、日本人の顔が細長くなっている傾向があることが指摘されています。
次男が好きな日曜日朝の番組の「仮面ライダー」や「戦隊もの」をみていて思うのですが、ヒーロー役の俳優さんも顔の細長い人が選ばれる傾向があるようです。

ネットで拾った写真で昔のヒーロー役と比較してみます。

仮面ライダーウィザード役(平成24年)白石準也さん
白石準也白石さん横







初代仮面ライダー(昭和46年)藤岡弘さん

藤岡弘藤岡弘3







顔の骨格が全然違いますね。
これは極端な比較かもしれませんが、テレビや映画の人気者の顔は、その時代の平均顔をうつしています。
昭和46年に白石さんがヒーロー役に抜擢されることはなかったでしょうし、平成24年に(若い)藤岡さんがヒーロ―役に抜擢されることもないでしょう。

先天的な顔の傾向もありますが、食事で噛まないことや、成長期に口呼吸していると、子供は後天的に細長い顔に成長しやすくなります。
お子さんをバランスのとれた顔に成長させたければ、まずはしっかり噛ませる食事をこころがけましょう。

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2013年02月21日

次男が歯を負傷!

昨日は仕事の後で京都で矯正の勉強会だったのですが、私の外出中に次男(4歳)が体育館でこけて乳前歯を負傷してしまいました。
家内から電話をもらったときは、かなり出血してそうなんですが、どうすることもできないので、止血だけ頼んで様子をみてもらいました。
帰宅してから確認すると、歯が欠けただけでなく、乳前歯が舌側(内側)にめりこんで前歯の噛み合わせがおかしくなっていました。

アッキ―負傷アッキ―負傷2






今日午前中に、治療してきました。
型取りをして、上顎の前歯を後ろから前に押す矯正装置(リンガルアーチ)を自作。セットしました。
技工にはげむ働く父の姿を見せてきましたが、教育効果があったかどうかはよくわかりません。バーナーでの蠟着操作は面白かったみたいでした。
装置セット時に痛いと泣きましたが、周りのスタッフもなだめてくれて落ち着きました。
リンガルアーチ






ひと仕事を終えて片付けをしていると、次男が待合室から私の元へとことことやってきて、ひと言。

「はずしてぇ〜」

文章だとニュアンスが伝わらないですが、言い方と間がとぼけていたので、一同爆笑してしまいました。


どうなることかと家内は心配したようですが、結局すぐ慣れました。帰りの車でサンドイッチをぱくぱく食べていました。幼稚園にも行ってきました。子供の慣れる能力はやっぱりすごいです。

帰宅後は何事もなかったかのように元気に遊んでいます。
家でも飛んだり跳ねたりしているので、今日はこけないように目をひからせています。


正中縫合割れてますレントゲン写真です。正中縫合が割れていますが歯根は無事な様子。経過をみないといけませんが、重症ではなさそうです。

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2012年11月14日

反対咬合(受け口)を早期治療した場合の顔への影響

反対咬合(受け口)は多くの場合、上顎骨の前方への成長が足りません。
そのため顔は三日月様顔貌となります。中顔面がへこんで下顎が前に出た顔貌です。
放置していると、下顎がさらに前方に成長してしまいます。

乳歯列期・混合歯列期初期(6歳前後)に適切な装置で反対咬合を治療すると、上顎骨も前方へ成長し顔貌もよくなります。下顎の位置が変わるだけでなく、上顎骨やその周囲の骨もいっしょに前方成長する、というのがポイントです。


BlogPaint大森術前歯





治療開始時:骨格性反対咬合。三日月様顔貌。




BlogPaint大森術後歯





3年後:上顎骨を前側方に成長させる矯正装置で治療しました。前歯の被蓋は正常。上顎骨とともに中顔面(目や鼻のあたり)が前方に成長し、バランスのよい顔貌となりました。


この前の来院時に、本人に治療開始時の顔の写真をみてもらったところ
「うわっ! これはやばかった!!」と驚いていました。
私も美人に成長してもらえてよかったと思っています。

