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2009年01月26日 23:02
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【移籍情報】今年のFC東京の補強(3)
とか何とか言ってるうちに今季の陣容が正式に発表されてしまった。これによれば新加入は平松、中村、田辺、米本の4人のみ。追加の補強があるのかもしれないが今のところエメルソンが抜けた後の外国人枠についても補強の情報はない。ピンポイントで最低限の補強となった。近藤の移籍話もいつの間にかなくなったようだ。
[新規加入]
◎正式発表済み
DF 平松大志(水戸)
MF 中村北斗(福岡)
MF 田辺草民(国学院久我山高)
MF 米本拓司(伊丹高)
[退団・移籍]
◎正式発表済み
GK 荻晃太(神戸からのレンタル終了→神戸から甲府へレンタル)
MF 森村昂太(水戸へレンタル)
MF エメルソン(未定)
FW 川口信男(引退→育成部コーチ)
[レンタル中選手の動向]
◎正式発表済み
DF 増嶋達也(京都へレンタル→京都へ完全移籍)
MF 池上礼一(草津へレンタル→刈谷へ完全移籍)
MF 鈴木健児(鳥取へレンタル→鳥取へ完全移籍)
MF 栗澤僚一(柏へレンタル→延長)
FW リチェーリ(山形へレンタル→バイーアへ完全移籍)
FW 小澤竜己(鳥取へレンタル→鳥取へ完全移籍)
来季のフォーメーションはこんな感じだろうか。
カボレ(近藤) 赤嶺(平山) 石川(鈴木)
羽生(大竹) 今野(浅利) 梶山(中村)
長友(金沢) 茂庭(平松) 佐原(ブルーノ) 徳永(藤山)
塩田(権田)
何か、かなり無理なく各ポジションに2人ずつ配置できてるような気がするんだけど。これでも椋原と小山と下田と吉本は余らせてるんだけど。あと田辺と米本も。昨季後半に固まったメンバーの連係は大事にしたいけど、いろんな選手にチャンスを与えて見てみたいし、まあ、どんなチームになるかはこれからの楽しみだろう。
あと、背番号も決まった。エース・ナンバーの「11」は引き続き欠番となり、権田が「19」から川口のつけていた「20」へ、空いた「19」は大竹がつけることになった。新加入では中村が「14」、平松が「15」、田辺が「27」、米本が「28」となったようだが、気になるのは田辺の「27」。これは栗澤の復帰を見込まないということか。他にも池上の「16」とか大竹の「30」とか空き番号はあるのにわざわざレンタル中の栗澤の「27」をつけさせるのはどういう意図なんだろう。理解に苦しむ。
さらには東京ドロンパなるマスコットも決まったようだ…。
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FC東京
2009年01月22日 23:30
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【移籍情報】今年のFC東京の補強(2)
さて、いくつか公式発表があったが、いずれも戦力外となった選手の去就に関するもので新加入のニュースは相変わらず新聞ネタも含めて出てこないようだ。
まずは小澤がレンタル先であった鳥取に完全移籍することとなった。伸び悩んだ若手がクラブを去ることは珍しくないが、スズケンにしてもコザにしても、もう少しうまく使ってやって伸ばすことはできなかったのだろうかと思う。若手選手、特に高卒選手の育成という意味では東京にはあまりいい例がないように思う。
川口は東京の育成部コーチになることが発表された。つまりは引退ということで寂しい話だが、それでも東京に残ってくれたのは有り難い。真面目でひたむきな川口の姿勢はきっとスクールで生かされることだろう。どこかで会えるかもしれない。
あと、スズタツと栗澤のレンタル延長も正式に発表があった。というか栗澤のレンタル延長は既に「正式発表済み」に入れていたが僕の勇み足だったようだ。栗澤は好きな選手で、持っているユニも27番なんだが、まあ、柏では使ってもらえてるようだし、しっかりアピールしてきて欲しい。一回り大きくなって戻ってくるなら大歓迎だし、柏から残ってくれと言われる選手になるならそれもいいだろう。影ながら見守りたい。
