むし歯予防

2017年05月31日

フッ素洗口の安全性について

現在池田市の市立保育所では週に1回フッ素洗口が行われております。
永久歯のむし歯予防のために、小学校でもフッ素洗口ができればいいのですが、今のところ実現できていません。

フッ素は、お茶等の食品にも含まれており、自然界に存在する化学物質の1つです。
用法用量を間違えなければ安全性に問題はありません。
今回はフッ素洗口の安全性について考えてみましょう。

フッ素洗口に使用する洗口液は、もし誤飲しても急性中毒が起きない量に調整されています。
(誤飲しても急性中毒が起こる量の10分の1以下の量です。)
ちなみにフッ素洗口の口腔内残留量は、全量の10~15%程度です。

口腔内残像量を10%とすると、フッ素洗口時に摂取しているフッ素は、急性中毒が起こる量の「100分の1以下」ということになります。
「100分の1って危険じゃないの?」と思われるかもしれませんが、危険ではありません。
安全です。

フッ素と同じように自然界に存在する化学物質である「塩」(しお=塩化ナトリウム)と比較してみましょう。
塩にも実は致死量があります。
その量は意外と少なく、推定0.5g~5g/kgなのだそうです(公益財団法人日本中毒情報センターPDFによる)。
体重60圓世30g~300gということになります。
1日の塩の摂取量を10gとしても、「3倍〜30倍」の過剰摂取で死ぬんです(驚きますよね)。
私たちは毎日、致死量の30分の1(あるいは3分の1!)の塩を摂取していることになります。

塩と比較してみると、フッ素の安全性がイメージできるのではないかと思います。
過剰摂取すると問題が起こるから危険かというとそういう訳ではないですよ、ということです。

繰り返しになりますが、フッ素は食品にも含まれていて自然界に存在する物質です。
用量用法を守っていれば、安全です。









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2017年05月25日

高濃度フッ素の歯磨き剤を使うべき人

高濃度フッ素の歯磨き剤を使うべき人は、むし歯のリスクの高い人たちです。

〆までむし歯ができやすかった人
 迷わず歯磨き剤を変えましょう。もちろん食生活や歯磨きなどの習慣は見直してください。
高齢者
 唾液(つば)は歯を再石灰化させ、むし歯を予防してくれます。加齢により唾液の量が減ってくると、若いころよりもむし歯ができやすくなります。特に後述する歯根のむし歯に注意する必要があります。
C羚眄検β膤慇
 生活習慣が乱れがち(買い食いしたり、歯磨きをさぼったり)で、小学生よりもむし歯ができやすい時期です。
い燭さん薬を飲んでいる人
 たくさん薬を飲んでいる人は、唾液量が減ることが多いです。
 降圧剤、抵てんかん薬等には、唾液分泌量を減らすものがあり、むし歯のリスクが上がります。
ゥ轡А璽哀譽鷯標群などの病気がある人
 唾液量が少ないためむし歯のリスクが高いです。
歯肉が下がっている人
 歯肉が下がって歯根が露出している部分はむし歯になりやすいです。歯根は硬いエナメル質でおおわれておらず、耐酸性が弱くむし歯になりやすいです。歯周病や歯ぎしり・食いしばりで歯肉が下がってしまいます。高齢者は歯根のむし歯に注意する必要があります。若い人でも歯肉が下がっている部位がないか鏡でチェックしてみましょう。
夜間、口呼吸になってしまう人
 夜間唾液が循環しなくなるので、むし歯のリスクが上がります。
 更年期の女性は口元のゆるみが出てくるので、夜間の口呼吸が徐々に増えます。
┘僖謄シエや料理人
 味見の回数が多いとむし歯のリスクは高くなります。
 
6歳以上の小児も、高濃度フッ素の歯磨き剤を使う場合は、歯磨き剤をつけすぎないようにしましょう。


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歯磨き剤のフッ素濃度上限が変わります

日本で販売されている歯磨き剤(歯磨き粉)には通常フッ素が添加されています。
目的はもちろんむし歯の予防です。
フッ素は天然の食品にも含まれいる成分なので、(通常の用法をしていれば)安全です。
(チューブ1本の歯磨剤を丸のみしたりしてはいけません。)