反対咬合(受け口)は早期治療が鉄則です。
できれば乳歯列のうちに治療を開始することをおすすめします。
早期治療することで、外科矯正を回避し、顔もハンサム(美人)に成長することが期待できます。

 (※顔の写真は本人と保護者の許可を得て掲載しています。)

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2012年08月13日

開咬タイプの反対咬合治療例(骨格的要因が強いタイプ)

小児の反対咬合(うけ口)ですが、一見した時の印象とは違い、前歯の噛み合わせが浅いケース(開咬タイプ)は難症例です。
上顎前歯が舌側傾斜していないため、上顎前歯を唇側に傾斜させる治療はできません(唇側傾斜させると、ますます開咬になってしまいます)。歯の傾斜が原因の反対咬合ではないので、骨格性の反対咬合の要素が強いといえます。

また、噛み合わせが浅いということは、一時的に上顎前歯が下顎前歯より前に出ても、噛み合わせは安定しません。再び反対咬合に戻りやすいです。

前歯の噛み合わせが浅い原因としては、鼻呼吸困難と舌癖があげられます。
このタイプの人たちは、呼吸を楽にするために、安静時(特に寝ている時)に下顎や舌を前方に出してしまいます。上顎の前歯と下顎の前歯の間に舌を長時間はさんだままにしているため、上下の前歯が圧下されて噛み合わせが深くならないのです。

夕愛ちゃん寝ているときの舌開咬タイプの反対咬合患者さんの、寝ているときの口の様子です。上下の前歯の間に舌をはさんでいます。これでは前歯の噛み合わせは深くなりません。



くりかえしになりますが、前歯の噛み合わせが浅い開咬タイプの反対咬合は難症例です。上顎前歯が舌側傾斜していないため、上顎前歯を唇側に傾斜させることはできません。そのため、このタイプの治療にムーシールドやパナシールド等の装置は効きません。また、より開咬になってしまうため、リンガルアーチや床装置で上顎前歯を前方に傾斜させてもいけません。

鼻呼吸困難により治療困難になっているので、鼻呼吸を促進する矯正装置が有効です。また、骨格的な要素により反対咬合になっているので、歯だけでなく骨も動かす必要があります。具体的にはHyraxタイプの矯正装置(前側方に拡大するタイプ)とフェイスマスクによる前方牽引を行います。

とむくん初診初診時。前歯の噛み合わせ絵の浅い反対咬合。6歳児。






とむくん2011ムーシールドを使用して経過をみましたが、ほとんど効果はありませんでした。





とむくんなおったHyraxタイプの矯正装置で上顎骨(および上顎歯列)を側方と前方に拡大。同時にフェイスマスクを併用して上顎を前方に牽引しました。反対咬合は治り、前歯の噛み合わせも深くなってきました。以前よりも鼻呼吸しやすくなり口を閉じていられるようになってきたとのことでした。噛み合わせが安定してきたと判断し、経過観察に移行しました。

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2012年06月24日

2歳後半からおせんべい

乳臼歯がはえると食べることのできる食物が増えます。
通常2歳後半ならば厚いおせんべいでも食べることができるようになっています(※お子さんの発達に合わせてください。無理はしないでください)。
前歯でかぶりつくおせんべいは、おやつに最適です。
近年奥歯でしか噛まない、噛めない子供が増えています。正しくしっかり噛ませて、よい歯列とよいお顔を育成しましょう。

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2012年05月09日

長男の顔の変化

Hyraxタイプの矯正装置で上顎を拡大した長男の顔の写真と同時期の上顎の写真です。

はるき201108はるき201108歯





2011年8月。いつもというわけではないですが、ぼおっーとした表情のことが多かったです。姿勢も少し顎が上がっています(呼吸を楽にするためだと思います)。軽度の鼻炎・鼻閉と経度のアトピーがありました。



はるき201202
はるき201202歯





2012年2月。親バカかもしれませんが、この半年で少し精悍ですっきりした顔になったように感じています。軽度の鼻炎とアトピーはまだありますが、鼻閉は改善しました。夜間はほぼ常に口を閉じて(鼻呼吸で)仰向けの姿勢で眠れるようになりました。