近藤の去就は続報がない。もうすぐキャンプも始まるがどうなっているのだろう。これで今季の人事異動は締切なのだろうか。外国人枠はどうするんだ。
[新規加入]
◎正式発表済み
DF 平松大志(水戸)
MF 中村北斗(福岡)
MF 田辺草民(国学院久我山高)
MF 米本拓司(伊丹高)
[退団・移籍]
◎正式発表済み
GK 荻晃太(神戸からのレンタル終了→神戸から甲府へレンタル)
MF 森村昂太(水戸へレンタル)
MF エメルソン(未定)
FW 川口信男(引退→育成部コーチ)
●新聞辞令
FW 近藤祐介(山形、柏、神戸)
[レンタル中選手の動向]
◎正式発表済み
DF 増嶋達也(京都へレンタル→京都へ完全移籍)
MF 池上礼一(草津へレンタル→刈谷へ完全移籍)
MF 鈴木健児(鳥取へレンタル→鳥取へ完全移籍)
MF 栗澤僚一(柏へレンタル→延長)
FW リチェーリ(山形へレンタル→バイーアへ完全移籍)
FW 小澤竜己(鳥取へレンタル→鳥取へ完全移籍)
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FC東京
2009年01月18日 17:09
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【移籍情報】今年のFC東京の補強(1)
さて、年末ギリギリまで試合があったため、移籍情報をフォローしないでいるうちに、もうだいたい移籍市場も終わりに近づいているようだ。
補強面で何より大きいのは、シーズンの成績がよくチームにまとまりがあるせいだと思うが主力の流出がほとんどないところである。契約更新しなかった選手はあるが、伊野波、馬場、ノリオが相次いで出て行き、今野の去就も最後まで揺れ動いた昨年とは異なり、他のクラブからオファーを受けた今野、赤嶺、梶山が早い時期に残留を決断、カボレも契約を延長し、今や東京にはなくてはならない戦力の佐原、鈴木もレンタルの延長が決まっている。チームの核がしっかりと防衛できたため、意図のはっきりしたピンポイントの補強となった。
尚、ユースからは2年続けて3人を昇格させていたが、今年は一人の昇格もないことになったようだ。
現状では、近藤が神戸、柏、山形からオファーを受けているとのことであり、唯一の不安要因となっている。補強面ではFWの若手か攻撃的MFがあと一人は欲しいところ。エメルソンを放出した分の外国人枠や今季から創設されたアジア枠は空いたままで、もしかしたら外国人のサプライズ補強もあるのかもしれないが、現在のところあまり情報は聞こえてこないようだ。
[新規加入]
◎正式発表済み
DF 平松大志(水戸)
MF 中村北斗(福岡)
MF 田辺草民(国学院久我山高)
MF 米本拓司(伊丹高)
[退団・移籍]
◎正式発表済み
GK 荻晃太(神戸からのレンタル終了→神戸から甲府へレンタル)
MF 森村昂太(水戸へレンタル)
MF エメルソン(未定)
FW 川口信男(未定)
●新聞辞令
FW 近藤祐介(山形、柏、神戸)
[レンタル中選手の動向]
◎正式発表済み
DF 増嶋達也(京都へレンタル→京都へ完全移籍)
MF 池上礼一(草津へレンタル→刈谷へ完全移籍)
MF 鈴木健児(鳥取へレンタル→鳥取へ完全移籍)
MF 栗澤僚一(柏へレンタル→延長)
FW リチェーリ(山形へレンタル→バイーアへ完全移籍)
FW 小澤竜己(鳥取へレンタル→未定、東京とは契約満了)
さて、ここまで確定した移籍の結果、背番号はサポ番の「12」とレンタル中選手の番号を除き以下が空き番となっている。
11、14、15、16、20、28、31
僕としては赤嶺に「11」を、鈴木に「15」あたりを付けて欲しい。中村は「14」、平松は「20」でどうか。田辺は「16」、米本は「28」か。
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FC東京
2009年01月13日 22:52
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【2008シーズン】FC東京リーグ戦レビュー(7) FW編