フッ素濃度には上限があり、これまでは「1000ppm未満」でした。
歯科医院専用の歯磨剤も同様です。
そのため普通の(大人用の)歯磨剤はだいたい950〜990ppmのフッ素濃度に設定されてきました。
数十年の間ずっとずっとこの濃度だったのですが、最近厚生労働省による基準変更され、上限は「1500ppm」になりました。
今後、高濃度フッ素の歯磨き剤(例えばこれ)が登場することになります。

高濃度フッ素の歯磨き剤は、むし歯予防効果が高くなるので、むし歯を予防したい人は使用されたらいいですね。
ただし、基本的には大人用の製品です。
6歳未満の小児はやめておいてください。


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2013年09月22日

リステリンはそこまで強力ではない

「リステリンがバイオフィルムに浸透して〜歯肉炎・口臭などのお口のトラブルを防ぎます。」というCMをみましたが、あれは効果を誇張した表現だと私は考えています。

細菌の塊であるバイオフィルムに浸透して、バイオフィルムを破壊してくれることを連想させる表現ですが、うがい薬だけでバイオフィルムを破壊することはできません。うがい薬は基本的に、唾液中に単独で浮遊している菌の殺菌と、(ブラッシングで)キレイになった歯の表面に新たな菌の付着を防ぐ程度の効果しかありません。

何を根拠に「バイオフィルムに浸透」をうたっているのかは知りませんが、わずかな浸透しかないはずです。本当にバイオフィルムの奥深くまで浸透して殺菌してくれるのであれば、うがいだけで歯磨きはしなくていいことになりますが、そのようなことはあり得ません。排水溝のヌメヌメもバイオフィルムです。リステリンを流す程度でヌメヌメが分解されて剥がれ落ちるでしょうか? 無理ですよね。

約10年前に米国で「リステリンでうがいをすればフロスはいらない」というCMがあったのですが、これは誇大広告ということで裁判で負けています。この表現は「クロ」と判定されたわけですが、今回の日本のCMの表現もグレーだと考えます。

口の中でのバイオフィルム破壊の主手段は「物理的清掃」です。要するに歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスなどでしっかり歯面を清掃しましょう、ということです。よく清掃した後でうがい薬を用いれば多少効果はありますが、歯磨きしない人がうがい薬だけを用いてもほとんど効果はありません。ご注意ください。

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2012年01月09日

予防ムービー



歯科医師会作成の予防ムービーです。
「よ坊さん」が口と体の健康を守るために歯科的に大切なことを説明しています。
「ひと口30回噛む」というのは(お年寄りだけでなく)全世代に大切なことだと考えます。ぜひ実践してください。

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2010年04月03日

再石灰化の主役は

ロッテが矢沢永吉さん主演のキシリトールガムの宣伝で歯の再石灰化をとりあげています。「キシリトール」=「再石灰化」をイメージさせる宣伝なのですが、そのイメージは間違いです。歯の再石灰化の主役は唾液(つば)です。

唾液の働きとして
・むし歯菌が作った酸を中和し、中性にする
・唾液中のカルシウムが、酸で脱灰した(表面が溶けた)歯を再石灰化する
の2つがあります。

ガムを噛むと唾液が大量に流れるため、歯の表面が酸性から中性に戻る時間が短くなります。歯が酸にさらされている時間が短くなり、再石灰化が促進されるわけです。
「キシリトールが出てこないじゃないか」と気づかれた人はいますか?その通りです。別にキシリトールでなくても唾液さえ出れば再石灰化はおこります(砂糖はだめですよ。念のため)。リカルデントでもポスカムでもOKです。
CM中に歯にくっついていく緑色の粒子は、キシリトールを連想させますが、あれは唾液中のカルシウムだと思われます。

少し話がややこしくなりました。要するに
「歯の再石灰化の主役は唾液」
「シュガーレスガムは、歯の再石灰化を助ける」ということです。

ロッテの宣伝中に表示されている文面をもう一度よく読んで(聞いて)みましょう。
「キシリトールネオが歯の再石灰化を増強」
「矢沢いま歯の再石灰化やってます」
はい。確かに間違いではありませんね。

「オンリーキシリトール」
これは微妙。洗脳されそうな表現です。

「噛む人は強い」
これにも賛成です。


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2009年04月21日

乳歯のむし歯の影響

お子さんの乳歯のむし歯を治療した時に、お父さんお母さんから「永久歯に影響がありますか?」と聞かれることがあります。

ほとんどの場合、乳歯のむし歯が下に埋まっている永久歯に影響することはありません。C1C2なら大丈夫です。歯の神経(歯髄)に感染が及んでいないからです。少々むし歯ができたからといって心配することはありません。

