2009年01月16日

今日は、観て簡単に解るブログを書きます。皆さんは、前歯の見かけを気にすることが多いと思います。もし、治療して白い歯を被せるのなら、ヒトからは直したように見えない自然な状態になる方が良いと思いませんか?

今日は、我が医院のスタンダードな前歯修復例の一例をお見せいたします。

TVを観ていても職業病か、芸能人の歯が気になります。前歯数本だけ白く目立ちすぎる不自然な歯の芸能人が意外に多いのです。解りやすく言うと、これは残っている(隣の)歯と色合わせができていない例だろうと思います。多くの患者さんは、残っている歯より白くしたがる傾向があります。しかし、部分的に歯を白くすると特に前歯の場合は、直した歯だけが不自然に白く浮き出て見えるようになってしまいます。ですから、当院ではこういった自然観に関することをご理解いただき、単に患者さんのご希望にそのまま従うことを致しません。


[ 症例 S.K. ]

この患者さんは、年齢28歳のOLで、会社でつまずいて右側中切歯を折ってしまったそうです。電話を頂いてからすぐに来院されました。


歯冠部破折・正面

正面観

中切歯が横に折れています。

歯冠部破折・咬合面観

咬合面観

写真では解りずらいのですが、中切歯の歯髄(神経)の角がわずかに露出(露髄)していました。

露髄したので、この後ラバーダム防湿の下抜髄(神経を抜く)しました。ここでは写真で記録はありませんが暫間的にコンポジットレジンで歯冠を盛り上げ、社会生活に支障がないように即日に仮修復しました。根充後は、金属コアを装着→支台歯形成→テンポラリークラウン(仮の冠)作製→シリコン印象剤で印象などしました。また、印象時に色合わせ(shade taking)も併せて行い、印象と共にラボ(技工所)に作製を依頼しました。

ラボでセラモメタルクラウン*を作製し、装着しました。

*セラモメタルクラウン=メタルボンドクラウン=陶材焼き付け鋳造冠
 金属にセラミック(瀬戸物)を焼き付けた自然観のある冠

この患者さんは、以前当院で歯周病の治療を受けていてBOP(−)であり、歯周処置を割愛できたので今回は治療の実日数が減りました。


shade taking

これが、shade taking資料の一部で使用したスライド
VITAシェードという陶材の色見本を隣在歯である左側中切歯に合わせて写真を撮っているところ。

色見本と比べて(比色して)、本物の色合いを技工士は知ることになります。優秀な技工士は、歯科医師のコメント(描写)とこういった資料でその場にいなくとも、正確な患者さんの歯の色合いを再現できるのです。

こういった仕事は、熟練した優秀な技工士とコミュニケーションをしっかりとり行う必要があります。

ラボの技工料というのはピンから切りまであります。安い技工料のラボと高いラボでは4倍ほどの違いがあります。すなわち、これは技量の差と比例します。当院の技工士は、テクニシャンとしてトップクラスの技量を持ち、技工料も一般のラボより高いのです。レベルに合う対価を頂けるよう自費単価を決定しています。


セット後 正面1/2

セット後の正面観です。


正面


右側中切歯が人工物(セラモメタルクラウン)とは解らない自然な再現性です。*表面に窓の格子が縦線で映り込んでいます

良くごらん頂きたい。横走する少し茶色がかった部分*も正確に再現しています。歯肉より1/2は少し茶色く、歯冠側1/2はより白くより透明観もあります。

私と組んでいる青木啓高・技工士は、一流のテクニックを持っているので、こういった自然な再現が可能です。私は、彼の極めて徹底した精度管理や保守的までに丁寧な姿勢が気に入り、仕事をお願いしております。また、マイクロ・スコープによるマージン部の処理・作製もルーティンで行っていただいております。(ここのラボは、レベルの高い医療機関のみ仕事を限定して行っております。)


*天然の歯は、一様な色合いから均一に出来上がっているのではなく、色の付いたシマ模様や内部での部分的着色などがあるのです。そういった特徴を自然に再現することが、こういった左右一方を補綴するときには必要になります。左右の歯の色が違う人の多くは、こういった正しい再現ができていないレベルの低い技工過程で冠が出来上がっているものと思います(概して、下手な技工士による安いモノとも言えます)。

自然観を得るなら、セラモメタル・クラウンやキャスタブル・セラミック・クラウン、オールセラミック・クラウンなどにより、上に書いたような配慮ある仕事をする歯科医院で治療する必要があります。当院ではこれを励行しています。



ですから、「安かろう、悪かろう」という考え方もある程度は本当なのです。



smile


 スマイルも自然


皆さんも、キチンとした治療をしてくれるバランスの良い歯科医師を見つけてください。


◎よく” 審美歯科 ”という言葉をお使いになる先生がいますが、私はこの言葉が余り好きではないので極力使いません。巷では、この言葉を使えば患者さんが来るのではないかと頻繁に使っている先生方が沢山おります。そういった先生の多くで、目に見えづらい大切な歯周病や歯内療法などの”保存療法”を十分に行っていない傾向が目に付くのです。さらに、審美歯科の看板を掲げてホワイトニングなど必要のない場合にも行い、実質的歯科保健とは方向の異なる治療で高額な自費治療費を受け取っていることも多いと思います。

私はそういった先生方と臨床家としての姿勢を異にしています。









(17:21)

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