FWについてはまずカボレだろう。キャンプが始まってからようやく移籍の決まった前年のKリーグ得点王はシーズン当初こそなかなか思うようにゴールが生まれなかったが、爆発的なスピード、テクニック、そして巧みなポストワークやキープ、前線からの献身的な守備と、東京の躍進に大きく貢献した。シーズンが終わってみれば11得点とストライカーとしての帳尻も合わせ、塩田と並ぶ全試合出場を果たした。高く評価するべきだろう。気になるとすれば一対一でほとんどGKに当ててしまう詰めの甘さ。ゴール前での決定率をあと少し上げて欲しい。来季も残留するようで嬉しい。
さて、神戸への移籍が取り沙汰されていたが残留を決めてくれたチーム得点王赤嶺。12得点はリーグ全体でも6位、日本人だけなら京都の柳沢に次いで2位という華々しい活躍でチームを支えた。サブに甘んじる試合もあり、出場時間は決して長くはなかったが、それでこの成績は驚異的。シュート数に対する決定率では今季J1で6得点以上挙げた選手の中でもダントツの1位である。赤嶺の勝負強さが光る。
しかし、赤嶺のよさは天性の嗅覚でボールの飛んできそうなところにいつの間にか入りこみ、飛んできたボールをとにかく身体のどこかに当ててゴールに入れるという押しこみ屋であり、東京のキルステン。ただ、一方でポスト、キープ、配球は必ずしも一級品という訳ではなく、それがムービング・フットボールの中で時として赤嶺が消えてしまう理由。これだけの結果を出しながら、なぜか平山と併用されてしまうのもこの辺に原因があるのではないか。
なまじっか結果が出ているだけに、プレー・スタイルが東京の目指すサッカーに今ひとつフィットしきれないことが本人にも城福監督にもストレスになっているのではないかと思う。神戸からのオファーに赤嶺が頭を悩ませたのもそのせいではないだろうか。僕としては2年くらい前から断然赤嶺主義を唱えてきたので、今年のブレイクは本当に嬉しかった。ここは「押しこみ」以外のプレーにも磨きをかけ、だれにも文句のつけようのない不動のエースになって欲しい。
さて、平山である。今季は24試合に出場したものの、終盤にキープ要員として起用されたことも多く、得点はわずか2点にとどまった。時折根性の見えるプレーもするものの、大柄な平山が猫背で走る姿の今いち感も手伝って、どうもプレーに対する熱意が伝わってこない。これでメシを食っているのだというプロとしての責任感が感じられない。身体はデカいがまだ考え方が幼く、甘いのではないかと思う。
資質としては高いものがあり、城福監督も一定の信頼を置いて使い続けているが、これだけチャンスを与えられ、もう2年にもなるのに、これでは全然投資に見合わないし高くも売れない。もう少しFWの層が厚ければ、J2に修行に出して試合経験を積ませた方がいいのではないかと思うが、今の陣容ではそうも行かないだろう。せっかく受けたパスを必ず足許でこねて取られるのだけは何とかして欲しい。シンプルに捌いてゴール前に走るべし。
近藤はせっかく神戸から復帰したものの、ケガもありほとんど活躍できなかった。山形、柏、神戸からオファーがあるようだがどうするのか。僕としてはもう一年東京でがんばってみて欲しいと思う。ここでダメなままよそへ行って、もちろんそれで道が拓けることもあるだろうが、自分を高く売るにはここできちんと結果を出してからでも遅くはない。近藤の強引なプレー・スタイルは東京の中では貴重なものなのだ。
もし仮に近藤が移籍するとしたらFWは明らかにコマ不足。即戦力の補強が必要だ。エメルソンの枠をここで使うのか。京都を切られた田原とかどうかな。浦和の永井も欲しかったけど清水に取られたし。
近藤が残留したとしても、FWには若い選手がいない。その意味ではコザを切ったのは理解し難かった。伸びしろがもうないとの判断なのだろうか。ユースからの昇格もなく(岩渕はダメなのか)、カボレ+赤嶺、平山、近藤の次がだれもいないのはちょっと背中が寒いような気がする。補強のニュースを待ちたいが、今のところ特に名前も出ていないようだ。
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FC東京
2009年01月12日 23:13
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【高校サッカー】鹿児島城西×広島皆実