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2012年02月07日

骨格的反対咬合の治療例

反対咬合(うけ口)には歯性の反対咬合と骨格性反対咬合があります。

歯性反対咬合は、歯の傾きを変えることで治すことができます。比較的軽症の反対咬合で、ムーシールドやパナシールド等の可撤式装置で治ることが多いです。また上顎歯列を側方に拡大することで治ることもあります。歯性反対咬合も放置していると、下顎骨が前方にどんどん成長するため骨格的反対咬合になってしまいます。

骨格性反対咬合は、歯の傾きを変えるだけでは治すことができません。ムーシールドや床装置等の矯正装置だけでは治りません。骨格にアプローチする矯正装置が必要となります。代表的装置は上顎の前方牽引装置、下顎をおさえるチンキャップです。6歳前後の小児の骨格的反対咬合のほとんどは、下顎が過大なのではなくて上顎が矮小です。そのため私は上顎前方牽引装置を使用するほうがよいと考えています。

当院での治療例です。
ゆめちゃん2010治療前の状態です。乳歯列期の骨格性反対咬合です。扁桃腺のはれも大きく、常に「ぽかん」と口が開いているお子さんです。上顎も小さく、舌癖もあり舌で下顎を押していることが疑われます。パナシールドでの治療を試しましが、全く効果がありませんでした。


ゆめちゃん12月上顎をHyraxタイプの矯正装置で拡大し、さらに前方牽引装置も使用してもらいました。約3か月で前歯の噛みあわせが変わりました。完全ではありませんが「ぽかん」と口が開いていることも減ってきました。


早期治療を逃すと、骨格性反対咬合の治療法は外科的矯正となります。
反対咬合は早期治療が鉄則です。

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2011年12月24日

床矯正で歯並びが悪くなった症例

「舌癖(ぜつへき)」というと一般的には聞きなれない言葉でしょう。舌を歯列よりも前方や側方に突出させたり、れろれろと長時間動かす癖のことです。平時に舌が歯列よりも後方にあっても、嚥下(のみこみ)時に舌を突出させるのも舌癖です。舌は筋肉なので歯列に力を及ぼします。前歯や小臼歯が圧下されてしまい、同部の歯がかみ合わなくなる「開咬」の状態になってしまいます。

舌癖の発生の原因は
”仝撞曚困難
 気道が狭く呼吸が苦しい→舌を前方にもっていって気道を広くしようとする
⊂絣椶了列が狭い
 舌を上顎におさめることができない→舌を前方または側方にもっていく
の2つが挙げられます。,鉢△倭蟯悗あります。 

床矯正での歯列の拡大は、主に歯の頬側への傾斜移動であるため,量簑蠅魏鮠辰垢襪海箸できません。鼻呼吸の改善がないまま長時間床装置(プレート)を入れたままにしておくと、口腔内の容積が減る(狭くなる)ことで舌の置き場がなくなり、余計に呼吸が困難になる場合があります。そのため床矯正することで、舌癖が発症してしまうこともあります。

舌癖を効果的に治す方法としては、Hyraxタイプの矯正装置で上顎骨をを拡大し、鼻腔も拡大することで鼻呼吸を促進させる以外にはないと考えます。鼻呼吸が困難なままで、舌拳上のトレーニングをしても効果はありません。


当院の患者さんの治療例です。
大塚Hyrax前正面大塚Hyrax前右





はじめは床矯正装置で上顎の歯列を拡大していましたが、舌癖が発症してしまいました。舌が歯列から飛び出しています。上下の前歯がかみ合わなくなってきました。夜ねている時はいびきをかいているとのことでした。このままでは開咬がひどくなっていく危険が高い判断しました。



大塚Hyrax後正面大塚Hyrax後右






大塚Hyrax装置








床矯正装置をやめて、Hyraxタイプの矯正装置に交換しました。舌を突出させる癖はなくなりました。前歯のかみ合わせも深くなりました。鼻呼吸もしやすくなりました。夜ねている時も、いびきをかかなくなり口を閉じていられるようになったそうです。正常な噛み合わせになり、呼吸の問題も改善したため経過観察に移行しました。

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