大工の山崎でございます

長い歴史、日本の気候風土の中で育まれてきた伝統の木の家、建物づくり。 新潟はなかでも最も気候風土の厳しい土地だから、手間ひまかけてつくる家のよさを肌身に感じる土地柄です。 そんな中で手仕事にこだわった、大工のひとりごと。 毎日が新鮮で楽しく、今日がこれからの人生でいちばん若い日と意気込んで、日々木と向き合っています。 伝統の木の家づくりが大好きな、こだわり職人のつぶやき、ときにぼやき。すきに書かせてもらっています。    

令和の古民家を目指して、手刻み中

令和3年春、新潟市秋葉区でも田上町境に近い矢代田に新築させていただく予定の家の刻みが佳境を迎えています。
五寸柱を基本にしながら、要所に六寸柱を据えた桁高さ十八尺八寸の民家造です。


井桁梁束の加工_DSC04060
仮組みの様子
茶の間・和室_小屋組み_DSC040439
3間(5.4m)× 2間半(4.5m)の小屋仮組みを始めたところ
長さ二尺の重枘_DSC04041
柱の頭部、重枘(じゅうほぞ)を刻んだところ
長さ二尺の重枘DSC04061
仮に重枘を刻んだ仮柱に敷き桁を組んだところ。この上に梁が乗って最後に桁を乗せます。

上の写真は柱頭部に長さ2尺(約60㎝)の重枘を刻み、井桁に組んだ梁組み支えるところを、下小屋で仮組みしたものです。 組み上げた井桁梁の下には、10畳の茶の間と和室になる予定です。
「矢代田の家」のひとつの見せ場は、折置きとも言われる渡り顎(わたりあご)の構法で梁と桁を重ねてつくる茶の間天井。 完成後は豪壮な木組みが家族を見守る空間になることでしょう。


さてこちらは、丁寧な大工仕事のイロハ。 仮組みでは一度組んだ材を外すときに
枘の端部がはじけないように枘だけでなく、枘穴に面取りをしているところです。
大工としての気づき、気遣いができるかどうか?
新人二人にも職人技と共に、大工の心を学んでもらいたいと思います。
面取り加工_枘穴のはじけ止めDSC08956

枘穴面取り_DSC08957

枘入れ_DSC08958


半世紀後には「令和の民家」と呼ばれることを夢見て、こんな家づくりをしたいという方がおられたら、ぜひ新潟市江南区にある私たちの作業小屋までお尋ねください。
連絡先は、✆090-3145-4019山崎まで。

期待の若き新人を迎え、研修スタート!

この春卒業の高校3年生が早くも春休み。そして新津工業高校から迎える新人二人が、さっそく小屋に研修で通ってきています。

2021ひかりつけDSC07359

2021ひかりつけDSC07362

2021春の刻みDSC07356

写真は小屋束のひかりつけを先輩から習っているところ。 手刻みの家づくりにこそ職人の知恵や技術が培われ、育まれ、伝えられる。 そんな手ごたえと確信が取り組みの中で生まれるよろこび。 それも、何より仕事を託して下さるお客様があってこそ。 感謝しつつ、心を込めての研修スタートです。

2021春の刻みDSC07349

2021春の刻みDSC07346

日に日に寒さも和らぎお天気も安定してきた新潟。 早いところでは先週末に桜も開花したとのことですが、新潟の桜はまだあと二週間はかかるかな。 


木の含水率について(同じ木にみる数値差へのふとした疑問)

今日は木の含水率に関するお話しというか、家づくりに携わる者としてのちょっとした疑問について。

下の写真は昨年12月に新潟県北、村上市朝日村の木挽きさんから納品された木(人工乾燥をさせていない材)の含水率を図ったところ。
長さ約6.5mで、80年生ほどの杉材ですが、元口69.7%、中ほど54.8%、末口42.0%。 もちろんこれからじっくり乾燥をさせていく前提ですが、これほどまでに測る場所によって、含水率が変わるという事に改めて気づかされたものです。
長年大工をやっていて、柱の痩せやひび割れなどは、構造的にもまた収まりの点からも、恥ずかしい仕事にならぬよう気づかいしてきたわけですが、ふと思ったのは、果たして世で言う建築用木材の基準となる20%というのは、どこを測ってその数字を要求しているのだろうということです。

21尺の末口DSC05286
末口(木の上部)の含水率は、42.0%。

21尺の中間DSC05285
木の中ほど(地上おそらく4m)の含水率は、54.8%。

21尺の元口RDSC05280
木の元口(根っこに近い部分)の含水率は、69.7%。

そして今日、職人も休みの建国記念の日、ふと気になってこの春から建て方を始める予定の家の材(実は3年寝かせていました)を、さきと同様元口(根っこに近い部分)、中間(地上4mほど)、末口(木の上部)の3点で含水率を測ってみました。
すると、グリーン材ほど際立った際はなかったものの、元口36.7%、中ほど27.3%、末口26.2%と、やはり、根っこに近い元口側の含水率が高いことがわかりました。

水分計による計測0211_21尺の全体
これから刻む3年天乾の杉材で、全長約6.5m(21尺)あります。

水分計による計測0211_21尺の末口
同、末口(木の上部)の含水率は、26.2%

水分計による計測0211_21尺の中間
同、中ほど(地上おそらく4m位)の含水率は、27.3%

水分計による計測0211_21尺の元口
同、元口(根っこに近いところ)の含水率は、36.7%

数値の差こそ12月に入れた材よりも、うんと小さくなっていますが、やはり末(天)よりも元(地)の方が、重いことがわかります。

柱として使う際に、もともと木が生えていた方向と天地逆転させて使うことは、最も忌み嫌われ、またやっていはいけないこととされました。 そんな中でもし木の末元(天地)がわからなかったら、中間で吊ってみて、下がった方が元(地)、上がった方が末(天)だということは大工の常識としてやってきたわけですが、狂い(ねじれや反り)や割れのない家づくりを目指す中で国からも示されているこの含水率という課題。 乾燥方法によっては木材の強度や艶に重大な影響を及ぼすと言われながら、実はなかなか語られることのない木材の含水率。 これだけの数値の違いを前にして、改めて考えさせられています。






プロフィール

木組みの家

記事検索
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