三連休の最終日、特に予定もなかったので高校サッカーの決勝を見るために国立競技場まで足を運んだ。田邉草民のいる国学院久我山が決勝に残っていないのが残念だが、来季から鹿島に加わる大迫を見ておくのも悪くない。寒そうだが天気も悪くないし、何より国立なら自宅から1時間弱で行けるし。
キックオフの1時間前くらいに現場到着。この時点では観客は6〜7割程度の入り。バックスタンドの中央部は指定、その両脇は両方の学校の応援席に割り当てられているので、バックスタンドの上層、平日夜のJリーグの試合ではふだん開放されないエリアの広島よりに陣取った。ピッチはかなり遠いが俯瞰はばっちり。
客層も雰囲気もふだんのJリーグの試合とはかなり違う。応援団がバックスタンドに陣取るため、ゴール裏は「一般の」お客さんで全然静かなのがすごく違和感ある。試合前のピッチ練習もなし(もう終わっていたのか?)。
寒いなあ、早く始まらないかなあと思いながらキックオフを待っていると、天気がよいどころか雪がちらつき始めた。遠くの空は明るく晴れているのに、代々木から千駄ヶ谷の上空だけを黒い雲が覆い、パラパラと雪というよりは細かい雹か霰のようなものが降ってくる。試合中も特に前半は結構激しく降ったりして、ベンチコートのフードをすっぽりかぶっていた。
試合前にはいきものがかりの皆さんが登場して大会テーマソングを熱唱。男子メンバーは一応ギターを持っていたがどう聴いても演奏はカラオケで、寒い中、現物ありのエアギターはご苦労なことだと思った。ボーカルが生かどうかはちょっと判別できなかったが、生なら見事な歌唱力だと思った。本物は豆粒みたいに小さくしか見えず、結局大画面を見ていたのでテレビでみるのと大差なかった。この頃にはスタンドもほぼ満員。
さて、試合は既に各メディアで報じられているとおり3-2で広島が快勝。大迫を見に来ていた人も多かったと思うが、内容的には完全に広島の試合で、アグレッシブなパスカットから中盤でボールを繋ぎ、パス交換から敵DFを崩してゴール前に侵入する魅力的なサッカーを展開した。特に左サイドからの仕掛けが効果的で、得点は3点にとどまったが、それ以上の実力差があった。
鹿児島は20分に大迫が大会記録となる今大会10得点目を挙げて先制したが直後の23分に失点、33分には広島が2点目を挙げて逆転した。
後半に入ると鹿児島が修正、広島も運動量の多いサッカーの疲れが出たのか微妙にパスがずれ始め、鹿児島が中盤でボールを奪うシーンも増え始めるが、鹿児島はそこからの攻め手がない。結局大迫に預けるしか打開策がなく、62分にいったん追いついたものの、またしてもその直後の66分に突き放された。
大迫はさすがに迫力があり、ボールを持てば必ずフィニッシュまで持って行く力があるし、テクニック、スピード、パワーを兼ね備えてはいるが、今日は広島がよく動きボールを支配したことから、鹿児島は組織的なビルドアップができず、ロングボールを大迫めがけて放り込むクソサッカーにならざるを得なかった。後半には若干修正したものの広島の集中した守備にフィニッシュまでなかなか持ち込めず、結果的には大迫頼みと言われても仕方のない試合だった。
広島はしっかりとボールを繋ぎ、その間にFWや攻撃的MFがスペースへ走り出すという戦術が徹底していて、見ていても面白かった。いただけなかったのは終盤、まだ5分以上を残しながら敵コーナー近くでのキープに入り始めたこと。勝利を目前にしてキープで時間を使うこと自体は構わないが、鹿児島は大迫という絶対的なエースがおり、ワンプレー、ワンチャンスで得点することのできるチーム。こうしたチームを相手に10分近くをキープで費やすことは現実的でない。最後までしっかり攻め、シュートで終わる攻撃を選択した方が結果的にリスクも少なかったのではないだろうか。
後半になると雲が切れ、雹もやんで西日がまぶしい状態になった。鹿児島は後半の最初の30分を、GKが西日と向かい合いながら守ることになってしまった。この日、キックオフ時にフィールド・チェンジがあった。前半のキックオフは広島だったので、鹿児島がコイントスに勝ってフィールド・チェンジを選択したことになるが、そのせいで鹿児島は日が出た後半に不利なハーフで戦うことになったのだった。天気予報と空模様を見ればいずれ雲が晴れ日が照ることも十分予想された訳で、太陽が低くなる後半に西日が目に入るハーフを選んだのは結果として失敗だったのではないか。