しかしC3C4といった重症のむし歯の場合は違います。注意が必要です。歯の神経(歯髄)が細菌に感染しているからです。これも少々の感染ならば問題ないのですが、乳歯の根元まで病巣が拡がってしまうと、永久歯にも影響が出る場合があります。感染から逃れようとして、永久歯が変な位置に移動してしまうのです。
乳歯Perの影響









BlogPaint最近来られた患者さんのレントゲンです。埋まっている下顎の永久歯が変な向きです。その上の乳歯が細菌感染し、根に根尖病巣ができてしまったのが原因と思われます。

きれいな歯並びを育成するのには、むし歯予防もやはり大切です。

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2009年03月09日

歯磨き粉なしでも大丈夫

先日池田市の三歳児検診に行ってきました。
お母さんからの質問で意外に多かったのが「歯磨き粉の味を嫌がるのですが、歯磨き粉なしでもいいですか?」というものでした。

お子さんが歯磨き粉を嫌がる場合、歯磨き粉なしで大丈夫です。
歯磨きの目的は歯垢(=細菌と真菌)の除去ですが、歯ブラシだけで十分です。ただし茶渋などのステインが歯に残留しやすくなります。

歯磨き粉には研磨剤が入っているので、ステインを除去するのに役立ちます。研磨剤は結構硬いので、力を入れた歯磨きを続けていると歯の根元が削れてしまうこともあります。歯磨きは「こちょこちょこちょ」といった感じでやさしくしましょう。
ほとんどの歯磨き粉にはフッ素が含まれています。フッ素にはむし歯予防効果があるためです。小児用の歯磨き粉にもフッ素が含まれていますが、濃度は大人用の1/4〜1/2です。これは誤嚥を考えてのことです。

幼児の場合は歯磨き粉なしでもいいですが、永久歯(おとなの歯)が萌えてきたら歯磨き粉を使う方がいいでしょう。萌えたばかりの永久歯は弱いので、フッ素による歯質の強化が望ましいです。







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2009年02月06日

インフルエンザ予防に有効だそうです

昨日のNHK「ためしてガッテン」で放送されていましたが
口の中を清潔にしていることがインフルエンザの予防に
なるそうです。

ある介護施設では、通ってくる老人に衛生士の指導のもと
歯磨きや舌磨き等の口腔ケアに熱心に取り組んでいるの
ですが、その施設に通う老人のインフルエンザ発症数は、
口腔ケアに取り組んでいない施設の1/10ですんでいる
とのことです。

気道の粘膜はタンパク質に覆われていて、インフルエンザ
感染のバリアになっているのですが、お口の中が不衛生
だと細菌の産生する酵素によってタンパク質が壊されて
しまい、バリアのなくなった粘膜にインフルエンザが感染
してしまうそうです。

歯医者なので、患者さんに歯をよく磨くよう指導して
いますが、清潔な口にはこんなメリットもあったのですね。
知りませんでした。
歯磨きの方法は通常の方法でOKです。「歯と歯ぐきの境目」
や「歯と歯の間」を狙って、細かく横磨きで磨いて下さい。
フロス、歯間ブラシ、舌ブラシも使って下さい。

それから口の中の酵素が悪さをするのであれば、
「ガラガラうがい」をする前に「ぶくぶくうがい」をして
おくとより良いのではないでしょうか。

うがいと歯磨きでインフルエンザを予防して、元気に冬を
乗り切りましょう!

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2008年11月17日

砂糖ゼロならむし歯にならない?

砂糖の入っていないコーラはむし歯にならないでしょうか?
カロリーゼロなら大丈夫でしょうか?
ダイエットコーラ






答えは「むし歯になる」です。

コーラは酸性なので、酸で歯が溶けます。
厳密には「むし歯(う蝕)」ではなくて「酸蝕」と言います。細菌が作り出した酸で歯が溶けたのが「むし歯(う蝕)」で、飲食物等の酸でダイレクトに歯が溶けたのが「酸蝕」です。どちらにせよ歯が溶けるという不利益に変わりありません。
砂糖が入っていないジュースだからといって安心して飲むのはやめた方がいいです。飲み物はお茶かお水にしましょう。

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