この日の観客は4万人。帰りはコンコースもスロープも人で埋まる混雑になったので、ものは試しで副都心線の北参道駅まで歩いたらガラガラだった。距離的にはややあるが、外苑前駅から銀座線に乗ると渋谷に出てしまうし、千駄ヶ谷駅と国立競技場駅はババ混みだし、副都心線は結構狙い目かもしれない。でも、北参道駅まで歩くなら代々木駅まで歩いても同じような気はする。まあ、埼スタやら日立台に行くことを思えばこれくらいの距離を歩くのは何でもない。
最後は天気もよくなったし、寒かったが面白い試合だった。大迫はよかった。鹿島はいい採用をした。
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2009年01月10日 22:06
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【2008シーズン】FC東京リーグ戦レビュー(6) MF編(2)
攻撃的MFを見れば、今年は羽生の移籍が大きかった。羽生はムービング・フットボールのいわばお手本として、パスを出して走る、斜めに走る、ひたむきに走る、考えて走る、常に走る、文字通り走ることによって東京を教育してくれた。他の選手がその域にまで達していなくて羽生の動きが無駄走りに終わることも多かったが、ともかく羽生は東京に新しいスタンダードを示した。得点は1点に終わったが、羽生の1年は高く評価しなければならない。
もう一人の要として活躍したのがエメルソンだった。中盤で突っかけるエメルソンのドリブルははまれば効果的で、特にカボレとのコンビネーションで何度も好機を演出した。しかし次第に持ち過ぎの傾向が出始め、チャンスにうかつなボールの失い方から一気にピンチに陥ることも多く、シーズン終盤は石川の復調もあってポジションを失った。東京の中盤の外国人としてはケリー以来の人材だと思ったが、クラブとしては今季限りと判断した。微妙ではあるが理解はできる判断だ。
エメに代わってシーズン終盤、尻上がりにフィットしたのが石川だ。石川はやはり東京の核になるべき選手のひとり。右サイドを主戦場に、タッチライン際を駆け上がってのクロス、切れこんでのシュート、スピードを生かしたプレーは激化した競争の中で一段磨かれた。クロスの精度をもう少しだけ上げて欲しいが、石川がピッチを駆けまわっていると、東京の試合を見に来たという実感がある。来季も中軸の一人としての活躍を期待している。
このポジションで今年ブレイクしたのは大竹だろう。ユース昇格1年目だが開幕からメンバーに抜擢され、主にサブとして巧みなボールさばきと思いきりのいい積極的なプレーで一躍注目の的になった。シーズン半ばには研究され力を出せない時期もあったが、そこからも脱することができたのではないか。来季は中盤の核の一人として、先発フル出場できるように、また守備でも貢献できるように力をつけて欲しい。大竹が先発で出られれば、東京の弱点であるプレース・キックを大きな武器にできる。
さらに、シーズン中に柏からレンタルで獲得した鈴木も「当たり」だった。プレー・スタイルは(外貌も)石川と似たところがあるが、より「切り込んでシュート」のイメージが強い。ゴール前での踏ん張りも効く。エメと同じく粘ってボールを失うこともあるが、得点への執着があり、短期間でチームにとっても大きな存在になった。来季はシーズン当初からの活躍が期待できる。
新加入としては高卒新人だが高校サッカーで話題になった田辺草民がいる。プロでいきなり通用するかどうかはともかく、前評判は高いようだ。プレーにムラがあるとの評価もあり、まずはどこまでやれるか見てみなければならないが、楽しみな選手のひとりだ。
補強としては現在のところエメの後釜が空席になっている。羽生、石川、大竹、鈴木に田辺という顔ぶれは悪くないが、エメの他に、このポジションで起用されることもあった川口を放出しており、森村もレンタルで出したので、本来ならばここにもう一人欲しいところ。外国人枠を使うなら京都を退団したフェルナンジーニョとかどうだろう。大竹の先発起用を見込むならサブで決定的な働きのできる人材の補強は必要だと思う。田辺を即戦力と評価しているか、あるいは北斗の前目での起用も見込んでいるのだろうか。
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FC東京
2009年01月10日 00:28
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【2008シーズン】FC東京リーグ戦レビュー(5) MF編(1)
今季の東京は布陣も起用もかなり流動的だったのでまとめるのが難しいのだが、MFは2回に分け、今回は主に守備的なMFについてレビューすることにする。
このポジションではまず今野と梶山が中心だったと言っていい。特に梶山は進境著しく、中盤の底に陣取り、ムービング・フットボールの要としてボールを前後左右に捌く役割を果たした。今季から背番号も10番をもらい、好不調の波もなくなってコンスタントに高いパフォーマンスを見せた。オリンピック代表などで抜けることも多かったが、それも梶山の存在感の大きさを際立たせた。
今野はどうだっただろう。正直、今野は今季の東京の中で今ひとつ不完全燃焼の感があったのではないだろうか。シーズン当初こそ立て続けにゴールを挙げたが、その後は特に攻撃参加の点であまり姿が見えなかった。もちろん、梶山とのコンビでバランスを取って残ることも多く、またボール奪取では相変わらず高い能力を見せたが、ここ一番で「なぜそこに今野がいるのか」という魔法のような押し込みは見られなかった。
問題はやはり梶山と今野のコンビネーションにあるのではないだろうか。梶山は巧みなパス・センスで攻撃の起点となるタイプだし、今野もチャンスに対する鋭い嗅覚でここぞというときには上がりたい人だ。どちらも割り切って守備に徹する人と組んでこそ光るのであり、梶山と今野ではどちらにもストレスが残るのではないかと思う。今季の今野が今ひとつ精彩を欠いたのはその辺りに理由があるのではないか。
この意味では浅利の存在は大きかった。割り切って守備に徹する浅利がバランスを取ることで梶山も今野もチャンスには思いきって上がることができる。浅利が今季25試合に出場し、プレー時間でチーム11位となったのも、城福監督が浅利のこうした役割を評価したからに他ならない。
だが、いつまでもこの役割を浅利一人に負わせている訳にも行かないだろう。栗澤は柏にレンタルしてしまったし、池上は刈谷に譲ってしまった。来季このポジションに戦力として期待するのは、SB編でも紹介した中村北斗、成長を期待したいのはU20代表の下田だ。新加入の米本も楽しみ。
ケガのため出場は2試合にとどまったが、ブルーノ・クアドロスは面白かった。来季はコンスタントなこの人を見てみたい。また金沢のボランチも悪くなかった。羽生がボランチに入ることもあったが、羽生はやはり前線で自由に走り回っていて欲しい。
結局、来季も今野、梶山をメインで行くしかなく、役割分担には引き続き頭を悩ませることになりそうな気がする。ここに中村がどう絡むか、ブルーノは果たして残留してケガも癒えるのか。下田の成長も鍵だ。城福監督には今野と梶山の関係をきっちり整理して欲しいところだ。
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FC東京
2009年01月06日 23:19
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【2008シーズン】FC東京リーグ戦レビュー(4) SB編
SBに関しては長友を抜きに語ることはできない。この男の開幕当初からの活躍は正直目を見張るものがあった。金沢の定位置と思われていた左SBのポジションを開幕から勝ち取り、時に徳永と左右を交換したりしながらもシーズンを通じて働き、その上オリンピックに出たと思ったらそのままフル代表にも招集されてそこでもレギュラー・ポジションをつかんでしまった。
金沢を見る機会が減ったのは残念だが、長友の働きは今季の大きなポイントのひとつだった。チャンスと見れば一目散にサイドライン際を駆け上がる姿の爽快さ、削られても容易には倒れず、激しいボール争いの末に敵を置き去りにして敵ゴールに向かって一直線にドリブルを始めるときのカッコよさ、驚異的な運動量と決して諦めないボールへの食いつきは、たまにうかつなパスで敵にボールを献上する点を割り引いても確かに代表クラスだ。
そうしたフットボーラーとしての実力の他にも、常に謙虚さと前向きさとユーモアを忘れない姿勢も素晴らしい。新聞やウェブで長友のコメントを読むたびに僕はいつも泣きそうになる。背が小さく顔が不細工なのもいい。長友が東京に来てくれたのは本当にラッキーだった。この陽性の才能は東京の宝だ。大事にしなければならない。
一方の徳永も今季は悪くなかった。長友が攻撃参加する分、自重して残ることも多いが、ここぞというときの上がり、中央への切れこみと、質の高いプレーを見せてくれた。敵からプレッシャーを受けた状態でボールを持たされてしまい、サイドで奪われることも多かったが、あれは徳永だけの責任でもないのではないかと思う。原、ガーロ、倉又、城福と歴代監督が(他に選択肢があまりないという事情はあるにせよ)徳永を使い続けていることからも、その実力は推して知るべし。来季は代表を目指してプレーの質、精度をあと一段階引き上げて欲しい。
今季はこの二人を軸に、ケガや出場停止の穴を金沢で埋めるという起用法が定着、成果を残した。フッキ対策として椋原を起用したこともあったが、シーズン後半は左・長友、右・徳永のコンビが確立されたと言っていいだろう。
来季に向けては、金沢の他にもう一人、SBをこなせるバックアップが必要だが、このポジションには福岡の中村北斗が来てくれそうだ。金沢の年齢的な衰えやケガのリスクを考えれば、ここに北斗が加わる安心感は大きい。また、この競争の中で小山、椋原も成長するだろう。僕としては小山がこのポジション争いに割って入り、ブレイクすることを期待したい。
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FC東京
2009年01月03日 21:24
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【2008シーズン】FC東京リーグ戦レビュー(3) CB編
FC東京は原監督時代からずっと4バックで戦っているが、両SBが機動的に攻撃参加することが前提になっているので、守備については当然ながら2人のCBが要になる。ところが、シーズン序盤、CBはなかなか固定しなかった。茂庭、佐原、藤山に吉本を加えた組み合わせを模索していたと言っていい。その原因は茂庭の調子が上がらずケガもあって計算できなかったこと、ブルーノ・クアドロスもケガで出遅れたことだった。
この時期、東京の守備を支えたのはベテランの藤山だった。素晴らしい読みで敵のパスをインターセプトするアグレッシブな守備は藤山の真骨頂であり、この時期の藤山の奮闘がチームの躍進の原動力となった。
しかし、守備のユーティリティである藤山をCBとして先発させてしまうとDFのバックアップは非常に手薄になる。藤山の先発フル稼働はあくまでスクランブルであり、やはり本職のCBコンビを固定することは必要であった。ケガが治ってもなかなか調子の上がらなかった茂庭であったが、8月からようやくパフォーマンスが上がり始め、人に強くスピードのある茂庭が復活、シーズン後半に至って佐原とのコンビが固定した。
佐原が空中戦でハイボールを跳ね返し、茂庭がカバーリングとライン・コントロールを担当するという分担は明確。シーズンを通じて46失点は決して評価できる数字ではないが、佐原は来季もレンタルを延長して東京に残留することが決まっており、開幕から茂庭・佐原を固定することでコンビネーションは上がってくるはず。茂庭もジャーンの移籍以来定まらなかったパートナーを得てようやく本領を発揮できるだろう。佐原のレンタル延長は大きな補強だった。
問題はこの2人のバックアップであり、それがいきなり藤山では心許ない。藤山は守備のユーティリティとして非常時に備えるべきであり、CBには最低でももう一人、専門のバックアップが必要だ。本来なら吉本の成長を期待したいところだが、ここに補強として水戸から平松を獲得したことは評価できる。平松のプレーは直接見たことはないが、J2でしっかり試合経験のある若いCBの獲得は大きい。茂庭・佐原+平松を中心に、吉本の成長を待つという考え方でいいのではないか。
城福構想ではブルーノはCBよりはボランチ要員、増嶋は京都にパクられる可能性が高いのではないかと思われる。佐原のレンタル延長、平松の獲得で一応の布陣は固まった。あとは吉本がブレイクするのを待つだけだ。
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